ベトナム転職体験談
ハノイで未経験の営業職へ
試練のなか見つけた仕事のよろこび

【ベトナムで働く! インタビュー】 飲食業界を経て、中小企業の事務職として活躍していたTさん。その後転職し、北部に位置する首都・LPガスの製造と販売をする会社の営業をしています。新天地で生活をスタートさせて1カ月。初めての仕事に向き合い奮闘するTさんに、リアルな思いを聞きました。

掲載日:2018/01/26

不安よりも好奇心のほうが大きかった

転職活動で求人を検索していた時、あまりに選択肢が広すぎて、何をやりたいのか分からなくなったんです。そんな時、パッと目に付いたのが海外求人でした。これまで経験したことのない営業職、しかもベトナムという異国での仕事に不安はありましたが、「おもしろそう!」と興味のほうが勝ってしまって。

高校卒業後、カナダの短大に進学したこともあり、海外に出ることに抵抗はありませんでした。家族もその留学経験があったためか理解してくれました。言葉は、以前ベトナムに旅行した時にホテルなどで英語が通じたので、何とかなるだろうと楽観的にかまえていたところも。海外に挑戦するなら若いうちのほうがいろいろ吸収できると思い、30代目前でベトナムでの転職に踏み出しました。

「言葉の壁」を取り払うコミュニケーションの力

LPガスや周辺機器などの商品を法人のお客様にご提案しています。
勤務先には14人のメンバーがいて、私以外は全員ベトナム人。ほとんどの方が母国語しか話しません。ベトナム語はまだ勉強を始めたばかりなので、会話でのコミュニケーションは正直苦戦していますが、職場に日本語を話せる同僚が2人いて、ほかのメンバーとの橋渡しをしてもらっています。

ベトナムの方は良くも悪くも「放任」というか、言葉が通じない相手がいてもあまり気にせず自主性に任せるようなところがあります。周りと信頼関係を築くために今の自分ができることを考え、日々「笑顔」と「元気なあいさつ」を心がけています。元々人懐っこい人たちなので、そこからささいな会話や冗談めいたやりとりに発展していくんですよね。そんなコミュニケーションを大切にしています。

職場はアットホームで、昼食はその時オフィスにいる全員が食堂に集まって一緒に食べるんですよ。歓迎会も盛り上がりました。ベトナムの乾杯はショットグラスに酒を注いで「1、2、3、ヨ―!」の大きな掛け声で一気に飲み干すんですけど、みんなで息を合わせて初日からぐっと距離が縮まった気がします。

経験ゼロで現場へ。サポート体制の違いにはじめは困惑

入社から1カ月。営業の仕事は初めてでハードな挑戦になると覚悟していましたが、まさに試練の真っ最中です。法人向けの新規開拓は、担当エリアをひたすら車で回ってガスの使用が見込める工場を視察し、商品提案をしています。今のところ、ベトナム人社長と二人でまわったり、日本人会長と3人で訪問しています。 とくにベトナム人社長とは、互いに営業経験が少ないので相談し合い、やっとアポとって……といった感じでやっています。営業として“同志”なので唯一の支えになっています。

日本だと新人研修やマニュアルがあったり、入社直後に先輩について仕事のふるまいなどを学んだりしますが、こちらではそこまで手厚い社員教育をする会社は少ないかもしれません。右も左も分からないまま現場に入って、失敗しながら他部署のメンバーに助けられながら、目の前の課題に必死に取り組んでいます。

試練のなかで見つけた「道しるべ」

不安やもどかしさに打ちのめされそうになることもありますが、海外勤務ならではのよろこびも感じています。それは、企業訪問で現地法人の社長や代表など組織を代表される方々とお会いできること。

風土も文化も人々の仕事の姿勢も異なるなかで、現地従業員に業務のノウハウから「働く意義」まで指導する方たちは人を引き付ける魅力があり、学ぶところが大きいと思います。日本にいたらお会いできなかったようなリーダーの方たちと接し、“あんなふうに成長したい”と目標ができ、仕事をする上でモチベーションになっています。

海外転職は、想像もしなかったことの連続で時に失敗もありますが、それもまた経験。もし迷っているなら、やらずに後悔するよりは挑戦してみてほしいと私は思います。

ベトナム転職で気になるポイントを直撃!

英語もベトナム語もできない場合、現地の方との会話は?

ホーチミンやハノイなどの都市部であっても、ホテルやレストランなど外国人が多いエリアを離れると外国語はほとんど通じません。買い物など日常生活で現地の方とコミュニケーションをとる時は、日本語/ベトナム語の辞書アプリ、音声翻訳アプリが便利です。

私は普段辞書アプリを使っています。相手にアプリの画面を見せたり言葉を入力してもらったりして使いますが、手っ取り早いのは実は紙のメモだったりします(笑)。

賃貸の探し方、初期費用は?

部屋探しは「大家との直接交渉」「不動産会社に依頼」の2パターンあります。

不動産会社をはさむ場合、契約の流れは日本と同じ。問い合わせをして候補物件を内見してから契約します。大家と直接交渉したい場合は、事前に知人のつてを紹介してもらうか、空き部屋情報を見て自ら問い合わせます。私の場合、就職先から現地に語学留学している日本人留学生を紹介してもらって、彼女のアパートの大家さんを通じて今の大家さんを紹介してもらいました。

契約交渉ではベトナム語が必須なので、自分が話せない場合、現地の方と同レベルで話せる方に協力してもらう必要があります。

契約が成立したら初期費用としてデポジット(保証金)と家賃の前金を払います。デポジットは家賃の1カ月分、前金は3か月分が一般的とされていますが、契約によってまちまちです。

ベトナムの住まいの特徴は?

ベトナムの賃貸住宅の多くは、お手伝いさんが掃除に入ります。うちは、床を掃いてもらっていますが、定期的にきれいにしてくれるので助かっています。

それと、ベトナムの暮らしで忘れてならないのがアリ! 夜に布団の中に入ってくることもあるんですよ。国土が南北に長くエリアで気候が異なり、北部のハノイには四季があると言われますが、日本に比べると全域が高温多湿で虫は多めです。ヤモリなども出ます。