このエントリーをはてなブックマークに追加

「世界の壁」は「世界への扉」だった! 英語アレルギー&海外経験ゼロからの、グローバル人材への成長術

フィリピン留学・語学留学の口コミ情報サイト「School With」の代表としてグローバルに活躍する太田英基さんは、ほんの数年前まで海外経験・志向共にゼロだった、という。果たして、太田さんを変えたものとは何だったのか? 「グローバル」と聞いても「気になるけど何をすべきか分からない」「自分には関係ない」……そんな風に思っている皆さんは必見! 太田さんが「世界への扉」を開いたきっかけや、彼の行動のノウハウを参考に、ぜひ世界という舞台への一歩を踏み出してください。

世界のリアルを学ぶ中で、グローバルビジネスのチャンスに触れた

ローカル市場を訪れる中で、世界のリアルを感じていった

トルコで訪れたローカル市場、買い物客でにぎわっている 海外で活躍する日本人の情報を発信する「サムライバックパッカープロジェクト」を通し、世界を舞台に活躍するビジネスパーソンとの豊富なネットワークを築いた太田さん。一方で、世界各国を巡りながら、ローカルマーケットや人々のリアルな現状を肌で感じていた。なかでも世界中のビジネスマーケットを学ぶために、日々太田さんが意識して行っていたことがある。

「富裕層・中間層・低所得層それぞれが利用している、ショッピングモールやデパート、スーパー、市場、家電量販店、飲食店、本屋、売店などを、できる限り訪れるようにしました。そこに並んでいる商品を見ることで、グローバルビジネスのヒントが見つかると思ったんです。あと、日本の商品がどれだけ世界に流通しているのかも、確認したいと思いました」

結果から言えば、アジア以外の国々では、日本の商品をほとんど目にすることがなかったという。しかし、日本企業が力を発揮できるマーケットは確実に存在していたと太田さんは言う。今回は、太田さんが世界一周の旅で発掘した「ビジネスのタネ」をいくつか紹介したい。

日本食、マンガ、アニメ…… 日本文化が持つグローバルな可能性

ペルーのショッピングモール、1階のすべての店舗が海賊版DVDの販売店だったという ヨーロッパでまず太田さんが驚いたのは、日本食レストランの多さだった。既にヨーロッパでは、「ヘルシー」「オシャレ」「美味しい」という日本食のイメージが定着しており、ファッション感覚で食べに行く人も多いという。

「しかし、その多くは味も平均点以下のところが多く、値段も高い。日本食というブランドだけが先行しているんだと思います」

麺料理に関しては「ヨーロッパの人は、麺をすするという食文化に抵抗がある」「水質が違うので、海外では製麺がうまくいかない」などと言われることが多い。しかし、太田さんがベルリンで訪れた、ドイツ人が経営するラーメン屋は、自家製麺を使用していながらも日本で食べるのと同じくらい美味しく、現地の人にも人気だったという。

また、日本のマンガやアニメにも大きな可能性を感じたという。近年、日本のコンテンツ産業は、海賊版DVDの流通や違法ダウンロードに頭を悩ませている。太田さん自身も、世界の各地で海賊版を販売する店舗の多さに、「コンテンツで収益を得るビジネスは終わりなのかもしれない」と感じていた。

「しかし、日本のコンテンツが持つ力は本当に強いです。外国人が日本語を学ぶきっかけの多くはマンガ・アニメ。それならば、コンテンツ自体で利益を出すのではなく、ライセンシービジネスを主軸に据え、食品やアパレル、玩具メーカーなどと連携した商品を販売する方が現実策だと思います。日本発のアパレルメーカーの海外店舗では、マンガやアニメとコラボレーションしたTシャツがかなり売れているようでした」

途上国やBOPビジネスにおいて、日本企業が持つべき視点とは

移動式アイスクリームショップ、ローカルの生活に根付いている 「途上国でよく見かけたのが、自転車一体型の『移動式アイスクリームショップ』。停電が日常的に発生する国や地域では、店内の冷凍庫が作動せず、商品であるアイスが溶けてしまいます。そのリスクを避けるために、メーカーが労働者と契約し、その日売る商品だけを保冷剤入りのアイスボックスに詰め、自転車で販売してもらっているんです」

この販売方法を採っているのは、決してローカル企業だけではない。世界を代表するアイスクリームメーカー各社もまた、この販売方法を採用することで自社の商品をしっかりとローカルに根付かせているという。

さらに太田さんは、今注目を集めているBOPビジネスの実態についても語る。BOPとは「Base of the Pyramid」の略であり、年収が3,000ドル以下の低所得層を指す。BOPビジネスは、そんな低所得層約40億人をターゲットとしたビジネスであり、新市場の開拓と社会貢献を両立できるビジネスモデルとして、欧米企業を中心に参入が相次いでいる。

「洗剤、薬、タバコなど、日本ではパッケージ売りが当たり前。しかし、ケニアやフィリピンなどの売店では、洗剤は一回使いきりの分量、薬は一錠、タバコも一本からと、小分けにして販売されているんです。パッケージでは買えなくても、小分けの価格なら買うことができる。実際、フィリピンにおけるタバコの購入量の3分の2は、一本売りによるものだそうです。グローバル企業の中では、あらかじめ商品を小分けにして流通させている企業も出てきています」

「ローカルの習慣や、低所得者層のニーズと向き合うビジネスモデルを作ることで、日本企業ももっと成長できるはず」と、太田さんはその可能性を語った。

世界に目を向けることで、日本企業はまだまだ成長できる

「ブラジル人の友人が『東京のスーパーで買い物をするのが楽しみだ』と言っていたんです。理由を聞いたら、『以前東京に行った同僚が、日本のスーパーには、そこでしか買えない良い商品がいっぱいあると言っていた。だから自分もおみやげをたくさん買って帰りたい』と話していました。僕はその話を聞いて、とても悔しくなったんです」

日本には高品質な商品やサービスがたくさん存在し、来日した外国人からも高い評価を受けている。でも世界に流通することはなく、結局日本でしか買えないという状態が続いている。逆に言えば、もっと世界に目を向けることができれば、日本企業はまだまだ成長できるということだ。

「とはいえ、『日本の商品を海外で売りたい』という一辺倒な思いだけでは、ローカルに受け入れられることはありません。大切なのは、自分たちのビジネス活動を通して、その国や人にどんな利益をもたらすのかを、しっかりと考えること。現地のパートナー探しやローカル言語の習得など課題はたくさんありますが、まずはその考えを持つことが不可欠なんだと思います」

世界中で、ビジネスのタネを探り、旅から帰国した太田さん。彼は世界を舞台に活躍することの意味や、グローバル人材へと成長する手段について、改めて考えを巡らせた。そして、いよいよ太田さん自身も、グローバルビジネスの一歩を踏み出し始めるのであった。

太田英基さんの画像

太田英基(おおた・ひでき)さん
1985年生まれ。2005年、20歳の時に広告サービス「タダコピ」を運営する「株式会社オーシャナイズ」を大学の同級生と共に起業。取締役を経て、2010年に退社。「サムライバックパッカープロジェクト」を立ち上げ、約2年間の世界一周の旅へ。旅中の2011年には東洋経済新報社から「フィリピン『超』格安英語留学」を、帰国後の2013年には、いろは出版より「日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く。」を出版。2012年よりフィリピン留学・語学留学の口コミ情報サイト「School With」を運営。
Twitter: @mohideki / School With: http://schoolwith.me/

◎取材・文/米須 英明
◎デザイン/blue vespa
◎撮影/藤中 一平

この記事はいかがでしたか? ★をクリック!(必須)

バックナンバー

Vol.5 旅で培った経験を生かし、世界を舞台にしたチャレンジが始まった

世界一周の旅を終えてから、たしかに広がっていった人生の可能性

Vol.3 世界一周の旅で出会ったのは、現地で奮闘するサムライたちの姿だった

海外で活躍する先駆者たちの情報を発信する「サムライバックパッカープロジェクト」

Vol.2 グローバル人材への道のりは、嫌いな英語の克服から始まった

世界一周の前に乗り越えることを誓った、英語という大きな壁

海外転職ノウハウ

  • タイで働く
  • 英文履歴書の書き方
  • カバーレターの書き方
  • 海外転職に役立つ!国際資格完全ガイド
  • ビジネス英語ワンフレーズ
  • 人事担当者インタビュー
  • グローバル人材への成長術