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体内時計に合わせて仕事？ 上司への報告、会議などのベストなタイミングとは

掲載日：2015.12.14

皆さんは、一日の仕事のスケジュールをどんなふうに組み立てていますか？　優先度に差がないタスクがいくつかある場合、何から取り掛かるか、なんとなく気分で決めている人も多いはず。でも実は、これって効率が良くない場合も多いのだとか！

「そもそも人間の体内には、“時計遺伝子”というものがあります。大体24時間周期で働いて、それぞれの臓器や細胞が活発に動く時間帯を決めています。つまり、これによって脳や体が活発化する時間帯も決まってくるのです。『脳が活性化する時間帯に頭を使う作業を』『体が活発な時間帯には頭を使わずにできる処理作業を』といったスケジューリングをしたほうが、仕事は効率よくこなせるんです」

こう話すのは、作業療法士の菅原洋平さん。なんと、自分の体に合わせて作業の時間を決めるとは……！　では、それぞれに最適な時間帯って何時なのでしょう？

「頭を動かす仕事に最適なのは、起床4時間後。朝6時に起きる人の場合は、10時からがピークとなります。クリエイティブな発想がしやすいので、会議などを入れるといいでしょうね。対して体のパフォーマンスが高くなるのは、起床11時間後の17時から。作業スピードが上がるので、午前の会議で方向性が決まった書類の作成や、事務処理などをこなしてみてください」

しかも、体内の働きは大体1～2時間周期で変化しているため、これ以外にも細かく分けることができるそう。詳しくは以下のとおり（カッコ内は6時起床想定の時間）。

体内時計に基づいたベスト作業時間は？

●起床3時間後（9時）
記憶力がピークになるので、過去の情報整理など記憶をたどる作業が◎。また、勉強もはかどるので研修をするのにピッタリです。

●起床4時間後（10時）
前述。クリエイティブな発想がしやすい時間帯なので、会議など議論の場を持つべし。

●起床5時間後（11時）
白血球が活発に働き免疫力が上昇。他者と接することに耐性がつくため、営業に最適。トラブルにもへこたれにくくなります。

●起床7時間後（13時）
アドレナリンが分泌され興奮状態にあります。相手も同様なので、言いづらいことを提案しても、高揚感から受け入れてもらいやすいです。

●起床8時間後（14時）
興奮状態から冷め、思考力が低下。日中最も頭が働きにくくなります。重要な会議や、神経を使う仕事を行おうとすると、時間のムダになるかも……。

●起床9時間後（15時）
自分に対する評価を受け入れやすい時間帯。反省会や新人研修などを実施すると、反発が起こりにくい。心の安定を保つ「セロトニン」という物質が関係していると言われているそうです。

●起床10時間後（16時）
起床3時間後に続き、記憶力がピークになる時間帯です。

●起床11時間後（17時）
前述。体の動きが活発になり作業スピードが上がるので、事務処理などに充てましょう。

体内時計に合わせる作業は、1～2つでOK！

「出社してすぐにメールチェック」「午後一で会議」といったスケジュールを割とよく聞きますが……　上記を見るにすごくもったいない時間の使い方だったんですね……。

ちなみに、人によって起床時間に多少の差があると思いますが、9時～18時の間に仕事をしている人ならば、大体上記の流れに当てはまると考えていいそうですよ。これなら、研修や会議など他者を含めたスケジュールも組みやすいですね。

「とはいえ、すべての作業をこれに当てはめようとするとしんどいだけですよ。1日のスケジュールのうち、当てはめるのは特に重要な作業をする1、2カ所で十分。それ以外の時間はフリーにしておいて、『次は何をしようかな』と、即座にスケジュールを考えられるクセをつけましょう」

この生活を続けると、「2カ月くらい経ったころには、生体リズムが整って自分の中で“ゴールドスタンダード”と言えるスケジュールが決まります」と、菅原さん。スケジュールの組み方間違っていたかも……　と不安になっている皆さんも、今始めれば来年度までには生まれ変わっているはず！　早速実践してみては？

（松本まゆげ＋ノオト）