シゴトサプリトピックス

一流になるには本当に痩せなきゃダメ？　“ポッチャリさん向けメンズファッション誌”編集長に聞いてみた

掲載日：2016.1.25

「一流の男の腹は出ていない」なんて声を耳にするようになった昨今。「自己管理できるかは体型に表れる」という説もあるし、ポッチャリさんにとってはどうにも世知辛い世の中になったものです……。

と思いきや、2015年10月26日にある雑誌が創刊され、話題になっています。新雑誌「Mr.Babe（ミスター・ベイブ）」は、なんと「30代からのポッチャリメンズファッション＆ライフスタイル誌」をコンセプトに掲げているのです。

「自己管理できていないと言われたり、服のサイズがなかったり、世の中はポッチャリに対して否定的すぎると思います」

こう語るのは、同誌を立ち上げた編集長の倉科典仁さん。実は倉科さん、「Mr.Babe」以前はファッション誌「MEN'S KNUCKLE（メンズナックル）」の初代編集長も務めており、“ヤリ手”として出版業界でその名を広く轟かせています。一流の男とも言える氏ですが、身長は173cmで体重は86 kg。BMIは29。あれ？　結構、ポッチャリ……。

果たして、ビジネスパーソンは本当に痩せたほうがいいのでしょうか？　手始めに、ポッチャリさんの仕事ぶりについて、倉科さんに聞いてみました。

“ポッチャリ”体型は、仕事に意外なメリットアリ!?

「『太っている人はおおらか』というイメージがありますが、例えば私は几帳面で神経質ですし、約束があれば時間より前乗りして到着しないと落ち着きません。ルーズかどうかはあくまで性格の問題で、体型はまったく関係がない気がします（笑）」

部下を統括する編集長の立場としても、“ポッチャリさん”への印象は悪くないようです。

「私のいる編集業界は時間も不規則ですし、必死に働くほど太っていく者は多いです（笑）。もちろん、太っているからといって『使えねえなあ』と決めつけることはありません」

それどころか倉科さん、今の体型にメリットを感じてさえいるみたいです。

「相手に親しみを覚えてもらうという意味では、今くらいの体型がベストかなという気がしています」

これは、倉科さんだけに限りません。「Mr.Babe」では各業界のトップにインタビューを敢行しており、「一流の男はかっぷくがいい」という衝撃の結論に到達したのだとか。

「『太っていると仕事がうまくいく』と話す方は少なくないですよ。包容力が増して見えるし、貫禄が出てくるからです。フリマアプリ『メルカリ』をリリースしている小泉文明さんは、『太っていることが仕事の助けになっている』とまで断言されていました」

なるほど、ビジネスの現場ではポッチャリ体型がメリットになり得るんですね。ちなみに、「ポッチャリメンズ」の女性ウケはどうなのでしょうか？

「弊誌でリサーチした結果、アラサー女性の半数以上は『清潔感があれば、ポッチャリしてるくらいの方が結婚相手として良い』と考えていることが分かりました。親しみや包容力がありそうな印象を与えられる“ポッチャリメンズ”の女性ウケは、決して悪くないんです」

この話にも見事なカウンターが！　モテの面でもメリットになるなんて、心強い話です。

とにかく、「仕事に対して真剣かルーズか」と体型は別問題だということが分かりました。ポッチャリだからとその人の能力を決めつけるのは、ナンセンスでしょう。

確かに筆者も、仕事の波におぼれ忙しい日々を送っているうちに体重が10キロ以上増量しています。しかしその間に、スキルが上がった確かな実感がある。太ってしまった自分を恥じるのではなく、むしろ仕事に打ち込んだ証としてポジティブに受け止めようと思えました。

（寺西ジャジューカ＋ノオト）

取材協力／倉科典仁

1963年生まれ。2003年、ホストのマインドをベースにしたファッション誌「G-STYLE」（ミリオン出版）を創刊。2004年には雑誌名を「MEN'S KNUCKLE」とリニューアルし、2007年時点で12万部発行を記録。
現在は、ポッチャリメンズに向けたファッション＆ライフスタイル誌「Mr.Babe（ミスター・ベイブ）」（同社）を2015年に創刊させ、編集者として多忙な日々を送る。