この企画は、有名企業で活躍するエンジニアと杯を交わしつつ

酒の力を借りてホンネを探るという、かつて無かったインタビュー企画である。

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【小飼弾が探る!】月間2000億リクエストを

さばくフリークアウトの素顔とは?

株式会社フリークアウト

RTB(リアルタイム入札)によるオンライン広告の配信を行う、日本における専業DSP(デマンドサイドプラットフォーム)の先駆けとして事業を展開。また国内に限らず、米国、シンガポールへも事業展開をしており、いま注目のアドテク企業である。
2014年6月、東京証券取引所マザーズに上場。

どうも、こんにちは。小飼弾です。

最近マザーズ上場も果たし、やたらと話題のフリークアウト。オフィスがカッコイイとか、遊び心溢れているとかよく聞くけど、実際、“50ms or die”と掲げているフリークアウトのRTB(リアルタイム入札)まわりの仕事はおもしろいのかね?中のエンジニアたちはどう働いてるの?

今回は、フリークアウトで働くエンジニアの本音を聞き出すべく、お酒を酌み交わしながら(飲ませて)あんなことやら、こんなことを聞いていこうと思います!
(というか入り口、カッコイイなぁ)

うほっ!いいオフィスだねぇ、これが噂のプールかぁ〜!

あっ、このさやえんどうのお菓子好きなんだよね、僕。

楽器まで置いてあるんだ!ほぃっ!

おぉ〜、あれは!ハンモックまで!
いやぁ〜、ちょっと六本木に来た時は、毎回ここで休んでいってもいいかね?(笑)

いやいや、こんなことやってる場合じゃないですね。エンジニアの本音を探りに来たんだから。

そうこうしているうちにフリークアウト名物?の1つ、バーカウンターに、エンジニアお三方がいらっしゃいました。さぁ、いろいろ聞いちゃいましょう。ふふ。

ではでは、乾杯して早速はじめましょう!カンパーイ!

ゲストプロフィール

箭内直樹さん

2013年10月入社。広告系のスタートアップで事業責任者を経験した後、2013年にフリークアウトにプロダクトマネージャとして、プロダクトのロードマップ作成、仕様決定から設計までを担当。個人的な活動として「データマイニング+WEB勉強会@東京」の運営に参加。苦手なお酒は、バーボンとウィスキー。

久森達郎さん

2011年12月入社。サービス基盤(機器調達/構築/運用)からAPI開発までほぼすべてを担当。最近は新規事業でサーバサイドからスマートフォン周りまで取り組んでいる。お酒の好みは、ビールならIPA系、焼酎なら麦、ウィスキーならモルト、日本酒なら淡麗辛口のこだわり派。

加藤慶一さん

2013年1月入社。hadoopやelasticsearch、fluentdなどログ収集や分析のための基盤の構築、運用を担当している。ビールはアサヒスーパードライ、あとは辛口のお酒が好み。芋焼酎は苦手らしい。

オンライン広告の買い方を変える?!

広告業界のパラダイムシフト

— 小飼:”Freak out!”って、「たまげさせる」という意味ですよね。フリークアウトさんはどうやって世の中を”Freak out”させようとしたんですか?

久森

「オンライン広告の買い方を変えた」というところですね。フリークアウトがやっているのは、バナーや動画広告が表示される瞬間に見ている人(ユーザーエージェント)を識別して、過去の行動パターン、属性を判断して、最適な値段で、最適な広告主の広告を表示するシステムです。いままでの広告は枠と期間で買うのが一般的だったのが、これ以上分解できない1インプレッション単位までの最適化まで進んできたというのは大きなパラダイムシフトなんですよ。

— 小飼:始めたのはいつでしたっけ?

久森

2010年10月に創業して、2011年の頭から営業開始。創業から3ヶ月ちょっとでリリースされたサービスです。

箭内

日本でいち早くRTBを使ったDSP(デマンドサイドプラットフォーム)を事業化させたのがフリークアウト。そういう意味でも注目されていますね。

— 小飼:すごいですよね、最近は上場もされてますし。いじわるな質問かもしれませんけど、なんで当時は競合他社がいなかったんでしょう?

箭内

取り組み自体はしていたと思うんですけど、他社よりも先にローンチできたのがフリークアウトだったんですよね。

— 小飼:御社がそれに間に合った理由は?

久森

代表の本田が技術者だったというのが大きいかなと。経営者としてもエンジニアとしても「これはいける」とすぐに判断し開発、リリースできたのが大きかったのではと思います。

— 小飼:素晴らしい!ちなみに、御社が掲げている“50ms or die”の50msはどこから算出しているんですか?

箭内

RTBというのは、DSPとSSP(サプライサイドプラットフィーム)のプレイヤーがサーバ間でオークションをする仕組みなんですが、SSP側も長い時間は待ってくれないです。リクエストして返すまで100ms以内でないと入札できない。つまり、DSPは50ms以内にリクエストを返さないといけないんです。

月間2000億リクエストを支える

テクノロジーとは?

— 小飼:いまトラフィックはどれくらいあるんですか?

箭内

いま日本を含めたアジア地域でいうとRTBの入札リクエストが、月間2000億ほどです。

— 小飼:月間2000億!!DSPだと国内最大級ってことですよね?

箭内

はい。大手のソーシャルゲームでも、大手のポータルサイトでも、PVは月間数百億程度と言われているので、それよりもはるかに多いです。

— 小飼:ちなみに、サーバーはいまどう確保されているんですか?

久森

日本はオンプレミスで、データセンターにラックを借りて機器を買って、物理的なネットワーク構築までひと通りやっています。ただ、海外はクラウドですね。RTBを成立させるには接続先広告配信サーバーと物理的に近くなくてはいけないので。ネットワーク的に近いロケーションが要求されます。

— 小飼:アメリカの場合、East coastとWest coastでも分けないといけないですもんね。日本でもクラウドに移行しつつあるんですか?

久森

いえ。今のオンプレミス環境で増設していってます。

— 小飼:むしろ増やしている!なぜでしょう?

久森

DSPはサービスの性質上トラフィックをある程度見越せるので、コストコントロールの観点や、アプリケーションの実装状況を踏まえて判断しています。それなりにスケールできるようネットワーク基盤を作ったので、そのままの流れで増設していけるのも大きい。あと “一部だけSSDにしたい” とか “あのサーバだけメモリを追加したい” といった細かいチューニングができる点はクラウドではできないところですね。

— 小飼:クラウドは基本全部トラフィックチャージですもんね。転送量の多いサービスというのは、どこもそこで苦労なさってる印象がありますよね。

久森

インターネット回線を引いて、機器を調達して、というあたりを自分たちでやる値段と、クラウドのトラフィックチャージでは差がありますね。転送量以外ではCPUを利用するコストが結構高い。RTBの買い付け判断処理は特にCPUバウンドになる部分なので、クラウドサービスだと上位のインスタンスタイプを使うことになってなかなかいいお値段しちゃうこともあります。

— 小飼:GCEとかどうです?Googleがやっているやつ、どうなんです?
※GCE= Google Compute Engine

久森

これから検証していきたいですね、最近盛り上がってきてますよね。日本でもソリューションアーキテクトをやる人が現れて、もっと情報が出てくるようになりそうだなと。

— 小飼:やってますよね。Googleは競合サービスでもありますよね。あちらはあちらで広告売ってるわけですから。どうなんですか、競合と認識していますか?

加藤

競合でもあり、取引先でもあります。

箭内

ディスプレイ広告でいうとGoogleはDSPもやっているし、アドネットワークのようなメディア寄りのサービスもやってますよね。ということもあってDSPというサービスでは確かに競合になるんですけど、視点をかえればGoogleはフリークアウトにとって広告枠を適用してくれるパートナーという感じですね。

— 小飼:買われたりしないんですか?上場したのはマズかったかもしれないですね(笑)

久森

・・・(笑)

— 小飼:開発言語はどうです?広告配信部分はPerlで?

箭内

はい。ただし、いざグローバルで展開するとなると、DSPの入札リクエスト数は1桁違ってくるので、いまの言語が正しいかは常に考えなければいけないと思ってます。

— 小飼:Rubyとか、他の言語は?

加藤

Rubyは一部のツールでSinatraを使っていたりと、ちらほら見かけますね。あとはHadoopのMapReduceはJavaで書いてますし、データ分析のところだと、分析者のPCでPythonやRが動いています。

— 小飼:フリークアウトのエンジニアにとって、絶対必要な言語とかありますか?

加藤

これがなきゃ、というのは特にないですね。僕はフリークアウトに入って初めてPerlを書いたぐらいですし(笑)それまではPHPだったので。

— 小飼:ほぉ、それは面白いですね!ちなみに、社内で新しい知識をつけるための勉強会とかあるのですか?

久森

毎週金曜日に勉強会を開催しています。講師を社員から出して、その人の担当していることとかを教え合う。たまに社外のエンジニアを呼んで講師をやってもらったりしています。

箭内

ちなみに、エンジニアにはオープンソースコミッター手当というのがあって。

久森

なにかしらオープンソースにコミットしているエンジニアは、それを申請して審査が通ると、月3万円もらえるんですよ。基本的に審査は通りますけど(笑)

— 小飼:本当に?いい時代になったなぁ〜(笑)

国内最大級のトラフィックで

実験できる環境があるということ

— 小飼:いろいろ調子良さそうですけど、なにか直面している課題とかあります?2000億リクエストもあれば、いろいろあると思いますけど。

久森

分散データストアのレイテンシーとアベイラビリティをどう両立させるかは、大きなチャレンジですね。

— 小飼:”50ms or die”と掲げていらっしゃいますもんね。だけど、そういうのを考えて実験するのは楽しそう!

久森

そうですね。ただ、FreakOutの場合は、そこそこのトラフィックがある環境で実験できるというのが大きいですよね。トラフィックがないところで実験しても、サービス環境で運用できるか判断が難しいので。

加藤

「コレで行ける!」と思っていても、大きなトラフィックに晒すとダメだったりすることはよくありますからね(笑)

— 小飼:たしかに、そもそも量的にダミーデータを生成するのが大変ですよね。アマゾン川をコピーできますかと。それであれば本物のアマゾン川を使いましょうと。

久森

それはありますよね。それやるくらいだったら安全な形でサービスに組み込んで実験する方が早いと。サービス環境に組み入れて値変えてみて性能検証していくとか、そういうこともありますね。

— 小飼:社名に反して、すごい地味ですね(笑)

加藤

地味ですね。ただ、CTR(クリック率)が0.01%改善するだけで何十万も何百万も売上影響するんですよね。ちょっとずつ進めた、その一つひとつの仕事が大きな数字をもたらすんで。

箭内

エンジニアリングが売上に直結してるんですよ。だから、ビジネス的な指標もエンジニアが見ないといけないし、そもそもエンジニアがメインでプロダクトや商品の設計をするんですよね。

— 小飼:それは面白いでしょうねぇ。

久森

取り組む人の心の中だけの主観や感覚的なところが入り込む余地が少ないというか。技術的に客観的な事実に基づく設計が重要になりますね。

— 小飼:信じられるのは数字だけと。

加藤

そう、直感で「こういう風に変えれば、CTRはあがるんだな」の「こういう風」というファジーな考えができないんですよね。

— 小飼:あらためてお伺いしますと、エンジニアにとって、アドテクの魅力はなんでしょう?

箭内

私は前職もアドテクだったんですけど、転職してもアドテクに行こうと決めていて。面白くて、この業界が。

— 小飼:どのあたりが面白いんですか?

箭内

大規模データ、高速処理、エンジニアリングがビジネスマーケットに直結する、の3点ですね。
さきほど久森からも、レイテンシーとアベイラビリティの両立が課題とありましたが、この規模で実験できる環境というのは、なかなかありませんから。やっぱり楽しいですよ。

— 小飼:実際に面白そうですし、確実に多くのお金が動く分野ですものね、広告業界は。お金が動くのが、Digital by Digitalで保証できているのは広告だけなんですよ。他はお金をとっていたのに、突然無料になったりするでしょ。

加藤

たしかに(笑)

おひらき

— 小飼:いやぁ、飲ませていろいろ腹黒い話を聞こうと思ったけど、やっぱりエンジニア同士ではこういう技術の話、楽しいですよねぇ!

加藤

そうですね。普段飲むときも、大体エンジニアリングの話になりますしね(笑)

— 小飼:では、そろそろ終わりにしたいと思うんですけど、何か語り足りなかったことありますか?フリークアウトの自慢とかでも(笑)

加藤

いい意味でフリークアウトは完成していない会社。やれることはたくさんある。そこが大変でもあり、面白いところです。

— 小飼:ビジネスモデルは伸びますよね、これから。あとはサーバーをまとめるべきか、ばらすべきかとか、実装のとこですもんね。

箭内

本当にその通りで、エンジニアリングでしか解決できない課題がたくさんあるということが面白いところなんですよね。

— 小飼:逆にコードが書けなければ負けと。面白そうだなぁ。

加藤

どんだけ最適化をかけていけるか。F1みたいな感じはしますよね。

久森

たしかにF1な感じですね(笑)ギリギリを追求するというか。

— 小飼:私も、優秀なエンジニアはギリギリイズムを追求している人だと思いますね。

久森

そうですね、苦手分野より得意分野でサービスに取り組めるとよいですよね、弾さんはCTOやって、データセンターを作った経験があるのでインフラは当然としてあまり苦手なことなさそう。

— 小飼:苦手な分野はありますよ、CSSとか(笑)

一同:(爆笑)

インタビュー後記

一見派手に見えるフリークアウトさんですが、実際は地味にコツコツとやられているのですね。それにしても、月間2000億リクエストをさばくために試行錯誤できるなんて、すごく面白そう。いやぁ、今日は楽しい飲み会だったー(笑)

そんなこんなで「アドテク業界の雄」として今まさに伸び盛りのフリークアウト。ビジネスをさらに大きく育てていくために、このスリリングな環境で手応え充分の仕事に挑んでみたいというエンジニアを募集しているそう。この記事を読んで、ちょっとでもうらやましいと思った人は、ぜひ求人情報もチェックしてみて欲しいね!

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インタビュアー紹介

小飼弾

プログラマ、ブロガー、実業家。コンピューターネットワークの構築・機材販売、文書翻訳、コンサルティング業務などを行なう株式会社ディーエイエヌの代表取締役。Perl5.8の開発に携わったことでも知られる。オン・ザ・エッヂ元取締役。

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