Vol.6 編集一筋の44歳・派遣社員。正社員復帰のために訴えるべきことは?
出版や広告の世界で、20年以上にわたり実務経験を積んできた挑戦者。以前は正社員として働いていたが、業績悪化や体調不良などによって転職を繰り返し、ここ数年は派遣社員として勤務してきた。安定した職を求めて、正社員での採用を強く望み、機内誌の編集ディレクターに応募。44歳、派遣社員から正社員へのチャレンジだが、面接を通していくつもの課題が浮き彫りになった。
今回の挑戦者
挑戦者:山口さん(仮名) 応募業種:出版・印刷 応募職種:編集 年齢:44歳・女性
【40代前半】【クリエイティブ】【ステップアップ転職】
出版系の専門学校を卒業後、編集プロダクションや印刷会社で情報誌・販促物の制作に携わり、企画、取材、原稿作成、編集などの実務経験を積む。一時期地元へ戻るが、出版・広告の仕事を求めて再び上京。数年前からは、派遣社員として数社で制作の仕事をこなしながら、正社員を希望して転職活動を続けている。
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前編の見どころ
挑戦者は、派遣先の企業を含めると十数社の企業を転々としていることが、職務経歴書からうかがえた。まず面接官は、どのような背景があるのか確認するために、これまでの経歴と仕事内容、転職理由を詳しくたずねることにした。
さらに、派遣社員としての期間が長いことから、転職活動への取り組みについても質問する。書類から受けるマイナス面を補えるだけの、挑戦者の力や熱意を伝えることができるだろうか。説得力ある言葉が求められるところだ。
中編の見どころ
志望理由をたずねると、「安定した会社で定年までがんばりたい」と答える挑戦者。気持ちは分かるが、もっと面接官を引きつける回答が望まれた場面だった。44歳という年齢から、実務的な能力はもちろんのこと、マネジメント能力についても知りたい面接官。
この人を採用したら、どのようなポジションでどんな活躍をしてくれるのか。会社にとってメリットはあるのか。プラスのイメージを想起させるためにも、具体的でポジティブな言葉を重ねたいところだが、挑戦者の回答は……?
後編の見どころ
今回の募集は、機内誌の編集ディレクター。そこで面接官は、発行している出版物のアイデアをたずねた。仕事内容が明確になっているだけに、編集に関する実務経験を重ねた挑戦者の実力をアピールできるチャンスだが、果たして面接官の心を動かすような提案はできるだろうか。
「この会社でこの仕事がしたい」という意欲は、こうした実力を問われる場面にこそ表れる。挑戦者の印象を左右する、大きな山場を迎えた。
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挑戦者はどう答えたか?緊迫のシーンを振り返る!
【POINT1】自信のなさが全体的に表れている
面接を通した挑戦者の印象として、自分に対する自信のなさがうかがえた。40代であれば、会社はある程度責任ある仕事を任せたいと考える。しかし、それに応えるだけの十分な能力があるのか疑問を持たせてしまう受け答えが目立った。
例えば、前編のこれまでの転職活動について問われた場面で、「時間や環境が整わなかった」「仕事をしながらの就職活動は難しかった」など、言い訳に感じられる回答が多かった。これでは“信頼して仕事を任せられる人”という印象にはならない。
長年、一貫して編集の実務をこなしてきた挑戦者。それは十分強みとして通用するはずだ。まずは自分を見つめ直して、これまでの生き方や仕事への取り組みに自信を持つことから再スタートしてほしい。
【POINT2】志望動機があいまい
「安定した会社で働きたい」という本音を漏らした挑戦者。しかし会社は、安住の地を提供するためにあるのではない。会社を成長させてくれる社員を求めているのだ。会社で何をしたいかと聞かれた際も、具体的な提案はほとんどなかった。漠然と「結果を残したい」「利益を上げたい」だけではまったく説得力がない。これでは、仕事内容ではなく、正社員として働くことに固執しているような印象を持たれるだろう。
もともと経験はあるのだから、事前にきちんと準備をしておけば、いくつかの提案はできたはずだ。年齢に見合った実力を求められるということを自覚し、その覚悟を持って面接に挑む真剣さが求められる。
【POINT3】採用した時のイメージが浮かばない
POINT1で指摘したように、全体を通して自信のない印象が強く、挑戦者の個性や魅力を十分に伝え切れていなかった。そのため、「採用したらこんな活躍をしてくれそうだ」というイメージをほとんど湧かせられずに終わってしまった。
今回は、編集の現場で活躍できる人材の募集なのだから、自分の経験を織り交ぜながら、もっと具体的なアピールをしたかった。「さまざまな現場を体験し、困難な状況をくぐり抜けてきた」「柔軟な対応力を評価された」など、働く現場をイメージさせる挑戦者の強みを伝えられれば、もっと印象に残る面接になっただろう。
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回答のコツを伝授!面接官からのアドバイス
今回の面接の課題は、大きく2点ありました。1点目は、派遣社員から正社員へのハードルをどう越えるか。一般的に、派遣社員は受け身で仕事をすることが多くなります。挑戦者も、任せられた仕事をきちんとこなしてきたと言っていましたが、正社員に求められるのは、積極的に新しい仕事を作り出していく力や、最終的に責任を持って任せられる信頼性。こうした部分をもっと意識してほしいと感じました。
もう1点は年齢の壁。40代中頃で正社員採用となれば、管理職かそれに近い能力が期待されますが、挑戦者は実績も経験も足りません。そこで無理して背伸びをせず、むしろ「現場のことなら任せてください」「ずっと現場でがんばりたい」と、自分の立ち位置を明確にしてアピールするのも一つの選択肢だと思います。
挑戦者の感想
指摘された自信のなさは、派遣社員である現状に悩んでいて、自己評価が低いことが原因かもしれません。派遣社員であっても、これまでの経験は十分に強みとしてアピールできる、というアドバイスを受け、少し自信を持つことができました。 次の面接では、この仕事が好きで、現場の第一線で働きたいという気持ちをもっと強くアピールしたいと思います。
今回の面接の心得
- 自分を見つめ直して、自信を持って臨む
- 志望理由は具体的に語る
- 正社員と派遣社員では求められる能力は違う
- 自分の能力の見極めも大事
今回の面接官 Profile
細田 咲江さん
早稲田大学卒業後、流通会社で12年間、主に人事部に従事。1994年に上田晶美さんとともにハナマルキャリアコンサルタントを設立。現在は、埼玉女子短期大学にて准教授としてキャリアに関わる授業を展開。
また、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演・執筆など幅広く活躍中。近著では、転職の最新ノウハウを満載した「転職 書類」「転職 面接」(すばる舎発行)が話題になっている。
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