この企画は、Web業界で名を馳せる伊藤直也氏と注目企業のCTOが、

寿司を摘まみつつホンネで語り合う、かつて無かったインタビュー企画である。

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【後編】CTO不在で、開発組織改善に着手!

一休のエンジニアが語る苦悩の1年[ #naoya_sushi ]

<前編のあらすじと後編のお話>
春風が吹く中、本企画のホストである伊藤直也氏(以下「naoya」)が、寿司屋に招いたのは、naoya氏が開発組織改善プロジェクトの手伝いをしている『株式会社一休』のエンジニア、笹島祐介氏(以下「笹島」)と田中健介氏(以下「田中」)の2人。

『一休』とnaoya氏にもともと接点はなかったが、あるイベントで田中氏がnaoya氏に声をかけたことがきっかけで、『一休』の開発組織改善がスタート。順風満帆な出だしとはいかず、現場エンジニアの賛同を得られるまで苦悩の日々を過ごしながらも、GitHubの導入やデプロイの自動化などで、目に見えて組織改善がなされていき、現場の雰囲気も格段と良くなったのであった――。

⇒【前編】の記事はこちら

【後編】となる今回は、技術的課題を解決すると同時に浮かび上がる「組織・人」の問題に、『一休』はどう立ち向かっていったのか、そして、CTO不在でも、開発組織改善はできるのか?といったテーマに、naoya氏独自の視点を切り込んでいきます。日本酒も登場し、饒舌となった3人の会話はますますヒートアップしていきます。

▲後編のスタートは、日本酒で。まずは銘銘が気に入った御猪口を選びます。

改善への努力と結果が、社外でも大反響を呼び起こす!

— naoya:GitHubとか自動化とかできるようになって、田中さんが秋くらいに、とあるエンジニアのカンファレンスで「自分たちは今こうやって開発組織を改善してます」っていうスピーチをしたら、めっちゃバズったんだよね。

— 笹島:あれはすごかったw

— naoya:スライドを公開したら2万ビューくらいいったんでしょ?それくらい共感を呼んだんだよ。で、会議でそのことを訊いてみたら、ああいう檀上で技術的な発表をするっていうのは、それこそ神々の領域だと思ってたって。でも、自分がイベントに出掛けて行ってしゃべったら、わーっと反応が返ってきてびっくりしちゃったって。

— 田中:初めての経験ですからねー。

— naoya:重要なのは、そこにあんまり差がないんだよっていうこと。この連載対談でも、クックパッドとかグリーとかフリークアウトとか、有名会社の話が展開されてきたけど、世の中の多くのエンジニアがそれを見ると…

— 笹島:完全に異世界の話だと思ってました!

— naoya:そう、できてない環境にいるエンジニアは、なんてすごい会社なんだって思ってしまうだろうけど、実際にやってみると案外たいした差じゃないかもって。少し根性論かもしれないけど、やるっていう部分の精神的なハードルが高いせいで、みんな、必要以上に難しいことだと思い込んじゃってるところがあるかもしれないね。

— 田中:そうですね。僕の発表のスライドの中にも、やってみるとできることって意外と多くあると表現しているところがありますし、それこそスピーチをした後に「僕も頑張ります!」って知らない人に握手を求められたりしましたからw

— naoya:勇気づけちゃったんだw

— 笹島:いやいやホントに。GitHub入ってデプロイも自動化されて、なんだ俺たちもできるじゃん!って思いますよね、やっぱ。「田中さん、すごいじゃないですかっ!」みたいなことを、みんな言ってましたね。で、人間、それができるようになると慣れてきて、「もっと、もっと!」みたいになってるのが今。

— 田中:次は何を改善するんだ?ってね。


▲いよいよ握りが登場。まずは肝を乗せたカワハギと、梅をあしらうサヨリです。

必要以上に現状を嘆くな!――naoyaが喝を入れた真意に迫る

— naoya:よく話してたのが、『一休』の人たちは、技術的な部分があんまりうまくやれていないということを、少しコンプレックスに感じてたきらいがあって。だからこそ僕のところに改善したいって来たんだろうけど、なんだか「自分たちは何もかもすべてうまくできてない」って思い込んじゃってるみたいに見えてさ。まぁエンジニアの性なんでしょうけど。その時、僕が本当は言いたかったのは、『一休.com』って僕もユーザーだし、サービスの価値は世の中にも認められてると思うし、ビジネスとしてもうまくやってて、こんなにも社会的に意味のあるサービスを手掛けているのに、それが頭の中からすっぽり抜け落ちてて、技術的にできてないから俺たちダメだ、みたいな感じになってたってことなんだよね。

— 笹島:それはすごくありました。

— naoya:そもそも社会に対して意味のあるサービスを提供してるってことに、もっと誇りと自信を持ったほうがいいんじゃない?って話を何度もした。世の中には、手掛けているものがあまり使ってもらえないとかで悩んでいる人たちもたくさんいるんだからって。自分たちはその点で十分以上にやれてる環境にあるんだから、必要以上にコンプレックスに感じることはないって、何度も話してたんだけど。

— 笹島:naoyaさん、それをQiita:Teamにあげてくれたことあるじゃないですか。僕、その時、全然ピンとこなくて。どういうことなんだろう?って。

— naoya:みんなさぁ、ずっとさ、隣の芝生の話ばっかりしてるんだもん。で、自分たちはできてない。他の会社はこんなことができてるって。あそこの会社がこんなことやったから、僕たちもやりたいとか。それって、自分たちのこと見てないのと同じじゃない?そうじゃなくって、そもそも自分たちが素晴らしいサービスを提供できていることに自覚を持つべきだし、他人の会社のことは他人の会社のことでしかないから、自分たちの会社にちゃんと向き合いなさいって。そういう文脈を込めて、なんですけどね。

— 笹島:今ならよくわかります。

— naoya:ずっと感じてたの。『一休』で仕事をするようになって半年くらいは。で、いつか言わなきゃなぁって。でも、あんまりストレートに言うと強烈すぎるかなって思って様子見てたんだ。そしたら、自分たちの組織の文化をどう変えるかじゃなくって、他の会社はこんな文化でいいよねって、そんな話ばっかりになってきたから。でもそれって、俯瞰して見てみると、プロジェクトメンバーだけは他社を見て、いいよね、いいよねって言って盛り上がってるだけで、他のメンバーにしてみたら、アイツらまた他社の方がいいって言ってるよって見えかねないんだよ。

— 田中:そうですねー。

— naoya:自分たちの会社のこと、もっと考えようよって、絶対に思ってたと思うよ。

— 笹島:いやぁ、あの時インパクトありましたもん。「オマエらは、自分たちのサービスのこと、もっと信じろよ!」って。いいことやってんだから自信持て!みたいなメッセージだった。

— naoya:実は僕がかなり古くからの『一休.com』ユーザーで、自分がお世話になってるサービスなのに、当の本人たちはそれをほっぽらかして他社のことばっかり見てるよって感じたから。自分たちのサービスをよくするためには何をしたらいいのかを考えなよって。老婆心ながらですが。

— 笹島:そうなんですよねー。あの会社はスゴイ!俺たちもああなりたいって話ばかりしてました。意識改革させられました。

技術よりも、まずは現場の人ありき。ホンネで話すことの大切さを

— naoya:改善が進んでいくと、技術的な課題っていうのは、やれば解消できるっていうことはみんなわかってきて、段々、問題の関心事が、組織とか人の問題に映っていくんですね。僕から言わせたら、こっからが本番。

— 田中:1回、システムに関わるエンジニアの社員が全員同じ部屋に集まって、今までのプロジェクトの進捗具合とか、それぞれは思ってることとか、みんな言いたいこと言ってなかったんじゃないかとか。2時間くらい話し合ったんですよね。

— 笹島:めっちゃ話しましたよ。

— naoya:そしたら、すんげぇ出てきたよねw みんなの中に溜まってた、こう、なんか、蓄積したものがばーっと。僕はその場にいなかったけど、その時の議事録がQiita:Teamにまとまってて、それ読みだしたんだけど、途中でダメだこれ読めないっ!ってなったもん。辛いってw

— 笹島:例えばマネジメント課題へのぶっちゃけ話とか…

— naoya:さっき言ってたベンダーにお願いして開発した前システム(*前編参照)も、なんとなくみんな失敗だったんじゃないかって思ってたんだけど、それを総括してなかったこととかもあがったよね。みんな、心の奥底にしまってた。本当はね、こういうことって定期的に吐き出す場を設けておくのが良いんだけど、それがなかったから、一度にどっと出てきちゃって。もう読むだけでお腹いっぱい。

— 田中:その後から、結構、わだかまりがなくなってきた感じはありますね。話す機会も増えた気がする。

— naoya:そうだね。あとは本音でエンジニアと話す中で、田中さんの価値観なんかも変わっていったんじゃないかな。田中さんは外部のIT勉強会とかが好きじゃないですか。社外のコミュニティに出掛けて行って、いろんな刺激を受けてくるってのが。だからこそ、僕との会う機会も生まれたわけだけど。で、刺激を受けて奮い立つ分にはいいんだけど、田中さんは毒され過ぎちゃった感があるの。カンファレンスとかで俺たちこんなことやって、こんな成果を手に入れたんだぜなんて言ってるのは、世の中の数パーセントの会社なのに。

— 田中:そうなんですよね。でも、世の中はみんなあんな風になってるのに、僕らは全然できてなくて、「なんでこうじゃないんだろうな、ウチは」って思ってしまい、最初は毒づいていたかもしれないですね。

— naoya:多様性に触れ刺激を受けて世界が広がったんだけど、まだ世界が広がっていない人たちに対して、「なんでできてないんだ!」ってメッセージをぶつけちゃったことも最初はあった気がするな。進んでる会社ってのは、まだごくわずかなので、そうじゃない人たちが抱えている問題って、もっともっと手前側にあるのに。でも、勉強会とかに出かけていって話を聞くとさ、それこそが正義みたいな感覚になっちゃいがちなんだよね。

— 田中:そうなんですよね…

— naoya:SNSとかで情報交換して、勉強会に出掛けて行って、それはいいことだねってのが、世の中でもコンセンサスになってはいるけど、それがすべてではないからね。あそこで聞いた、見た、知ったことが正解なんだと議論を推し進めていったって、周りとのギャップが深まるだけだから。

— 笹島:インプットしている内容が人によってばらばらだし、感じることも人それぞれだからね。

— 田中:バランス感覚って大切ですね。

CTO不在でも、開発組織改善はできるのか?

▲笹島さんは、終始絶品のお寿司に夢中で、時にはnaoya氏の話を聞かないことも…w

— naoya:結局、この1年半くらい『一休』でやってきたことって、例えば開発プロセスを自動化するとかGitHubを入れるとか…。開発プロセスを自動化するっていうのは、ビジネスとは直接は関係ない活動なんだよね。ビジネス的には新しい機能をつくりたいとか、ユーザーの行動をより分析したいとか、そういう開発案件の方が利益には直結しやすいからね。今回のような足回りのところ、開発のスピードを上げるとかは、ビジネス的なプライオリティはあまり高くならないのが常。技術者にしか判断できない優先度なんです。そういうことは開発のトップマネジメントとかCTOとかが意思決定をして、「ビジネス上はこっちが大事だろうけど、足回りのことをちゃんとやっておかないと、そもそも開発スピードが長い目で見ると落ちてしまうよ」っていうところからトレードオフを見据えて実践していかないと。

— 田中:うーん。

— naoya:でも、『一休』っていう会社は、CTO的な存在が不在だから。大体の問題は、やっぱりそこに起因してて、エンジニアリングの組織をうまく回すのに一番優先しなくちゃいけないことの優先度が上がらなかったことが大きい。それで僕が顧問というカタチで関わるようになったんだけど、でもCTOは相変わらずいないよね。それじゃ、これからどうやって、権限がない中で物事をうまく回していくかっていうことにトライしている。それが、この1年半の取り組みじゃない?

— 笹島:そうですよね。

— naoya:実はこの連載ではCTOを呼んで対談しているから、CTOがやってきて、その仕事をすれば、開発組織の問題は解決するはずだっていうコンテキストで話をしているんだけど、実際に重要なのは、CTOという人ではなくて、CTOがやるべき機能を社内につくっていけるかどうかなんだよね。逆に言えばCTOがいなくてもできるってこと。今回のISHINっていうプロジェクトチームが、CTO的な役割を果たすっていうのを徐々に作っていければなぁと。権限はないんだけれどもね。メンバー全員のコンセンサスを得ながら。

— 田中:ぜひ、そうなりたいっす。

— naoya:逆に言うと権限がないなりに上手く回せてきているのかなぁと。僕自身、学ばせてもらえるところも多くて。これまで改善に携わってきた案件は、基本的に相手が権限を持った人だったので、その人に言えば物事は進んでいったわけ。でも『一休』の場合は、話してる相手が、2人を筆頭に現場のメンバーばかり。目の前の人が納得してくれても、周囲が賛同してくれないと、どうにもならない。だから、みんなの強力を得るための地道な動きも重要になってくるし。そういうことも厭わず勇気をもって取り組んでいけば、CTOのような強烈な権限を持っていなくても、物事は進んでいくんだよね。って、寿司に夢中で聞いてねぇしw

— 笹島:いやー、いい話でした!ちゃんと聞いてましたって!w

— 田中:naoyaさんが「自分自身も学ぶことが多い」的なことをたびたび言ってくれるんで、こっちも励みになります。

— naoya:2人は僕からいろんなことを知ったり、背中を押してもらったっていう認識だろうけど、僕自身も2人やあなたたちの会社に関わったことで、いろんな学びはあるんだよ。

— 笹島:こうやって1年やってきて、naoyaさんに「もっと自信持ってやっていいんだ」と言われて、実際に現場改善が実行されていると、俺たちもできるかな、というか自分たちでも何とかやっていけるんじゃないかって手応え、感じてますもん。僕が部長になろうと思えたのも、自分でみんなのことをもっと引っ張っていきたいっていう気持ちからですし。


▲赤貝にコハダも登場。絶品の味に、お酒もすすみます。

システムの抜本的な改善に取り組む中で、

またも手段と目的の逆転化現象が…?!

— naoya:だんだん色々なことがよくなってきた中で、これからは技術的な部分で言うと、さっきのベンダー任せでつくったシステムをどうしていくか。技術的負債を解消するチームをつくって、VBScriptからC#に言語も変えたりしながらね。最初はOSはLinuxにして、Ruby on Railsで書き換えるみたいな話になってたよねw

— 笹島:田中さんが言い出したんですよねw

— naoya:この人はホントに手段と目的の逆転現象が酷くてw たぶんこの1年半で僕らから何回突っ込まれたことか。

— 笹島:今進めているサイトリニューアルのプランも最初もらった時はやばかったですよね。

— naoya:あれねw かなり古いサイトだから1回リニューアルしましょうって話になって。それで田中さんがシステムリニューアルプランをつくってきたんだよね。冷静に考えたら、小規模サービスだから、オーソドックスにRailsか何かでやり直して、それで一丁上がりみたいな程度の案件なのに…。田中さんが持ってきたアイデアは、Google BigQueryとAWSとHerokuとなんとかとなんとかと…って、これ大規模システムじゃん!みたいな設計図がでてきて…

— 笹島:でかすぎましたよねw

— 田中:もう勘弁してくださいw

— naoya:そもそもユーザー数が数百人くらいなんですよ。なのになんでBigQueryいるの?って。だって、データ量がテラとかペタバイトくらいの規模を処理するクラウドプラットフォームだよ?そのサイト、データ全部合わせても数百メガとかなのに。

— 笹島:あれは本当に度肝抜かれましたねw 田中が使いたいツールがそこに集約されてましたから。“俺はこの技術を使いたい!”っていう夢が詰まってましたw

— 田中:まぁ、この話はもういいじゃないですかw で、本題に戻しますけど、秋ごろから実際にコードを見始めて、負債ってどんなものなの?っていうのをnaoyaさんはじめメンバーで話すようになって、ようやく今春から、本丸に手を付けている感じですね。

— naoya:一度つくってしまった負債を抱えたままのシステムを徐々に作り直していく方針が決まったんだよね。やり始める前は、やっぱりみんな現実を見てなくて、やりたいことばっかり言う。RailsでとかScalaでやりたいとか。みんな好きな言語ってそれぞれバラバラだから。Microsoft好きな人もいるし、Linux好きな人もいるんで、すごくブレる。でも、ちゃんとコードを見て、現状からあまり逸脱せずに、新しいことをやって生産性を高めるっていうと、自ずと選択肢が見えてくるんだよね。「なんで今ここでLinuxを選択する必要があるんだ?」ってこととかが。で、みんなが納得したプランがC#だったんだよね。最終的にはLinuxでオープンプラットフォームでやるかもしれないけど。まずはやってみようと。1番リーズナブルで、しかも結構モダンで、というとC#しかないから。とにかく、さっきの田中さんの手段と目的の逆転化現象もそうなんだけど、目の前で起こっている問題はなんなのかっていうのを、ちゃんと見つめましょうってことですね。

— 田中:笹島にもよく言われるんですよね。

— 笹島:だって、本当にすごいんだもん。問題じゃないことなにのどうしようって悩むというか…

— 田中:問題じゃないことを問題にする問題ね。

— 一同:www

— naoya:でもね、田中さんは割と典型的なエンジニア像って感じだけどね。自分がやりたいことと、問題のテーマを、いつしか自分の中で一緒にしちゃって、自分がやりたいことを使えば解決できるって思い込んじゃう。

— 笹島:手段と目的の逆転現象が本当にすごいっすからねw

— 田中:本気でそれがいいと思っているからねw

— naoya:モノをつくってる人間って、視野狭窄に陥りがちだから、そういう部分はやっぱりマネジメントとかがしっかり見守らないとね。本物の課題を履き違えてしまうことって誰にでもよくある。僕だって現場作業してるときはよくある。そういう時に、そうじゃないんだよって元の立ち位置というか、本来の問題に立ち戻らせる役割って重要だよ。ISHINのプロジェクトではかなり意識的にそうしてきたつもりだけど。そもそも君たちの問題はなんなんだっけ?っていうことを毎回問いただしてた。

— 笹島:より高い位置にいると俯瞰的に見えるようになってきますよね。

— naoya:笹島さん部長になってみて実感した?

— 笹島:めっちゃ感じてます!

— naoya:

— 笹島:部長になると、みんなのことが前より好きになります。もっと知りたいと思うんですよね、考えてることとか、やりたいこと。昔は、なんであんなこと言うのかなと思ってたんですけど、今は、うんうん、そうですよね、めっちゃわかりますってなります!

— naoya:単純でいいなぁw

— 田中:変わり身早いよねw

— naoya:ついこないだまでは俺はエンジニアでいたいからマネジメントは…って言ってたクセにw

— 笹島:いや、それこそ、これは手段なんです。エンジニアチーム全体のボトムアップをもっとやっていきたいと思っていますし、だからこそ挑戦しようと思ったんです。これからは、『一休』のエンジニアチームのアウトプットをものすごく高いものにしていきたいです。

変化へのきっかけを掴んだ『一休』の、更なる躍進に乞うご期待!

— naoya:更に強い組織になるために、技術的課題に対しては、C#に書き換えることをまずはメインでやっていくけど、この春から「理想的な開発組織ってなんなんだっけ?」という、より高次の目標に向けて取り組み始めることになってるよね。イメージはできあがっていて、そこに到達するためには、なにをするんだっけ?っていうのを詰めるのが、直近のテーマ。

— 田中:変化に対する抵抗感は、もうほとんどなくなりましたよね。

— 笹島:そーいえば、僕、最近、naoyaさんが本当に得意なのはマネジメントなんだなって知りました。

— naoya:ホント失礼だよねー、僕のこと、ただのプログラマだと思ってたんでしょw

— 笹島:そうっすねーw naoyaさんはすごいハッカーで、だから今回のプロジェクトは上手くいくぞって最初は思ってました。そうしたら、実はこの人がすごいのは、マネジメントなんじゃないかって…w

— 田中:筋道立てて、ちゃんとした課題を見つけて、それをわからない人たちに向けて上手に説明してくれる術っていうんすかね。解決するためには、そういうことをすればいいんだって、めっちゃわかりやすく提示してくれますからね。

— naoya:まぁでも、僕はたいしたことしてるわけじゃないからね。本来やるべきことをやりなよって言ってるだけで。みんなも本当はそれをわかっているんだけど、いままでやらないできた分、誰かが号令かけないとやれないだけ。僕がいなかったらできていないことも、もちろんあるんだろうけど、解決策がわかんなかったっていうことは多分ないはずだから。重要なのは、それをやると一歩踏み出すことだけ。能力として足りなかったということは絶対にないからね。

— 笹島:ありがとうございます。

— naoya:ともあれ、技術戦略、採用、コミュニケーション、セキュリティ、情報共有…CTOの役割って、そういう感じでしょ。会社の全体最適という視点で、それらを推し進め組織の全体最適化を図っていく。そのCTOがいないから、いま言ったことを回していくようなエンジンを、『一休』の中につくっていくのが、ざっくり言うと僕らのこれからの役割なんでしょうね。

— 笹島:引き続きお願いします!

— naoya:週1回のミーティングで課題を毎回持ってきて進捗状況をトラッキングして、3ヶ月に1回、全員の前で現状を共有しあって、戦略を展開していくっていうことの繰り返しかな。全然特別なことじゃないでしょ。『一休』に限らずの話だけど、多分、きっかけさえ与えられれば、今モヤモヤとした課題を抱えるどんな開発現場でも、しかも権限が大きくなくても、できるはずなんだよ。

— 笹島:そうっすかねー。

— naoya:そのきっかけをどうやってつかむかなんだけどね。GitHubを入れるとか、自動化なんて、全然難しいことじゃないんで、きっかけと歯車さえ噛み合えばどんどん進む話だから。『一休』の場合は、たまたま僕がトリガーだっただけだよ。理解ある上司の存在だとか、情熱的に突き進む現場のエンジニアだとか、どんなことだってトリガーになり得るから。最近はCTOが必要だって議論になってるけど、実質的にCTOの機能を分解すると、さっきの技術戦略や採用うんぬんになってくるから、ただそれらが実行されればいいわけなんだよね。

— 田中:今まで3ヶ月ごとに全体の進捗を共有したり、マネジメントに課題を感じて前に進んでいこう!みたいなモチベーション醸成が、プロジェクトがスタートする前は眼に見えてなかった。課題感はあったけど、アクションまでには結びつかなくて。それでプロジェクトを1年強やってきて、この春からは開発組織の改善を自分たちでやっていこう!という意識が生まれただけでも、昨年と今とでは全然違います。

— naoya:当たり前のことを当たり前にやる。本当に難しいことだよね。

— 田中:技術的な問題はある程度、課題や正解を見つけやすいじゃないですか。なんとなくこれでうまくいくんだろうなって感覚もあるし、そうなることの経験も多いから。でも、人の話とか組織の話とかは、本当に会社やその時の状況によって全然違うんで、正解がない分、難しいですよね。いままで手を付けなかったこともあるから…でも、やれるという感覚を得ることができたし、1年前に比べたらすごいポジティブです。

— naoya:このいい雰囲気のまま、さらに開発の現場をよくしていき、それが会社の成長やユーザーが魅力に感じる『一休』のサービスの価値につながるよう、なんとしても頑張り抜いていきたいね。

— 田中:はい!

— 笹島:もちろんです!


▲”現場のエンジニア”が登場した今回の#naoya_sushiはここでおひらき。みなさん、絶品のお寿司とお酒にご満悦の様子でした。

今回ご登場いただいた笹島さん・田中さんが働く『一休』では、エンジニアの採用を行っています。会員数300万人以上を誇るサービスの開発に挑んでみたいという方は、ぜひ求人情報もチェックしてみてください。

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取材協力

鮨心(すししん)
〒106-0047 東京都港区南麻布4-12-4 プラチナコート広尾 1F
TEL:03-3280-3454

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インタビュアー紹介

伊藤直也

ニフティ、はてな取締役CTO、グリー統括部長を経て2013年9月よりKaizen Platform, Inc. 技術顧問。ブログやソーシャルブックマークなど10年間、ソーシャルメディアの開発と運営に携わる。著書に『入門Chef Solo』(達人出版会)『サーバ/インフラを支える技術』『大規模サービス技術入門』『Chef実践入門』 (技術評論社) など多数。

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