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会社員が副業を始める前に注意すべきこと

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大手企業の「副業を解禁」に関することがニュースとして取り上げられたり、会社員として働きながら副業を考えるビジネスパーソンが増えてきました。そこで今回は、会社員の副業の実態、会社員が副業をするうえで注意すべきことを、自らも副業の経験を持つ、人材コンサルタントおよび千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平氏に解説していただきました。

会社員の副業の実態は?

最近、テレビやネットで「副業」が話題になっている。企業に勤めながら自分で新たなビジネスを立ち上げる人や、大手企業も含め、副業を解禁する企業が現れ始めた。政府の「働き方改革」でも副業や兼業は検討事項の一つとして挙げられている。テレワークの推進など、場所や時間にとらわれない働き方が広がれば、今後ますます副業を始めようと考える人が増えていくだろう。

現在の副業の状況

ビジネスパーソンの14.0%が副業をしている

すでに会社員の副業は多様化し、別の企業を経営する者、飲食店などのオーナーをする者、アフィリエイトや通販などで儲ける者、プロとしてお金をもらえるレベルの芸能活動をする者などもいる。私自身も、大手企業の正社員だった10年ほど前から副業を始めており、執筆や講演などを中心に副収入を得てきた。

現在行っている副業での収入

副業の収入は20,001円〜50,000円以内が最多

副業のジャンル

「インターネットを使った副業」が約半数を占める

何のために副業するのかを考える

ここで会社員が副業をする意味について考えてみたい。もちろん、副業をすることにより、副収入を得るメリットがある。しかしそれだけではない。副業をすることにより本業ではできない経験を積むことができる。新たなスキルを獲得したり、人脈を構築したりする機会になり得る。副業で得たものを生かし、本業での取り組みを進化させることもできる。もちろん、本業で得たものを生かす場にもなり得る。
ただし、副業が本業に支障をきたすようであれば、それは本末転倒である。

会社員が副業を始める場合、まずは何のために副業をするのかについて、考えたい。

副業のあり方も、副収入の獲得、腕試しの場、趣味の延長、次の仕事へ移行するまでのつなぎ、社会貢献活動としてなどさまざまだ。もちろん、その過程で徐々に自分の中での副業の位置付けが変化したりもするのだが、最初に何を目的とし、どのレベルで副業をするのかを定義していた方が、自分にとって得られるものも大きいし、本業と両立しやすくなるだろう。

副業を始める前に、まずは就業規則の確認を

副業を始める前に、まずは就業規則を確認したい。副業が就業規則などで禁止されている場合は、勝手に行えば処分の対象となることもある。許可されている企業でも、届け出をする必要があったり、条件が決められていたりという場合もある。都度相談という企業もある。特に就業規則では言及されていなくても、あとでトラブルにならないよう、念のため上司や人事部に確認をしておいた方が良いだろう。

勤務先への副業の許可

「許可を取っている」と回答したのは全体の14.9%

もっとも、そもそも副業を就業規則で禁止することが法的に可能なのかは明確ではない。職業選択の自由に抵触する可能性があるからだ。仮に副業を禁止した企業に対し、従業員が訴訟を起こした場合、裁判所がどう判断するのかはケースバイケースである。

とはいえ、明らかに本業で知り得たことや、企業の資源を活用しつつ、本業に不利益をもたらすものなどは、注意が必要だろう。これは副業の是非の問題だけでなく、背任行為、情報漏えいなどで咎められる可能性があるし、法的にアウトということにもなり得る。
そのほか、副業についてNOと言う会社側の理由として、働き過ぎで健康を損ねる可能性があることも挙げられる。

副業を禁止している企業でも、黙認される場合はあり得る。例えば、自分の才能を生かした活動だ。業務とはまったく関係ない、趣味の個人ブログを書きアフィリエイトで稼いでいるパターン、趣味のバンドや演劇、お笑い芸人、モデル、YouTuberとしての活動などが、プロ並みのレベルとなり、結果として儲かってしまったパターンだ。やや余談だが、日本で最初に、副業で有名になった一人は、シンガーソングライターの小椋佳さんだ。第一勧業銀行(現みずほ銀行)の行員として活躍しつつ、「シクラメンのかほり」など大ヒット曲を手がけた。

副業は会社にバレる? バレない?

会社に内緒で副業をするとバレる可能性はあるのだろうか。結論から言うと、あり得る。例えば、副業で活動している様子を何らかの形で目撃された場合などだ。副業が成功すればするほど、そのリスクは高くなっていく。これを避けるために、完全にペンネームで、顔出しNGとして活動している者もいる。

会社の同期や先輩・後輩が密告するケースもある。悪気はないが、飲みの席の酔った勢いで「あいつ、副業で儲けてるんですよ」と、社内の者に伝えて広まる可能性だってある。 ほかにも、自社の給与では買えない物を購入するなど、明らかに羽振りが良い場合もバレるキッカケになる。

住民税が見るからに高い場合などで発覚することもある。所得にかかる住民税には、給与から差し引かれる特別徴収と自分で納める普通徴収の2種類があり、会社員は通常、特に指定をしなければ特別徴収となる。副業を会社に隠すテクニックとして、その分について普通徴収を選ぶという方法もある。ただし普通徴収で副業の住民税を納付している場合でも、勤務先に届く特別徴収税額通知書の「その他の所得(給与所得以外の所得)」の欄に、自治体によってはチェックが入ってしまい、これにより発覚することもある。

なお、副業で雑所得として年間20万円を超える金額を稼いでいる場合や、他社から給与所得を得ている場合は、確定申告が必要だ。これにより、副業のためにかかっている経費などを申告し、税金を取り戻すこともできる。副業の収入が多い場合は、個人事業主として登録し、青色申告をすることにより、諸費用を経費として計上したり、税務面で優遇を受けたりすることも可能だ。もっとも、ここで税金の還付を受ければ会社に知られてしまうが。

このように、副業をするうえでのさまざまなリスクは事前に把握しておいた方が良いだろう。

会社員が副業を始める前に

キャリアの可能性を広げるという意味でも、会社に頼りきった人生を送らないためにも、私は副業賛成派だ。ただし自分にとって、副業をどういう存在だと位置付けるかは考えるべきだし、何より法律面なども含めた基礎知識は必要だと言えるだろう。

<参考資料>

『ビジネスパーソンの副業に関する実態調査』(出典:MMD研究所)
※2015年6月12〜15日、有効回答7,724人

ライティング/常見陽平

千葉商科大学専任講師、いしかわUIターン応援団長。
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒。リクルート、バンダイ、ベンチャー企業を経て38歳で大学院に進学し、フリーランスで生計を立てつつ修士号取得。2015年より千葉商科大学国際教養学部専任講師。雇用・労働、キャリアなどをテーマに執筆・講演活動に没頭中。著書に『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞出版社)など。

編集/株式会社スペースシップ

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