上司に交渉・相談する
P.K./女性/33歳/出身地:タイ/職種:システムエンジニア(アプリ設計/汎用機系)
本来の仕事と関係ないことを頼まれた時は、上司と交渉しました。自分ができる範囲、工数、対応する場合本来の仕事にどれぐらい支障が出るかを伝えて、上司に納得してもらったうえで、対応することにしています。能力的にできない場合は、間違えたりして、会社に迷惑を掛ける可能性があるため、外部の翻訳会社にきちんと依頼したほうがいいと提案しました。
外国人キャリアアドバイザーコメント
自分の状況をロジカルに伝え、代替案を含めて提案しましょう
P.K.さんの対応はとてもいいと思います。「この仕事はできない」とバッサリ断ってしまうと、雰囲気を悪くしてしまいますしね。
ポイントは、ロジカルに状況を説明し、代替案まで提案することです。「私の専門分野ではないので、外部に依頼したほうが仕上がりも確実」というように、会社のためを考えているというニュアンスを含めると、「じゃ、次からはそうしよう」と考えてくれると思います。「私も対応したいのですが……」といった言葉を付け加えると、なお良いでしょう。
業務を遂行し、キャリアを広げる
K.S./女性/30歳/出身地:韓国/職種:コンサルタント(営業・マーケティング)
日本国内の法人営業に配属されましたが、ほどなくして韓国支店を立ち上げることが決まり、国内の法人営業の仕事と並行して、韓国語や英語の書類の翻訳などを任されるようになりました。最初は私にできるだろうかという不安もありましたが、働きぶりが認められ、海外営業のセクションに異動し、日本と韓国のブリッジを担う役割に専念。新たな専門性とキャリアを築くことができました。
外国人キャリアアドバイザーコメント
新たな専門性を獲得できれば、キャリアの選択肢が広がる
K.S.さんの体験談は、自分の職務外の仕事を経験することで、新しいキャリアに踏み出せた事例ですね。
慣れないビジネス文書の翻訳は、母国語の韓国語であっても困難だったはずです。しかし、そこに一生懸命対応した結果、国内営業から海外営業へキャリアチェンジを果たし、日本と母国をつなぐやりがいを実感されたことでしょう。K.S.さんのように新たな専門性と経験を獲得できれば、キャリアの選択肢がいっそう広がります。
新しい仕事を探す
C.H./男性/36歳/出身地:中国/職種:海外営業
前職ではマーケティング部に所属していましたが、本来の仕事とは異なる中国語の資料の翻訳や顧客とのやり取りの通訳にかかりきりになっていました。不満を感じながらも対応していましたが、マーケティングの仕事に集中できなかったため、評価が下がってしまいました。翻訳・通訳に対しては評価されることもなく、専門知識も磨けないと感じて、転職することにしました。
外国人キャリアアドバイザーコメント
悪循環を断ち切るためには、転職も選択肢の一つです
一度引き受けてしまうと、頼む側は「これからも翻訳や通訳はC.H.さんにお願いすればいい」と思ってしまいますよね。そうすると余計に断りにくくなってしまい、C.H.さんのように本来の仕事に割く時間が圧迫され、評価が上がらないという悪循環を断ち切れなくなってしまいます。
そんな状況になったなら、我慢するのではなく、まずは上司に相談してみましょう。それでもダメだったらC.H.さんのように転職を決断し、環境を変えることもありだと思います。今後のキャリアを考えても、専門分野に専念し、専門性を磨ける環境で働くほうが良いと思います。