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明川哲也の俺が聞いちゃる!

これからの働き方と仕事の選び方

最終回 特別対談

  • 作家、道化師 明川 哲也(あきかわ てつや)
  • リビングワールド代表、書き方研究科 西村 佳哲(にしむら よしあき)

2005年から7年間「明川哲也の俺が聞いちゃる!」で 求職者の悩みに答えてきた明川哲也さん。過去のお悩み相談を振り返りつつ、 働き方研究家の西村佳哲さんと、これからの働き方について、解き明かしていただきました。

「働く」ことに悩む人の共通点とは?

明川
西村さんとお会いするのは、昨年のイベント以来ですね。
西村
お久しぶりです、よろしくお願いします。
明川
今日はですね、結論から言っちゃおうと思うんです。僕が7年間、このサイトで500名以上の悩みを聞くなかで気づいたことがあって。
西村
というと?
明川
「悩み」や「不安」って、その人自身が作り出している部分が大きいんだなあ、ということ。
西村
ああ、なるほど。
明川
例えば、「このままこの仕事でいいのか」という不安を抱いている人がとても多いんだけど、そこに「転職したいけど年齢的に厳しい」とか「経験がないから」とか、他の理由を自ら積み重ねて、不安を増殖させているケースが非常に多い。
西村
確かに、悩みはその人個別のもの。言うなれば創造物なんですね。
明川
不況とか人間関係がうまくいかないとか、外的要因も確かに問題だけれど、そこから始まってみんなが心の中で勝手に作り上げてしまっている悩みや不安が、実は一番のモンスターなんだよね。
西村
そこにまず気づくことが大切かもしれない。
明川
とりあえず不安は横に置いておいて、まず動いてみようよ、ということを伝えてきたつもりだし、これからもそれは変わりません。
西村
不安にとらわれている状態から動き出すためのカギって、何でしょうね
明川
そこに必要なのはやっぱり、主体性だと思うんです。生き生きと働いている人たちを見ると、みんな必ず「自分で行動を起こす力」を持っている。西村さんが働き方の達人と見込んでインタビューされてきた方たちもそうだと思う。
西村
僕が話を聞いてきた人たちは、仕事に対するオーナーシップの取り方が独特。明川さんもそなんですけど、自分で仕事を作ってしまうか、あるいは他人から託された仕事でも「自分の仕事」にしてしまうんです。そういう人たちのひとつの方法論は、「とことんその仕事をやる」ことなんですよね。職を探す時も、そのメンタリティは変わらないと思うんです。
明川
前のめりになってやる。
西村
そうそう。僕はよくスキーをイメージするんです。スキーって、及び腰になって後ろに乗ると、板をコントロールできなくなって転びやすくなる。体重が前にかかっていたほうがバランスが取りやすいんです。
明川
自分の働き方は自分でコントロールする、という強い気持ちが大事なんですよね。あとは、「自分にはこれがある!」って、自分の専門性を持っていることも必要だと思う。
西村
方向性がある、ということですね。
明川
と言っても、ほんの少しのことでいいと思うんです。例えばね、中国語を、半年前に教本を買って始めたばかりだったとしても、「中国語やってます」って言い切れるかどうか。

西村
「ing(進行)」形でね。
明川
そう。そこで「自分は中国語が話せる」なんて言わなくたっていい。「勉強している」って言えるだけで、その人の進む方向が見えてくるんですよ。そうしているうちに仕事との接点が出てくるかもしれないし、将来性が人の目に留まるかもしれない。
西村
そこで「始めたばかりだし」と自分で不安になる理由を作っていては、心の中のモンスターが大きくなってしまう。言い切ってしまうのが大事ですね。

「やりたいこと」がなくても、「やりたくないこと」が分かれば大丈夫。

明川
専門性といえば、西村さんはどうして今の「働き方研究家」に? 美大卒だよね。 
西村
大学を出て、たまたま大手の建設会社で働いていた時に、「働く環境」に関係する仕事をしていたのが始まりです。そのうち、空間よりも、制度や文化、習慣のような、目に見えない「環境」のほうが、そこで働く人たちへの影響が大きいんだと気付いて、すごく面白くなって。だから、最初からこういう仕事をしよう、と決めていたわけじゃないんです。
明川
なるほどね。そうやってやりたいことが見つかるというのは、実は幸せなことなのかもしれない。というのはね、サイトに寄せられた相談に、「やりたいことがない」という悩みもすごく多かったんですよ。
西村
前のめりになって何かをする以前に、そもそも何をしたらいいか分からない、という。
明川
そう。でも我々はイチローではないし、早くからやるべきことが見えている人というのは少ないんです。見えていても、誰もが初志を貫くことができるわけじゃない。僕自身も、その都度、足が向くほうに歩いてきた人間だし。
西村
そうですよね。僕も興味の赴くままに首を突っ込んでは「ここは居心地がいいな」と感じるような子供でした。でもその時に得た「居心地がいいなあ」という感覚は、その後僕がいろいろなことを選択する上で非常に重要な役割を果たしていると思います。僕がひとつ思うのは、やりたいことを見つけていくという生き方もあるけど、イヤなことをよけていく生き方もあるのでは、ということなんです。
明川
それはありますね。嫌いなものには近づかない。

西村
何かで読んだんですが、作家を志望する人に「自分は小説家になれますか?」と聞かれたある文筆家は、「書きたくない文章はある?」と問い返したそうです。「ある」と答えてきたら、「じゃあなれるんじゃない」って。嫌いなことも判断基準になるんですよね。これが好き、と胸を張って言えるものがなくても、嫌いなものがあればそこから考えられる。
明川
何でも嫌い、じゃ困るけどね。
西村
そもそも働くのが嫌い、とかはね(笑)。でも、好きでも嫌いでも、「無視できない」と思えるものがあったら、それがとっかかりになるはず。そう考えることが、「やりたいことを見つけるべき」とか「自己実現しなくては」という呪縛から逃れるヒントになれば、と思います。

「幸せに働くこと」とは?

明川
こうして考えていくと、幸せに働くってどういうことなんだろう、という問いに行き着きますね。
西村
明川さんご自身はどう思いますか?
明川
僕はすごくシンプル。誰かに喜んでもらって、それがお金という形になることだと思ってます。例えば今日、仕事場の調布からここ(マイナビ本社)までお金を払って電車に乗ってきたんですけど、それは大変な思いをして歩かずに済んだから、そのお礼として運賃を払ったわけです。無意識にしても、「ありがとう」という気持ちがそこにはある。仕事は収入を得るためのものであり、自己表現のひとつでもあるけれど、誰かに笑顔になってもらえるという側面が、僕は一番大事だと思っています。西村さんの考えは?
西村
明川さんの意見と共通する部分も多いんですけど、僕は仕事って、人が「肯定感」を得やすいメディアなんだと思います。人は「自分が受け入れられている」という経験を、自然界や、他人や家族との関係を通していつも探している。それを得やすいチャンネルのひとつなんですよね。有能感を得られたり、社会の中で所属する場所も得られたりもする。お金のためだけに働いているのではないんですよね。

明川
そういう「肯定感」を得るためには、人との関わりがすごく重要じゃないですか。でも、ここ十何年かで人間の仕事はコンピューターに代表されるものに取って代わられてきた。駅の改札も、15年くらい前までは人がいたのが、今は全部自動改札。そう考えると、リーマンショック以前から、働く場は失われつつあったんだと思います。
西村
そうですね。ただ、ここに来てそういう仕組みは変わってきていると僕は思います。これまでの日本は作るべきものが決まっていて、それを継続して高品質に作る、ラインやシステムが中心の「ファクトリー」の時代でした。でも、今は「ワークショップ」の時代に入ってきていると思います。

働き方も、仕事の選び方も変わって行く時代。

明川
ワークショップは作業場とか勉強会、という意味ですよね。
西村
そうですね。これからの社会に必要なものを考え、作り出していく空間を言います。人が集まって意見を出し、何をどうやって作り出すかというプロセスから話し合う場。その空間で中心となるのは人間です。
明川
あるメガブランドも、一人ひとりに合わせた仕様で手作りする商品を増やして、売り上げを伸ばしていると聞くし、人間がかかわることで価値が上がる、という現象は起きていくのかもしれない。
西村
僕らの今後の社会に必要な物、空間、人間関係。そういうものを作ろうという動きが、もう一部の企業や街角からは生まれ始めています。それに合わせて、働き方も変わりつつある。
明川
同時に、求職の仕方も変わっていくということに。
西村
ワークショップの時代になって人が中心になったら、仕事を動かしていくのは「相性」になると思います。会社や組織を選ぶ時も、待遇などの条件よりも、相性が重視されるようになるんじゃないかな。
明川
確かに、そういう場での相性の差は大きいですよね。昨日までたわしのことなんか考えてもいなかったのに、信頼しているヤツに「スリランカでたわし工場やろうよ!」とか言われたら「いいね」ってなる(笑)。その人を好きだと一緒にやってみようか、っていう気持ちになるよね。
西村
一緒に仕事したいんだよね。たわしは口実(笑)。そういうふうに人間関係や具体的なものに、重点を置く人が増えているのはいいな、と思う。とくに若い人たちに増えていて。それは今、僕が確かに感じている光です。

明川
これからはやりたい仕事かどうかという前に、相性で考えるというのも、ありかもしれない。
西村
どんな人と一緒に時間を過ごすか、ということは後から絶対影響してくるから。
明川
仕事に就く時も、その会社をもっとよく見たほうがいいんだと思う。提示されたデータを見るだけでなく、お客としてまず関わってみるとか。
西村
「選んでもらう」のではなく、雇われるほうも選ぶ側。それを忘れずにいてほしいですね。

プロフィール

明川哲也  あきかわてつや

作家、道化師    1962年生まれ。早稲田大学哲学科卒業後、放送作家などを経てドリアン助川の名でバンド「叫ぶ詩人の会」を結成。その後、バンドを解散してニューヨークへ。帰国後は音楽道化師ユニット「アルルカン洋菓子店」を結成すると共に、作家活動をスタート。2005年より「マイナビ転職」にて悩み相談コーナー「明川哲也の俺が聞いちゃる!」を連載。「夕焼けポスト」(宝島社)など著書多数。

http://www.tetsuya-akikawa.com/

西村佳哲  にしむらよしあき

リビングワールド代表、プランニング・ディレクター、働き方研究家 1964年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、建築関連の仕事を経て、ウェブサイトやミュージアム展示、公共空間のメディアづくりなどデザインプロジェクトの企画・制作を手がける。一方で「働き方研究家」として、その働き方に心引かれた人を訪ね、著書に綴り、ワークショップを開くなどの活動を続けてきた。近著に「わたしのはたらき」(弘文堂)など。

http://www.livingworld.net/

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