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マイナビ転職エンジニアEXPO 講演レポート
会場風景1

自動車用半導体の技術動向と
デンソーの取り組み

デンソー
デバイス事業部 半導体回路開発部 
東京拠点準備室 室長(2014年1月〜) 越田 信吾

[プロフィール]1980年/日本電装株式会社(現 株式会社デンソー)に入社。IC技術部において、車載用カスタムマイコン、カスタムICなどの開発に従事。2006年/IC技術1部長。2011年/デバイス事業部半導体回路開発室において、技術開発を担当。

世界で大きな影響力を持つ、自動車部品メーカー『デンソー』

皆さん、こんにちは。株式会社デンソー デバイス事業部の越田です。本日は、自動車用半導体全体の動向をお話しした後、デンソーの取り組みについてご紹介します。

最初に会社の概要をご紹介します。デンソーは連結売上高約3.5兆円、経常利益約3,000億円で35の国に140拠点を展開しており、現在も順調に売り上げを伸ばしています。自動車部品メーカーとしてトップクラスであり、大きな影響力を持つ企業です。

主要な製品分野は三つ。一つ目は「環境」に関連するもので、HV車のエンジン制御等のエレクトロニクスシステムなどを手掛けています。二つ目は「安心・安全」で、衝突防止や乗員保護に貢献する製品。そして最後の三つ目は「快適・利便」で、車に乗る人が快適に過ごすための製品です。

これまでに“世界の先駆け”となる技術を約130件も創出しており、先を見た技術こそがデンソーの大きな特徴と言えます。国内拠点のほとんどは愛知県刈谷市を中心とした地域に集まっていますが、来年7月には都内に半導体の設計拠点を新設し、車載半導体の回路設計者を集める予定です。

カーエレクトロニクスが目指すのは、環境への負荷と交通事故がゼロになる未来

会場風景2

ここから、自動車用半導体の動向についてお話しします。世界の自動車販売台数は現在も右肩上がりに増えていますが、主に牽引しているのは新興国向け需要です。そこで対応すべき点となっているのが、環境対策と交通事故を減らすことです。

まずは「環境」について。自動車の燃焼エネルギーのうち、推進に使われるのはわずか20%で、残りは損失となっており、燃費向上の余地はまだまだ大きくあります。エンジンの改良やエネルギーの回生利用、負荷の低減など、燃焼エネルギーを最大限に活用することが目標とされています。HV車専用のエレクトロニクスシステムも、今後急激に増えていくものと思われます。

もう一つは事故ゼロを目指す「安心・安全」について。日本の交通事故による死亡者数は減少傾向にあり、ABSやエアバッグの義務化以降はさらに減っていますが、今後、プリクラッシュシステムが搭載されるようになれば、事故そのものも減っていくと思われます。事故ゼロを目指した技術として、通常運転時・危険時の事故防止を図るシステムや、操作そのものに介入してブレーキを踏むシステムなど、幅広い技術の融合が進んでいます。

これらに加えて「快適・利便」の面でも開発を進めることで、環境負荷が限りなくゼロに近い社会、車に乗る人も歩行者も安心できる交通事故のない社会を実現することが、私たちデンソーの願いです。

デンソーの先進的な半導体技術が、クルマの未来を切り開く

次に、今までお話ししたことに関連する、半導体について説明します。現在では自動車のさまざまな個所に半導体が搭載されており、場所によっては150℃以上の高温や多湿、振動等、厳しい条件下で動作することが求められています。ほかにも長期間の使用に耐えることや、小型・軽量化、低コスト化など、数多くの要件があります。

それらを実現する、デンソーの技術をご紹介します。まずは『モノリシックIC』。デンソーが開発した独自構造のICで、さまざまな機能をワンチップに集積でき、小型化に貢献します。

次は『半導体センサ』です。小型・高精度・高信頼性のセンサを世界に先駆けて製品化したもので、安全系、エンジン周りなど、微少な容量変化を判定できる性能があります。

そして最後が『パワーモジュール』。HV車には新幹線に搭載されているものとほぼ同等のレンジのモーターが搭載されていますが、これを制御するパワーモジュールを車内の限られた空間に収める必要があります。当然小型化が重要になりますが、半導体からECU、更にはシステムまで、社内で一貫した垂直統合型の開発ができるデンソーだからこそ、全体最適化を可能にしています。

その具体的な開発事例を、二つご紹介します。一つ目は『AT一体型TCU(トランスミッションコントロールユニット)』。燃費を3〜5%向上させる、機電一体型の制御モジュールです。トランスミッションの内部にECUを組み込んだもので、従来の別体型より高精度な制御が可能です。

二つ目は『HV用パワーコントロールユニット』。PCUから半導体まで一貫して手掛けられる強みを生かし、複数の技術を組み合わせることでインバータの小型化を進めています。今後は、太陽光発電や電池の技術とも連携した開発を、さらに拡大していく予定です。

最後に、デンソーが求める人材についてお話します。自動車が世界中で増えるなか、デンソーで働くということは、世界中のクルマを通じ人々の暮らしを豊かにしていくことにほかなりません。デンソーにしかできない驚きや感動を提供する「先進」、お客さまの期待を超える安心や喜びを届ける「信頼」、チームの力で最大限の成果を発揮する「総智・総力」の三つが、デンソーのスピリット。自ら学び、考え、新たな価値の実現に向け挑戦し続けていく人とともに、これらをカタチにしていきたいと考えています。
私の話は以上になります。ご静聴、ありがとうございました。

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