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転職(就職)活動のインとアウト

レジュメと履歴書

履歴書のことをアメリカではレジュメ(Resume)というのだが、先日友達と話をしていて、アメリカのレジュメがいかに日本の履歴書と違うかの話になった。

レジュメは日本の履歴書のように所定の用紙があるわけではなく、基本的には書式もスタイルもすべて自分次第。自分という商品を売り込む営業ツールでもあるからして、大量のレジュメを受け取る採用担当者に「むむ、この人良さげ。一度会ってみよう」と思わせるようなものに仕上げなければ、次なるステップ(面接)には進めない。ま、そのへんは日本の履歴書や職務経歴書と同じですね。

私はレジュメの正しい書き方について、ヤドケンさんのようにうんぬん言える立場ではないので(なんたってこれまでに書いたレジュメはたった1通)、その後の説明のためにレジュメに最低限必要な項目だけ挙げてみましょう。

【レジュメに最低限必要な項目】

  • 1.Personal Data……氏名、住所、電話番号、Eメール・アドレスなどの個人情報
  • 2.Job Objective……希望職種および職務
  • 3.Skills……希望の仕事に有効な技能
  • 4.Qualifications……希望の仕事に有益な資格や能力
  • 5.Work Experience……職歴。原則として最新から過去にさかのぼる
  • 6.Education……応募する仕事に関係がある学歴や最終学歴。日本の履歴書とは逆に職歴の後にくる
  • 7. References……照会先。「Available upon requestリクエストに応じて」ということで、前職場の上司や大学の教授など、本人の資質を照会してくれる人の連絡先を書くことがある。

……と、ここまで読んで勘のいい人ならお気づきだと思いますが、そう、アメリカのレジュメには、性別はおろか、生年月日すら書く必要がないのです!

転職(就職)活動戦術のトレンド

ホンネとタテマエはどこにでもあるとして、アメリカはあくまでもキャリア採用&男女平等&非差別社会。なので、年齢が示唆できるのは最終学歴の卒業年度のみ。当然、肌の色や性別が判断できる顔写真も不要だ。採用する側がこんなの要求したら、訴訟問題に発展するのがオチ。

しかし、その一方で、大企業などは社員の多様性(Diversity)も考慮しなければならない。“バランス”とでもいいましょうか、白人ばかりとか、女性が極端に少ないとか、たとえ偶然の結果であってもそういった環境は避けなければならないのだ。

ハリウッド映画を見ても、ひと昔前、会社の重役会議のシーンはほとんど白人男性で占められていたが、最近は白人、黒人、アジア人、そして女性が微妙な割合で混ざっていると思いません? 4対3対2対1みたいな割合で……。

そんなわけで、企業によっては“多様性を取り入れる”という意味で、性別や肌の色に無関心というわけにはいかず、逆にマイノリティー(少数派)の採用に積極的にならざるを得ないのだが、遅くてもそれは面接時にわかることで、とにかく第一関門のレジュメでは表記しないことになっている。

さて、日本の履歴書と異なり、決まったフォーマットもないレジュメだが、暗黙のルールはある。用紙はレター・サイズで(日本のA4サイズとは異なる)色は白かアイボリー。長さは基本的に1ページとか。日本では良しとされる“手書き”も、アメリカではご法度。当然スペル・ミスも厳禁だ。

レター・ヘッド(自分の名前や住所を書く部分)にも工夫がいるが、かといって派手な装飾をつけたりするのはNG。あくまで見やすく、ビジネス・ラインでということで、自分専用のレジュメ用レターをオーダー・メイドする人もいる。

少し前になるが、ロコ新聞の『Seattle Post-Intelligencer』が2004年の就職活動戦術のトレンドとして、いくつかのイン(流行)とアウト(流行遅れ)を紹介していた。

それによると「1ページが良し」とされるレジュメも、7年以上働いている人の場合は2~3ページがインで、1ページはアウト。単に仕事が欲しい、採用してほしいというのはアウトで、自分からトライアル(試験採用)を提案するのがインだそう。ふむふむって感じですね。

しかし、私の中の最近のインはコレ、友人のアイデア。大量のレジュメを読む採用担当者。読み終わった書類は裏返しにして重ねるだろうと、自分のレジュメの裏に「Thank you for your time」と書くんだそう。相手の心をつかむPRをしなくては「大勢の中のひとり」になって埋まってしまうから。う~む、素晴らしい!

このアイデアが日本で通じるかどうかはわからないけど、私が採用担当者だったら確実にグっとくると思います。

自己アピールありき、目立ってナンボ

アメリカにある日本企業に就職活動をする挑際。レジュメは英語か日本語のどちらで書くべきかとか(これ、本当によく問合せがくるのだが、当社の編集職の場合は文章能力をチェックするためにも日本語で書いてもらっている)、面接時の心がけまで。つまり、どれほどアメリカ流に(積極的に)自分をアピールしたらいいのか、ということ。

アメリカは自己アピールありき、目立ってナンボの世界である。料理番組にして、作っている本人がいかに自分の料理が素晴らしいか褒めちぎりながら作る国。

「あまりに美味しそうだから完成を待てないわ」と言って途中で味見をし、「オー・マイ、アンビリーバボー!」と天をあおいだり、白目をむくなんて当たり前。栗原はるみのように、「本人あくまで謙虚&アシスタントが盛り立てる」スタイルは、ここではありえないのだ。

感覚としては、そんなに謙虚(=自信がない)なら料理番組を持つなって感じ。しょっちゅう言っているが、日本で美徳とされる謙遜や謙虚さは、アメリカではマイナス・イメージにしかならないのだ。

そんな環境の中、アメリカにある日本企業にはどうアプローチしたらいいのかは悩みどころ。日本式を良しとする会社にアメリカ式で挑んだら、「なんだコイツ生意気」と思われるだろうし、アメリカ式を受け入れる会社に謙虚に出たら印象を薄くするだけ。

やる気を見せつつ時に謙虚な日本式か、はたまたアメリカ式の大げさに自己アピールか……。その会社の社風や面接官によるところが大きいのでヒトくくりにできないのだが、一つ言えることは、それが凄腕の面接官だったら、日米どっち式で出ようとも、アメリカ流の“大げさアピール”に包まれた等身大の能力を見抜くだろうし、謙虚さに秘められた熱い思いや実力を読み取るということ。

挑む側の心がけとしては、会社や面接官のテイストをいち早く見抜き、自己アピール加減を調節せよということです(参考になっていなくてすいません)。

筆者プロフィール / スターバックス花子

1968年、東京生まれ。イベント会社でプランナー、出版社で編集者、派遣社員……といろいろした後、フリーランス・ライターに。特にトラベル・ライターとして活躍し(自称)世界各国を飛び回るが、何を思い立ったか33歳の時にいきなりアメリカへ留学。勢いあまって1年後に就職(まったくの予定外)。現在、ワシントン州シアトル在住。生粋の江戸っ子(3代目。それだけ自慢)。

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