アメリカ奮闘記メインビジュアル

アメリカで就職する その2

アメリカ就職事情/レジュメ送付30、40社は当たり前!

前回に引き続き、就職の話。日本人がアメリカで仕事をみつけるのは本当にイバラの道なの?就職活動は日本とどう違うの? などについて、私の友人・知人6名の具体的なケースで紹介しましょう。

●Kさん(日系ソフトウエア会社勤務・27歳・女性)
非営利団体への就職を目指し、在学中に4社でインターンを経験。同時に40社にレジュメを送付し、4社と面接にこぎつくものの採用にはいたらず。アメリカ人と同じ土俵で勝負することにハードルの高さを感じ、日系企業にアンテナを向ける。日米協会主催のセミナーで現在の会社の社長と出会い、インタビューとテクニカルなことを含めた翻訳テストなど2回の面接を経て採用が決定。

●Mさん(マリナーズ・チーム・ストア勤務・26歳・女性)
在学中にプラクティカル・トレーニング・ビザで出版社など3社でインターンを経験。同時にレジュメを送付(約30通)して就職活動を行うが、そこからは芽が出ず。インターンとして勤務しているショップでJ1ビザを打診したら意外にもOK。その後フルタイム採用になる。

●Mさん(植物関係の研究職・33歳・女性)
在学中に数社でインターンを経験。就職先を求めて50社近くにレジュメを送付し、そのうち数社と面接するが全滅。大学院を卒業後もインターンとして1年間植物園で働く。その後、アメリカ人のボーイフレンドと結婚したことで就労可能なビザ(グリーンカード)を取得、就職活動を再開。もともと業界自体が狭き門なので難航したが(レジュメ送付は約30社)、希望職種の研究職ではなく、その見習いというカタチで職をゲット。その後、研究職に昇進。

●Wさん(日系の出版社勤務・30歳・女性)
アメリカで働くことを夢見て、日本で働きながら就職活動。日系のメディア会社に的を絞り、約30社にレジュメを送付してアタックするが「就労可能なビザがないとダメ」と全滅。ビザについて独学で勉強し、"J1ビザで渡米する予定"ということで就職活動を再開したところ、数社から手ごたえがあり、そのうちの1社に就職が決定。J1ビザで渡米。

●Tさん(水産会社勤務・32歳・男性)
日本からインターン経験付きの留学プログラム(語学研修9カ月、インターン3カ月)で渡米。その勤務先でJ1ビザを打診したところ、6カ月間という期限付きで受け入れられ、その間を利用して就職活動。水産業に的を絞って80社にレジュメを送付、うち4社と面接。そのうちの1社に就職が決まる。現在のビザはE1(駐在員ビザ)。

●Hさん(飲料メーカー勤務・30歳・男性)
前述のTさんと同じく、インターン経験付きの留学プログラムで渡米。その勤務先で働きぶりが認められ、「ビザをサポートするから働かないか」とのオファーを受け、ビザをスポンサーしてもらうことに。留学プログラムの終了と同時に日本に帰国し、ビザの発給を待って再渡米。現在のビザはH1(専門職)。

レジュメ送付後のアピールの欠かせない

……と、どうでしょう。最後のHさんをのぞいたら、やはり『イバラの道』ですよね?

ちなみに、アメリカ人と同じ市場で就職活動をするからには、法的に就労可能な状態(ビザの問題)とネイティブ並みの英語力は"あってあたり前"の世界。日本で、日本語で就職活動をするのだって、文法的なことやらマナーやら気を使うことがいっぱいあってキンチョーするのに、こちらではすべて英語です、当然ながら。

その大変さを踏まえて、彼らが口を揃えて言っていたこと。それは、

「レジュメを送付したらしっぱなしじゃダメ。その後、電話でアピールするくらいの積極さがないと相手にしてもらえない」ということ。面接時も同様。控えめや謙虚さが評価されることもある日本と違い、ここは自己アピールの国アメリカ。できない、またはやったことがないことでも、「できます!」と言い切っちゃうくらいでちょうどいいらしい。

経験のためなら無給でも

さて、インターンについてだが、インターンは無給もあれば有給の場合もあり、会社によってまちまち。

過酷な就職活動体験はおろか、ひょんな流れで就職が決まってしまった私は、彼らのイバラ談議はもちろん、"タダ働きもある"というインターン制度にもビックリ! 「いくら経験のためとはいえ、ボランティアじゃあるまいしタダで働くなんて」と思ったが、景気が悪いこのご時世。"ビザをサポートして未経験者を雇う"という方がボランティアに値しちゃうのですね。

とはいえ、絶対数は少ないけれど、経費的&労的コストがかかっても日本人が欲しい! 日本人じゃなきゃダメ! という職種や業界もある。たとえば、日本企業のアメリカ・オフィス、日本へ進出予定または進出しているアメリカ企業、日本語の現地新聞などを発行しているメディア会社(私の勤めている会社がそう)、はたまた日本食レストランの寿司職人など。

ま、こういうケースでも「就労可能なビザを持っている人に限る」という採用条件がついている場合があるのでウカウカできないが、少なくてもアメリカ人と同じ市場で勝負するよりはアドバンテージがある。「日本語がネイティブに話せる」「日本の文化や事情、業界に精通している」というのが、アメリカ人にはない"スキル"になるから。

このスキルを上手く活用すれば(活用できる会社や業界なら)、イバラの道も少しはトゲが取れるようです。

筆者プロフィール / スターバックス花子

1968年、東京生まれ。イベント会社でプランナー、出版社で編集者、派遣社員……といろいろした後、フリーランス・ライターに。特にトラベル・ライターとして活躍し(自称)世界各国を飛び回るが、何を思い立ったか33歳の時にいきなりアメリカへ留学。勢いあまって1年後に就職(まったくの予定外)。現在、ワシントン州シアトル在住。生粋の江戸っ子(3代目。それだけ自慢)。

スターバックス花子のドタバタアメリカ奮闘記

  1. 雨シーズン開幕のシアトルよりこんにちは
  2. アメリカで就職する その1
  3. アメリカで就職する その2
  4. 転職(就職)活動のインとアウト
  5. アメリカ・テレビ事情
  6. アメリカ人は働きすぎ
  7. アメリカの資格と転職
  8. アメリカで働く(エンジニア/研究/編集)