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青年海外協力隊の活動 原秀一さんの写真01

IT教育でタンザニアの未来を開く

プロフィール 株式会社ict4e/原 秀一さん

【転職前の仕事】福井大学工学部を卒業後、福井市内のソフトウェア会社に2年間勤務。ダイヤルアップ接続が主流の時代にホームページの制作やサーバー構築等に携わる。

【キャリアステップ:青年海外協力隊の活動】2002年4月から2年間、タンザニア・ムトワラ州の職業訓練校にてコンピュータ技術隊員としてコンピュータ教育の支援活動に従事。

【転職後の仕事】WEBシステム会社での9年間の勤務を経て、2013年に福井市で株式会社ict4eを起業。現在、企業のITシステム支援を行いながら、アフリカでのITビジネス展開を模索中。有志数名で任意団体 PCN(プログラミング クラブ ネットワーク)を立ち上げ、プログラミングを子どもたちに広げる教育活動にも取り組む。第2回「40億人のためのビジネスアイデアコンテスト(アイ・シー・ネット株式会社主催)」最優秀賞に輝く。

エンジニアとして得た「自信」が本物か、海外で自分の力を試してみたい。

初めて「青年海外協力隊に参加したい」と思ったのは大学時代でした。しかし当時、情報工学を学ぶ学生だった私には、どのような形で海外の人々の役に立てるのか想像できませんでしたし、何より英語が苦手という意識が大きく、一歩踏み出す勇気がありませんでした。

協力隊参加への思いが再燃したのは、就職して1年ほど経った頃、街で隊員募集のポスターを目にしたときです。募集説明会に参加し、「今度こそ!」と挑戦を決意しました。今振り返れば、短いながらも社会人として、またエンジニアとして経験を積んだことが自信となり、「自分の力が本物かどうか試したい」と考えた部分が大きかったと思います。

協力隊合格後、派遣先であるタンザニアでは、現地語のスワヒリ語研修を受けた後、同国南東部のムトワラ州の職業訓練校に着任しました。主に現地の小中学校を卒業した子どもたちが通う学校で、私自身は同僚教員に対してコンピュータの知識や技術を教えたり、生徒への指導方法をアドバイスする活動を行いました。

当時はタンザニアに関する情報がほとんどなかったので、派遣前は不安がありましたが、想像していたよりも都会だったので生活する上で苦労はありませんでした。相談できる協力隊の先輩が同じ地域にいたことも心強かったですね。

配属先には日本からの支援でパソコンは多数導入されていたものの、ネットワーク接続はされていない状態でした。私はもともと機械が得意で、学内LANを構築すると、同僚や生徒に非常に喜ばれました。

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寛容性・柔軟性・タフさを身につけて、壁を一つひとつ乗り越えていく。

自分の力を試すつもりで協力隊に参加した私ですが、「できること」で手腕を発揮できた半面、「できないこと」の多さも痛感しました。社員4名のベンチャー企業での勤務経験しかなかったため、学校という大きな組織で意思統一を図るのに、最初は大変苦労しました。また異なる文化や言語を持つ相手とのコミュニケーションに戸惑い、うまく人間関係を築けなかった時期もありました。

こうした問題を乗り越えることができたのは、時間が経つにつれ自分の頑なさを解きほぐすことができ、物事を寛容に受け止められるようになったからだと思います。同時に、一人で何か新しいことに取り組み、やり遂げるタフさも自然と身につきました。

最後の3カ月は学校の授業を担当し、コンピュータの基本的な使い方を子どもたちに直接教える機会を得ました。これが私にとって非常に大きな経験となり、スワヒリ語に英語を交えての授業の進め方に四苦八苦しましたが、子どもたちが目を輝かせてパソコンに向かってくれると手応えを感じました。こうした子どもたちの中には後にエンジニアとして就職し、今でも交流がある子もいます。

この時は意識しませんでしたが、こうした経験はすべて私が起業し、経営者として奮闘する際の力となり、同時に事業の方向性を検討する上でのヒントとなりました。

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大好きなタンザニアに対して何ができるか。自問自答の先に、やるべき事業が見えた。

2年の任期を終え帰国した私はその後、再びタンザニアを訪れ協力隊時代に住んでいた街や勤めていた学校に足を運びました。「自分は大好きなタンザニアに対して何ができるだろうか。」そんな思いを胸に日本に戻った私は、起業するための事業構想を練りました。最初は独立するつもりはありませんでしたが、タンザニアでの経験が、「自分は一人でも大丈夫だ」という自信となり、起業してみようと思えたのです。一人で決めて進めていくという意味では、協力隊経験と経営は近いかもしれません。自ら仕事を創っていく上でも良い経験になりました。

当社は現在、企業に対するITコンサルティング、子ども向けのIT学習教育、そしてアフリカ・タンザニアを対象にしたIT事業の3つを事業の柱としています。アフリカでの事業に関しては、ウィルスが蔓延し、正常動作するマシンの方が少ない現状に着目。USBポートに差し込めば、ハードディスクが故障していてもウィルスに感染していても問題なくパソコンを起動できる新製品「OneUSB」を開発しました。OneUSB事業は、社会的課題を解決するビジネスプランを支援する「40億人のためのビジネスアイデアコンテスト」の最優秀賞を受賞、そのサポートを受けて2015年7月にはタンザニア最大の国際商業祭に出展しました。その後も現地の学校でプログラミングのワークショップを開催するなど、さまざまな角度から日本とタンザニアを繋いでいます。

開発途上国 では、5年、10年後にITを活用できる人材の数こそ、その国の問題解決に大きく影響すると考えられます。そこで重要なのは、教育の機会損失を防ぐことだと思います。テレビもないような村で育った子がパソコンを使えるようになるのは凄いことであり、大きな可能性を持った子どもたちが、ITに才能を発揮してビジネスで成功すれば、その村はきっと豊かになるでしょう。ITで未来を創る子どもたちを増やしていくことで、タンザニアに貢献していきたいと思っています。

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スタッフの声

スタッフのディクソン・ピーター・エルネストさんの写真
原社長が取り組むIT教育に関わる事業に共感。将来的には一緒にタンザニアと日本のビジネスコラボを実現させたい。

インターン生
Dickson Peter Ernest(ディクソン・ピーター・エルネスト)さん

私は日本政府が実施している「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブプログラム(ABEイニシアティブ)」で来日し、神戸情報大学院大学で学んで2017年9月に情報工学の修士号を取得しました。

大学で開催された留学生向けのプログラミングワークショップに講師として来ていたのが原社長でした。私の母国で生活し、協力隊活動を行っていたという経歴を聞いて原社長に親近感を持つとともに、ict4eがタンザニアの子どもたちを対象とするIT教育に関わる事業を展開している点に共感し、インターンシップを希望しました。子どもたちの教育は、私たちの国の未来にとって非常に重要な観点です。

ict4eに来てまだ2週間ですが、原社長は魅力あふれる方で、非常に仕事熱心。専門分野の知識や技術面でも学ぶことが多いです。

私は11月までict4eにお世話になり、その後タンザニアに帰国します。将来的にはIT分野で、原社長とビジネスコラボレーションができればと考えています。

こんな方も活躍中

内田 謙一さん

Before:システムエンジニア
JICA:イエメン/計画・国際協力省 IT部門
After:CSRコンサルティング会社

<協力隊を目指した理由>
プロジェクトマネージャーとしてのキャリア形成を目指し、国際感覚を学ぶため。

蔀 佳恵さん

Before:イベント会社
JICA:タンザニア/コミュニティ開発
After:製薬会社

<協力隊を目指した理由>
「自分にも何かできるかもしれない、途上国の人々と働いてみたい」と考えたため。

田中 宏幸さん

Before:廃棄物処理の企業
JICA:コスタリカ/環境教育
After:自治体職員

<協力隊を目指した理由>
廃棄物やリサイクルの技術や知識を、環境問題を抱える国で生かしたいと考えたため。

説明会情報はこちら

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