この企画は、Web業界で名を馳せる伊藤直也氏と注目企業のCTOが、

寿司を摘まみつつホンネで語り合う、かつて無かったインタビュー企画である。

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【後編】トレジャーデータCTOと紐解く。

日米で異なるCTOの役割とは?[ #naoya_sushi ]

<前編のあらすじと後編のお話>
本企画のホストである伊藤直也氏(以下「naoya」)が広尾の寿司屋に招いたのは、現在『トレジャーデータ株式会社』のCTOとして活躍している太田一樹氏(以下「kzk」)。弱冠20歳にしてCTOとしてのキャリアをスタートさせ、様々な出会いを経てシリコンバレーでの起業を果たしたkzk氏だが、決して常に順風満帆だったわけではなく、資金調達に奔走し、「寝られなくなるくらい辛かった」という過去もあったのであるー―。

⇒【前編】の記事はこちら

【後編】となる今回は、セールス主導の会社と決め、様々な施策を行っているリアルな話や、日米のカルチャーギャップに悩まれている現状、そしてそもそもkzk氏のポジションは日本でいうCTOではない?など興味深い内容が次々と明らかにされていきます。そして、久しぶりの帰国というkzk氏をもてなすべく、いよいよ絶品の握りも登場します。

オフィスに銅鑼が響き渡る?

セールス主導の会社と決めて、様々な施策を行う

— naoya:採用と資金調達を主にやってきたって言ってましたが、組織づくりとかはあんまりやっていないんですか?チーム構成とか、ビジネスとの関係性はどうあるべきかとか…

— kzk::うーん、今いるエンジニアって僕から1ホップ、2ホップの関係性なエンジニアばっかりなんですよ。

— naoya:近い、って意味?

— kzk:はい。それで会社のビジョンにも共感してくれてるし、同じゴールも向いているんで、組織的に系統立てる必要はそこまで無いと感じています。

— naoya:エンジニアだけみたらそうかもしれないけど、例えばPMとエンジニアがどういう力関係であるべきかとか、セールスも含めてとか、その辺は?

— kzk:セールスに関しては、実は『トレジャーデータ』つくるときに芳川と決めたことがあって、セールス主導の会社にしようと。世の中で成功しているB2B領域のソフトウェア会社でセールス・オリエンテッドじゃない会社って、あまり思い当たらないんですよ。セールスが日々顧客と会話し、買ってくれそうな見込み顧客とも接点があり、競合にもすぐ気付くし、今マーケットがどうなってるのかを敏感に察知しているはずですからね。だからセールスが会社のコアであるという視点で、『トレジャーデータ』は動いているんです。芳川がセールスマンで、僕は最初のセールスエンジニア。ものすごい頻度で僕もお客さんのところに行きますからね。

— naoya:へえ、それは意外だ。その考え方に共感してくれるエンジニアって、希少じゃない?

— kzk:そうかもしれないですね。

— naoya:言葉だけ聞いたら、反発する人もいそう…

— kzk:だから、やっぱり、入ってもらうエンジニアには最初に「この会社はセールスの会社ですよ?それでもいいですか?」って必ず聞いています。ただ、結構ウチがセコイなって思っているのは、オープンソースっていう切り口でエンジニアに興味をもってもらいやすいところがあるから…

— naoya:なるほど。ビジネスが強いって部分は、当たり前なんだけど会社にとってとても重要なポイントですよね。組織を維持していく大前提というか。しかも、顧客からのフィードバックを全面で受け止めてくれるのは、セールスだから。セールスが強くてそこを中心に会社が動くっていうのは、何も間違ってないですよね。でも、そうあるべき論じゃないけど、そこを表だって言って実践していくのって、いろいろ現場とハレーション起こしたりはしないものですか?

— kzk:最初から言っておけば問題ないですよ。

— naoya:なるほどw いや、僕が技術顧問をやっている『Kaizen Platform, Inc.』ではさ、典型的なパターンで、この契約獲るためにはこの機能が必要だってエンジニアが作ったけど、実際に出してみたら使われなかったとか、そういうことが初期にあってね。セールスとエンジニアがなかなか噛み合わないという時期があったんですよ。結果的にはセールスをやっているメンバーから一人PM になった人がいて、その人がお客さんのことを一番わかっていたから指示が的確で、そこではじめてエンジニア側もこの人と一緒にやってくのが大事だっていう機運が高まっていったんだけど…。そういう経験があったし、最初からセールス中心っていう意思決定できるのは大きいですね。

— kzk:そうですね。

— naoya:普通はなかなか、プロダクトはエンジニアのものだ、デザイナーのモノだ、とか言って…

— kzk:いや、プロダクトはあくまで顧客のモノであって、エンジニアが想像だけでつくるものではないので、そこを間違えると結構難しいと思いますけどね…

— naoya:確かに。「プロダクトは顧客のモノ」、はっとしますね。そういうバランス感覚を兼ね備えているエンジニアって、あんまりいないですよ。このセールスとエンジニアの話ってこれまでの連載でも幾度となく繰り返されているくらい、典型的なモノですし。

— kzk:ウチは「セールスが神だ!」っていうのを煽るための施策を結構いっぱいしていて、例えばHooplaっていうSalesForceと連携する SaaSがあるんですけど、商談がクローズしたりするとオフィス中にゴーン!って銅鑼が鳴ったりして、とにかく盛り上げてくれるんですね。それでみんなも拍手したりして。

— naoya:『Kaizen Platform, Inc.』もそこまでじゃないけど、セールスの人が大きな案件獲ってくると、全社で表彰したりとかはあります。

— kzk:ウチは、商談になった時点で、Slackのチャネルに流して全社で共有されているんですよね。今、会社にはこういう案件がこの金額で動きそうだ、というのをほぼリアルタイムに全員が把握出来るようにしています。

— naoya:おお、それはいい。

— kzk:みんなで共有することがすごい重要だと思うんですよね。それで、セールスが成功することが自分の成功体験でもあるんだよねって感覚も養ってもらうと。例えば、結構有名な企業とかの名が挙がってきたりするじゃないですか。そうすると、みんな、おーってなって、「何か手伝えることある?」って自然となっていくんですよ。「この会社、獲りたい!」っていう感覚というか。だから、例えば『Kaizen Platform, Inc.』が出てくると、「あ、俺、naoyaさん知ってるから少し話通してみるよ」とかなんとかw

— naoya:そうかー。CTO がエンジニア視点でセールスのための社内環境を用意してるということですよね。すごく参考になります。そもそも自分が、そこまでセールスに協力的になれてないのかもだなぁー。考え改めないとダメかも…

— kzk:自分の場合、もともと売るのが好きっていう志向もあるのかもしれませんけどね。

— naoya:エンジニア出身でセールス側の立場に立って他のエンジニアを巻き込んでいこうと動く人ですか。しかも、単純にエンジニアがセールス側の立場に立つというのとはわけが違って、CTO で、しかも周りのエンジニアより全然できる/わかるエンジニアが、セールスの重要性を理解してそちら側に立ってるというところが重要ですね。

— kzk:僕、オフィスにいても、意識的にセールスのシマにいるようにしてますね。

— naoya:僕も明日からセールスのシマで仕事するようにしてみようかなw

— kzk:そうすると、自然と情報が全部入ってくるじゃないですか?

— naoya:それはあるでしょうね。

— kzk:商談段階でこういう問題があって、このセキュリティがなんとかかんとかって話が耳に入ったら、「それだったらここをこうしたら解決するから、ちょっとあのエンジニアに改善してもらうよ」とか。

— naoya:なるほどね。セールスに寄り添うその志向性を持っていることは素直に尊敬する。


▲小鯛の酢〆の握りから。金目鯛は炙りを握りでいただきます。

採用に関する日米のカルチャーギャップに悩まされる?

— kzk:でもやっぱり、日米でギャップを感じるところもあって。

— naoya:どういうところですか?

— kzk:やっぱり採用というか雇用面というか。実は初代Director of Engineeringの人間がいて、その彼はコードも書くんですけど、ヒューマンスキルに秀でていて、そこを買ってマネジメントを全部お願いしてたんですけど、ある日、僕が休暇に行く前日に、「ちょっといいかな」って呼ばれて、「なによ?」って訊いたら2週間後に辞めるってw

— naoya:うはw

— kzk:だから引き継ぎしたいって言われて、俺、明日から5日間休暇なんだけどって状況なのにw でも、それって向こうじゃ結構普通なんですよね。で、高い給料を提示されて引き抜かれていきました。

— naoya:向こうでは、いざとなればレイオフすればいいとかそういうところですか。雇用に対する捉え方が根本的に違いますよね。僕も最初はなかなか理解できなかったんだけど。頭で分かってても、いざそういう場面に直面すると、えっ?ってなりますよね。

— kzk:僕、シリコンバレーで嫌なところは、人材をディスポーザブルだと思ってるところですね。とにかく、ばーっと雇って、できる奴だけ残して後は切っちゃえ、みたいな。

— naoya:そこのカルチャーギャップが、日米にはありますね。これ、お互いになかなか理解できないところなんですけど。とはいえ、今までシリコンバレーでの話をしてきたけど、いま、『トレジャーデータ』って日本にも開発拠点あるんですよね?

— kzk:今、エンジニアが20名強おりまして、半数以上が日本で、4割強がシリコンバレー。あと、コスタリカにいたりとかそんな感じで、僕たちの製品はB2B向けのクラウドサービスなんで、ざっくり分けてバックエンドとフロントエンドで分かれてますね。うちはJavaScriptからRailsまでフロントエンドに入っちゃうんですけど…

— naoya:バックエンドはHadoopでお客さんから集めたデータをストアして計算する領域で、フロントはその計算で導いたデータをお客さんに見せるところという区分けですか?

— kzk:そうですね。あとSQLを投じるためのWebアプリケーションを書いたりとか。コラボレーションつけたりとか、ユーザーマネジメントしたりとか、そういうフロントエンドは完全にシリコンバレーでやってます。

— naoya:むしろフロントをシリコンバレーに置いているんですね?

— kzk:はい。向こうの方がUIとかUXを長く専門的にやってる人が多いんですよ。

— naoya:なるほど、それは盲点でした。日本ではまだまだその辺りの専門職が体系化されてないですからね。

— kzk:確立されてないんですよね。

— naoya:そう。まだまだ属人的で、いい人がいればできるって状況。

— kzk:UXデザイナーってまだまだ浸透していないんと思うんですよね。

— naoya:それ、結構大きい課題なんですよ。で世の中これだけSaaSが出てきて最近のものは全部UIも使いやすいのに、身近ではどうしてこんな残念なものが出来上がるのかっていうのがね…困ったなって。

— kzk:日本だと職業として確立されていないんじゃないかって印象です。

— naoya:そうか、それで向こうにフロントを置いているんですね。

— kzk:デザインしてる人がシリコンバレーにいるんで、それを作る人もそばに置いておきたいって思って。同じ場所に両者がいるメリットって確実にあるじゃないですか?

— naoya:フロント系みたいに試行錯誤がたくさん必要な領域って、やっぱり顔と顔を突き合わせてやらないといけないところもありますよね。

— kzk:コミュニケーションが命なんで、それはシリコンバレーでやってます。で、バックエンドは、シリコンバレーだと、そこができる優秀なエンジニアって他社で囲い込まれてるんですよ。それと、第一線で分散処理をやってるエンジニアにしたら、サーバが何万台、何十万台の規模にならないと彼らにとっての面白みがないというか。なので、まぁマーケットに出てきませんね。バックエンドの人材は。

— naoya:なるほど。

— kzk:じゃあ『トレジャーデータ』の強みってなんだろうって考えた時、世界と勝負するとき、自分が日本人であることをレバレッジしないと勝てないんですよ。それ抜いちゃうと、ホントになにもなくなっちゃうっていうか。

— naoya:世界の才能と自分を相対化したとき、どう感じるかなんてことは、太田さんのような経験しなくちゃわかんないことなのかもしれないけどね。

— kzk:そうかもしれないですけど、でも、やっぱり、その日本人であることを活かしたくって。あと、これを言うとまたおこがましいかもしれないですけど、『トレジャーデータ』に入ったエンジニアを全員幸せ、つまりキャッシュリッチにして、その後、日本のエンジニアのコミュニティが変わるトリガーになったらいいなって。それで僕に何ができるかって言うと、シリコンバレーの給与水準で日本のエンジニアを雇うってことかなと。経営者としての観点だとそれって人材コストになっちゃうんで、削れるなら削りたいって思いの他に、やっぱり日本のエンジニアの給与が他の業界や他の職域に比べて、低いっていう現状を、微力ながら変えていきたいなと。

— naoya:じゃあ、日本で働いているエンジニアは、シリコンバレー基準の待遇なの?

— kzk:さすがにシリコンバレーと同じという訳ではないのですがが、日本の市場だとよそに負けたことはないレベル感ではありますw

— naoya:そっかぁー、それはいいですね。

— kzk:なにしろシリコンバレーはスタンフォードの新卒で1500万貰いますからねw

— naoya:まぁ額面だけでは比較できなくて、日本とは生活水準が違うって部分もあるんだろうけどね。

— kzk:でも、当社、なんだか採用に苦戦している部分もあって…敷居が高いと思われているのかもしれないんですけど、そんなことはないので、その印象を払拭したいとは考えているんですけどねー。

— naoya:敷居が高く見えてしまう気持ちもわかりますけどw

— kzk:うーーん。ウチにくれば、英語が喋れるようになり、バックエンドのスキルも、それこそシリコンバレーの第一線で育むのと変わらないスキルセットを持てるようになるんで、グローバルでの人材的な価値ってものすごく高めることができる環境だなと思っています。

— naoya:そうなんだろうけど、簡単には入れそうにないなって思ってしまう人はいるでしょうね…。英語力は必須なんですか?

— kzk:最初は英語話せなくても大丈夫です。言語は最初、崖に落ちてなんぼだって思っているので、ウチは全員、最初に崖から落としますw

— naoya:ww


▲色鮮やかな、ウニとエビが登場です。

CTOにも色々なカラーがあっていい。

kzkの役割は、正しくはテクニカルファウンダー?

— kzk:こういうこと言うと、また敷居が上がっちゃうかも知れないんですけど…僕はもう、エンジニアとしては、『トレジャーデータ』の中じゃ最底辺なんですよ。

— naoya:はじまっちゃった、その謙遜w

— kzk:w うーん、でも実際、自分が書いたコードはほぼ書き換わりましたしね。

— naoya:よくその辺、割り切れますよね、もしかして、あんまりこだわりがないんですか?エンジニアリングに。

— kzk:僕、取締役でもあるわけだし、給与も売上と連動になってる部分がかなりあるんですよ。だから、マネジメントとして、売上ってところがKPIなんで、月の収益(Monthly Recurring Revenue)をいかに増やすかが、僕の至上命題です。

— naoya:そういう話を聞くと、果たして太田さんは典型的なCTOなのか、って疑問符が付くよね。

— kzk:典型的なCTOってどんなのか、よくわかんないですけどねー。日本だと…これ、naoyaさんと藤本さんの責任だと思うんですけど、CTOが神格化されすぎなんですよw 全ての役割が、このCTOっていうよくわからない単語に詰め込まれてしまっていてw

— naoya:すみませんw

— kzk:ありとあらゆることをしないといけないんじゃないかってなっちゃっててw

— naoya:日本の…と言うと主語が大きすぎちゃうと思うんですけど、日本のWeb業界の、それもスタートアップ期の企業って、マネジメントできる人が非常に少ないんですよ。他に比べてまだ若い領域ですからね。だから、救世主を求めている状態。それもあってこれまでのような文脈になっちゃうんでしょうね。多分、世の中の人が思い浮かべる本来的なCTOって、会社の根幹となるテクノロジーをつくる人?技術的なビジョナリーというか…

— kzk:個人的には僕、CTOにもいろんなカラーがあっていいと思うんですよ。あと、マネジメントができる人と分業するっていう考え方や視点を持っていても良いとは思うんですよね。実は僕の中では、5人のCTO、『グリー』の藤本さんと『楽天』の安武さん、『セールスフォース・ドットコム』の及川さん、あと『クックパッド』の舘野さんとnaoyaさんをケースとして見てて、今後自分がどうなるかなというものを参考にしてるんです。誰かになりたいと思っているわけじゃなく、この5人の中にヒントが有るのだろうなと思っていて。

— naoya:これまでの対談に登場してきていただいた方は、組織マネジメントして、ヒューマンマネジメントして…っていうタイプの人が多かったのかなって思うけど、太田さんはそういうタイプじゃないんだろうなぁーと。話を聞いていると新鮮に感じる部分が多いですね。

— kzk:U.S. だと、僕のカテゴリーって厳密にいうとCTOじゃないんですよ。テクニカルファウンダーなんです。会社を創ったメンバーの中で、テクニカルな面から事業を見れる役割といいますか。

— naoya:なるほどね、今までの話を聞くと納得できます。

— kzk:だからCTOってくくりで抽象化しようとすると、タイプがいっぱいあり過ぎてわかんなくなっちゃうのでは?と思いますね。フェーズによって役割が全然違ってくることもあるし。だから、CTOをとっかえひっかえしちゃうんですよ、U.S. だと。日本が面白いのは、フェーズごとに向いた人がいるはずなんだけど、CTOをとっかえひっかえしようという発想はないですよね。

— naoya:それはたぶん、先述した雇用形態の問題やカルチャーの問題もありますね。だからCTOになった人がフェーズごとに合わせて自分の役割を変えていくことを要求されてるって感じはしますよね。もともとバリバリ前線で開発してた人が、ある時から採用にフルコミットして、それが一段落したら今度は組織づくりだ…ってなっていきますし。

— kzk:僕、『クラウドワークス』とかすごいなぁって思ってて。創業期のテクニカルなファウンダーが、自分よりできるCTOを連れてきてパッと変わっちゃうとかって。フェーズが変わって思うところとかあったんでしょうね、きっと。僕も常に悩むのが、自分がこのポジションにいるのが最適なのかってことなんですよね。そこは毎日自問自答して、常に最適解を追いかけたいですね。もし、間違ってしまったら、会社の仲間や関係者全員に迷惑かけてしまう。その責任感は忘れちゃいけないと思ってやっています。ただ、CTOの職業って、全体最適する上で必要なんですよ。個々人のレベルが高いメンバーをそろえるのはもちろんですけど、それ以外に全体をどうしていくかをコントロールしていくから…

— naoya:なんかちょっとわかったような気がするんですけど、日本のWeb企業って、創業期にプロダクトアウトでモノづくりしていきますって宣言・実践する会社は、やっぱり少ないですよね。どちらかって言うと、海外のビジネスモデルを参考にやりましょうとか、あるいは日本のドメスティックな既存ビジネスにちょっとITを入れてみましょうとか。だから太田さんのようなテクニカルファウンダー的な創業期CTOの存在がなくても離陸することができて、いよいよ開発が必要になってきて適当にやってはみるんだけど、うまく回らなくなって、そこでようやく開発のマネージャーが必要になるっていうのが、典型的なパターンなんですよ。だからこそ日本のWeb企業でCTOと言われると、ゼロからイチが終わった段階で、組織を落ち着かせるための存在のようになってしまうんだね。

— kzk:先週お会いした舘野さんも、それ、言ってました。後から入ったから、全体を見た時にここはダメだなって思ったところをちょっとずつ叩いて、上手く回すっていうところはやったことあるけど、ゼロからイチをつくる、なにもないところから走り出すって言うのは、あまり経験がないって。

— naoya:「本当のスタートアップで世界と戦っていこうとすると、プロダクトの力はものすごく重要で、そこにコミットする人がCTOだ」っていう、太田さんのような文脈が加わってくると、役割とかも変わってくるのかなって。

— kzk:シリコンバレーで会社をつくって、ビジネス側とテクニカル側で、それぞれいろいろな役割を負ってやっていくんですけど、やっぱり、ファウンダーにしかできないことってあって、「もともとなんでこの会社つくったの?」とか、「どっちの方向に向いて5年後どうなりたいか」とか、「そこでゴール決めてじゃあ3年後に10倍になりましょう!」とか、そういうのって外から来た人が言っても説得力に差があるんですよ。会社を創った人が言うことで、会社全体からのメッセージアウトを発信していくのが重要なのかなと思いますね。僕以外にCTOがいてもいいと思うし、ファウンダーの役割を果たし続けていけばそれでいいかなぁと。

— naoya:なるほどね。いやぁ、なんだかCTOという単語一言でくくるのは、本当に難しいんだなぁーと太田さんと話していると納得できました。もっと色々と日米の違いも聞きたかったけれど、時間切れということで、今日はこのへんでお開きかな。

— kzk:そうですね。自分なりの新しいCTO像を、これからも模索していきたいと思います!


日米でのCTOの役割の違いなど、これまでの対談とは違った視点での会話が弾み、あっという間に時間が経った今回の#naoya_sushiはここでおひらき。

太田さんがCTOを務めるトレジャーデータでは、エンジニアの採用を行っています。多くの企業に導入されているクラウド型のデータマネジメントサービス『Treasure Data Service』を手がけながら、スキルを磨きたいという方は、ぜひ求人情報もチェックしてみてください。

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インタビュアー紹介

伊藤直也

ニフティ、はてな取締役CTO、グリー統括部長を経て2013年9月よりKaizen Platform, Inc. 技術顧問。ブログやソーシャルブックマークなど10年間、ソーシャルメディアの開発と運営に携わる。著書に『入門Chef Solo』(達人出版会)『サーバ/インフラを支える技術』『大規模サービス技術入門』『Chef実践入門』 (技術評論社) など多数。

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