大学職員に受かる志望動機の書き方・伝え方｜経験別の例文あり

更新日：2024年03月18日

大学職員への転職を検討する中で、志望動機の作成で苦戦している方もいるのではないでしょうか。

大学職員にはコミュニケーション能力や対応力など幅広いスキルが求められるため、活用できるスキルや経験を志望動機でアピールすることが大切です。

本記事では、大学職員に受かる志望動機の書き方や例文について解説します。求められるスキルや経験を押さえ、あなたの強みや熱意が伝わる志望動機を作成し、大学職員への転職をかなえましょう。

大学職員をはじめとした志望動機の書き方や例文は、以下の記事も参考にしてみてください。

• 【職種別例文20選】志望動機・志望理由の書き方・伝え方（履歴書・面接で受かる！）

大学職員の主な仕事内容

大学職員の志望動機を書くためには、どのような仕事かを理解することが大切です。仕事内容に合ったアピールができるようになり、魅力的な志望動機をつくりやすくなります。

大学職員の主な仕事内容は、以下の4つです。

• 総務・経理
• 学生支援
• 入試広報
• 研究支援

それぞれの内容を詳しくチェックしていきましょう。

総務・経理

大学職員は、一般企業の事務職と同様の役割を担当する場合が多く、総務や経理は基本的な仕事です。

総務は大学全体の運営をサポートする仕事で、人事やイベント運営、備品管理など内容は幅広く、大学によって担当する業務が異なります。

経理は大学におけるお金の出入りを管理する仕事です。経費精算や伝票処理、請求に関わる書類作成などを担当します。大学によっては助成金を活用する場合もあり、申請書類を作成する機会もあるでしょう。

学生支援

大学職員は、学生の手続きや相談などに対応する窓口として学生支援を行います。

例えば、学期始めには履修登録や奨学金の申請などに対応する機会が多くなります。就活シーズンには就職支援、卒業間近には卒業論文の受理など、時期によって支援内容が異なるのが特徴です。

日常的な学生支援も重要な仕事であり、学生生活に関する相談に対応したり、各種手続きを処理したりします。また大学によっては、外国人留学生の支援も行います。学生と直接関わる業務で、学生一人ひとりに合った対応を行うことが大切です。

入試広報

大学の大きなイベントである入試は、大学職員が広報や運営を行います。広報では、近隣の高校や予備校への渉外活動や各媒体での情報発信などを実施し、入学希望者の増加を目指す取り組みを推進するのが主な仕事です。

入試に関連して、以下のような業務を担当する場合もあります。

• オープンキャンパスの企画・運営
• 大学案内の作成
• ホームページの整備・運営
• 入試募集要項の作成
• 入試に関する問い合わせ対応

大学数の増加や少子化などの影響で、入学者を増やす取り組みは年々厳しい状況になっている傾向があるため、入試広報は大学職員の仕事の中でも重要度が高いと言えるでしょう。

研究支援

大学は、学生が学ぶ場所であるとともに、さまざまな研究が行われている機関です。大学職員は、研究活動をサポート・推進するための仕事を担当します。

例えば、研究に必要な予算や研究成果の管理、共同研究に向けた手続きなど、担当する仕事はさまざまです。研究活動や研究成果を対外的に発信する場合には、広報の役割を担い、メディア対応や原稿作成などをサポートする場面もあります。

大学職員に求められる5つのスキル・適性

大学職員の志望動機で自分の強みをアピールするためには、求められるスキルや適性を理解することが大切です。

大学職員に求められるスキルや適性は、以下の5つです。

• コミュニケーション能力
• 柔軟な対応力
• スケジュール管理能力
• 事務スキル
• 語学力

自分のスキルと照らし合わせながら、どのような人材を必要としているかを理解しましょう。

コミュニケーション能力

大学職員は、同僚や教職員、学生、地域の人々などさまざまな人と関わるため、コミュニケーションスキルが求められます。

年齢や立場などにかかわらず、円滑な対話ができ、その人が求めていることを的確にくみ取り、適切な対応ができる人は大学職員に向いているでしょう。

対話以外にも、オープンキャンパスや入試説明会など大勢の人に向けて話す機会もあるため、相手に合わせて分かりやすく伝えられる力も必要です。

柔軟な対応力

大学は学生支援課や会計課などの部署があり、定期的に配置転換があります。部署のローテーションで業務全体を把握する目的で、慣れた頃に異動になる場合もあるため、仕事の変化に柔軟に対応できる能力が必要です。

環境の変化はもちろん、状況に合った対応ができる力も求められます。相談内容に合った適切な対応をしたり、イベント準備の進捗（しんちょく）に合わせて動きを変えたりするなど、臨機応変な対応力が欠かせません。

スケジュール管理能力

大学職員の仕事は幅広いため、複数の業務を同時に進める場合があります。イベントの企画や経理など期日が決められているタスクも多いため、スケジュールを適切に管理できる能力が必要です。

期日までに完了させるのはもちろん、修正やトラブルなどを想定して、余裕のあるスケジュール管理が求められます。複数のタスクに優先度をつけ、重要なものから取り組むことも大切な姿勢です。

事務スキル

大学職員は、総務や経理などの事務を担当するため、基本的な事務スキルが求められます。書類作成にはパソコンを使う機会が多く、WordやExcel、PowerPointなどのソフトを扱えると、活躍の幅が広がるでしょう。

また、事務の中でも、担当する仕事によっては経理や人事のスキル、大学運営に生かせる企画力が求められる場合もあります。

語学力

大学によっては外国人留学生が多く在籍している場合もあるため、語学力があるとコミュニケーションを取りやすくなります。

英語や中国語など、その大学で使う機会が多い言語を習得していると、入職後に活躍できることをしっかりアピールできるでしょう。

大学職員の志望動機を書くために必要な準備

大学職員の志望動機を魅力的に書くためには、アピールにつながる情報収集が重要です。

志望動機を書く前に、以下の準備を行いましょう。

• 大学の方針を理解する
• 大学が求めている人材の特徴を知る
• 具体的なエピソードやスキルを整理する

志望する大学について研究するとともに、アピールに活用できるスキルや経験を整理しましょう。

大学の方針を理解する

大学はそれぞれ独自の理念やビジョンを持ち、学生の教育に取り組んでいます。大学の方針を理解することは、大学の目指している方向と志望理由がマッチしていることを伝えるために重要な準備です。

大学の方針は、求人情報や大学のホームページなどで紹介されている場合が多いため、必ず目を通しましょう。教育や運営の方針を理解したうえで、効果的にアピールできる強みを洗い出すのがポイントです。

大学が求めている人材の特徴を知る

大学は教育理念や運営方針を達成するために必要な人材を獲得したいため、どのような人材を求めているか理解しましょう。

必要とする知識や資格、資質などは、求人募集に記載されている場合があります。具体的な記載がない場合は、教育理念やビジョンなどから必要な人材像をイメージしましょう。

具体的なエピソードやスキルを整理する

志望動機では、熱意や大学への理解をそのまま伝えるのではなく、根拠となるエピソードやスキルを説明できると、より説得力が増します。

大学職員の仕事に興味を持ったきっかけやエピソード、これまでに培ったスキルなどを整理しておくと、具体性のある志望動機を作成しやすくなります。

【経験別】大学職員の志望動機の例文・サンプル

ここでは、経験者と未経験の場合に分けて、大学職員の志望動機の例文・サンプルを紹介します。

• 【経験者】学生支援の経験を生かす場合の志望動機
• 【経験者】事務経験を生かす場合の志望動機
• 【未経験者】人材教育の経験をアピールする場合の志望動機
• 【未経験者】コミュニケーション能力をアピールする場合の志望動機
• 【未経験者】パソコンスキルをアピールする場合の志望動機

添削前と添削後の例文を参考にしながら、自分らしさが伝わる志望動機を作成しましょう。

なお、面接では「御社」「御学」、書類では「貴社」「貴学」と表現する点に注意してください。

【経験者】学生支援の経験を生かす場合の志望動機

添削のポイント

応募先が他大学と違っている特徴的な点を挙げ、具体性があります。前職でも実績を出してきたことや、学生を支援したいという熱意が示され、即戦力として活躍してくれる可能性を感じさせます。

• 面接などの口語は「御社」「御学」、書類では「貴社」「貴学」と使い分けてください

【経験者】事務経験を生かす場合の志望動機

添削のポイント

過去の成功体験も交えながら自分がどのように働くのかが明確に伝えられています。また教育観と志望大学の教育目的が合致していることから、「どうしてほかの大学ではなく、この学校を志望するのか？」という採用担当者の懸念を払しょくできます。

• 面接などの口語は「御社」「御学」、書類では「貴社」「貴学」と使い分けてください

【未経験者】人材教育の経験をアピールする場合の志望動機

添削のポイント

応募先の教育理念と、自分のモットーが一致しているなど、応募先のどこに魅力を感じたのか具体的に伝えています。そのモットーに沿って、前職でも成果を出したことが述べられ、早期に戦力になれる可能性を感じさせます。

• 面接などの口語は「御社」「御学」、書類では「貴社」「貴学」と使い分けてください

【未経験者】コミュニケーション能力をアピールする場合の志望動機

添削のポイント

これまでの経験や学びから学校事務への適性を示すことができています。志望理由や適性をアピールできているので、採用担当者は内定後に活躍してくれるイメージが湧いてくると思います。

• 面接などの口語は「御社」「御学」、書類では「貴社」「貴学」と使い分けてください

【未経験者】パソコンスキルをアピールする場合の志望動機

添削のポイント

自分のスキルや経験をどのように生かしたいのかが明確に示されています。大学が目指す方向性と合致しており、Webを使った留学生の集客と、留学経験で身に付いた語学力などの生かせるスキルや経験をアピールしているので、採用担当者に「一緒に働きたい」と思ってもらえる可能性が高くなります。大学の教育方針や運営方針、今後の展望などをリサーチして、どんなスキルがある人材を求めているのか把握したうえで志望動機を作成することも大切です。

• 面接などの口語は「御社」「御学」、書類では「貴社」「貴学」と使い分けてください

大学職員の志望動機の書き方・伝え方のポイント

大学に採用したいと感じてもらうためには、志望動機の書き方・伝え方が重要です。

あなただけのスキルや経験がプラスに伝わるように、4つのポイントを重視して志望動機を作成しましょう。

志望動機の書き方・伝え方は以下の記事で職種別に解説しているため、併せて参考にしてください。

• 職種別 受かる！　志望動機・理由の書き方・伝え方

なぜ教育業界なのかを明確に伝える

なぜ教育業界を選び、学校事務を希望したのかを明確化して伝えましょう。

採用担当者は、応募者がどうして教育業界を選んだのか、大学職員を希望する背景が気になります。

自分の実体験と教育の接点を探して、教育業界を志望する理由や背景について考えましょう。例えば、大学の事務員の方にお世話になった話や、学生の未来を支える仕事がしたいという話を志望動機に含めると説得力が増してきます。

なぜその大学を選んだのかを明確に伝える

多くの大学があるなかでどうしてこの学校を選んだのかを明確化して、しっかりと自分の言葉で伝える必要があります。

採用担当者に「大学職員ならどこでも良かった」という印象を持たれてしまう可能性もあるため、応募先の大学でなければならない理由を見つけましょう。

まずは、ホームページで教育理念や学長のメッセージを確認したり、SNSで情報発信をしていないかチェックしたりしてより多くの情報を集めます。

大学の学風や教育方針などをリサーチしたうえで、方向性が同じであることや共感・理解を示すことで印象が良くなるでしょう。

自分のスキルや能力をどのように生かせるのかを伝える

志望動機には、自分のスキルや能力を紹介するだけではなく、入職後にどのようにして生かすのかを示すことで、あなたを採用した後のイメージをしやすくなります。

大学職員は、パソコンスキルのある人材を求めている場合が多いので、どのスキルをどこまで扱えるのかを明確に伝えることが大切です。

「Excelで関数を使ったデータ表作成ができる」「PowerPointでプレゼンテーション資料を作成できる」など、即戦力として活躍してくれそうな印象を与えることができれば、選考を通過しやすくなるでしょう。

具体的には、「Excelで関数を使ったデータ表作成などのパソコンスキルを生かして効率的に作業を進めて、学生とコミュニケーションを図る時間を作りたい」というようにスキルの生かし方まで伝えます。

仕事を通して実現したいビジョンや成長を伝える

大学は入職後にどのように働いてくれるかも見極めているため、大学職員の仕事で実現したいことや成長の意欲を伝えましょう。

「学生が充実した学生生活を送れるように細やかな対応をしたい」「より多くの学生が入学するように入試広報に力を入れたい」など、やりたいことや貢献したいことを伝えるのがポイントです。

また、大学職員の仕事を通して、自分自身がどのように成長したいかも伝えましょう。大学に成長への意欲を伝えられ、前向きな印象を与えられます。

大学職員の志望動機における評価ポイント

大学は学生が学ぶ教育現場であるため、志望動機では教育への熱意が評価の対象になります。大学職員としてどのように教育に貢献したいのか、学生をどのようにサポートしたいのかなどを伝えられると、説得力のある志望動機になるでしょう。

熱意だけではなく、大学への理解度や仕事に生かせるスキルなども評価のポイントです。大学の方針や理念などを理解したうえで、自分が求めている人材にマッチしていることをアピールしましょう。

大学職員として働く魅力は？　志望動機に反映させよう

大学職員になりたい気持ちを伝えるためには、大学職員として働く魅力を理解し、志望動機に反映することも大切です。

大学職員は、学生と接する機会が多く、学生の成長や夢の実現などをサポートできます。努力する姿を間近で見られたり、卒業後にうれしい報告を受けられたりするのはやりがいと言えるでしょう。

学生以外にも、保護者や地域の人々、教職員などさまざまな人と接するため、周囲と関わりながら働ける点も魅力です。

また、大学職員の働き方は大学のスケジュールに連動する場合が多いため、ワーク・ライフバランスを整えやすくなっています。

大学職員の志望動機を作成する際の注意点

大学職員の志望動機を作成する際は、以下の2点に注意が必要です。

• 母校以外を志望する際は明確な理由が必要になる
• 条件面を志望理由にするのは避ける

2つの注意点を押さえて、アピールポイントが伝わる志望動機を作成しましょう。

志望動機のNG例は以下の記事で解説しているため、志望理由に不安がある方はぜひ確認してください。

• 「NGな志望動機・志望理由」ワースト5【面接官の本音】

母校以外を志望する際は明確な理由が必要になる

母校を志望する場合は、学生時代の経験やエピソードからつながりをアピールできますが、母校以外を志望するなら「なぜその大学なのか」が伝わる明確な理由が必要です。

志望する大学に感じた魅力や特色、自分のスキル・経験を生かせることなどを細かく分析しましょう。大学と自分の思い・価値観との共通点をアピールできれば、母校以外でも志望動機が伝わりやすくなります。

条件面を志望理由にするのは避ける

どの職種でも言えることですが、福利厚生や給与などの条件面を志望動機で前面にアピールするのは避けましょう。熱意やスキルがあっても待遇で選んでいると思われる恐れがあり、採用を見送られやすくなります。

大学職員は比較的労働環境が整っているため、待遇面を重視して志望する場合もありますが、志望動機では教育への思いや大学で貢献したいことをアピールしましょう。

魅力的な志望動機を作成し大学職員への転職をかなえよう

大学職員を志望する方は、どうして教育業界を選び、なぜその大学を志望するのかを明確化することが大切です。

併せて志望する大学の学風や教育理念などをしっかりとリサーチして、自分の実体験を含めつつ、説得力のある志望動機を作成しましょう。

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