アメリカ奮闘記メインビジュアル

アメリカで就職する その1

いつでもついてまわるビザ問題

サンクスギビング・ホリデー(11月27日~30日)の終わりを待ちかねたように、クリスマス・ムード全開になったシアトルからスターバックス花子です。

スーパーマーケットからは七面鳥コーナー(前回参照)が消え、代わりにクリスマス・ツリー・コーナーが出現。ショップやモールも、ほら見ろとばかりにクリスマス・デコレーションが施され、道行く人もどこか浮かれ気味。

しかし、今回はそんな浮かれモードのホリデー・シーズンに関係なく、就職の話。みんなどうやってアメリカで仕事を手に入れたのか。

その前に、日本人がアメリカで就職するにあたり、切っても切れない関係にあるビザについて。アメリカでは日本人が外国人(当然だけど)。働くのはもちろん、学校に通って学生するのにも、何をするにもビザ問題がついて回り、特に就職の際にこれが大きなネックとなる。なぜって?

企業にとって外国人を採用するということは、労働ビザをスポンサーするための専門知識が必要だったり、弁護士費用がかかったり、ビザ不要のアメリカ人を採用するより数十倍やっかいだから。ただでさえ不景気で働き手が余っているのに、誰が余計なパワー&経費を使って外国人を採用したがるでしょう。

グリーンカードなどの就労可能なビザを持っていない日本人がアメリカで就職先を見つけるのは、基本的にイバラの道なのである。

インターンとして経験を積むのは当たりまえ

それらをちょっぴり心得た上で、まずは大学生の一般的な社会人への道。在学中、もしくは卒業間際、はたまた卒業後、プラクティカル・トレーニング・ビザ(※)をゲットして希望する職種のインターンを経験。そのインターンとしてのキャリアを武器に、就職につなげるのが王道。ラッキーな人はインターン先が就職先になる可能性もあり、私が勤務している日本語メディア会社(中小規模)にも、この経緯を得て正社員になった人がいる(全体の10%)。

インターン制度は日本でもここ数年、就職活動の一環として取り入れられているが、こちらは本家本元、発祥の地!キャリア&学歴社会のアメリカでは、希望の業界や職種でインターンすらしたことがない"まったくの未経験者"が採用されることはめーーったになく、またその職種に直結した学部・学科を専攻していなければ相手にもしてもらえない(そもそもプラクティカル・トレーニング・ビザは、学校で学んだ分野においてのみ就労が許可される仕組み)。なので、日本の大学に通う日本人学生にありえる「大学ではジャーナリズムを専攻したが、銀行に就職が決まった」なんて、アメリカの大学に通う日本人には、よーーっぽどのことがない限り起こらないのだ。

さらにアメリカには、日本のように全員が一斉に就職活動をし、一斉に卒業し、一斉に入社する、というシーズンがない。新卒・中途を問わず入社時期は人それぞれ。また、企業には新卒・中途という採用枠もないので、新卒といえどもキャリアが豊富な人達と同じ土俵での就職活動。しかも、アメリカ企業へ就職をする場合は、英語をネイティブに操るアメリカ人と同じ土俵での生き残り合戦。日本人がアメリカで就職先を見つけるのは、なにかとイバラの道なのである。

そのほか、各大学で行われる就職フォーラムや、ボストンやサンフランシスコなどの大都市で行われる日系のキャリア・フォーラムなどに参加する人もいる。

※プラクティカル・トレーニング・ビザ
在学中または卒業後に、"実務研修"として期限付きで働けるビザ。学校で学んだ分野においてのみ、実務経験を積む目的で許可されている。フルタイムで9カ月以上履修した大学生の場合、4カ月の履修に対して1カ月の割合で就労が可能(つまり4年間学ぶと1年間の就労がOK)。ただし、専門学校生の場合は最長6カ月までで、語学学校の留学生には認められていない。

とはいえ、のほほんパターンもあったりする

かくいう私の場合。学生ビザを握りしめ、最低でも2年間は猛勉強して大学の卒業証書でも取ってやる!  と渡米。こっちで就職なんて考えてもいなかったが、学校の夏休み中に訪れたロサンゼルスで事情は急展開。バケーションがてら、旅行雑誌の取材を手伝っていたのだが、その時の現地コーディネーターMさんとの会話。

M「シアトルのとある日本語メディア会社が編集経験10年以上の人を探してるんだけど、花子さん誰か知らない?」
「編集歴10年?  シアトルに住んでいる日本人で?  無茶でしょ~(笑)」
M「だよねー、10年以上なんてLAにだって1、2名いるかどうかだしね。え、ちょっと待って、花子さんは?」
「へっ、私?  ライター時代を合わせると・・・・・・ おぉ、10年以上だ」
M「おぉ、一度社長に会ってみたら?」
「おぉ、いーねー、おもしろそう!」

ということで、シアトルに戻った数日後に面談。とんとん拍子で話が決まり、秋のクォーターをこなしつつビザの発給を待って入社。当時ちょうどボーイフレンドと別れてむしゃくしゃしていたのと、留学資金が予想を上回るスピードで消えていたのもあって、今思えば衝動的な就職なのでした。

"イバラの道"と連呼したわりには、なんの裏づけにもなっていなくて恐縮だが、「40通レジュメ(履歴書)を送付して4社と面接にこぎつけた」というこのご時世で、こんなのほほんとしたケースもある。いつも全力疾走していれば、思わぬ好結果に結びつくこともある(かなり強引)ということで、次回はイバラの道の体験者に、具体的なケースを語ってもらおうと思います。では、また来週!

筆者プロフィール / スターバックス花子

1968年、東京生まれ。イベント会社でプランナー、出版社で編集者、派遣社員……といろいろした後、フリーランス・ライターに。特にトラベル・ライターとして活躍し(自称)世界各国を飛び回るが、何を思い立ったか33歳の時にいきなりアメリカへ留学。勢いあまって1年後に就職(まったくの予定外)。現在、ワシントン州シアトル在住。生粋の江戸っ子(3代目。それだけ自慢)。

スターバックス花子のドタバタアメリカ奮闘記

  1. 雨シーズン開幕のシアトルよりこんにちは
  2. アメリカで就職する その1
  3. アメリカで就職する その2
  4. 転職(就職)活動のインとアウト
  5. アメリカ・テレビ事情
  6. アメリカ人は働きすぎ
  7. アメリカの資格と転職
  8. アメリカで働く(エンジニア/研究/編集)