Vol.1　第二新卒、転職理由が面接官の心象を左右する

学生時代、クリエイティブな仕事をすることを目標に就活をした今回の挑戦者。大学卒業後、希望に沿った会社に就職し、入社してすぐに商品の企画開発やECサイトの運営までを担当。2年目にはプロジェクトリーダーとなった。職務経歴書からは充実した仕事ぶりがうかがわれる中、わずか2年弱で転職を希望するのはなぜか。第二新卒であることを踏まえ、転職理由、仕事への適応力、仕事に取り組む姿勢に問題はないかという点に、面接官は着目した。

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前編の見どころ

挑戦者は、これまでの社会人経験として、この2年間で新規プロジェクトに参画し、ECサイトの立ち上げやWEBサイトの制作、顧客対応まで、さまざまな業務をこなしてきた。そしてその成果が出ていることもアピールしたが、面接官は、幅広い業務で実績を上げているにもかかわらず、なぜ転職を希望するのかと疑問に感じた。
それを指摘すると、現在の会社に対して組織のあり方に不満があることを告白。社会人としての甘えはないか、面接官はさらに質問を重ねる。

後編の見どころ

転職を希望する最大の理由は、現在の会社に自分を成長させる環境がないことだと言う挑戦者。面接官は、自己中心的な発想で転職先への熱意が感じられないため、今回の募集業務であるサイトのリニューアルに関して、どれだけの準備をしているかを試す質問を投げかける。自分が採用された時に何ができるかをアピールするチャンスに、うまく回答できるかがカギ。
さらに、転職する企業での自分の役割についてビジョンが描けているか、そして、将来に向けて10年先の自分をイメージできているかが試された。

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【POINT1】入退室のだらしなさで印象ダウン！

面接官は、まず入室した際の挑戦者の立ち居振る舞いにマイナス点を付けた。自分から名前を名乗らず着席。態度にも緊張感が感じられず、社会人として未成熟な印象を与えてしまった。自社の社員として、お客さまときちんと接することができるか、第一印象はその見極めにもなるということを覚えておこう。
さらに退出時も、キビキビとした態度が見られず、面接官に後味の悪さを残してしまった。たとえ面接内容に自信がなくても、最後までしっかりと誠意や熱意を伝えれば、人間的な評価が上がることもある。意識と心がけ次第で改善が図れるだけに、残念。

【POINT2】自己中心的な転職理由はNG！

「自分を成長させたい」という転職理由は分かるが、会社はやりがいの場を提供するためにあるのではない。採用する企業の立場としては、会社に貢献してくれる人材を求めている。仕事に対する熱意は伝わるが、それだけでは学生気分が抜けていない印象を与えてしまう。
第二新卒であれば、それなりに社会に出て経験したことを踏まえ、自分が会社で何ができるかについてもっと具体的に説明できるはず。自己中心的な発想ではなく、企業側の視点に立って自分の魅力や得意分野を積極的にアピールしたい。

【POINT3】入社後のビジョンは具体的に話すべき！

特に第二新卒はまだ経験も浅いため、企業側はそうした人材に対して即戦力として期待するよりも、むしろこの先自社でどのような活躍をしてくれるか、将来の伸びしろを考える。挑戦者自身が「成長したい」と言いつつ、どのように成長するかのビジョンが描けていなければ、口先だけの印象を与えてしまう。入社してしまえばそれでいいと安易に考えているのではないか、と思われてしまう危険性もある。
5年後、10年後の自分はどうあるべきか、この会社で何をやってどのように貢献しているか、語れるだけのものを準備して、面接に挑みたい。

回答のコツを伝授！面接官からのアドバイス

まず入室時の立ち居振る舞いから、残念ながら社会人としてのマナーや態度、雰囲気が乏しく、第二新卒とはいえ、学生気分が抜けていない印象を持ちました。志望動機も、「自分が成長したい」という自己中心的な話が多く、これでは企業が「採用したい」という気持ちを起こさせられないでしょう。
話を聞くと、会社でそれなりの実績を上げているので、こうした内容をもっと整理して、自分にできることを強くアピールすることが大切です。サイトのリニューアルを業務とする人材募集にもかかわらず提案ができなかった、というのもマイナスポイント。
ただ、会話の受け答えはきちんとできていましたし、話をしていて人柄の良さを感じました。また、質問に対してすぐに回答できないときに、「ちょっと考えさせてください」と言ってから黙考していましたが、このような一言があってから考えるほうが、面接官の印象は良いでしょう。笑顔が自然で好感が持て、コミュニケーション能力の高さも感じました。

今回の面接官 Profile

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