転職・求人TOP 転職ノウハウ 激白!転職活動ドキュメント
激白!転職活動ドキュメント Vol.31 「いつかは自分の店を持ちたい……」転職を経て、少し形を変えた“最初の夢”を実現するまで
「好きなことを仕事にする」それは、働く上で誰もが追い求める理想だ。今回登場する森本さんは、料理にその理想を求めて、飲食業界に進んだ。彼が転職を経験する中で自分のやりがいを見つけ出し、漠然としていた夢をかなえるまでの道のりとは?
転職者プロフィール

転職者イラスト森本昭仁さん(仮名)31歳

高校卒業と同時に調理師免許を取得し、大手外食グループが経営するレストランへ入社。その後2年で退職し、新規オープンを控えた地元の喫茶店へ転職。9年間の勤務で全2店舗の統括や従業員の管理などを一手に引き受け、経営者から全幅の信頼を得る。28歳で一念発起し退職、自家焙煎のコーヒー豆専門店を開店させ、今年オープン3年目を迎えた。

転職Before⇒After
職種 

喫茶店店長 小売店経営

雇用形態
正社員 経営者
年収
約420万円 約50%ダウン
勤務時間
10:00-20:00 11:00-20:00
休日
週休2日 週休1日
転職活動履歴

18歳

  1994年4月〜
【1社目】
・大手外食チェーン調理(正社員、2年間勤務)

20歳

  1996年4月〜
【2社目】
・喫茶店店長(正社員、約9年間勤務)

29歳

  2005年4月〜
【3社目】
・コーヒー豆小売店(経営者、現在)

転職回数
2回

内定社数/応募社数
−社/−社

転職の条件
・好きなことを仕事にする
・正当な評価

求人情報の入手先
・なし(独立)
Scene1やりがいと報われなさ
調理師になる夢を実現し、料理への思いが深くなる一方で、積もっていく職場環境への不満
早くから「調理師」という将来の夢を抱いていた森本さん。卒業と同時に調理師免許が取得できる高校へ進学し、卒業後も迷うことなく調理の道を進むことにしたのだが……。

高校卒業後、最初に入社した会社は、ホテルから居酒屋まで幅広く手がける大手外食チェーン。その系列レストランで調理師として勤務することになりました。できれば系列のホテルで調理の技術を磨いて、いずれは自分の店を持ちたいと、漠然とですが思っていたんです。配属が決まった時は「やりたいことから少しずれたかな?」とも思いましたが、まずは経験を積むことが大事だと考えることにしました。


配属された店は大きなターミナル駅の目の前という立地もあって、その忙しさは想像以上。店で出す料理は、レトルトなどは一切使わず、自分たちですべて作っていましたし、忙しい時には多くの仕事を一気にこなさなくてはいけませんでした。でもそのおかげで、調理師としての技術が磨かれているということは、自分でもわかりましたし、「やっぱり料理の仕事は楽しい」と感じていましたね。

その反面、会社の勤務体制に対しては不満が募っていました。自分は調理師免許を取得して正社員として入社しているのに、調理師免許のないアルバイトと仕事内容も給与もまったく同じ。どんなに努力しても評価もされず、昇給制度すらなかったんです。業務量は多く、勤務時間も長いという厳しさもあって、「ある程度の経験を積んだらすぐに辞めよう」と考えるようになるまでに、ほとんど時間はかからなかったですね。
Scene2「任されること」への期待
「専門的に調理の仕事がしたい」と臨んだ転職活動での、意外かつ運命の出会い
抱えていた不満についに限界を感じ、転職を決意した森本さん。そんな時に見つけた「喫茶店の店長候補募集」の記事が、その後の彼の進路を大きく変えることになる。
不満を持ちながらもレストランで働き続けていましたが、メニューの大幅な変更をきっかけに、レトルト食材を使う場面が増えたことで、一気に仕事がつまらなくなってしまいました。今まで「調理の技術を磨ける」ことが魅力だったのに、それすらできなくなってしまった……。そこで働き続ける意味を見出せなくなってしまい、真剣に転職を考えるようになったんです。

転職活動を開始した当初は、できればイタリアンなど専門分野の調理技術を身に付けられるお店で働きたいと思っていました。ところが、求人広告で目が止まったのは、地元で古くからある喫茶店の「店長候補募集」の記事。調理の業務からはちょっと外れるけれど、何もかも新しいところから始まるという感じが魅力でしたし、ここでならまったく新しい仕事にもどんどんチャレンジできると考えたんです。

面接では、今までの経験を聞かれただけで、建設中だった新店舗の視察に連れて行かれたり、売り上げの目標、それに新しいメニューの相談までされましたから「これは採用されるな」と思いましたね(笑)。実際、具体的な経営の話などを聞けたことで、ここならいろんな仕事ができそうだと改めて興味を引かれたんです。確かに調理の仕事からは離れるけれど、今度はコーヒーや紅茶の入れ方を勉強しようと、気持ちも完全に切り替わりました。毎日が新しいことの連続となることへの魅力が大きかったですね。
Scene3再び感じ始めた報われなさ
店長候補から統括店長へ。経営者の片腕として業務を一手に引き受けた試行錯誤の9年間
社員は自分1人だけ。そんな状況でこなす膨大な量の業務も「楽しい」と感じていたという森本さん。ところがいつしか感じ始めたのは、最初の職場と同じ不満だった。
入社して2年後には、店長に昇格しました。業務量も一気に増えたけれど、入社した頃に感じていた「楽しさ」は、その後も常にありましたね。従業員に直に接して人間関係の調整などをするのは、たった1人の社員である自分の仕事。現場の管理にはかなり苦労もしました。それでも「仕事を任されている」というやりがいが消えることはありませんでしたね。

勤務していた9年間の間には、姉妹店のリニューアルオープンに深く関わるという経験もしました。休日を費やし、考えられる限りの工夫をほどこした店舗はリニューアル後、順調に売り上げを伸ばし、自分も「統括店長」として両店の店長を兼任するまでになりました。ところがその辺りから、社長が現場のことをすべて自分に任せきりという状態になってしまったんです。

安心して信頼してくれるのはうれしいけれど、自分に対する評価も気づけばだんだんおざなりになってきて、入社以来順調だった昇給額も、だんだんその額が少なくなっていました。「仕事量も、会社への貢献度も大幅に増えているはずなのになぜ?」という気持ちでしたね。そんな小さな疑問が積み重なり、徐々に退職を意識するようになっていったんです。
Scene4「やりたいこと」を目指す
思い切って選んだ独立の道。「好き」を仕事にしたからこそ見えてきた、働くことの意味
退職を考える中で、「いつかは自分の店を持ちたい」という漠然とした夢を実現する道を選んだ森本さん。独立からの2年間で改めて感じたやりがいとは?
喫茶店を退職後、自家焙煎のコーヒー豆専門店をオープンさせました。元々は調理が好きで働き始めましたが、自分で店を出そうと考えた時、自家焙煎の店から仕入れたコーヒーを初めて飲んだ時に自分が感じた「全然違う」という感覚を、多くの人に知ってもらいたいという気持ちが強かったんです。喫茶店に勤めた経験から、かなり大きな影響を受けたことになりますね。

今考えると、喫茶店で重ねた経験は、お店をオープンする上で役立つことばかりだったと思うんです。9年間の勤務で出会った業者さんとのつながりや、コーヒー豆を探しまわっていた時に知り合った人からのアドバイスがどれだけ助けになったかわかりませんし、そういう出会いも、あの9年間で築いた自分の財産だと思っているんです。そもそもあの仕事をしていなかったら、コーヒーにも出会わなかったですからね。

今、オープンして2年が経ち、経営も軌道に乗ったかなという感じです。それでも収入は喫茶店で勤めていた時の半分くらいかもしません。勤めていた時は常に給与の面で不満をもっていたし、それが退職の原因の1つでもありました。でも、今の仕事には決してお金には代えられない充実感を感じていますし、自分のやりたいことを仕事にすると「仕事=収入」ではなくなるんだなと実感しています。やりたいことに巡り合えたことで「お金を得る」ことの意味を考えられるようになったことも、大きな収穫だったと思っているんです。

業務に見合った評価を求めて転職をしてきた森本さんが「仕事=お金ではない」と話す姿からは、やりたいことを仕事にすることが、いかに心の充実につながるかを実感させられる。しかし、彼が本当のやりがいを見つけ出すまでには、与えられた仕事に常に楽しみを見出し、前向きに取り組んできた日々の積み重ねがあったことを忘れてはいけない。やりがいは意外なところから見つかることだってあるのだ。

キャリアアドバイザーに聞く!

<「自分を生かす」働き方のタイプ>
道を切り開く人、それを整える人、拡大する人……。自分に合った役割を考える


人それぞれ、仕事をする上での「自分の生かし方」というのがあります。
森本さんの場合は、まだ誰もやっていないことをしたり、自分の城を新たに作り上げたりすることに力を発揮する「起業家」タイプなのでしょう。

では、あなたはどんなタイプなのでしょう?
そう簡単にわかるものではありませんが、「自分の生かし方」に気付くヒントをお話ししますね。

次のようにイメージした場合、あなたはどのタイプですか?
 【1】 道のない野原に歩ける道を作るタイプ
 【2】 やっと歩けるか歩けないかの道を散歩道にするタイプ
 【3】 散歩道を車が通れるように舗装するタイプ
 【4】 もっとたくさん、しかも速く車が通れるように高速道路にするタイプ
 【5】 滞りなく車が走れるように、高速道路をメンテナンスするタイプ

【1】は、起業家に多いでしょう。森本さんもこのタイプです。
そこに集まってきて、一緒にビジネスを大きくしていくのが【2】【3】【4】のタイプの人。
そして、出来上がったシステムや会社を滞りなく運営していくのが【5】のタイプの人です。

どれが良い悪いはまったくありません。どれも重要な仕事です。
ただ、【1】のタイプの人が【5】のようなメンテナンスの仕事をさせられると、つまらなくて死にそうな気分になります。逆に【5】のタイプの人が誰もやったことのないプロジェクトの企画を任されたりすると、怖くて眠れなくなります。

こういったミスマッチをなるべく防ぐためにも、自分のタイプを理解して転職を考えてみましょうね。
2007 2/16 掲載

錦戸かおり
錦戸かおり(にしきど かおり)
キャリア・カウンセラー/セミナー講師
13年間、個人と企業を結ぶ仕事に従事した後、03年に「がんばれ工房」を設立。6000人以上の転職相談の経験から、転職するのがベストの選択かどうか、生き方・働き方から共に考える転職相談を行っている。一人ひとりと長いお付き合いをすることで、キャリアのホームドクターとして活動中。

バックナンバーページへ




★よりよい編集記事をお届けするために、あなたのお声をお聞かせください★
激白!転職活動ドキュメント 07/02/16号について
Q1, この記事は参考になりましたか?
Q2, この記事を読んだのは初めてですか?
Q3, この記事を読んだきっかけは?
Q4, あなたの転職段階は?
Q5, 年齢
Q6, 性別   男 
編集部へのご意見・ご感想はコチラ

マイナビ転職TOPへ戻る  このページの先頭へ