この企画は、有名企業で活躍するエンジニアと杯を交わしつつ

酒の力を借りてホンネを探るという、かつて無かったインタビュー企画である。

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【小飼弾が探る!】マンガボックスの収益は二の次!?

DeNAエンジニアが“面白い”に没頭できる環境づくり

株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)

「Mobage」「DeNA ショッピング」「モバオク」など、様々なモバイルインターネットサービスの提供や、プロ野球「横浜DeNAベイスターズ」の経営などで広く知られる東証一部上場企業。積極的に新しいサービスの創出へ取り組んでおり、人気漫画家の新作連載が無料で読める週刊漫画雑誌アプリ『マンガボックス』等、注目のサービスを続々とリリースしている。

どうも、こんにちは。小飼弾です。

前回から始まった、エンジニアの本音を(飲ませて)聞き出すこの企画、今回はDeNAさんにやってきました。

DeNAといえばMobage(モバゲー)のイメージが強いけれど、何やら常に新しいことにチャレンジしようとうかがっている様子。最近は『マンガボックス』なんかも注目度が高いですよね。

今回もエンジニアの本音を聞いちゃいましょう!
では、お酒を持って突撃~!

お~!ロビーはいきなり広くておしゃれな空間。渋谷の夜景も一望できちゃうね。

これはかわいいね。ベイスターズもDeNAなんだよな、すごいよな~!

さてさて、こちらが今回インタビューさせていただくエンジニアさんの皆さん!

どうやらあまりお酒は強くない(?)ようなので、これはいろいろと聞き出す絶好のチャンス。

それでは早速、始めましょう!カンパーイ!

ゲストプロフィール

千條吉基さん

2011年8月入社。エンターテインメント事業本部 システム部 部長。各サービスの立ち上げから運用まで全般をサポートしている。酒は好きだが強くはない。飲み会では主に梅酒とカシスを担当。

松前健太郎さん

2013年4月入社。IPプラットフォーム事業本部 サービス開発部にて『マンガボックス』のiOSアプリの開発を担当。お酒は全く飲めない代わりに毎日炭酸水を飲んでいる。

外山要作さん

2012年5月入社。エンターテインメント事業本部 システム部。サービスの新規立ち上げから運用まで全てを手がける。好きなお酒はウイスキー・ビール・日本酒(辛口)・ホッピー・テキーラ。

入社のキッカケは、

より多くのユーザーにリーチできる環境

— 小飼:まずはじめに、そもそもDeNAへ入社した理由は?

千條

私は元々、携帯メーカーでUIフレームワークの開発からそれを使ったアプリケーションの開発などをやっていたんですが、アプリを作っても端末の販売台数以上に利用者が伸びないんですよね。Google PlayやiTunesに上げれば世界中にリーチできるのに……っていうもどかしさを感じていたんです。
だから多くの人にリーチできる事業、なおかつどんどん時代に合わせて変化している会社が面白そうだなと思って探していたらDeNAと出会いました。

— 小飼:一端末メーカーだと限界があると?

千條

そうですね。結局ユーザーに寄り添った便利な電話帳がストアにあれば、インストールしてそちらの方が使われますよね。アップデートも早いし。一方で端末の電話帳は、フルで機能を使おうとするとOSの機能とも結合する必要があったりとクイックなイテレーションを回せなくて。

— 小飼:プリインストールされるアプリのデメリットを感じたわけですね。

千條

はい。万人のことを考えると、どうしても丸いものしか作れない。作りづらいなと思うところもあって、ストアに上げられるアプリを作りたいと考えるようになりました。

— 小飼:松前さん、外山さんはいかがですか?

松前

僕は前職の某動画投稿サービス運営会社で、iOSアプリ全般をやっていたんですが、もっとスマホアプリに力を入れているところでやりたくて転職しました。PC版のサービスが中心の会社だったので、スマホで自由にってのは難しかったんですよね。

外山

僕は10人くらいの本当に小さいベンチャーで、受託開発から自社サービスまで何でもやっていました。表向きの理由は、当時サーバーの大規模アーキテクチャみたいなAWSが出てきたこともあり、より多くのユーザーに向けたサービス開発をやってみたかったってことですかね。大規模なユーザーベースを持っている所を探していた時にちょうどDeNAから話があったので、転職しました。

— 小飼:裏向きの理由は?(笑)

外山

ちょうど結婚することを考えていたので、待遇面というか……まあ、結婚を機に転職しようと思ったってことですね(笑)

— 小飼:それはすごく重要ですよ。この手のインタビューってかっこいい理由ばかり言うんですよ。「前職の給料が安かったから」みたいな話ももっと出してほしいですよね。まあ、どんどん飲みましょう!(笑)

Mobage成功による自信が過信に

――comm、Groovyの苦い思い出

— 小飼:まずは、過去の失敗について聞きたいなあ。

千條

comm(*1)とかGroovy(*2)ですかね。数年前のDeNAには、なんだかんだMobageで成功した経験から、「自分たちがやれば成功するっしょ!ユーザー集まるっしょ!」っていう根拠のない自信がありました。今のような「どうにかしてグロースさせなければ」っていう意識が薄かったんです。

(*1)無料通話/インスタントメッセージアプリ。2013年6月頃から運営体制を縮小した。
(*2)スマートフォン向け音楽プレイヤーアプリ。2014年3月に提供を終了した。

外山

綺麗にやりすぎたというか、泥臭さが足りていなかったのは反省点の一つですね。単に広告を出して済ますとか、社内のパソコンだけで収まることだけではなく、今は足を使って泥臭いこともやるようになりました。

— 小飼:エンジニアも泥臭いことを?

千條

人によってはしますね。僕も一応マネージャーだけど、SHOWROOM(ショールーム)でアイドルのライブ配信のケーブルを引きに行きましたし、自宅で配信するモデルさんのPCをセットアップするために電話サポートしたりもしてました(笑)

— 小飼:でも、一方でマンガボックスは結構かっこよく登場した印象だよね。

松前

マンガボックスはシステム的にはシンプルなのでエンジニア的な泥臭さはあまりないですが、編集部の方では結構地道な活動もやっていますね。マンガボックスインディーズ(一般ユーザーがマンガ作品を投稿できるサービス)のビラをコミケで配ったり。

— 小飼:comm、Groovyの時にはそれが無かった?

千條

無かったとは言いませんが、やっぱり規模も大きい大人数でのプロジェクトでは一人ひとりのそういう泥臭さは少なかったなと。しかも人数が多いとコミュニケーションコストが増える→開発が遅れる→さらに色んな人の意見が入ってくる→意見がまとまらない、といった悪循環が生まれていました。

エンジニアは1人でいい!

究極のスモールチームがもたらすスピードアップと意識改革

— 小飼:commとGroovyチームって、最初は何人だったんですか?

千條

commは最初は少なかったですね。iOS1人、Android2人、サーバー1~2人、の4~5名体制ですね。まあ今の新規事業の立ち上げからすると多いんですけど。

— 小飼:え、今はもっと少ないの?

外山

今は1人か、多くても2~3人とか、それくらいですね。

千條

commやGroovyをやっていたチームが主体となって今のエンターテインメント事業本部ができているんですが、commやGroovyの反省点で、「意見がまとまらなかった」「動きが遅かった」という話になり、何でだろうと考えた時に「よりスピーディーでないとダメだよね」という話になって、次にやる時はよほど成功して大きくなるまではスモールチームでいこうと方針を掲げました。
少人数っていうのはミニマムで1人なので、サーバーもクライアント対応も両方できれば1人でいい。どうしてもできないんだったらクライアント側とサーバーそれぞれの2人でいいという考えで今はやってます。

外山

エンジニア含め小人数のチームだと「自分のサービスなんだ」っていう意識が強くなるし、「自分が当ててやろう!」っていうマインドも強くなってきましたね。

— 小飼:commやGroovy時代を知らない、新しいエンジニアが入ってきた場合どうしてるの?

千條

一応僕は「赤裸々な過去の失敗パワポ」を作って共有しています(笑)

— 小飼:めちゃくちゃ見たいな。それはスライドシェアに上がっていないの?

千條

絶対に上げないです(笑)

開発にとことん没頭できる

――1人でも作れるエンジニアが独立しないワケ

— 小飼:1人で1つのサービスを作り上げてしまうのだとしたら、DeNAである必然性はどこにあるの?なんで個人でやらないの?

千條

追い込まれているという危機感を持ちながらも、お金のこと・経営のことを気にせず開発だけに目を向けられるっていうのは、すごく理想的だと思うんです。没頭できるというか。

外山

私もまさに、サービスに没頭できる環境があるというのは、今自分がこの会社にいる一番の理由だなと思っています。コードを書いている時が一番幸せなので。

— 小飼:エンジニアが余計なことを考えなくても良いっていうのは、割とインセンティブとして大きいのかもしれないね。

外山

僕はあまり独立しようと考えたことはないんです。先程1人で作るって話がありましたけど、デザインとかはちゃんと見てもらいたいんですよね。形を作っただけでは、まだアプリとしては未完成だと思うんです。デザインとか細かい所までちゃんと誰かと一緒にやれるっていうのは大きいです。

松前

あとは、企画のメンバーからも学ばせてもらうことがたくさんありますね。思いつきじゃなくて、自分でクエリを書いて数値を引っ張ってきて、ロジック立てて説明してくれる。もちろん、感覚的なところだったり他サービスへのアンテナだったりバランス感覚が良い人も多くて、彼らから学ぶことも本当にたくさんありますね。

— 小飼:優秀な人と仕事をしたいっていうのは確かに大きいね。DeNAさんの場合、会社の階層ってあまりないんでしたっけ?

外山

ないですね。エンジニアが下のエンジニアに指示出すというよりは、個々のエンジニアが自分でやる感じです。

千條

事業本部という大きなくくりの中で、各サービスを担当するチームが個々に動いているイメージです。職能別の部はありますが、普段それを意識して動くことはほとんど無いですね。

立ち上げから一緒に作るからこそ、

“外せない”プレッシャーがかかる

— 小飼:他に、皆さんが個人ではなくDeNAでやる理由は?

千條

ぶっちゃけた話をすると、サービスを失敗しても、それに連動して評価や給与が下がるわけではないんです。だから失敗は失敗できっちりできる。失敗したらもう食えないではなく、失敗はポジティブに受けとめる。だから次のチャレンジに集中できる。

松前

世の中を見渡してみて、成功するサービスっていうのは本当に僅か。失敗しても次は成功する人もいるわけで、失敗から何かを学べていて次に改善できる環境であるならポジティブに考えていい。

— 小飼:失敗を許容する環境っていうのは裏返せば、「失敗してもいいや」みたいな危機感を奪うものにはならない?

外山

失敗できない理由はすごくあります。仕様の話とか、エンジニアでもどういうサービスを作るかという立ち上げ段階から一緒に考えるんですよね。
僕らがやるサービスは「これは当たる」「これは外さない」という熱い感情があってのものなので、「絶対に外せない」というプレッシャーはかかります。言い換えればプライドみたいなものですね。

千條

誰かが考えたものをエンジニアが受け取ってやるっていうスタイルだと一体感も生まれないので、エンジニアも自分たちで考えて進めています。

— 小飼:本当に、考える人と開発する人は対等にやれてる?

外山

あまり上下関係っていう感覚を持ったことがないですね。僕は数字が好きなので分析もしますし、逆に企画の人にSQLを覚えてもらって書いてもらうこともあったり。ほとんど分けて考えてないですね。

松前

お互いに自分たちの思いつかなかったインプットをくれる存在になっています。いろいろと最初のタネは企画の人間が持ってきてくれて、形をふくらませていくのはみんなでという感じですね。

まず流行るイメージができるか?

DeNA流 アイデアをボツにする方法

— 小飼:DeNAの新規事業って、誰が提案して、誰がやるって決めて、誰がチームを構成していくの?

千條

ディレクターの部分は別に誰でもいいって感じですね。エンタメ事業本部だと、新しいものを生み出すのは全員のミッション。必然的に企画の人間の方が多くはなるんですけど、「こういうジャンルで攻めたほうが面白いんじゃないか」とか「このアイデアとアイデアを組み合わせよう」というタネの状態からエンジニアも一緒にサービスにしていくスタイル。誰かがガチガチに決めた仕様をエンジニアに振っていくというよりも、最初から巻き込みたい人を巻き込んでいく感じです。

松前

会社の制度としても、3カ月に1回のペースで「IDeA Talk(アイデアトーク)」というイベントがあって、誰でも新規事業のアイデアをプレゼンできるんです。まあ、なんでもかんでも事業化、というわけにはいかないので、150個くらいのネタがあっても形になるのは一つくらいですけど。

— 小飼:陽の目を見ないアイデアもかなりあるんですね。ちなみにボツする基準というのはどうしてるんですか?

千條

すごく分かりやすく言うと、どうやって流行っていくのかイメージが湧かないものは後回しにしています。流行らせたいけど、流行らせ方が分からなくなって萎んでいったものは、過去にいくつもあって。

外山

個人でやる分には自分がやりたいものを作ればいいかもしれませんが、この部署でやるには「いかにグロースさせるか」という部分が最重要視されますね。

千條

伸びていくサービスというのは、「こうしたら上手くいくんじゃない?」というアイデアがどんどん思いつくっていうか。最初からそれに悩むようなサービスは実際に育てきれないことが多いですね。何となくでもイメージできるかを重視しています。

— 小飼:では、サービスを止める判断は?

外山

一応目安を設定してはいますが、新規事業の数値目標は立てづらくて……。成長曲線を描けているのかが大切ですね。数値よりも良い成長カーブを描けているか。

— 小飼:成長っていうのは、ユーザーを獲得できているかどうかということ?

千條

それも含めて、盛り上がりの指標ですかね。そこはサービスによっても違うので。最初はとにかく面白いものを作ろうという思いです。マネタイズは流行ってから考えようっていう……(笑)

松前

変にマネタイズばかりを考えちゃって面白くないサービスになっても意味がないですしね。

— 小飼:マンガボックスは結構最初からビジネスプランがありそうな気がしましたが。

松前

マンガボックスについても、しばらくは「いかに流行らせるか」を重視していきたいと思っています。当然企業なのでしっかり稼がないといけないわけですが、最初からそれありきになってしまって、サービスの芽を潰したくはないですね。

— 小飼:ビジネスプランありきではなくて、「このサービス流行りそう」とか「こういうユーザーが使えそう」っていうストーリーの描けるものをリリースしていくってこと?

千條

そうですね。そりゃもちろん、儲かるビジネスプランがパッと見つかるのなら是非やりたいですけど……なかなかそうはいかないですからね(笑)

— 小飼:大きなトレンドとして、誰もが日常的に使うほど流行ったものっていうのは、後で必ず収益化できているわけだしね。何万・何百万ユーザーを目指したいみたいな、エンターテインメント事業本部としての目標はあるんですか?

千條

今は、下手にそういった数字を立てると良くないかなと思っています。投資を受けて騒がれているようなベンチャーも、実際のユーザー数なんてホントたかが知れてるけど毎月ユーザーが倍に増えてるとか、その先の将来性を感じるところが評価されたりしますよね。

外山

DeNAの場合、Mobageと比べてユーザー少ないよねっていう数字で評価しちゃうと、もしかしたらすごく大成するものも潰しかねないと考えて、今はあえて数字は外しています。

— 小飼:サービスの芽を潰さないという配慮は、なかなか他がすぐに真似できるものではないね。特に在庫を抱えるハードウェアの場合はそうはいかない。

千條

そうですね。DeNAのカルチャーとして、大切にしていきたいと思います。

— 小飼:では、こんなアイデアのタネも育ててみてはどうだろう?マンガボックス専用のハードウェア、「マンガボックスリーダー」!

一同:(爆笑)

インタビュー後記

トップダウンでタスクをこなすのではないDeNAさんのエンジニアの在り方は、やりがいはもちろんエンジニアとしての幅もぐっと広がるね。DeNAについて活き活きと語るお三方の表情が印象的だったなあ。いやぁやっぱり、エンジニアさんとのお話は楽しい!(笑)

大成功したMobageの『次』を目指して、新しいサービスの創出に本気で取り組んでいるDeNA。エンジニアがモノづくりに全精力を傾けられる環境ってのも、すごく魅力的だと感じたね。今、エンターテインメント系アプリの開発に携わるエンジニアを大募集しているというから、我こそはという方はぜひ求人情報もチェックしてみて欲しいね!

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インタビュアー紹介

小飼弾

プログラマ、ブロガー、実業家。コンピューターネットワークの構築・機材販売、文書翻訳、コンサルティング業務などを行なう株式会社ディーエイエヌの代表取締役。Perl5.8の開発に携わったことでも知られる。オン・ザ・エッヂ元取締役。

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