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この企画は、Web業界で名を馳せる伊藤直也氏と注目企業のCTOが、

寿司を摘まみつつホンネで語り合う、かつて無かったインタビュー企画である。

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苦労の先に掴んだものとは?メルカリ技術トップが

20代の日々を赤裸々に語る【後編】[ #naoya_sushi ]

<前編のあらすじと後編のお話>
小雨が降る中、本企画のホストである伊藤直也氏(以下「naoya」)と、現在『株式会社メルカリ』の執行役員であり、技術領域のトップとして活躍している、柄沢聡太郎氏(以下「sotarok」)。新卒で数年経験した後、起業し、CTOとして活躍し、その後、買収された経験も持つsotarok氏が、『メルカリ』にジョインする最大のきっかけとはなんだったのか?マネジメントをするうえで重要だと言われている「1on1」についての持論も展開されていくのであった――

⇒【前編】の記事はこちら

マネジメントはコーチング?sotarok氏が考える1on1とは

— naoya:ところで『クロコス』が『ヤフー』に吸収合併して、部長になったときはどんな感じだったの?

— sotarok:大企業の部長職って自分がプレイヤーではなくなって、本当にマネジメント職を究めるって感じでしたね。自分もマネジメントに意識して取り組むようになり、コーチングの研修とか、1on1ミーティングのやり方とか、その中での質問の仕方とか、『ヤフー』の充実した社内教育制度を活用しまくって勉強していきましたね。

— naoya:ほうほう。その1on1のノウハウって、どんな感じ?

— sotarok:そもそも『ヤフー』って、全社員が自分の上長と1on1するっていうルールがあるんですよ。週1くらいの結構な頻度で。それもあって、1on1の効果的なやり方みたいなワークショップもよく開かれていて、例えば携帯やパソコンをいじりながら話きかれるとムカつくよねとか、そういった、べからずFAQみたいなものも体感できるんです。随分学べましたね。

— naoya:面白いね、それ。実際どんなこと意識してやってたの?

— sotarok:1on1のときに僕が心掛けてるのは、できるだけ自分の意見を言わないようにして、相手に気付いてもらえるようにするっていうことなんですね。いわゆるコーチングなんですけど。

— naoya:おっ、なんかいきなり難しい話になってるね。実際、初めて部下と1on1するってなったら、何から話し始めるの?

— sotarok:え、アイスブレークですよw

— naoya:

— sotarok:最初はなんでもいいので雑談からはじめて、暑いですねでもいいし。そこからはじめて、半分業務の話が聞けたらいいのかなって。今なにをやってるのか、それってどんなことなのかって、深堀しながら…。そうすると、例えば、その会話の中でちょっとした違和感を表現する人もいたりするんですよね。どこかで納得していないで仕事をしているとか、ポイントが分かってきたり。直接の言葉じゃなくても。それを見つけ出せたら、その課題解決のためのQ&Aをしていますね。自分の意見や考えを言うんじゃなくて、相手に解決のきっかけを気付かせていく感じです。

— naoya:それって結構高度な傾聴スキルだよね。いきなり最初からできた?

— sotarok:いや、今でも出来ていない部分が多いと思っています。こういう風に1on1をやろうと思ってはいるんですけどね。あと、『ヤフー』時代は、業務支援とキャリア支援という2軸が求められていて、でもキャリア支援は…。長いスパンでそのエンジニアがどうなっていくのがいいのかをナビゲートしていくのもミッションのひとつだったんですが、難しいですね。

— naoya:そこに関しては俺も似ていて、そんな他人のキャリアなんて俺ごときが左右していいもんじゃないんじゃないか?って思っちゃうんだよね。例えば1回目に登場願った『クックパッド』CTOのセコンさんなんて、一緒に働いていたときなんかは、割と典型的なガチ・エンジニアで、マネジメントのマの字もまったく興味なし!って感じだったんだよね。その印象のまま、自分が彼のキャリアマネジメントをしてたら、いちエンジニアとしてどこまでもモノづくりにフォーカスさせるっていうキャリアを支援するっていうマネジメントをしたと思うの。もし、あのままずーっと一緒に働いてたらね。でも、実際はCTOとしてやマネージャーとしての才能を開花させてさ、本人もそっちも面白いってなってったじゃない?そうすると、結局、自分の想像の範囲で収めてしまうようなキャリアマネジメントだったら、本人のポテンシャルより小さいものに終わってしまいかねないこともあるなと。

— sotarok:それはちょっと難しいところだと思うのですが、キャリア支援も前提としてベースにあるのはコーチングだと思うんですよ。

— naoya:なるほど、そうか。

— sotarok:コーチングって自分の意見を言うわけじゃないので、あなたはこっちのキャリア行った方がいいとか、言う必要はなくて、いろいろな角度からの質問によって…

— naoya:気付かせていくと。

— sotarok:うーん……気付かせるというのとも少し違ってて……これは『ヤフー』の時にお世話になった方の話なんですが、コーチングってどういうこと?って聞いた時に、質問と回答の、その人がもっている流れを変えることなんだって説明されたことがあって。

— naoya:うむ。

— sotarok:そんな難しい顔しないでくださいw 人は自分の中にある質問と回答のパターンの中で生きているので、そこに対して、その人が絶対に思いつかないであろう質問を投げかけると、回答パターンが変わる、と。それがコーチングなんだよねっていう話なんですけど、その話を聞いたときすごくなるほどっ!って腑に落ちたんですよ。普段自分が考えている範囲内じゃ行き着かない回答も、絶対どこかにあるんですよ。それが正解かどうかは別として。

— naoya:言ってることはすごくよくわかるよ。でもなんかね。それだけでもないなと思うときもあって。以前同じチームのエンジニアで、めちゃめちゃ優秀だった人がいて。彼とはすごい仕事がしやすかったんだけど、その理由としてはその彼が前職の経験で、オフショア開発のマネジメントをやっていた経験があったからなんだよね。彼はその当時の業務が辛かったみたいなんだけど、その経験から、マネジメントってのはこういうところで苦労するんだとかを理解しているから、俺の指示を踏まえて、こういう振る舞いをされるとnaoyaさんは大変だろうなって全部わかった上で仕事してくれたの。

— sotarok:なるほど。

— naoya:仮にもし俺が、そのオフショアの仕事を任していたマネージャーで、彼から辛いんです!って直訴されたら、そうかって言って、きっとオフショアじゃない業務に割り当てるとかをやっちゃうと思うんだよね。でも、彼は結局、すごく辛かった経験でも、それが後のキャリアに繋がっているというか、「マネージャーの視点を持ったエンジニア」という貴重なスキルを持った人間になっているわけで。

— sotarok:うんうん。

— naoya:だからキャリア支援ってすごく難しいと思うんだよね。これはマネジメント側の永遠の課題だよね。他人の成長をコントロールしようと思うと、必ずよくない方向に行く気がするからさ。

— sotarok:僕もまだ理解できていない部分が多いから難しいなぁーとは思うんですけど、多分、コントロールしようっていう視点じゃないとは思います。

— naoya:まぁ、そうだよね。コントロールするというよりかは支援しようとすると、いかに本人が辛くないようにするべきかってことを、上司としてはどうしても考えてしまうという話なんだけどね。支援するからって言っておいて、どんどん辛い業務の負荷をかけてく・・・というのは矛盾しているじゃない。そうじゃない方向性での負荷をかけるというのはそんなに難しくないんだろうけど。例えば、本人の現状のスキルより少し背伸びしたところに目標置くとか。

— sotarok:そうですよね。辛い経験が後々の成長に繋がっているってのは、結果論でしかわからないですもんね。


▲色々と日本酒を出してもらいましたが、悩んだ末まずはsotarokさんイチオシの「天吹」をいただくことに。

『ヤフー』を経て、sotarokが『メルカリ』を選択した理由とは

— naoya:だいぶ前置きが長くなっちゃったね。そんな聡太郎君がこの5月から『メルカリ』にジョインしたけど、そのあたりの話について教えてくれるかな。

— sotarok:そうですね。まず簡単に『メルカリ』の紹介をさせていただくと、2013年7月にフリマアプリ『メルカリ』をリリースして、今は1600万ダウンロードを突破しています。月間流通額は数十億円と、日本最大級のフリマアプリに成長しています。今後は、このフリマアプリ以外にもCtoC領域で様々なサービスを展開する予定です。

— naoya:なるほどね。社員数はどれくらいなの?

— sotarok:グローバルで180名を超える規模ですが、半数以上がカスタマーサポートなので、バックオフィスとプロダクトを作ってるメンバーだけだと60名くらいですかね。

— naoya:最近、よくTVCMとか広告とかも見るけど、今、ビジネス的にもすごく伸びてるよね?そうすると、エンジニアとビジネスの間に生じる、どっちが優先か問題とか、それもグローバル規模で英語も混ざって、色々と降りかかってきて、どう考えても大変な状況だよね?

— sotarok:大変ですねw

— naoya:なんでそんな大役を受けようと思ったの?

— sotarok:まずひとつは、そもそも『メルカリ』に関しては、いろんな方面からお誘いを受けたんですよ。代表の山田進太郎からもランチに誘われたり、『クロコス』時代の仲間が『メルカリ』で働いていたり、執行役員の濱田優貴とかはプライベートでも友達だったりするし。色んな方からお声掛けいただいて、興味が沸いてきたんですよ。

— naoya:なるほどね。で、一番の決め手は何だったの?

— sotarok:プロダクトは面白いし、優秀なエンジニアは揃ってるし、エンジニア以外にも面白い人がいるし、事業領域はまだまだ成長の余地があるし、海外にも挑戦できるし…って感じで、今の状況だったら『メルカリ』にジョインしない理由は見当たらないなと感じたんですよね。あと、自分に裁量がもらえるというのも大きかったかもしれません。とはいえ、前職で、その環境を良い方向に変えていきたいという思いも一方ではあって、新しい環境に飛び込むのが良いか、結構迷いました。

— naoya:なるほど。ただ、この話聞いて僕が思うのは、聡太郎君は「こういう環境を変えたい」と思って改革や改善をしようと思っていたかもしれないけれど、今、その場にいる人たちがその変化を同じようにいいって思うとは限らないというのはあるよね。

— sotarok:なるほど。

— naoya:俺も実は昔、全く同じことで悩んだことがあって、当時一緒にやってた仲間のことを想って、彼らにもベンチャーマインドみたいなことを理解してもらって、もっと前のめりでやれるような組織に変えるかどうかなんてことを考えていたら、その時、ある先輩がアドバイスしてくれて「そんなの転職した方がいいに決まってるよ!だって、そこにいる同僚たち全員がそう変わりたいなんて思ってないでしょ?」って言われて。「君がよかれと思ってやろうとしていることを、みんなが望んでいるとは限らないんだよ」って。「それを望んでない人を変えたって、幸せな気分になれるのは自分だけだよ。それをエゴって言うんだよ」って言われてね。

— sotarok:うーん、難しいですねぇ…現場改善を行うことも大切ですけど、無理に進めてもっていうのも確かにありますからね。経営陣がどういう会社にしたいと考えているか、とかもありますし。自分は無理に色々変えたいとかじゃないんですけど、やるからには、自分の意見や自分が良いと思うことをしっかり伝えたうえで、やりきりたいってのがあるんだと思うんですよね。

— naoya:うんうん、わかるよ。

— sotarok:実際どの環境でも、もちろん『メルカリ』でも、みんなそう思ってるんだけど、誰もそれを言い出さないこととかもあると思うんですよ。で、僕はそういう場で進んで言い出しづらいことを言える人間でありたいとは思いますね、生き方として。そしてそれが求められるから、ここで頑張りたいと思ってます。

— naoya:ブレてないね。新卒時代の真っ直ぐさ加減も、あれはそもそものパーソナリティだったんだねw 遠慮なくズバッと言うことで問題を解決していきたいっていうのはあるんだね。

— sotarok:ちなみに自分でフォローすると、そういう無遠慮なところに無遠慮だなって気付いて気を遣う能力は、今は備わったと思いますw

— naoya:ホント?w

— sotarok:ただ正論をぶつけるんじゃなくって、誰に何を言ったら良い方向に持っていけるかをちゃんと考えて、そのために行動するっていうことはできるようになったと思いますよ。目的を達成するために、自分が正論をズバッと言いたくなるのを押さえて根回しするとか、いろんなことができるようになりましたw

— naoya:フツーだよそれ!w ドヤ顔することじゃないから!w

— sotarok:ww 根本的には、本質的によいと思うことを実現したいっていうのは変わらないんですけどね。


▲いよいよ握りが登場。まずはキスとイカから。
登場するなり、「食べなくても美味しい!」というnaoyaさんの名言が生まれました。

これからの『メルカリ』の成長に必要な組織作りに着手!

— naoya:『メルカリ』は10歳以上離れた大先輩ばっかじゃない?そういう環境で、いきなり中途で入っていってトップに立つというのは抵抗なかった?あるいは不安とか?

— sotarok:もちろんありました。でも、それも新たなチャレンジだなって思って。これまでやったことないことですし、会社の規模感も、エンジニアの人数で言うと『クロコス』が吸収合併される前より少し多いくらいなので、その規模の会社をどういう風に成長させていくのかとか、グローバルでの開発組織の作り方とか、色々と自分の未踏領域が『メルカリ』にはあったので、そこを任せてもらえるんだから、今、行くしかないなって。

— naoya:それじゃあ、今、『メルカリ』の組織って、どんな感じなの?

— sotarok:今、エンジニアが30名弱で、QAやプロデューサーといったプロダクトに携わる人を合わせると全体で45名くらいで、あと100名くらいの人がカスタマーサポートのスタッフで…

— naoya:そっかそっか、『メルカリ』ってサポートを手厚くやってるんだよね。

— sotarok:社員の半数以上がカスタマーサポートで、この規模としては、めちゃくちゃしっかり対応していますね。

— naoya:で、営業とかは?

— sotarok:営業は一人もいません。あとはマーケティングやBD、経理、人事、総務などのコーポレート系と経営陣ですね。

— naoya:少し変わった組織構造なんだ。新しいタイプの会社組織っていえるよね?

— sotarok:プロダクト主導なんですよね。

— naoya:そうだね。セールスいなくても成立するビジネスなんだね。

— sotarok:CtoCだからですかね。そこで営業入れてtoBの開拓したりしても、今は必要ないのかなと思います。もちろん、これから必要になってくるタイミングが訪れることがあるかもしれませんが。

— naoya:それで40人くらいの開発組織っていうのは、今、どういう状況なの?

— sotarok:カオスなかんじですねw

— naoya:w どーゆこと?あんまりマネジメントされてこなかったってこと?

— sotarok:いや、マネジメントされていなかった、というのとは少し違うかもしれないです。もちろんマネジメントはされていたのですが、少し特殊というか。創業メンバーは、経営陣もプロデューサーも技術のわかる人間ばかりだったんですよね。で、エンジニアもプロデューサーも、メンバーはみんな優秀で、プロダクト志向の代表と直であうんの呼吸でやってきたけど、そのまま人数増えてきちゃったので、後から来た人のキャッチアップが難しい状態になって……みたいな。

— naoya:あるあるだね、これも。全体で見た時に、こことここはやっぱ標準化した方がとか、ここは同じ道具使ってとか、ここはこういった情報共有のためにこのツール使おうとかが、これまですっ飛ばされて、良いプロダクトはできたけれど、新しく入ったエンジニアがとても困るっていうことかね。

— sotarok:そうなんですよね。新しく入ってきたエンジニアを素早くキャッチアップさせる体制ができあがってないんですよね。例えば、開発環境も作り方も多数のやり方があったりして、どうやってんのみんな?って周りに聞いたとしても、人によって回答がバラバラだったりw

— naoya:同じ『メルカリ』というプロダクトを作るだけでも、やっぱり大変なんだよね。基本的にエンジニアって全員が同じスキルを持っているわけじゃなくって、それぞれ方向性も違うんで、例えるとしたら寿司職人とイタリアンとフレンチの料理人が混ざって料理作ってる感じだよね。それぞれが俺はこれがいい!って思ってやってる状態だから、イタリアンやフレンチの料理人に対して、ここはお寿司屋なんだから和食を出さきゃいけないよ!ってコントロールする役目を担っていく人が必要なんだよね。

— sotarok:エンジニアとして優秀な人が集まってはいるんですが、その力の方向が少し拡散気味で、もったいない面もあるというか。それをプロダクトが進みたい方向に集中させていってチームの力を最大限に発揮させる役割を期待されてるんだと思います。

— naoya:そんな大役をこの若い聡太郎君に任せちゃおうと。なかなか攻める人事だよね。でもまぁ、冒頭でも触れたみたいに、俺も社会人2年目でCTOになったわけで、年齢や経験値って、あまり関係ないところもあるもしれないね、セオリー通りでいかないもんだし、若い人は若い人なりのやり方がはまることもあるだろうしね。

— sotarok:ともあれ、やっぱりマネジメントを期待されているとは思います。良い人材が集まってきたねっていうのは経営陣や現場もわかっていて、でもこのままだと、なにかがうまくいかなくなるかもっていう危機感も感じているので。結局、人数は2倍になったのに、2倍のパフォーマンスになってないじゃないか、みたいなことですよね。じゃあ、今何が足りていないのかって見渡すと、やっぱりマネジメントだろうと。

— naoya:それって、『ヤフー』に買収された直後の『クロコス』みたいな雰囲気ってことだよね。ビジネスサイドからの要求があちこちから飛んできてて、どこでなにが意思決定されているのかとか、その仕事がどういう経緯でそのエンジニアに任されたのかとか、まずそこを全部クリアにする状態に持っていくようなフェーズってことだよね?

— sotarok:そうですね。そのうえで、チームとして120%マックスの力を発揮して、プロダクトや会社の成長に貢献できる体制をつくっていくことが目標ですね。そういう視点で体制や業務フローの見直しをしたいなと。

— naoya:プレイヤーとして優秀=全体最適を図っていける、という図式はあまり成り立たないからね。でもさ、社長がプロダクト志向というのは、エンジニア的には相当プラスの要素なんじゃないの?

— sotarok:そうですね。みんながひとつのプロダクトのことを考えていて、このプロダクトを成功させたい!って思って、方向性はブレてないってのがいいですよね。みんな仕事を楽しんでやってるし、会社の成長も感じながら、自分の力をプロダクトに活かしたいって打ち込んでいるし。その中でのちょっとした力の向く先の違いとか、やりとりの差異やギャップがプロダクト成長の阻害要因にならないように、これから組織が大きくなってきたときにワークする体制を今から整えていかないとですね。


▲〆加減が絶妙なコハダと、一瞬でとろけてしまう中トロをいただきます。

はじまりはいつも1on1――。現状否定から入る革命はNG?

— naoya:実際に入ってみて驚いたことって、なんかある?

— sotarok:あんまりイメージ変わらなかったですね。

— naoya:じゃあ、入ってから一番最初に着手したことは?

— sotarok:まずは、1on1ですね。

— naoya:やっぱり。施策を打つ前に1on1をやっとかなきゃね。課題があるとしたら、それを正確に把握するところからだよね。現場とたくさんコミュニケーションとって、自分が思っていることと実際がどうなってるのかを明らかにしていくプロセスは、非常に大事だよね。

— sotarok:今まで『メルカリ』についてペラペラ喋りましたけど、まだあくまで僕の推測の域を脱していないことも多いと思います。2015年5月にジョインしたばかりなので、それが本当にそうなのか、違うとしたら実際はどうなのかを、まずは把握し理解したいですね。そのために、まずは1on1で、お互いが自己紹介しあって、エンジニア一人ひとりが何をしてきた・している人なのかを聞いて、何が好きで何が得意か、この会社で何が楽しいと思っているのか、あと何が課題だと思っているのかなんかを確認しあってるところです。あと、自分に何を期待してますか?ってことも最後に聞いてますね。これ、結構聞きづらいんですがw いや、何もないですとか言われたら、結構へこみますからね、こう見えて意外と心が細いんでw

— naoya:ここまで生意気な口叩いといて、最後の最後で、僕、結構センシティブなんですって、知るかっw

— sotarok:いやぁ、でも、ホントにw

— naoya:わかるけど、何も期待してませんって正面切って言う人なんていないでしょ?てか、そんな信号発している人がいるとしたら、それは期待してないんじゃなくって、別の問題抱えてるからね。

— sotarok:みんなに課題感なんか聞いてると、今いい感じだと思いますよーっていう人もいれば、プロデューサーとの意思疎通がうまく行ってない気がするとか、アメリカと日本の開発の切り分けとかどうすればいいでしょうかとか…ホント、みんな感じていることはそれぞれ違うんですよね。でも、その人の感じ方とか目線とかパーソナリティとか、いろんなことが見えてきたりするので、1on1してて面白いって言ったら語弊があるかもしれませんが、今はそんな段階です。

— naoya:なんか、新しい組織にマネジメントとして入っていって、一番最初に取るアクションとしては、1on1でとにかく話を聞くというのは、正しいのではないかという確信を僕は持っていて…

— sotarok:入社前に、最近『Viibar』でCTOになった松岡さんとか、『VOYAGE GROUP』のCTOの小賀さんとか、すでにある組織に後から入ってCTOになった方たちに、最初どうやったんですか?なんていろいろヒアリングしたんですよ。そこでみなさんがおっしゃたのが、まずは1on1だと。それで徹底的に会社の今の開発環境や状況、仕組みを把握して、その中にハマりにいくっていうのが正道なのかなと。それをやんないと、やりもしないで理想ばっか言う奴になっちゃいますからね。

— naoya:それって、コンサルタントが陥りがちなパターンだよね。現場のことを知ろうともせず、こうやればいいんですよとか指図する。それって実際に正解かもしれないけど、現場の腑に落ちないよね。

— sotarok:わかってねーのにあいつ…ってなっちゃいますからね。

— naoya:いきなり解決から入ると、それを押し付けと感じたり、現状を否定されたと感じちゃうもんなんだよね。今まで頑張ってきた人たちの現状を否定せずに、これからプロダクトや事業を成長させるために組織を拡大させていくためには変化が必要なんだ、って説かないといけない。今までのことは間違いじゃないけど、これから変わらないと成長は難しいから、一緒に変えていこうよってメッセージを発していかないとだよね。

— sotarok:現状否定から入る改革はダメだっていう話ですよね。

— naoya:あと1on1がなぜ重要なのかって言うと、相手に行動を促したい時には、相手のバケツを一回空っぽにしないと相手の頭の中には自分の言葉が入っていかないんだって話があって。いや、この辺の話はぜんぶ任天堂の岩田さんの受け売りなんだけどね。その人が思っていることや考えていることを一回吐き出してもらって、バケツが空になった時に、新しいテーマや指針をポンと入れると入りやすいっていうね。

— sotarok:1on1って結構、精神力を要求されますよね。

— naoya:そうそう…最大の問題は、自分のバケツを空にしてくれる人がいないっていう。みんなの話聞いて俺のバケツ溢れちゃってるよ!ってw

— sotarok:1on1が好きとか嫌いとかじゃなくって、単純に脳のCPUが回りっ放しみたいな、だから一日でできる1on1の人数も3~4人に限られますよね。

— naoya:わかるわかる。一人30分ずつ真剣に話を聞くだけでも、結構スペック使うよね。ところでその今の状況とかって楽しい?コード書きたい!とか思わない?

— sotarok:楽しいですよ!あ、とはいえ現場を知らないとダメだと思うので、自分でもプロジェクトを一つ回そうとトライしてるところです。今、みんながやっている通りの手順を踏んで。今現場で何が問題なのかを、話を聞くだけではなくてやっぱり自分がやらないとわからないかなと思って取り組もうとしています。

— naoya:なんかいい感じだね。

— sotarok:自分はそもそもプロダクト志向のエンジニアで、技術はあくまで手段と思ってますから、その感覚に近い人がいっぱいいる会社なので、やっていて楽しいのはありますね。

— naoya:PHPをメインで使っている会社ってのはそういう傾向があるよね。技術は手段だって。ひとつの考え方として悪くないよね。

— sotarok:プロダクトが成長していくのが、なにより嬉しいし楽しい!自分が今つくったコードが、何百万人に利用されてるとか、『メルカリ』でいうとアメリカでも使われるとか、そういう環境でやれるってことが最大の魅力ですね。オフィス環境もいいですよ、疲れたらスタンディング席もあるし、ソファーもあるし…

— naoya:やっぱあれかなぁ、メンバーそれぞれもプロダクト第一なんだろうけど、トップの社長がそもそもプロダクト第一っていうのが、外から見てて感じるところだけれどね。なんだかんだ言って、会社として何を一番に優先するかってときに、最終的には経営トップの意向に依存するからね。

— sotarok:そうですねー。全員の日報まで目を通して、いろいろ指示出ししたりしてるくらいw ホント、まっすぐなんですよ。プロダクト愛というか、熱いというか。この2年間の『メルカリ』の成長を体現してる人ですよ。

— naoya:そうだよね。

— sotarok:最初に声かけられたとき、「正直、自分が入っても何もやることないでしょ?」って思ったんですよ。フリマアプリで、かなりのユーザーがいて成り立っているって思っていたので。でも『メルカリ』が見てる先って、もっと違うところにあって、「CtoCってマーケットで今はフリマをやってるけど、シェアリングエコノミーとか、もっといろいろやりたいことがあるし、CtoCの可能性ってまだまだあるし、自分たちができることもまだまだいっぱいある。それを実践することで社会全体が楽しくなったりよくなったりするんだ!」って語ってもらって。なら、俺にもやれることあるなって思ったのも『メルカリ』にジョインした決め手でしたからね。

— naoya:なんかポジショントークしてない?w まぁ、キレイにまとまったから、今日はこの辺でお開きかな。

— sotarok:そうですね。もう少し『メルカリ』のこと熱く語りたかったですけど、それは今後の僕の活躍に期待!ってことで。


▲昔話にも花が咲き、あっという間に時間が経ってしまった今回の#naoya_sushiはここでおひらき。

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インタビュアー紹介

伊藤直也

ニフティ、はてな取締役CTO、グリー統括部長を経て2013年9月よりKaizen Platform, Inc. 技術顧問。ブログやソーシャルブックマークなど10年間、ソーシャルメディアの開発と運営に携わる。著書に『入門Chef Solo』(達人出版会)『サーバ/インフラを支える技術』『大規模サービス技術入門』『Chef実践入門』 (技術評論社) など多数。

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