行動を起こせば、未来は変えられる
プロフィール 日東電工株式会社/冨田 貴子さん
【転職前の仕事】東京海洋大学を卒業後、福岡の水産食品製造会社に就職。営業として約4年間勤務。しかし、「海外への憧れ」が捨てきれず、「海外を舞台に活躍できるビジネスパーソンになりたい」という思いから、青年海外協力隊への参加を決意。
【キャリアステップ:青年海外協力隊の活動】2014年3月から2年間、フィリピンの零細漁村に漁村振興を目的としたコミュニティ開発の協力隊員として派遣され、町役場に配属。漁民の生活改善や小学校などでの海の資源管理に関する啓発活動に携わる。
【転職後の仕事】2016年8月、グローバル展開する総合部材メーカー日東電工株式会社(東証一部上場)へ就職。現在は新事業開発部門で企画・マーケティングを担当。
海外を舞台に活躍したい──。語学力も海外経験もない、このままの自分で転職したくなかった。
学生時代から海外に強い憧れを持っていましたが、留学などすることなく地元の水産食品メーカーに就職しました。会社で海外営業が始まったときは、「私にもチャンスがあるかもしれない」と期待しましたが、担当になったのは英語のできる後輩。私にはマネジメントに力を入れて欲しいという会社の意向ともギャップを感じ、転職を考えるようになりました。
転職か留学か——。選択肢はいくつかありましたが、グローバルキャリアに憧れる私にとって大きな課題は語学力。独学で勉強していたTOEICも思うようにスコアを伸ばせず、語学力を武器に転職できるほどのスキルもありませんでした。だからこそ、「転職する前に自信と経験を身につけたい」と考え、海外経験と語学力の両方を手にできる青年海外協力隊がベストな選択だと思ったのです。「将来は語学力を活かして、グローバル企業に転職」、そう帰国後の目標を決めました。
応募時、アジア圏で英語を使っている国を希望。大学での専攻が生かせることを理由に、フィリピンの貧困漁村の振興のために派遣されることが決まりました。派遣前の語学のできなさ加減に泣いたこともありますが、一人で頑張っていた時よりレベルアップしたと思います。
得られたものは語学力だけじゃなかった。「最適な答えは何か。」を考えて行動する力こそ、私の成長の証。
当初は、海藻養殖に奮闘しましたが、技術や設備、予算の制約もあり、1年後には諦めるしかありませんでした。代わりに自分に何ができるか悩みぬき、改めて現地の声をヒアリング。「野菜」というキーワードが出てきました。そこで、真の課題に気づくことができたのです。
村の住民のほとんどが漁師で、野菜は市場で買うもの。収入の少ない彼らにとって食生活は米と魚に偏りがちでした。そこで、野菜作りを通して、栄養改善や節約にもつながることを啓発していこうと、皆の前でプレゼンテーションしました。すると、お母さんたちがとても喜び、「This project is very good!」と大賛成。本当に嬉しくて、私の自信になる経験でした。村を回ると地元の方々が案内役を買って出てくれたり、生育の様子を報告してくれたり、その野菜で一緒に料理を作って食べたり、思い出に残る仕事ができました。
最初に失敗した時は、「何か大きなことを成し遂げたい」と大きく構え過ぎていたと思います。何も上手くいかない状態に落ち込むこともありました。くよくよ悩まず、「もう言葉なんて通じなくてもいいや」と、思いきって相手の懐に飛び込んでいったことで、2度目の取り組みで成功できたのだと思います。自分の理想ではなく、派遣先の現状や相手の立場で、「何がベストなのか」を考えて行動する。それができるようになったことが一番の自分の成長だと思います。
帰国後、踏み出すことができたグローバルキャリア。大手メーカーでの新規事業開発の最前線へ。
帰国後の就職活動は、協力隊経験に興味を持つ企業が集まる、JICA主催の「帰国隊員のための企業交流会」に参加し、今の企業と出会いました。海外を舞台に活躍できる会社への就職を考えていたため、「日本全国、何なら海外でもどこでも行きます!」という意気込みで商社やメーカーを受け、いくつか内定をいただくことができました。
日東電工株式会社を選んだのは、フィリピンの小さな漁村でも日本製品はよく知られていて、「やはり日本のものづくりは素晴らしい」と実感したからです。入社後は新規事業部の新しいビジネスを創出することを目的としたチームで、IoTに関するマーケティングや企画を担当しています。あらゆるものがインターネットに繋がる世界に新たな可能性を探るため、海外の企業にアプローチすることも多く、身につけた語学力を生かせています。
今の職場は、業界知識も製品知識もない分野でしたが、配属先の上司に、「そこは、あなたのコミュニケーション力で掴んでいける」と言われました。海外で身につけた突破力があればこそ、新卒の時には考えられなかった大手企業に入社できたのだと思います。手をあげればチャンスを与えてもらえる会社なので、数年以内に海外を舞台に活躍できるビジネスパーソンになりたいですね。
採用担当者の声
海外におけるビジネスの場でやり抜いた経験と柔軟な姿勢こそ、これからの事業展開に必要
経営インフラ統括部門 人財統括部 戦略人事部
タレントマネジメント推進グループ 係長
中村 慶子さん
国内外に拠点を持つ当社は「新しい発想でお客様の価値創造に貢献する」をミッションに掲げ、仕事への取り組み方や判断基準などにおいて社員全員で価値観を共有しています。そのなかで「スピーディーに動き、やると決めたらやりきる」という考え方があります。留学とは異なり、協力隊の中にはビジネスの場に身を置いて活動する隊員の方もいらっしゃると思います。現地での仕事を通してリアルな声を聞き、ときには壁にぶつかり、コミュニケーションに苦労しながらも2年間やり抜く。この経験が当社の人材観とマッチングすると思っています。
さらに大切なのは、熱意と行動力。現地では一人で考え、やり遂げなければならないこともあったはず。この経験にも注目しています。冨田さんはこつこつ取り組む姿勢と情熱に加え、「何でもやってみたい」という気持ちを備えていたことが高く評価されました。現在新規事業を担当いただいてますが、失敗を恐れず、行動する姿勢はどの事業部においても求められています。
また、職歴や経験にこだわり過ぎず、経験してきたこと以外の分野にも興味を持ち、柔軟な姿勢で取り組めることも当社では大切です。当社は自動車、住宅、家電、医療など多彩な事業領域を持っている企業。私たち自身も「次はどのフィールドに行こうか」と、ワクワクしながら進んでいます。「世界を変えるものを生み出したい」という思いを抱き、無限の可能性を感じながら仕事に取り組み、挑戦できる人こそ当社には必要です。ぜひ協力隊でチャレンジしてきた経験やいろいろなお話を聞かせて下さい。きっと互いに共感できるものを見つけられるはずです。
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