4月 エイプリルフール編|#エンジニアあるある システム開発現場・実録IT用語辞典

【4月編】「エイプリルフール」とは、各ベンダーから「ネタか、本気か?」と悩むプレスリリースが掲載される日である

お疲れさまです。去年の4月1日にエイプリルフールのネタに見事に引っかかって冷や汗をかいたMWです。

日常的な生活の中でエイプリルフールに引っかかるという状況は、私の周囲では(去年は例外として)めっきり減ってきたように感じていますが、それとは逆に、WEBの世界ではワールドワイドに楽しいネタを提供してくれているサイトが豊富に存在します。

某検索サイトとか、某ソフトウエアダウンロードサイトとか、某大手ポータルサイトとか。

個人的に推薦したいエイプリルフールネタは、ジョークRFCです。今年は一番乗りで翻訳してやろうかと思っているくらい、毎年、魅力的かつシュールなジョークを飛ばしてくれています。

#エンジニアあるある 実録IT用語辞典【4月編】INDEX

「エイプリルフール」とは

世界中のWEBサイトで本気ともジョークともつかないような記事が氾濫する日。

この日は、日ごろお世話になっているあの検索サイトで、「飲むだけで最適な検索ができるようになるスーパー飲料」が発売されたり、誰もが知っているような有名なソフトウエアダウンロードサイトで、IEの右上にいる地球儀アイコンに致命的オゾンホール発見とかいうどうでもいいニュースが掲載されたり、各ベンダーから「それはネタなのか? それとも本気なのか?」と悩まされるようなプレスリリースが公式サイトに掲載されたりする。

100%ジョークだけが並んでいれば笑って見るだけで済むのだが、ごく稀に「これはありえないだろうなぁ」という情報が実はホントでしたというフェイクも混じっているので、注意が必要だ。

また、4月上旬に、にわかには信じられないニュース(数年前のMicr○s○ftとS○nが和解、みたいな)が飛び交うと、思わず「エイプリルフールネタが遅れて翻訳されたのか?」と悩んでしまうあたりも紛らわしいもの。

エイプリルフールネタの一部は4月1日が終わってしまうと掲載をやめてしまうこともあるため、ジョークサイト好きのエンジニアは、ちょうど期首で現場が落ち着いていることが多いことも相まって、今日は仕事なんかしてる場合じゃないという誤った認識を抱くことがあるので、遊び好きの部下をお持ちのリーダーは注意が必要である。

また厳しいリーダーにお困りのエイプリルフールファンのエンジニアは、テキストブラウザを使用してあたかもエディタでテキストの編集をしているように見せかけてネットサーフしたり、Linuxのコマンドを打っているように見せかけてHTMLコンテンツをwgetで取得するなどのスキルを使ってエイプリルフールを謳歌することが推奨されている。

「ジョークRFC」とは

4月1日に発行されることがある、本気なのかジョークなのか今ひとつツッコミどころが難しいRFC(Request for comments)のこと。

具体的には、「無限数の猿にタイプライターを打たせてシェークスピアの作品を作るプロトコル」(一部意訳)のような、実現はできないけど思わず興味が湧いてしまう系のものとか、「IETF(RFCを発行している組織)はヒゲを生やしている人が多い」みたいなホントにどうでもいいもの、「鳥や手旗を使ったIP通信の実現方法」という、実現している姿を想像すると楽し過ぎるものなどが発行されている。

インターネットの標準っぽいことを決めてくれる、それなりにありがたい存在、RFC群の中に、これらの情報が普通に発行されて、恒久的に残り続けたり、次のエイプリルフールで普通に改訂版が出されたりするあたりに、IETFの大らかさが伺える。

ジョークRFCを読む際のエンジニアの利点として、仕事中に読んでいても、「西暦一万年問題の考察」という本気でどうでもいいジョークRFCを「将来的(約8000年後)に発生する可能性があるバグに対する文書が出ていたので、参考までにRFC2550に目を通しています」と言うと、なんか真面目な話っぽく聞こえたり「変数名fooに対する考察」という仕事では絶対役に立たないものでも、「変数の命名規則を作る為に参考としてRFC3092に目を通しています」と言うと、 なんか仕事してるっぽく聞こえるという利点がある。

こんなの翻訳するならもっと先に訳すべきものがあるのでは…… と思えるくらい日本語翻訳版も充実しているので、仕事に疲れた時に現実逃避先として利用すると良いかもしれない、ありがたい資料である。

「新人」とは

4月ごろから会社に出現する、新しく入社した人たちのこと。

たまに中途採用の人を「中途新人」と呼ぶこともあるけど、彼らは何らかの理由で転職を決断した人たち、例えば、前の会社が業績不振だったり、なかなか給料が上がらなかったとか、キャリアアップしたいとか、上流工程に携わりたい等々、理由は種々さまざま。とても前向きな人もいれば、そうではないオーラが漂っていたりする人もいる。

長年現場にいる人にとっては、歳を取る度に、毎年現われる彼らとの間に存在するギャップがより大きくなっていくような気がする時もあり、自身の年齢を実感してしまったりする。

彼らが現場に現われると、開発の基礎や現場固有のルールを教えたり、彼らが作った成果物に誤りがないかを一つひとつチェックしたりと、何かと新しい作業が増えたりする。

人に教えるということは、これまでの自分がやってきたことを見直すきっかけになったり、知らないことを再認識するきっかけになるので、教える側、教わる側、両者にとってプラスになることもあるが、会社からはそれによって増える作業をまったく考慮に入れられないこともあり、エンジニアの負荷が高くなったりするもの。

場合によっては、人を1人配属したということで、しばらくすると、更に多い作業量が用意されたりして、ちょっと涙が出るもの。

たまに、物凄く飲み込みが速かったり、中学生のころからプログラム漬けで育ってきましたみたいな新人さんと当たったりすると、「自分のこれまでの現場経験って何だったんだろうなぁ」といった疑問を感じてしまい凹んだりするもの。

「研修」とは

主に新人の時に受けるもの。 会社によって、2週間とか、1カ月とか、長いところだと3カ月くらいのロングスパンでプログラムの基本や社会人としてのマナー等の基礎的な講習を行うもの。

ただ言われたことを勉強するだけで給料がもらえるという、非常にありがたい期間のはずなのだが、お金を払って学ぶパソコンスクールとは違い、プレッシャーの只中で学ぶことになるので、精神的にはけっこう緊張する場合もある。

特に試用期間が長く取られている会社だと、勤務態度や目標の達成度が悪いと、研修の途中で正式採用中止という泣ける話もたまに聞くため、厳しさばかり感じてあまりありがたみを感じられなかったりする場合もあるもの。

社員研修に熱心で、かつ、社員教育に投資するだけの余力を持っているような優良企業では、現場で十分に戦力として扱われるようになった後も、1回数万~数十万円もするような研修に会社負担で参加させてくれたりするもの。

それはとてもありがたい話なのだけど、自分が希望しない分野の研修を持ってこられたり、現場がいい感じにテンパってる時でも「お金払って講師呼んじゃったから欠席厳禁!」とか言われたりすると、途端にありがたさが消えてしまうもの。

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注意!!

この連載記事には必ずしも正しいとは限らない内容が含まれています。この記事を信じたことによって発生した障害に対して、筆者及び株式会社マイナビは一切の責任を負いません。ご容赦ください。

※この記事は2007/11/23~2009/08/28に連載された内容を再構成しています

著者プロフィール:MW(えむだぶりゅー)

Java、PHP、C、C++、Perl、Python、Ruby、Oracle、MySQL、PostgreSQL関連の業務経験がある、典型的な広く浅い役に立たない系のウェブ(時々クライアント)アプリのエンジニア。 週に1日休みがあれば、ほか6日間は終電帰りでも全然へーきな体力と、バグが出ても笑って誤魔化す責任感の無さを武器に、今日も修羅場った開発現場の風景を横目で見ながら、適当に仕事をこなす日々を送る。
著書「それほど間違ってないプログラマ用語辞典」(発行:毎日コミュニケーションズ)

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