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実録!激辛スーパーリアル面接
この企画もすでに20回を超えるが、挑戦者で多いのは志望動機が明解でないということ。今回の挑戦者は異業種での社内SEを望んでいる。しかし「社内SE」にこだわるばかりに、自ら墓穴を掘っていくことになった……。
 


中谷 充宏さん
(Mitsuhiro Nakaya)
社会保険労務士・キャリア・デベロップメント・アドバイザー●1967年生まれ。NTT及びNTTコムウェアではリクルーターとして学生の就職活動の支援に携わり、建設産業車両ディーラーでは新規・中途の人材採用や社員の人材育成計画に従事。現在は、人材育成コンサルタント、キャリアカウンセラー及び社会保険労務士として活躍中。
業種 テレビ局
募集職種 テレビ放送と放送関連事業。近年立ちあがったばかりのCS放送業界で著しい成長を遂げた企業。社内のイントラネット整備、自社サイト制作や放送事業と関連したネット事業開発をする人材を求め、今回SE職を募集した。
応募資格 25~30歳位まで。大卒以上。プログラマーやSE経験者のみ。
求める人材 SEとしての基本的スキルはもちろん、社内のSEとしてシステム開発の管理やプロデュース、社内イントラネットの管理ができる能力を求めている。また、放送と関連したネット事業開発にも積極的に提案できる人材を求めている。

松尾義史さん(仮名)
経験年数
6年(メーカー社内SE)
年齢・現状
28歳。在職しながら求職活動中。
職務経歴
大学卒業後にアパレルメーカーへ。情報システムに配属される。SEとして基幹システム~サブシステムの設計・運用からテクニカルサポートまで一通りの経験をしてきた。昨年からテクニカルサポートとして親会社に出向中。
志望動機
社内SE。システム開発企業のようにいくつもの会社と取引するのではなく、社内でユーザーとコミュニケーションをとりながら、腰を落着けて仕事がしたい。
希望年収額
450万~500万円




面接の冒頭、松尾さんのキャリアについての質疑応答が続く。松尾さんは多少緊張しているが、話しぶりも良く、好感触だった。ただ面接官が気になったのは志望動機で「社内SEを希望する」と言ったこと。これから面接全体の流れが挑戦者にとって悪くなった。
中谷さん 社内SEを希望されていますが、社内SEの楽しさってどこですか?
松尾さん システムをつくるということは、人の流れをつくることだと思うんですよ。そこに快感を感じます。
中谷さん 人の流れというのは具体的には?
松尾さん 私もシステムを構築したことがあるんですが、現場のスタッフと話し合いながら人のシステムをつくっていくことが楽しいんです。
中谷さん 当社も社内SEの募集なんですが、SEとしてはチームでやっていくことが大事なんですね。流れをつくることは大事なんですが、その流れというか企画の大筋は部署のトップが決めています。品質をキープするとか納期を守るということが大事だと思います。どう思われます?
松尾さん もちろんプロジェクト管理される方がいます。そのなかで、全体のなかでスキルを活かしていくことに、難しさと楽しさを感じています。
中谷さん SEとして一番大事なことはなんでしょうか?
松尾さん えっと、ユーザーが使いやすいシステムをつくってこそはじめていいシステムだと思います。いかにユーザーが使いやすいかが大事だと思います。
中谷さん 先ほどSEはチームでやっていくものと言いましたが、松尾さんがSEとしてチームでやっていくうえで、こだわっていることをお答えください。
松尾さん 「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)」ということでしょうか、チームでやっているときにユーザーさんとお話をするときに、チームとしての方針を持ってやっているので、そういったときに報告・連絡・相談は重要だと思います。
中谷さん チームでやるのと独自性をもってやるのはある意味矛盾すると思うのですが、そういう意味で、松尾さんがSEをやっていくうえでこだわっているのはどういうことでしょうか?
松尾さん 先ほどの発言と重複しますが、使いやすさというのが一番大事だと思います。そういう意味では与えられた作業で、最大限自分の考えを反映させて、他の人がやるフェイズについては自分の意見を言う。そうやって連絡をとりあってチーム全体のまとまりのある仕事をしていくと考えています。
 

システム開発の会社のSEであっても顧客と話し合って開発していく。そういう意味で「なぜ社内SEなのか?」の答えになっていない。

この回答は「営業は売上成績を上げることが大事です」と同じで、当然のことを答えている。ここはSEとしてどんな資質を持っているかを答えるべきだった。
「業務システムの開発を担当したとき、私の任されたフェイズは○○でした。そのとき他のシステムを勉強して、いかに使いやすいかを私なりに研究して、システム開発に活かしました。SEは常に新たな情報を入手したり、今までのシステムの問題点を研究することが大事だと思います」

松尾さんは同じ答えを繰り返す。SEとして具体的にどんな点で能力に長けているのか?を答えるべきだった。
「私はデータベースの設計に興味があり、自信もあります。チームとしてやっていくうえではSEそれぞれが得意分野を活かしたり、意見交換をしたり協力することが大事だと思います」
 




面接官は、松尾さんの社内SEにこだわる理由について納得できない。そこで違う角度からの松尾さんが社内SEにこだわる理由を聞こうとした。松尾さんは矛盾点を吐露していくことになる…。
中谷さん 今はまだ在職中ですよね? 今の仕事を捨ててまで当社を希望する理由をお聞かせ願えますか?
松尾さん 今の仕事はテクニカルサポートでして、私はアプリケーションを開発することを希望していまして、御社を希望しました。
中谷さん アプリケーションの開発についてもうちょっと詳しく。
松尾さん 業務システムの開発に携わりたいということです。テクニカルサポートの仕事というのは受身の仕事が中心なんですが、そういうのではなくって提案型の仕事をしていきたいと思っています。
中谷さん 提案型のSEだったら、システム開発企業でもできると思うんですが、そういった意味でなにか違いはあるんですか?
松尾さん 一つの企業でじっくり腰を落着けて一から百まで携わりたい。SEとしてのスキルアップを考えれば、おそらくシステム開発会社のほうがいいと思うんですが、一つの企業でじっくり腰を落着けてユーザーさんと仕事をしていきたいと思います。
中谷さん 提案をしたいなら松尾さんがおっしゃったようにシステム開発企業のほうがいいと思うんです。そのへんはどうなんでしょう?
松尾さん 一つの会社に腰を据えて自分なりの開発をしていきたいっていうところでしょうか。
中谷さん (話を変える)。自分の性格を一言でいうとどうでしょうか?
松尾さん マメでおせっかいということでしょうか。悪く言うとおせっかいですね使い勝手がいいように進めてきたつもりが、大きな流れで見ると、やりすぎだったりとか、自分たちの仕事の量をふやしてしまったりとか、効率が悪かったりとか……(歯切れが悪くなる)。
 

ここで伝わるのは、「テクニカルサポートの仕事は嫌で開発の仕事がしたい」という自分の希望だけだ。面接官の「なぜ当社を希望するのか」の答えにはなっていない。
「放送業界のなかでもCS放送に興味を持っています。そのなかでも御社は先進的な企業だと感じています。私はSEとして業務システムの開発はもちろん、視聴者に向けたサービスを充実させるシステムを開発していきたいと思っています」
松尾さんの答えはすべて自らの希望にとどまっている。「御社で○○をしたい」という点についてまったく語られていない。

「性格は?」という問いでは長所を語る。ここで欠点を語れば、面接官はそこを突っ込んでくる。逆に長所を語れば、具体的に長所をPRできる。
 




面接官は松尾さんの志望動機が明確でないことを感じつつ、時事問題についての質問を投げ掛ける。面接は終盤戦だ。まだチャンスはあるが、最後に松尾さんは先に言ったことを打ち消す発言をしてしまうことになる。
中谷さん 今、システム開発は世界的には中国やインドが台頭してきています。また日本では少子高齢化が進んでいます。その二つを考えてSEとして日本のシステム開発をどう考えられていますか?
松尾さん (しばし答えを探してから)個人的な考えですと、日本でも現場のシステム開発は大事だと思いますが、会社レベルで考えると、やはりコストが抑えられる外国に発注していくと思います。
中谷さん それは問題だと思われますか?
松尾さん コスト面で下げられるのは優先されることですから、問題にならないというよりもそうなるのが普通だと思います。ただ個人的には寂しいと思います。ただお金をバラまくだけの国になるのは問題だと思います。
中谷さん 最後になりますが、自己PRをしてください。
松尾さん 私は今持っているアプリケーションの運用や開発をしてきた経験と、社内のテクニカルサポートをしてきた経験、両方の経験がありますので、仮に今後、どちらの職に就いてもそれぞれのスキルを発揮できると思います。アプリケーションを開発するうえで、インフラがあってこそ開発ができるわけですから、今までのテクニカルサポートの経験も活きると思います。これからテクニカルサポートをやっていくとしても、アプリケーション開発の経験が活きると思います。
中谷さん はい、ありがとうございます。
 

この質問には隠れた意図がある。社内SEもコストを考えれば外注した方がいい場合がある。中谷さんは「外注のほうがコストは抑えられるのに、社内にSEがいる価値について答えてください」と聞いているのだ。

SEとしてやっていくのなら、問題点を述べるだけにとどまらず、問題解決のための自分なりの考えも述べるべきだった。また発注する側にも高いレベルの知識やスキルが必要なことにも触れてほしかった。
「たしかにシステム開発において中国やインドの台頭はめざましいものがあります。しかし日本の開発能力が劣っているというわけでもありません。今後は世界レベルで各々のシステム開発が特化されるでしょう。発注する側にも開発能力を持つSEがいて、コストや能力を見極めたうえで適した企業へ発注すべきだと思います。重要なのは発注する側にも能力の長けたSEがいることです。まったくお任せでシステム開発をすることは不可能ですから」
松尾さんは先に、受身のテクニカルサポートよりもアプリケーション開発の仕事に就きたいと述べていた。最後に明かな矛盾点を吐露してしまった。
 

 
志望動機は面接の基本です
  松尾さんの場合、相手が納得するような志望動機が答えられなかったので、面接の流れが悪いほうへ行ってしまったのです。面接官は最後まで「志望動機」について疑問に感じて、同じ意図の質問を繰り返すことになります。「社内SE」にこだわっている時点で矛盾が生じてしまっていたのです。
基本は「私のキャリアやスキルは御社で役立ちます」
  松尾さんの志望動機は「社内SEとして一つの会社で腰を落着けて仕事をしたい」ですが、これでは面接官にとっては、「それなら、うちの会社でなくても社内SEならどこでもいいのか」と思います。たとえば「御社の事業に興味を持っています。さらに御社の業務システム開発の設計や、ネット事業のなかでのデータベース構築は私の得意とするところです。だから私のキャリアやスキルは御社で役立ちますし、私も将来的にSEとしての能力を御社で伸ばしていきたいと考えています」なら伝わる。志望動機を語るときには会社について調べることは必須だ。
 
客観的に自分を見られる機会になりました。

自分のなかでは整理されているはずの志望動機が通用しないことがわかりました。客観的に自分を見られる良い機会になりました。

次回の挑戦者は、42歳の男性。広告業界で企画営業をこなす彼が、とある理由から同業種転職を狙う。果たして、その面接は上手くいくのか!?

 
 

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