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「ハード×ソフトの二刀流」が生み出す独自の視点。35年現役トップランナーに学ぶ、キャリアの掛け合わせ術

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この記事でわかること

  • ハードからソフトへの転向におけるリアルな苦労と克服法

  • 「二刀流」エンジニアならではの強力なシステム設計術

  • AI時代を生き残るための市場価値の再定義と実践ステップ

生成AIによるコードの自動生成やインフラの抽象化が進む昨今、「自分の専門領域はこのままでいいのか」と焦りを感じるエンジニアは少なくありません。特定の技術を深めるだけでなく、あえて異分野へ越境し、知識を掛け合わせて「代替されないポジション」を築く戦略もあります。

今回は、キャリア初期の10年間をハードウェア開発に捧げ、その後ソフトウェア領域へ転向した「二刀流」のエンジニアである山下喜宏氏にお話を伺いました。35年以上にわたり現役トップランナーとして最前線を走る山下氏に、異分野への挑戦で得た知見や、複雑なシステム設計における独自の視点、AI時代を見据えたキャリア戦略について深く切り込みます。

▶ソフトウェア開発とは?種類や仕事内容、プログラミングとの違いを解説

山下 喜宏

NECソリューションイノベータ株式会社 テクノロジーサービス事業ライン DXサービス事業部門 AXサービス統括部 シニアプロフェッショナル

1988年に前身企業へ入社。キャリア初期の約10年間はハードウェア開発に従事し、その後ソフトウェア領域へ転向。ハードとソフトの両面を熟知する「二刀流」の専門性を武器に、複雑なシステムアーキテクチャ設計で卓越した成果を上げる。近年はフォトグラメトリ(画像から3D情報を生成する技術)やロボティクス分野のイノベーションを牽引し、独自のアルゴリズム開発で多数の特許を取得。社外でも大学の客員准教授を務め、技術コミュニティでの発信を通じて16年連続でMicrosoft MVPを受賞するなど、後進の育成や技術貢献にも尽力している。

NECソリューションイノベータ株式会社

NECグループの中核を担うシステムインテグレーター。長年培ってきた技術力やドメインナレッジを強みに、AIを前提とした「AIネイティブ開発」を加速させるとともに、高度なセキュリティとAIガバナンスを基盤に、NECグループのAIネイティブカンパニーへの変革を牽引しています。

※NECソリューションイノベータ株式会社は、2026年10月1日付で親会社である日本電気株式会社(NEC)と合併

入社10年目での決断。ハードウェア開発からソフトウェア領域へ転向した理由と当時の苦労

岸 裕介
岸 裕介

まず、山下さんが現在どのような役割を担われているのか教えていただけますか。

山下さん
山下さん

現在は、全社横断でDXを支える共通基盤や先端技術の開発・提供を担う「テクノロジーサービス事業ライン」という事業部門の配下にある、「AXサービス統括部」という部署に所属しています。

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山下さん
山下さん

私はここで大きく分けて2つの役割を担っているのですが、1つ目は、事業ライン全体の中長期的な技術戦略を策定するタスクフォースのリーダーです。リーダーとしては3年目になり、社内外と連携しながら事業戦略の立案にも関与しています。

そして2つ目が、現場であるAXサービス統括部内での役割です。ロボティクスやフィジカルAIを活用した事業開発を技術的および事業的な観点からリードしています。

岸 裕介
岸 裕介

専門家として最先端の開発に関わり続けるスタイルは、最新技術を探求し続けたいエンジニアにとって非常に理想的な環境だと感じます。そんな山下さんですが、キャリアの最初の約10年間はハードウェア開発に従事されていたとお聞きしました。

山下さん
山下さん

もともとソフトウェアをやりたくて入社したのですが、高専で電気工学を専攻していた背景もあり、ハードウェアを開発する部門に配属されました。そこでは、未発売チップセットのアルファやベータサンプルを用いたマザーボード開発など、常に最先端の領域を担当させてもらいました。

岸 裕介
岸 裕介

誰も触ったことがない最新のチップを扱うというのは、エンジニアとして非常に刺激的で面白い経験ですよね。そこからなぜ、あえてソフトウェア領域へ転向されたのでしょうか?

山下さん
山下さん

根底にあったのは、入社前から抱いていた「本来やりたかったソフトウェア開発に挑戦したい」という強い思いです。当時はちょうどC++をはじめとするオブジェクト指向言語が台頭してきており、その新しいトレンドに非常に興味を惹かれていました。

また、ハードウェアの技術が集約化していったことも要因の一つです。配属当初は基板上にたくさんの部品を配置して設計する面白さがあったのですが、だんだんとチップが高密度化し、最終的には「チップとチップを繋ぐだけ」の作業が増えてきました。ハードとしての論理設計の醍醐味が薄れてきたと感じていたんです。

岸 裕介
岸 裕介

技術が高度化・ブラックボックス化していく過程で、エンジニアとしての工夫の余地や手触り感が失われていったのですね。

山下さん
山下さん

それに加えて、ハードウェア開発ならではの物理的な作業の大変さを経験したことも、ソフトウェアへの転向を後押ししました。例えば、当時の現場で問題が発生して回路を変更する際には、プリント基板の配線を1本ずつカッターで切断し、何十本もの銅線をはんだごてで手作業で繋ぎ直すという作業が必要に…。その作業だけで1日かかってしまうこともありました。

岸 裕介
岸 裕介

想像するだけで気が遠くなるような緻密な作業ですね。

山下さん
山下さん

物理的な制約の中で苦労したからこそ、コードを書き換えるだけで手軽に修正し、論理的な構造設計をゼロから組み立てられるソフトウェアの世界に魅力を感じました。より自由度の高い環境で新しい技術に挑戦したいという前向きな気持ちで、ソフトウェアへの転向を決意しました。

【表1:山下氏のエンジニアキャリアにおける役割とフォーカスの変遷】

フェーズ 期間 主な担当業務と環境
ハードウェア時代 キャリア初期(約10年間) 最新技術を用いたマザーボード設計などを担当。物理的な制約や手作業による配線の改造に直面する。
ソフトウェア転向後 中期~ 音声認識アプリの開発や組み込みシステム全体の設計。オブジェクト指向の台頭が転向の後押しに。
現在 直近~現在 事業ライン全体の技術戦略策定、およびロボティクス・フィジカルAIの事業開発を技術と事業の両面からマネジメントを支援。
山下氏への取材内容に基づき作成

異分野へキャリアチェンジするときに、「捨てるべきプライド」と「強みになるスキル」

岸 裕介
岸 裕介

実際にソフトウェア開発へ転向されてみて、当初のイメージとのギャップや苦労されたことはありましたか?

山下さん
山下さん

もともとソフトウェアに興味があり、プログラミングの経験もあったので異動への心理的なハードルは低かったのですが、いざ開発を始めると「品質規定」という大きな壁にぶつかりました。会社の厳密な基準に則って、想定されるあらゆる挙動をコード上で担保しなければならなかったんです。

岸 裕介
岸 裕介

ハードウェア開発でも厳しい品質管理はあったかと思いますが、ソフトウェアでは勝手が違ったのでしょうか?具体的にどのような点で苦労されたのか教えてください。

山下さん
山下さん

ハードウェアとソフトウェアでは、品質に対する「責任の持ち方」が根本的に違ったんです。ハードウェアの場合、プリント基板を設計する外部ベンダーや部品供給元に対して「配線間隔はこれくらい空けるように」と物理的な制約を明確に“要求”し、管理することで品質確保のための実装が実現できました。

岸 裕介
岸 裕介

外部の専門ベンダーに要件を定義し、ある意味で品質担保を委ねることができたわけですね。ソフトウェアではどのように変わったのでしょうか?

山下さん
山下さん

ソフトウェアでは、システムをダウンさせないためのエラーハンドリングやメモリ枯渇時の対応など、想定されるすべての例外処理を自分たちで“コード”として実装しなければなりません。外部に要求して終わるのではなく、自ら品質確保のための実装をする必要があったため、最初はコードレビューで「ここの例外処理が抜けている」と無数の指摘を受け、大きなパラダイムシフトを感じましたね。

岸 裕介
岸 裕介

考え方の転換が必要だったのですね。アプローチの違いに戸惑う一方で、ハードウェアの経験がソフトウェア開発において強みになったと感じるエピソードはありますか?

山下さん
山下さん

一番役だったのは、「森を見る」という視点ですね。システムに問題が発生したとき、細かいソースコードの1行1行(葉)だけを見るのではなく、システム全体(森)から原因になりうる箇所を広範囲に探し、徐々に絞り込んでいくアプローチです。これはハードでもソフトでも共通する設計思想として体得しており、私の大きな武器になりました。

岸 裕介
岸 裕介

その視点が具体的な成果に繋がった事例はありますか?

山下さん
山下さん

組み込みシステムの開発を行っていた際、クライアント企業の役員の方に進捗や課題を説明する機会がありました。その際、単に「ここの処理で問題が起きています」と伝えるのではなく、システム全体の動作フローを踏まえた上で論理的に説明したんです。

岸 裕介
岸 裕介

役員クラスの方となると、技術的な細部の話よりも「ビジネスやシステム全体にどう影響するのか」という視点を求められそうです。どのような反応がありましたか?

山下さん
山下さん

非常に深く納得していただき、システム全体のやり方として信用できると高く評価していただきました。逆に、全体像をうまく共有できず、クライアントとのコミュニケーションに苦労している別のチームも見受けられました。

私はハードウェア時代から、日頃の雑談などを通じて状況を共有する癖がついていたので、それが功を奏したのかもしれません。それに加えて、普段の定例ミーティングでも「毎週こういうことをやっています」と進捗や課題を定期的に見える化し、誠実に説明し続けていました。そうした日々の積み重ねが、結果的に10数年以上も続く長期的な顧客関係に繋がりました。

【表2:ハードとソフトにおける「品質担保とトラブルシューティング」の違い】

領域 品質確保のための実装方法 トラブルシューティングの視点
ハードウェア 外部へ「要求・管理」する。基板設計者へルール(配線間隔等)を指示。 システム全体の論理的な動作フローから原因を特定する。
ソフトウェア 自ら「コードで実装」する。 エラーハンドリングやメモリ管理などを自ら構築。 山下氏はハード時代の経験を活かし、細部(葉)だけでなく全体(森)から問題の原因を絞り込む。
山下氏への取材内容に基づき作成

ハードとソフトの両面を知るからこそできる、複雑なシステム設計でのアプローチ手法

岸 裕介
岸 裕介

ハードとソフト、それぞれの深い知識を持っているからこそ実現できた、具体的なシステム設計のエピソードがあればぜひお聞きしたいです。

山下さん
山下さん

ある低コストの組み込みシステムを開発した時の事例があります。カメラで撮影した映像をリアルタイムで画面に表示し、さらにその映像の上に文字などの情報を重ねて表示したいという要求がありました。

岸 裕介
岸 裕介

制約の厳しい組み込み環境でのパフォーマンスチューニングは、エンジニアの腕の見せ所ですね。

山下さん
山下さん

最初はソフトウェアで映像を取得して画面に描画し、さらに文字を重ねる処理を実装しました。しかし、搭載されているCPUなどのハードウェアがあまり良いものではなかったため、ソフトウェアのみの処理ではどうしてもコマ落ちが発生し、性能が全く足りないことが判明したんです。

岸 裕介
岸 裕介

ソフトウェアの最適化だけでは物理的な限界を超えられなかったのですね。その絶望的な状況を、どのように突破したのでしょうか?

山下さん
山下さん

持ち帰ってハードウェアの回路図とソフトウェアのアーキテクチャを両方見ながら考えました。すると、回路図の中に、映像信号を直接VRAM(ビデオメモリ)に書き込む機能が未使用のまま存在していることに気づいたんです。

岸 裕介
岸 裕介

ハードウェア側の隠れた機能を発見したのですね。それは両方の領域の知識がなければ絶対に出てこない発想だと思います。

山下さん
山下さん

これを利用し、ハードウェア側で映像を直接画面に流し込みつつ、文字を重ねる画面を映像画像の上にオーバーラップ表示するといったソフトウェアの制御を組み合わせるアーキテクチャを考案しました。試作して顧客に見せたところ、「これだったらOK」と承諾をもらい、大きな信頼を勝ち取ることができました。

岸 裕介
岸 裕介

まさにハードとソフトの境界線を自由に超えて全体最適を図れる「二刀流」だからこそ生み出せた解決策ですね。最近の高度な技術領域においても、そうした低レイヤーの知識が活きる場面はあるのでしょうか?

山下さん
山下さん

たくさんあります。例えば、特許を取得した二次元画像の中に写っている特定の物体が対応する三次元モデル上の座標を算出する技術があります。これは、例えば橋梁点検現場の写真をカメラ1台のみで撮影し、その写真画像から3Dモデルを生成、さらに橋梁点検用に別途撮影した写真画像上の点検箇所が3Dモデル上のどこに位置するかを特定するユースケースに有効な手法です。

岸 裕介
岸 裕介

カメラ1台だけでそこまでできるのですか。通常ならもっと多くの機材が必要になりそうですが、どのようにして実現されたのでしょうか。

山下さん
山下さん

高価なGPSや方向が分かるハードウェアを使えば簡単に実現できると思いますが、限られたコスト制約の中で、ソフトウェアの工夫によってハードウェアの限界を突破し、最大性能を引き出すという発想が源泉になっています。

岸 裕介
岸 裕介

抽象化されたクラウドやAIの時代においても、物理的な制約や特性を意識できるエンジニアの強みはどこにあるとお考えですか?

山下さん
山下さん

例えば、ソフトウェアのプログラムにおけるCPUのマルチスレッド処理は、非常に細かい時間で切り替えて実行している「見かけ上の並列」です。一方、ハードウェアのプリント基板上の配線を流れる電気信号は、光の速度で同時に流れる「真の並列」です。

岸 裕介
岸 裕介

なるほど。ソフトウェア上の並列と、物理的な並列は根本的に違うということですね。

山下さん
山下さん

両者の特性を感覚的に理解しているからこそ、AIの機能をクラウドで実行するか、エッジ側の小さなデバイスに入れるか、あるいはASICとしてハードウェア化するかのトレードオフ(性能とコスト)を直感的に設計に反映することができるんです。

【表3:「二刀流」エンジニアならではの課題解決アプローチ】

課題・技術要件 ソフトウェア単体の限界・一般的な解決策 ハード×ソフト融合による山下氏の解決策
低コスト環境での映像・文字のリアルタイム重畳 CPU性能不足により、ソフトウェア描画ではコマ落ちが発生し実用不可。 回路図から未使用のVRAM直接書き込み機能を発見し、ハード描画とソフト制御を組み合わせて解決。
点検写真の3Dモデル上の位置特定 高価なGPSなどの専用ハードウェアを追加する必要があり、コストが肥大化。 カメラ1台の画像データのみから、独自のアルゴリズムで位置を特定し、コスト制約内で最大性能を発揮。
AI処理のシステム組み込み設計 抽象化されたソフトウェア処理の視点のみでは、実行速度とコストの最適解が見えにくい。 CPUの「見かけの並列」とハードの「真の並列」を理解し、クラウド・エッジ・ASICのトレードオフを直感的に判断。
山下氏への取材内容に基づき作成

自身のキャリアに「別の軸」を掛け合わせる具体的なステップ

岸 裕介
岸 裕介

山下さんは現在、最先端のフィジカルAIやロボティクス領域で活躍されていますが、次々と生まれる新しい技術トレンドをどのようにキャッチアップされているのでしょうか?

山下さん
山下さん

技術戦略を担う立場として、グローバルな技術や最先端の情報を調べないといけません。Gartnerのハイプサイクルなどの最新のグローバル情報や、世の中で話題になり始めている技術のキーワードを常にウォッチしています。さらに、書籍や論文なども読み漁っていますね。

岸 裕介
岸 裕介

インプットの量が膨大ですね。ドキュメントで読んだことを、どのように実践知へと変換されているのですか?

山下さん
山下さん

普段から持っている知識を話すことも当然ありますが、私はあえて「先にコミュニティや社内などでの登壇や発信の予定を決める」ことで、自分にプレッシャーをかけ、新しい情報を強制的にインプットすることもあります。発表の予定を決めてしまえば、無理やりにでもモチベーションを持って取り組まざるを得なくなりますから。

岸 裕介
岸 裕介

あえて自分を逃げられない状況に追い込むこともあるんですね。

山下さん
山下さん

はい、登壇して人に発信するためには、単に読むだけでなく、実際に手を使ってプログラムを動かしてみたり、フィジカルAIのシミュレーション環境を試してみたりと、体験ベースでの理解が不可欠になります。最近では、さまざまなメディアなどで話題になっているフィジカルAIの分野にも継続的にキャッチアップして発信を続けています。

【表4:最新技術を自分のものにするサイクル】

ステップ アクション
1. トレンドの俯瞰と選定 Gartnerレポートや論文などのグローバル情報を精読し、話題になり始めている技術キーワードを特定する。
2. 強制的なコミットメント 自分にプレッシャーをかけるため、あえて「先に登壇や発信の予定を決めてから学ぶ」。
3. 体験ベースの実践 読むだけでなく、実際にプログラムを動かしたりシミュレーションを試したりして実証する。
4. 知識の還元とネットワーク構築 外部へ発信することで自分自身の技術が蓄積され、新たな登壇などのチャンスに繋がる。
山下氏への取材内容に基づき作成 ▶t-wada(和田卓人)が語るAI時代のソフトウェアエンジニアの生存戦略

「楽しさ」と偶然のつながりが唯一無二の価値を生む

岸 裕介
岸 裕介

近年、技術の移り変わりの早さから、「自分の専門性はこのままでいいのか」と将来のキャリアパスに悩む中堅エンジニアが増えている印象です。自身の強みを見直し、市場価値を高めていくためには、何から始めるべきだとお考えでしょうか。

山下さん
山下さん

まずは、自分が「楽しい」「面白そう」と思えるものを能動的に探すことですね。待っているだけでは何もチャンスは来ません。現在の自分の専門領域である一つの技術だけに固執するのではなく、少しでも興味を持った流行りの技術も含めて、視野を広げて多様な領域に触れてみることが重要です。

岸 裕介
岸 裕介

一つの技術にしがみつくのではなく、変化を楽しみながら好奇心の幅を広げることが、結果的に自分だけの掛け合わせを生むのですね。とはいえ、未知の異分野に踏み出すのは勇気がいると思うのですが、山下さんご自身はどうだったのでしょうか?

山下さん
山下さん

私自身、最初はソフトウェア開発がしたくて入社したのに、ハードウェア部門に配属されるという希望とは違うスタートでした。でも、そこで落胆するのではなく、同じ部門でやっていたマザーボード開発を見て「回路デザインも楽しそうだな」と興味を持ち、未経験ながら自分から飛び込んでいったんです。

岸 裕介
岸 裕介

希望通りではない環境に置かれても、自ら「楽しい」と思える要素を見つけ出し、能動的に動いたことが、その後成長に繋がったのですね。

山下さん
山下さん

色々なものを見ていく中で、「自分は意外とこういう分野に向いているんじゃないかな」という新しい発見や適性に気づくことが必ずあります。私のキャリアを振り返ってみても、最初からすべてを綿密に計画して二刀流になったわけではありません。いろいろな偶然の積み重ねや繋がりが、今のキャリアを形成しています。

岸 裕介
岸 裕介

キャリア形成における「計画された偶発性」ですね。無駄だと思っていた経験や、一見無関係に思えた知識が、後になって思いがけないところで活きてくるというのは、日々の業務に悩む多くのエンジニアに勇気を与えるお話だと感じました。

山下さん
山下さん

いろいろなものを見てインプットの幅を広げておけば、そこに偶然の繋がりが生まれ、それが何かのチャンスを掴むきっかけになります。そのためにも、日頃からアンテナを張り巡らせておくことが大切だと思います。

岸 裕介
岸 裕介

最後に、キャリアに悩むすべてのエンジニアに向けてメッセージをお願いします。

山下さん
山下さん

自分の経験から言えるのは、自分が心から楽しいと思えるものをぜひ見つけてほしいということです。待っているだけじゃ何も来ないので、自分から可能性を増やすために、様々な技術や領域に積極的に触れていってください。皆さんもぜひ、変化を楽しみながら、自分だけの掛け合わせでキャリアを切り拓いていってほしいと思います。

▶「技術はビジネスの武器」未経験から市場価値を高める学習法とAI時代の生存戦略

ライター

岸 裕介
大学卒業後、構成作家・フリーランスライターとして、幅広いメディア媒体に携わる。現在は採用関連のインタビュー記事や新卒採用パンフレットの制作に注力しながら、SaaS企業のマーケティングにも携わっている。いま一番関心があるのは、キャンプ場でワーケーションできるのかどうか。
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編集

田尻 亨太
株式会社できるくん 記事制作ディレクター 17年にわたり複数の会社で一貫して編集・ライターとしてのキャリアを重ねる。2020年に採用やマーケティングを支援するコンテンツ制作会社VALUE WORKSを設立。記事制作を通じてあらゆる顧客の採用や集客を支援。2025年6月に株式会社ユーティルに事業譲渡し、現在はグループ会社の株式会社できるくんで、記事制作できるくん取材できるくんを立ち上げ中。
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