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自作アプリを面接に持っていったら、転職活動の質ががらりと変わった

転職者プロフィール

GMOインターネット
システム本部サービス 開発部 ドメインチーム 大野喬史さん (2011年6月入社/31歳)
【仕事内容】
受託開発のSE、Webディレクター
大手ソフトウェア開発会社→Web制作会社→SIer。

Webサービスのエンジニア
ドメイン名取得・維持・管理サービス『お名前.com』のバックエンド側システム担当。

受託エンジニア→GMOインターネットへの転職

転職活動では経歴やスキルだけでなく、面接時に印象的な自己PRができるか否かが、合否を分ける重要なポイントとなる。

他の応募者と同じような自己PRをしていては、差をつけにくい。

今回紹介する大野喬史さんは、転職活動の際に、他のエンジニアとは違う、オリジナリティにあふれる自己PRを展開し、見事にキャリアアップのための転職を果たしたエンジニアだ。

現在は、GMOインターネットで、「お名前.com」のバックエンドシステムを担当するエンジニアとして活躍している。

「書類だけでは他の人のアピールと同じになってしまう。だから短時間で自分のことを知ってもらう最良の方法でアピールしようと思ったのです」

大野さんが実践したアピールとはどのようなものだったのか? 詳細を聞いた。

「自社サービスを持つ企業で仕事がしたい」30歳を前に転職を考える

大野さんはGMOインターネットに入るまでに、2回の転職を経験している。専門学校を卒業後、大手ソフトウェア開発企業にプログラマとして入社した。その後、2007年にはWeb制作企業に転職し、Webディレクター・プログラマとして受託開発をメインに行っていた。

2009年には、クラウドやスマートフォンなどを扱うSI企業に転職。そこでスマートフォンに興味を持ち、Androidアプリの開発にも携わった。

そんな大野さんが、今回の転職を思い立ったのは、2010年10月頃のことである。

自分は今後、エンジニアとしてどのようにキャリアを伸ばしたいのか――。そう考えた時、大野さんは「自らサービスを企画し、開発もできる仕事がしたい」という結論に至った。

「良い転職先があればくらいの気持ちで、まずは転職エージェントサービスに登録しました。もうすぐ30歳になる、ということも、自分の今後を考えるきっかけとなりました」

当時、大野さんは仕様書であらかじめ決められているものを作る仕事がほとんどだったが、「こう工夫すれば、もっといいものができるのに」と思うことが少なくなかったという。

「自ら企画し、開発できる環境に行きたい」という思いから、自社サービスを持つ企業を中心に転職活動を進めていった。「30社ほど面接を受けた」という大野さんは、コスメ・美容総合サイト、SNSサービス、価格比較サイト、グルメ情報検索サイトの運営企業など、幅広い企業を視野に入れていた。

GMOインターネットについては、ドメイン登録サービスの日本最大手「お名前.com」の運営企業として知っていた。大野さん自身がユーザーであったため、最初から転職先の候補として考慮はしていたという。

「短時間で自分を知ってもらう最良の方法」を考えた

「面接を受け始めてから最初の1カ月間は、特別なことをせず、普通に面接に臨んでいました」という大野さん。しかし、何度も面接に臨むうちに、「自分が面接官だったら、自分は印象に残る人材に写るだろうか?」と考えるようになった。

面接の短い時間の中では、経験やスキルをいくら言葉で説明しても、それが他の応募者よりも優れていると企業側は判断できない。どれも大差ないように見えるのなら、どうすればもっと自分をアピールできるのか――。

そこで大野さんは、仕事の合間を見つけて、Androidアプリを自作し、面接で見せるようにした。Twitterのサービスと連携し、クラウド環境を利用したアプリで、クラウド環境の構築にはAmazonのEC2を利用した。「クラウド環境も使える」「新しい技術に挑戦している」ことをアピールするための技術選定である。

「アプリを見れば、現在の自分の技術スキルを端的に示せると同時に、これからやりたいことも、面接官にすぐに理解してもらえると考えました」

実際に面接でアプリを披露するようにしてからは、面接官の反応が大きく変わった。技術スキル面についての言葉による説明の多くは不要になった。さらに大野さんの方も、自分の作品を見せることで、面接官の関心度合いを見極め、転職先を絞り込むようになった。

「興味があるかないか、どう質問してくるかは、企業によってさまざまでした。GMOインターネットの面接官が、最も大きな関心を示してくれました」

大野さんの取り組みは、それだけでは終わらない。

「実は、GMOインターネットの2次面接では『お名前.com』の競合サービスを調べ上げ、それぞれのサービスの長所と短所を比較し、自分なりのサービス提案をまとめて持っていきました。さらに、そこから浮き彫りになった既存サービスの課題も指摘しました」

なんとも大胆な行動だが、これにはWebディレクター時代の経験が役立った。クライアントのビジネスを調べ、現状の課題を見つけ出し、WebサイトやWebシステムというソリューションに落とし込んでいく上流工程のスキルやプレゼン能力を発揮したわけだ。いくら「プレゼン能力や課題発見のスキルがあります」と書類で書いても伝わりにくいが、このプレゼンは、スキルを一瞬でアピールできるものだった。

決め手は「この人たちと仕事をしたい」という強い思い

GMOインターネットから内定が出る前に、すでに複数社から内定が出ていた大野さんだが、それらをすべて断り、同社を選んだ。その決め手になったのは「面接官の印象」だという。

自作アプリを見せたときに関心を示してくれただけでなく、同社の面接官は、そのスキルを生かして同社のより良いサービスを作るにはどうすればよいかを、その場で一緒になって考えてくれたという。

「その時、この人たちと一緒に仕事をしたいと強く思いました。入社してみたら、その面接官が直属のマネージャだったので、うれしかったことを覚えています」

現在は『お名前.com』バックエンド側システムの日々の運用、機能の追加・修正などを担当しているが、新規サービス企画のためのディスカッションにも積極的に参加しているという。

「GMOインターネットグループの開発業務は外部に委託せず、すべて内製です。なので、意思決定までのタイムラグが短く、意思疎通をしやすいですね。これまでの受託開発とはまったく環境が違うので、とても仕事が楽しいです」

オフィスは、事業部と開発部が同じフロアにあり、その真ん中にミーティングスペースがあるため、何かあればすぐに打ち合わせができるという環境も、仕事のしやすさとスピードにつながっている。

転職前は1つのプロジェクトのスパンが3カ月~半年だったものが、現在は平均して2日~1週間程度、長くても1カ月程度という短さになった。プロジェクト自体も、あらかじめ仕様を固めてからスタートするばかりではなく「こういうもの作れないかな?」という、ちょっとした相談レベルから本格的な作り込みが始まることもある。前職とはまったく異なるプロジェクトの進め方は、大野さんにとってとても良い経験になっているようだ。

「相談された時にすぐに形にできるように、普段からいろいろなアイデアを出し、ストックしておくようになりました」

今後はスマホ向けのシステム開発に携わりたい

ドメインサービスにおいて国内トップシェア、gTLDにいたっては80%以上のシェアを占める「お名前.com」は、顧客数も多く、管理するデータも膨大なものになる。そのため、バッチ処理のような、大容量のデータ処理に関するノウハウを習得する機会も得た。

  • gTLD(ジェネリックトップレベルドメイン)」:一般的な利用を目的として使用されるドメイン名で、代表的なものは.com/.net/.orgなど。

「前職ではこれほど大量なデータを扱ったことがなかったので、とても勉強になりました」

そんな大野さんのこれからの目標は何だろうか。

「今はWebアプリケーションシステムに注力していますが、今後はスマートフォン向けのシステム開発を手掛けたいです。まずは既存の社内用ツールをスマートフォンに対応させ、その後は、お客様向けのサービスもスマートフォンに対応させていきたいと考えています」

また、ホスティングサービスやドメイン認証サービスなど、GMOインターネットグループ内の他のサービスとの連携についても、さまざまなアイデアを出し、新たなサービス企画を打ち出していきたいという。

「自分からサービスのアイデアを出し、開発までをトータルに手掛けたい」という大野さんの転職目的は、すべてのサービスを社内で内製化するGMOインターネットグループという絶好の環境で、見事に達成されようとしている。

人事に聞く、大野さんの評価ポイント

大野さんが応募してきた時期は、ちょうど当社でもクラウドサービスやスマートフォンのビジネスを立ち上げていた時期で、スマートフォンと組み合わせたより良いサービスが提供できないかと、社内の至るところで盛んにリサーチしている時期でもありました。

そのような中、自作アプリだけでなく、当社のサービスまできちんと分析してきた大野さんは、クラウドやスマートフォンを活用して当社のサービス価値向上を実現できる人材であると確信しました。

自作アプリを面接で見せるという発想自体は、多くの人が持つかもしれませんが、それを実践する行動力を特に評価しています。

また、大野さんの面接を担当した面接官は、自身もエンジニアとして活躍するマネージャということもあり、大野さんの自己PRに込められた熱意を、きちんと受けとめることができたのだと思います。

「お客さまにナンバーワンのサービスを提供する」という課題解決には、役職に関係なく、すべての人が一緒になってアイデアを出し合うというのは当社の社風です。その社風が大野さんに響いたとすれば、それはとても喜ばしいことです。

※企画・制作:@IT自分戦略研究所編集部
※JOB@ITの記事(2012年10月)に再編集を加えて掲載しています。

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