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本音を言えば「急ぎたかった」――焦りをバネに学び続けたエンジニア、34歳の決断

転職者プロフィール

セカイラボ・ピーティイー・リミテッド
ビジネスディレクター
宇野智之さん
(2015年1月入社/35歳)
【転職前】
大手SIerにて、プロジェクトマネジャーとして組み込み系を中心に数々のプロジェクトを担当。在職中にMBA取得

【転職後】
セカイラボにて、海外の開発チームと日本のクライアントの間に立ってプロジェクトを運営するブリッジエンジニア。1~2カ月に一度は海外開発拠点に赴く。社内女子からの人気ナンバーワン

専攻は化学、しかし就職先に選んだのはIT業界

「常に新しい技術が生まれ、学び続けなければならない業界。学生時代の専攻が異なっていても、学ぶことでキャッチアップできるはずだし、そこにチャンスがあると考え、IT業界に飛び込みました」と語るのは、「ブリッジエンジニア」としてグローバルクラウドソーシング企業「セカイラボ」で働く、宇野智之さんだ。

アジア圏に点在するエンジニア集団をとりまとめ、日本のクライアントとの間に立って開発を進めることがミッション。海外出張も多く、コミュニケーションスキルを活用するプロジェクトマネジャーとして活躍している。

順風満帆に見える経歴を持つ宇野さんだが、その裏には常に「焦り」があるという。消えることのない「焦燥感」の正体は何なのだろうか。

早く一人前になりたい

大学時代は化学を専攻していた宇野さんは、卒業後、専門とはやや離れたITの世界に入る。常に新しい技術が更新され、市場も十分に大きい。学び続けることで自分にもチャンスがあるはずだ――そう考えたのが、ITを目指した理由だと宇野さんは語る。

2003年に大手SI企業に就職。入社後しばらくして、最初の焦燥感が宇野さんを襲う。

「技術系出身ではないので、マネジメントのサポート系の仕事が多かったのですが、それでは技術が身に付かないように感じました。成長の実感がないまま時が進むのが一番怖かったんです」

「ITの世界で生きていくための技術を身に付けたくて、プログラミングの経験を積めるプロジェクトに入りたい」と先輩に相談した宇野さんは、「じゃあ、基礎ができることを証明してごらん」とのアドバイスを受け、終業後にC++でWindowsアプリを作ってアピールし、開発プロジェクトにアサインされた。

その後、プログラマーとして組み込み開発やwindowsアプリケーション開発などに携わり、希望していた技術者としてのキャリアをまい進することとなった。

自らの努力で勝ち得た希望のキャリア。しかし宇野さんは、満たされない思いをずっと抱いていたという。

転職のきっかけは

思いの正体は「焦り」だった。

技術者としてのキャリアを積めば積むほど、「周りと同じことをしていても、差別化できない」と考えるようになった宇野さんは「では、誰もやりたがらないことを狙おう」と決心する。

エンジニア志望の社員が多い会社であったためか、責任の重いプロジェクトマネジャーを希望する人は少なかった。リスクの高い案件ではなおさらだ。こういったポジションに積極的に手を挙げ、チャンスにつなげようと考えた。

将来への「不安」もあった。

受託企業は発注先に依存している、会社員は勤め先に依存している。「他社に依存したビジネス、会社に依存した生き方は不安だ」と感じた宇野さんは、「自らビジネスを作り出す力が欲しい」と考えるようになった。

そして宇野さんは、専門分野を「IT×ビジネス」へ定め舵を切る。平日昼間はプロジェクトマネジャーとしてバリバリと働きつつ、週末や夜間を利用してビジネススクールに通い始めた。まずは英語、そしてMBA(Master of Business Administration 経営学修士)へ。

自らの幅を広げたいと学び始めた英語。その学習過程で宇野さんは、自分の新たな可能性に気が付いたという。「当たり前のことですが『勉強すればできるようになる』と分かりました。英語の学習で継続して勉強できる自信が付いたので、次はMBAに挑戦しました」。

ビジネスの仕組みを把握しMBAを取得する過程では、グローバルを視野に入れた方がチャンスをつかめるという考えに至った。

「日本だけに閉じこもっていると、そのうち調子が悪くなることは明らかです。長期的に考えると、アジアの市場は大きく伸びるはず。ならばそちらに自分のキャリアを向けたいと思いました」

「英語を勉強中であり、それを生かした仕事がしたい」と上司にアピールした。そして、講習終了のタイミングで、台湾のハードウエアベンダーと合同のプロジェクトにアサインされた。

初めての海外企業とのプロジェクトで良い感触を得た宇野さんは、もっと海外で仕事をしたい、もっと海外との仕事をしたいと思ったという。しかし日本国内向けのビジネスが中心の会社には、常時グローバルな仕事があるわけではなかった。

「グローバルなビジネスを強化する環境を自ら積極的に作っていくこともできたとは思います。でも本音を言えば『急ぎたかった』。大きな会社は何でもできるけれど、何をするにも時間がかかります。当時、自分は34歳でしたので、そこから大きな企業の仕組みを変えていては遅過ぎる。転職したかったというより、経験を積みたいと思った結果が転職でした」

英語を使い、海外のメンバーと一緒に成長できる場所を見つける

現在、宇野さんはセカイラボで、ブリッジエンジニアとして働いている。

セカイラボは2014年に発足、海外エンジニアによるオフショア開発を日本語で依頼するグローバルクラウドソーシングを提供する。顧客と現地エンジニアグループとの間を取り持つのが、宇野さんのようなブリッジエンジニアだ。

ブリッジエンジニアならではの苦労もある。

「翻訳を介すことによる時間のロスや離れた拠点間でのミスコミュニケーションなどは避けられません。これらを改善できるような仕組みを作っていきたいです」

これからも続く「焦り」と「学び」

「転職の一番の障壁は、家族の理解でした。家族は大手企業からベンチャーに転職することに不安を感じていたので、『これからの時代は、安定は自らの実力で担保するもので、大企業だから安定なんてことはない』と説明したのですが、なかなか理解されませんでした。そうしたら、社長(セカイラボ代表取締役CEOの鮄川宏樹氏)が直接家族を説得してくれました」と宇野さんは振り返る。

「社長の話すビジョンが私が話した内容と同じだったこと、そして『目を見て話してくれた』社長の誠実さを感じてくれたようです」。実は、給与面では前職よりも下がったそうだが「将来のことを考えたら、いったん下げてでも上がる可能性のある方に身を投じた方が良い」と宇野さんは話す。「家族が一番大切です。でも、自分が正しいと思うこと、家族のためになるはずだと信じていることを、家族の反対に合わせて曲げるのは、最終的には家族のためじゃないと思います」。

学び続けてきた宇野さんだが、「いまはアウトプットの時期」と語る。これまでの勉強の成果をセカイラボの各種プロジェクトで発揮している。「おそらく、またインプットの時期がくるとは思います。勉強は成長するための手段、大好きとまでは思いませんが、楽しい。学ぶことで自分の武器を強化できます」と語る。

最後に宇野さんに、ご自身の「セールスポイント」をまとめてもらった。するとすらすらと「これまで規模、国を問わないマネジメント体験をしてきたこと、協調的なチーム作りが得意、あとは語学力ですね。IT業界、実は英語を使える人は意外と多くないため、『IT×語学力』はひとつの武器になることに気が付きました」と答える。その目には自信が垣間見えた。

焦燥感や危機感がずっとある。それをバネとし、成長に変える――その繰り返しが、宇野さんの価値を高めていったのだろう。これからも、宇野さんの焦りと学びは続く。

採用マネジャー 村上有基さんに聞く、宇野さんの評価ポイント

宇野さんは、世界を舞台に、また世界の仲間と共に仕事をしたいという情熱を持って入社してきました。「多様性を活かす仕組みを創る」という弊社の企業理念に共感しジョインしてくれた彼には、われわれもカルチャーフィットを感じています。

大手Sier出身でありながら、ベンチャー的なスピード感やグローバルな環境にすぐになじみ、これまでの経験や自己研鑽(けんさん)してきた能力を存分に発揮し、成果を出してくれたので、非常に頼もしく感じたものです。現在は、具体的な案件のマネジメントから、開発や会社の仕組み作りまで、組織の運営に幅広く関わってもらっています。

若きエンジニアたちの良きロールモデルとなる仲間に出会えたことを、心からうれしく思います。

※企画・制作:@IT自分戦略研究所編集部
※@IT Specialの記事(2015年11月)に再編集を加えて掲載しています。

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