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青年海外協力隊の活動 町井恵理さんの写真01

人生を変えた協力隊での経験──
NPO法人を立ち上げ、アフリカの医療に貢献

プロフィール NPO法人AfriMedico/町井 恵理さん

【転職前の仕事】大学を卒業後、薬剤師の免許を取得。外資系製薬会社でMR(医薬情報担当者)として6年間勤務。

【キャリアステップ:青年海外協力隊の活動】27歳のとき、アフリカのニジェール共和国で2年間、感染症対策の啓発活動に従事。主にマラリアなどの知識の普及に努める。

【転職後の仕事】帰国後、前職とは別の外資系製薬会社でMRとして復帰。同時に、グロービス経営大学院へ進学し、自ら作った「置き薬」のビジネスモデルでNPO法人AfriMedicoを設立。2014年、東京都の「TOKYO STARTUP GATEWAY 2014」最優秀賞をはじめ、2015年には「40億人のためのビジネスアイデアコンテスト(アイ・シー・ネット株式会社主催)」ファイナリスト、「第1回女性起業チャレンジ制度(一般社団法人日本起業アイディア実現プロジェクト)」特別賞 、2016年には「世界で闘う『日本の女性』55(Forbes JAPAN)」など、数々の賞に輝く。

「薬があれば助かる命がある」協力隊経験があったからこそ挑めた、アフリカの人々を救うNPO法人AfriMedicoの設立。

300年以上の歴史がある日本の伝統文化「置き薬」。アフリカで2年間の協力隊経験をしたことをきっかけに、薬剤師である私は、この仕組みをアフリカの医療支援に生かそうとプロジェクトを立ち上げ、2015年にNPO法人を設立しました。 アフリカでは、近くの病院まで2時間以上かかる人々が大勢います。「薬さえあれば助かる命がある」ことを私は現地で痛感しました。そこで、医療機関が身近になく、収入が多くない人々にとって、必要なときに薬が手に入り、使った分だけ後払いすればいい「置き薬」は、まさに理にかなったシステムだと思いました。

 

現在、タンザニアでプロジェクトが始まっており、現地調査の準備期間を経て、2つの地域の村長宅や学校、企業など約50ヶ所に置き薬の配置が完了しました。また、アフリカで猛威をふるう感染症の1つにマラリアがあります。マラリアに関してはマラリア薬の乱用は薬剤耐性化を引き起こし、薬の効果がなくなってしまいます。そのため、マラリア検査キットが存在し、陽性反応が出たら病院へ行くようにこの検査キットの導入も進めています。適切な利用方法も含め、今はこうした仕組みの定着に向けて活動中ですが、現地の協力スタッフから「人々の役に立っている」という声が聞けるのは何よりの喜びです。

 

結果が出てきたらタンザニア政府に交渉し、政策として国内に広めてもらえるよう働きかけていく予定です。さらにはアフリカの他国でも医療支援が必要な地域に薬を届けられる体制をつくり、軽症の病気なら自宅やコミュニティで自己治療(セルフメディケーション)できるようにしていきたいと考えています。

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感染症のリスクは伝えられたものの、大きな課題を残した協力隊での2年間。

大学時代、バックパッカーとしてインドを訪問し、マザー・テレサの家で初めてボランティアを体験した私は、子どもたちが労働力となっている貧しい国で支援活動に携わりたいと考えていました。協力隊に応募しようと思ったきっかけは、インドでの経験がずっと頭に残っていて、国際協力をしたいという気持ちを持っていたからです。先輩隊員の声から最もハードだろうと想像できたアフリカをあえて希望したのですが、派遣先のニジェールは世界でもワーストを競う貧しい国で、衝撃の毎日でした。

 

ニジェールでは人の死があまりにも身近にあり、誰かが亡くなっても誰も死因すら気にしないことにまず驚きました。識字率は2割にも満たなく、伝える手段として口承や紙芝居もありました。現地語を覚えて積極的に現地の人と触れ合い、活動に協力してくれる仲間もでき、とにかく経験することでしか学べないことばかりだったと思います。

 

マラリア予防など感染症対策の啓発活動がミッションであり、派遣中は6つの村で啓発活動を行い、アンケートを実施しました。マラリアの正しい知識を持つ人の割合を、啓発活動前の「2割」から「8割以上」に引き上げることはできたものの、感染の原因である蚊から身を守るために、蚊帳を購入して吊るして使うといった予防はほとんど改善されませんでした。それは蚊帳を買えるお金がない、というどうにもしがたい理由だとわかったときに任期が終了。自分の力の限界を感じ、「結果的に何もできなかった」という悔しい気持ちだけが残りました。

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少しでも前に進むことで、自分の人生を変えられる。「何もできなかった後悔」から得られたキャリア。

帰国後は前とは別の会社で、MRの仕事に戻りましたが、国際協力から離れてしまった自分にしっくりきていませんでした。現地で結果を残せなかった後悔から、私に何が足りなかったのかを考えた時、「持続可能な仕組みや組織を作り、それを運営するマネジメント力」だと考えました。そこで、働きながら通えるビジネススクールへ進学。MBAの授業で課題として考えたビジネスモデルが、今の事業に繋がっています。

 

協力隊として目の前の課題としっかり向き合うなかで、言葉を超えて気持ちを感じる力、ゼロから開拓する力が身につきました。以前の私は明確な将来設計があったわけではありません。どちらかというと、人の後をついていくタイプでしたし、起業するつもりもありませんでした。若いうちにどうしても登りたかった山(国際協力)があり、最初はその先に何があるのかもわからないまま手探りで、一歩一歩登っていったら次の景色が見えてきた、という感じでしょうか。
「アフリカを救う仕事がしたい」と考えて色々と探しましたが、希望に合った会社を見つけることができませんでした。そのため、周囲を巻き込みながら自ら行動しているうちに、辿り着いたのがNPO法人の立ち上げでした。

 

諦めなければ想いは実現できます。そのためには少しでも経験した人の話を聞いたりしながら前に進むことが大切。私は協力隊の経験によって多くのことを学び、私の人生の目標が明確になって迷いがなくなりました。このような経験が出来たことに感謝です。

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こんな方も活躍中

内田 謙一さん

Before:システムエンジニア
JICA:イエメン/計画・国際協力省 IT部門
After:CSRコンサルティング会社

<協力隊を目指した理由>
プロジェクトマネージャーとしてのキャリア形成を目指し、国際感覚を学ぶため。

蔀 佳恵さん

Before:イベント会社
JICA:タンザニア/コミュニティ開発
After:製薬会社

<協力隊を目指した理由>
「自分にも何かできるかもしれない、途上国の人々と働いてみたい」と考えたため。

田中 宏幸さん

Before:廃棄物処理の企業
JICA:コスタリカ/環境教育
After:自治体職員

<協力隊を目指した理由>
廃棄物やリサイクルの技術や知識を、環境問題を抱える国で生かしたいと考えたため。

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IT教育でタンザニアの未来を開く

株式会社ict4e/原 秀一さん

行動を起こせば、未来は変えられる

日東電工株式会社/冨田 貴子さん

協力隊で味わった挫折こそ、次のキャリアに繋がる貴重な経験

茅ヶ崎市役所/西村 隆仁さん

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