ITエンジニアコラム:きたみりゅうじのエンジニア転職百景

巻ノ十七トップが絵に描いたようなダメ人間。 やってられっかと彼は会社をあとにした

携帯電話向けのコンテンツやゲーム開発業界に身を置いていたY野さん。ところが部署のトップが女におぼれ、まともに会社へ来なくなるという体たらく。
グダグダに崩れゆく職場光景を眺めながら、彼は退職を決意するのでした。

フィリピンパブに大ハマリ

ある時を境として、Y野さんの上司は会社に来なくなってしまいました。フィリピンパブにずっぽりハマってしまったらしく、会社に来たとしても午後に入ってから。もっとも出社したところで、すぐにその女の所へ消えていくという最悪ぶりで、一切役に立ちません。
なんかドラマでこういう転落人生を見たことあるよな~……と思ってしまうような、そんなダメ人間劇場が、目の前で繰り広げられることになってしまったのです。
おいおい……と。
なんせこの上司ときたら、Y野さんをはじめとする「携帯向けコンテンツ開発」を一手に担う当部署のトップなのです。そして、新しく仕事をひっぱってきたり、契約回りを取り仕切ったりするのは、まぎれもなくこの人の仕事であるはずでした。
「ねぇねぇ、なんかクレームの電話がかかってきてるんだけど……」
「ねぇねぇ、来月からのオレの仕事って、なにやればいいか誰か知んない?」
受注量は目に見えて減り、トラブル発生時のクレーム処理も、行き先を失って現場に落ちてくるようになりました。トップの行いがああなのですから、社内の規律が守られるわけもありません。気がつけば社内はほとんど無法地帯となりつつありました。
なにもかもがボロボロです。
そんな中、給与の遅配がはじまりました。

これじゃ生きていけません!

いつの間にか、給与の遅配は当たり前になっていました。給料日になってもその日にもらえるとは限りません。もらえたとしても、それが満額とは限りません。そして、残り分がいつもらえるかもわかりません。
そんな環境になっていたのです。
プロジェクトをまがりなりにも取り仕切る立場であったため、そうそう足抜けするわけにもいかないY野さんでしたが、ここに至ってはもうそんなこと言ってる場合じゃありません。
「これじゃあ生活していけないんですよ!!」
それが掛け値なしの本心でした。

辞めようかなと思いはじめてから、いつしか1年が過ぎていました。1年経って、ようやく彼は腹をくくることにしたのです。
さて、食うために辞めると決まれば、早々に新しい職場も見つけていかねばなりません。レッツ転職活動というやつです。
ところがY野さん、これには苦労しませんでした。
「辞めるんだったら、ウチにおいでよ」
彼が取引先に退職の挨拶をしに行った時、そういって先方から声をかけてもらったのです。もちろん即OK。
今はその新しい職場に移籍して、成果主義・実力主義という中にやりがいを見いだして働く、Y野さんなのでありました。

オチの一コマ
本日の一句

へ~、本当にこんなずっぽりハマって身を持ち崩しちゃう人っているんだなぁ……という体験談でした。当事者からすると脱力ものもいいとこですねコレ。

その迷惑度を考えると、色ボケはしてもいいけど、やはり若気の至りで済む、若い時分に済ませておいてくださいな……と思わずにはいられません。新人くんがこんなのやってる分には、まだケタケタと笑い話になりますもんね。

しかし、こんだけグダグダな職場にあっても、きっちり客先から「ウチにおいで」なんて誘ってもらえるのはすごいですね。Y野さん、とてもキチンと仕事をされる方だったんだろーなー。パチパチパチ。きたみアイコン

著者プロフィール

自画像きたみりゅうじ
もとは企業用システムの設計・開発、おまけに営業をなりわいとするなんでもありなプログラマ。あまりになんでもありでほとほと疲れ果てたので、他社に転職。その会社も半年であっさりつぶれ、移籍先でウィンドウズのパッケージソフト開発に従事するという流浪生活を送る。本業のかたわらウェブ上で連載していた4コマまんがをきっかけとして書籍のイラストや執筆を手がけることとなり、現在はフリーのライター&イラストレーターとして活動中。
遅筆ながらも自身のサイト上にて、4コマまんがは現在も連載中。
http://www.kitajirushi.jp/

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