187cmの長身と端整な顔立ちからは想像できないほど
愛敬とユーモアに満ちあふれた俳優、小柳友さん。
物心ついた時にはもうモデルの仕事をしていたという彼が
本気で俳優を志したのは、ある監督の一言がきっかけだった――。
プロフィールに「3歳からモデルとして活動」とある。その話から切り出すと、「それがどうも0歳で既におむつCMのオーディションを受けていたみたい。それに出ていたら芸歴24年と言えたのに、残念(笑)」と明るく楽しげに話す。「中学生の頃は下ネタばっか言ってました」などとおどけたコメントまで。一気に場は和やかな雰囲気に包まれる。
小柳さんがモデルから俳優へ転身したのは16歳、今の所属事務所に移ったのがきっかけだ。当初は周りに言われるまま映画やドラマに出演している感じだったという。
その意識が変わったのが、18歳の時。ある監督の一言がグサリと刺さった。
「この役は絶対に自分がやりたい」と初めて思った作品のオーディション。最終審査まで残ったのに、結局落ちてしまった。「しかも監督から『演技ができていれば、君にしたのに』と。本当に悔しかった。それからです、真剣に芝居を頑張ろうと思ったのは」。レッスンに真面目に通い、オーディションにも真摯(しんし)な気持ちで臨むようになった。そのかいあって仕事は着実に増えていった。
そんな小柳さんにとって転機となったのは、19歳の時に出演した映画「トウキョウソナタ」。特に黒沢清監督との出会いが大きかったという。
「監督によってこんなにも違うんだと思うほど、それまでの現場とは違うものを感じました。照明、撮影、録音などのスタッフの方々は、黙々と作業しているんだけど、でも、この現場を愛しているんだということがひしひしと伝わってきたんです。もの作りを楽しむってこういうことなんだと、その現場の雰囲気から学びました」
父親役の香川照之さんからも刺激を受けた。「父子でけんかをするシーンがあったのですが、香川さんは僕が本気で反発したくなるように芝居の流れを持っていってくれた。実際、僕はワナワナと震え、心の底から父親を憎むような気持ちになれた。演じていて鳥肌が立ったのも初めてでした」
この作品で、自分の持っているものを引き出してもらえたこと、演技の面白さを体に染み込ませてもらったことは今も役者として財産になっているという。ちなみに同作で弟役だった井之脇海さんとは、2012年ドラマ「平清盛」で一緒になり、13年になってある撮影現場でも顔を合わせた。「俳優を続けていれば、一緒に仕事をした人とまたどこかで会えるし、共演できる。それが素直にうれしくて。続けるって大切だなとしみじみ思いました」
間もなく始まる舞台もまた、かつての共演が、出演のきっかけとなった。
こやなぎ・ゆう 1988年東京都生まれ。「タイヨウのうた」で2006年スクリーンデビュー。その後テレビ、映画などで幅広く活躍し、12年に「家康と按針」で初舞台を踏む。2013年7月8日(月)から舞台「パルコ劇場40周年記念公演『非常の人 何ぞ非常に 〜奇譚 平賀源内と杉田玄白〜』」に出演予定。
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6月14日(金)更新
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