タイでやってはいけないことと、知っておくべきルール

微笑みの国と言われるタイは、暖かな気候と穏やかな人柄で、外国人にとっても快適に過ごすことができる国です。日本からみると、仏教国ということもあり親近感を抱く人も多いですが、タイの常識やマナーは日本のものと大きく異なることも少なくありません。

なかには観光客や出張者だとしても「知らなかった」では済まされない、絶対にやってはいけないこともあります。お互いを尊重し、気持ちよく過ごすために、まずは最低限知っておきたいルールを紹介します。

仏教と僧侶の写真

1.仏教と僧侶に敬意を払う

タイ国民の多くが深く信仰するタイ仏教(上座部仏教)には、厳しい戒律が設けられています。僧侶や寺院内だけでなく、殺生や争いごとを好まない道徳観など、日常生活のあらゆることにタイ仏教の教えが根付いています。

寺院に入る際は、露出を控えたきれいな服装で入りましょう。身体のラインを強調するような服や、破れたデニムなどは避けましょう。寺院内でなくとも、仏像と一緒にふざけたポーズや不適切な格好で写真を撮ること、それをインターネットなどで公開することは処罰の対象になります。

街の至る所で僧侶に出会いますが、女性は絶対に僧侶に触れてはならず、乗り物でも隣の席に座ったりせずに、少し距離を置くのがマナーです。

服装についての看板の写真
▲寺院に入る時は露出を控えたきれいな服装で

2.王室に敬意を払う

国民に敬愛されるタイ王室。その国王はタイ仏教の頂点という立場でもあり、もっとも敬意を払われています。国の至る所に飾られている国王、王室の肖像や紋章の入った旗などは丁寧に扱いましょう。

また、映画館では上映前に国王讃歌と王室の映像が流れます。その際は必ず起立してください。王室への批判、侮辱といった行為は、インターネット上での発言も含め、不敬罪法に触れることとなります。

タイでの王室に関する飾りの写真
▲街のいろんなところに王室の飾りが設置されています

3.頭は神聖な場所、足は不浄な場所

タイでは、頭は神聖なものが宿る場所と考えられているため、頭を触ることはとても失礼な行為となります。恋人など、かなり親しい間柄でも頭に触れられることを不快に感じる人もいるので注意が必要です。ただ、小さな子供の頭を優しく撫でる場合は大丈夫です。

一方、足の裏は不浄なものとされており、足で物を動かすといった足を使う行為や、テーブルの上に置いたり、大きな足音を立てて歩いたりすることは、日本以上に無作法なことにあたります。足の裏を仏像や人の方に向けてはならず、人を足でまたぐこともよくありません。電車や映画館などで席を移動する際も無理に通らず、声をかけて足をずらしてもらうか、立ってもらいましょう。

通路の写真
▲通路が通りづらい時は一言声をかけましょう

4.日本と真逆のタイのテーブルマナー

タイでは、食事作法の基本はスプーンとフォークです。麺の場合は箸とスプーンを使用して食事をします。一口で食べられない大きなものはスプーンをナイフ代わりに使って小さく切り分けて食べます。

日本とは異なり、食器を持ち上げること、そして器に口をつけることがマナー違反となります。タイ人客が多い日本食レストランの味噌汁には、決まってレンゲが添えられています。また、食べる際には決して音を立てません。麺料理をすすって食べるのはとても無作法になるので、周囲を気遣いましょう。

タイの面料理の写真
▲麺料理には箸とスプーンを使います

5.タイ式のあいさつ

「こんにちは」と訳される「サワディー」は時間を問わないあいさつの言葉なので、「おはよう」「こんばんは」として、また別れのあいさつにも用います。毎日顔をあわせる家族や同僚には使わず、かしこまった場面や、客、久しぶりに会う人などに使います。語尾には、男性の場合「カップ」、女性は「カー」を付けます。

あいさつとセットで使うことが多いのが、「ワイ」という胸や顔の前で手を合わせる仕草です。一般的に目下のものから目上のものに行い、「ワイ」をされた方は必ず「ワイ」を返します。

高齢者やとても高い地位の人は「ワイ」を返さないこともありますが、一般の人が「ワイ」を返さない場合は横柄な態度と捉えられます。ただし、飲食店などの店でされる「ワイ」には、通常「ワイ」を返さず何もしないか、軽い会釈を返します。

タイの「ワイ」の写真
▲「ワイ」をされたら必ず「ワイ」を返しましょう

まとめ

タイで生活するうえで、今回紹介した以外にも細かなルールはたくさんありますが、相手や場を尊重した行動をしていれば問題になることはほぼありません。

ただし、外国人が少々タイのマナーから外れた行動をしたとしても、寛容な人が多いタイでは大目にみられることが多いため、いつまでも自分のマナー違反に気づかないということもあります。タイ生活に馴染むためにも、積極的に現地のタイ人にマナーやルールについて訊ねてみてください。

このデータを調査した人
サカモトヨウコさん・タイ特派員サムネイル
写真を学んだ後、関西の制作会社でカメラマンとして勤務。現在はバンコクに拠点を移し、主に日本のビジネス誌や現地メディア向けに、東南アジア各地で取材・撮影を行う。音楽とお茶と山を好み、旅先ではアートギャラリー巡りと猫の撮影を欠かさない。地球の歩き方 バンコクWeb特派員として、バンコクのエネルギッシュな若者文化を伝えるべく寄稿中。