ITエンジニアコラム:きたみりゅうじのエンジニア転職百景

巻ノ五十四おばちゃん管理者の恐怖。独裁者からのレッツ大脱走!!

待遇も良く、人間関係も悪くない。そんな職場に満足していたE藤さんですが、ある日チームごと別セクションへと配置換えに。
部を移ることで「生活が一変した」と語る彼女に、果たしてなにが起こったのか。
そんな今回の体験談です。

はじまったのは恐怖政治

新しい部署で彼女たちWebチームを待っていたのは、「Webのことなんかなんにも知らない」「自分の友人と結託して職場いじめに勤しむのが日課」という、恐怖のおばちゃん管理者でした。
さながらその部署の中は治外法権と言わんばかりに、唯一の正社員であるおばちゃんの意見は絶対で、「正義はどこなの!?」「誰か助けてヘルプミー」と叫びたくなる日々なわけです。
仕事がスムーズに進むようにと、本社と築いてきたパイプは「必要ない」とブッタ切られ、電話を取るのがイヤだというおばちゃんの意向により、「そんな仕事なくなりゃいい」と電話対応の仕事もブッタ切り。
そんな状態で、海外本社と呼吸をあわせて進めるようなWebマスターとしての仕事がまともに務まるはずもありません。
後から入ってきた子たちは見る間に具合が悪くなり、パタリパタリと退職していきました。E藤さん自身も、おばちゃんの強権発動によって、業務委託から派遣扱いに雇用契約を変えられることとなり給料大幅カット。「そんなんで食っていけるか」と退職を余儀なくされてしまいます。
さらに残ったWebチームの4名も、うち3人が希望退職を申し出て、残る1名に関しては「だったらもう全員いらんわい」とクビ決定。
滅びの道をひた走る「おばちゃんの、おばちゃんによる、おばちゃんと友人だけが幸せな恐怖政治」は、他セクションの部長が「さすがにこれはおかしい」と介入を果たすまで、栄華を極めていくのでした。

レッツ正社員、間を空けずにゴーゴゴー

少し話が暴走気味に進みすぎてしまいました。
時は少しだけ……、E藤さんが退職を決意したあたりの話に戻ります。
さて、派遣待遇に無理矢理変えられて「辞めてやる」と決意したE藤さん。仕事と仕事の間は空けない主義だったため、現在の仕事に従事したままで、さっそく転職活動を開始しました。
「業務委託の形はなんだかんだと面倒だったんで、今度は正社員で」とE藤さん。とにかく自分のキャリアに該当する会社は片っ端から受けることにして、「受かることだけ」に気持ちを集中させた転職活動でした。
業務を止めずに活動するため、面接の時間については、時折「病院に行きます」と午前休を取る以外は、夜退社した後にセッティングするのが基本でした。数社から内定をもらった後は、面接での印象・待遇・業務内容を勘案して「この会社にする!!」という最終的な意志を決定。3月末まで今の会社で働いて、4月1日からは新しい会社へと通うことになったのだそうです。
新しい職場での仕事は、やっぱりWebの管理とオンラインマーケティング業務。しかし、実のところは「インターネットには飽きていて」というE藤さん。
「てっとり早く仕事を見つけるため同じ仕事に就いたんですけど、やっぱりちゃんと時間をかけて、自分のやりたいことを次の仕事にできるようにしたいですね。その『時間をかける』というのがなかなか難しいんですけど」
そう締めくくる彼女の転職満足度は、「やや不満」なのだそうです。

オチの一コマ
本日の一句

この体験談には後日談があって、けっきょくこの後1年待たずに、E藤さんは新しい会社も退職しちゃうんだそうです。んで、「音楽の勉強をするんだ」とアメリカはボストンの大学へと入学しちゃったんだとか。
それは極端な例にしても、今の仕事を「一生の仕事とは思えない」と感じて転職を考える場合、どうしても「既に今得ている評価」についてはいったん捨てるしかないというのはありますよね。
少なくとも1は持ってたはずのものが0になっちゃうんだから、それは無茶苦茶に怖いことではあるんですけど……。
一度は捨ててまた創る。人はその繰り返しによって大きくなっていくもんなのかもしれません。
……と利いた風なことをぬかして赤面する私なのでありました。きたみアイコン

著者プロフィール

自画像きたみりゅうじ
もとは企業用システムの設計・開発、おまけに営業をなりわいとするなんでもありなプログラマ。あまりになんでもありでほとほと疲れ果てたので、他社に転職。その会社も半年であっさりつぶれ、移籍先でウィンドウズのパッケージソフト開発に従事するという流浪生活を送る。本業のかたわらウェブ上で連載していた4コマまんがをきっかけとして書籍のイラストや執筆を手がけることとなり、現在はフリーのライター&イラストレーターとして活動中。
遅筆ながらも自身のサイト上にて、4コマまんがは現在も連載中。
http://www.kitajirushi.jp/

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