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マイナビ転職EXPO 講演レポート
会場風景1

自らを変革し続けるために――
IBM変革の歴史と新しい戦略

日本アイ・ビー・エム
クラウド事業統括 クラウド・サービス事業部
SoftLayer営業部 部長 西村 淳一

[プロフィール]1996年日本アイ・ビー・エムに入社。サービス・ビジネスを中心にシステム開発、業務アウトソーシング、サービス・オファリング開発などを経験。2011年からクラウド事業でのテクニカル・セールス部門を担当した後、2013年米国本社ストラテジー部門への出向を経て、現在、昨年IBMが買収したクラウド・サービス「SoftLayer」の国内事業を担当。

肉をスライスする機械から始まった会社

皆さん、こんにちは。日本アイ・ビー・エム(以下、IBM)の西村と申します。今日は皆さんに、「IBMがこれまでどんなことをしてきたのか」「これから何をしていくのか」「そこにはどんな人材が必要なのか」というお話をさせていただきます。

ここに1枚の写真があります。これは1928年メキシコの食肉店で撮影されたものです。実は、ここにIBMの製品が写っています。1911年に設立したIBMは、最初はここにあるような肉をスライスする機械やタイムレコーダーなどを、数カ国で製造・販売している会社でした。それが103年の時を経た今、世界170カ国で約43万人が働く、ハードウェア、ソフトウェア、サービスなどを提供するIT企業として、その内容や規模を大きく変えて事業を展開しています。

今日のテーマは3つ。IBMの過去と未来と人物像です。まずは「IBMの変革の歴史」について。ここでは特に最近の20年に絞ってお話します。

かつてIBMはメインフレームと呼ばれる大型コンピュータで大きな収益を上げていました。それが1980年代後半から90年にかけてのいわゆる「オープン化」の流れにより、厳しい状況になったのが1990年代前半です。そんなIBMを立て直すために1993年CEOに就任したのが、ルイス・ガースナーです。彼がIBMの新たな大変革をスタートしました。具体的には“ハードウェアの会社から総合ソリューションの会社へ”です。

私自身の入社は1996年。日本IBMでシステム・インテグレーションやアウトソーシングでサービスビジネスが急成長していた時期です。また、あの頃はインターネットバブルがやってくる直前でさまざまな企業が“e-ビジネス”に取り組み始めており、私もWeb系アプリケーションの開発に携わっていました。

1999年にITバブルがはじけ、世界全体がITコスト削減の方向に向かいます。そんな中、2003年にガースナーから経営を引き継いだのが、サミュエル・J・パルミサーノ。彼がフォーカスしたのが、“オープンテクノロジーと高付加価値のソリューションへのシフト”でした。また、彼は“Global Integrated Enterprise”としてIBMのグローバルでの統合化を推し進めました。私も2005年からは業務のアウトソーシング部門に異動し、グローバルのサービス拠点を活用した、経理、人事といった業務をサービスとしてお客さまに提供していました。

その後、2012年にIBM初の女性CEOとしてバージニア・ロメッティが就任します。彼女が掲げたのが、“高付加価値の継続とクラウドコンピューティング時代の到来。そして、新しい市場と顧客の開拓”といった、新しいIBMの模索です。昨年米国本社へ出向している際に感じたことは、現在の経営の上層部の「(変革の始まった)1993年の痛みを忘れるな。変化を恐れるな」という強い思いです。これが現在のIBMの一番大きなDNAになっているとも言えます。

この“変化を恐れない”という姿勢は、この20年にIBMが行ってきたさまざまなM&Aでも見て取れます。例えば事業譲渡を発表したのが2001年、パソコン事業をLenovoに売却したのも2005年。2000年前半に会社としてこの判断をするというのは、非常にダイナミックな戦略だったと思います。重要な技術的要素のトレンドを早い段階で見極めた上で、IBMとして提供すべき高付加価値の領域での企業買収を行ってきています。さらにM&A以外にも、これから狙っていく市場に関連する研究・開発も継続して行っています。

現在、IT産業自体は全体的には成熟期にあります。しかし細かく見ると、ソーシャル、モバイル、クラウド、ビッグデータといった分野はここ数年急速に伸びてきています。また、これらの複数の大きな技術トレンドの変化が同時期に出現することにより、これまでとはまったく異なる新たなマーケットが生まれており、IBMも今ここに注力しています。

変化を恐れずに変わり続けるIBM

会場風景2

2番目に「IBMの新しい戦略」についてお話しします。IBMでは毎年アニュアルレポートを出していますが、今年はかなり絞り込んで明確に作ってあります。簡単に紹介すると、「ビッグデータを活用した新しいサービスの提供と市場の創出」「クラウド時代に適合した企業のIT再構築」、そして「システム・オブ・エンゲージメント」。この3つで戦略を立てています。

まずビッグデータについて。最近よく言われているのは「データは世界の新しい天然資源となりつつある」ということ。これからの時代、データは石油などと同じ資源として、それを活用することから価値が生まれていくでしょう。そのなかで“ワトソン”のような学習するコンピュータにフォーカスして投資をしていく。日本ではまだこれからですが、グローバルではこの領域に、かなりのヒト・モノ・カネがつぎ込まれています。

次にクラウドについて。今後提供されるソフトウェアの85%はクラウドに、現在利用されているアプリケーションも2016年までには1/4がクラウドで利用可能になるでしょう。クラウドはビジネス成長の原動力であり、IBM自身もクラウドを活用しながら、さらなる新しいビジネスの開発を積極的かつ迅速に進めています。

例えばその一つが、現在私も携わっている「SoftLayer」という会社。SofLayerは2005年に設立されたベンチャー企業で2013年にIBMが約2,000億円で買収しました。このようにベンチャー企業を買収して、クラウドのサービスを提供する足掛かりにしていくのも、現在のIBMの姿です。

3つ目の「システム・オブ・エンゲージメント」とは、“企業における協働のための情報活用システム”を意味していて、強力な力を持つようになった個人とのつながりを目的とした、新たなカテゴリーの IT サービスや IT 機能を指しています。

今、ソーシャルやモバイルによって、人々が新たな知識を獲得し、新しいネットワークを構築していくことにより、お客さまと企業、社員と企業との関係性が大きく変化してきています。ちょうど先日、アップルとIBMの業務提携が発表されましたが、IBMはiPadやiPhoneを活用して、これからの新しい企業のあり方をお客さまにご提案すると同時に、自社内での「システム・オブ・エンゲージメント」の実現を自らが実践することによりリードしていきます。

最後に、「IBMが求める人物像」ですが、皆さんがこれから入社するIBMは、きっと今までのイメージにある従来のIBMとは違う姿になっているはずです。私たちは一人ひとりが“IBMer”となって、そんな変革を自らリードし続けなければならない。目指すは、「IBMという会社に飼いならされることなく、自分の意見を持ってIBMを変えること」です。当社は比較的、声を上げれば受け入れられる社風だと思いますが、声を上げてダメなら会社を飛び出すくらいの強い思いを持って取り組んでいただきたい。大切なのは、変革の波に飲まれることなく、自分で方向性を決めメッセージを発することです。

IBMは、常に変化を続けている会社です。そして、「これからその変化を自分が担っていく」くらいの気概を持って入社していただければと思います。ありがとうございました。

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