【初心者編】「ググれ」とは、答える気持ちが起こらない時に使用する返し技の一つである|#エンジニアあるある システム開発現場・実録IT用語辞典

【初心者編】「ググれ」とは、答える気持ちが起こらない時に使用する返し技の一つである

お疲れさまです。最近は暇なせいか、いろんな人から質問が飛んできて対処に困っています。普段、忙しい時は人に聞いて調べてもらっているせいか、こっちが暇になると反撃が来るようです。

この「人に聞く」という行為。相手が教え好きな人であれば、適当に質問をぶつければ、どんどん回答を返してくれるのでありがたいのですが、それほど教えるのが好きではないタイプの人、もしくは相手が忙しくしている人だった場合には、いかに短時間で質問して、相手が苦慮しない形で回答をもらうべきか、けっこう気を使います。

相手の負担にならない、相手の心を害さない質問ができることも、エンジニアに必要なひとつのスキルと言えるかもしれません。

#エンジニアあるある 実録IT用語辞典【初心者編】INDEX

「ググれ」とは

人から質問をされた際に使用する、代表的な返し技の1つ。

使用例
「Linuxでファイルを検索するにはどうすればいいですか?」
「聞くな、ググれ!」

冷たく突き放すように言うのが一般的である。

世の中の大抵の質問に対する答えはインターネット上のどこかに落ちているし、逆にGoogleで検索しても見つからないような技術的質問をされても、そんなものこっちだって分からないという場合が多いので、忙しい時や答える気持ちが起こらない時は、この回答をしておけば問題ないと思われる。

質問内容をそのままGoogleの検索フォームに入力し、「I'm Feeling Lucky」と言うだけで答えが見つかるような場合は、完全にシカトしても良いもの。もしくは、https://〜と、Googleのアドレスを教えてあげるなどの対応も有効である。

質問した相手が切羽詰っている時や、能力的に答えにたどり着けなさそうな気がする時は、「○○で検索してみて」とキーワード付きで答えを返してあげるような優しさを見せてあげることも可能である。

「日本語の参考サイトはないでしょうか」とは

質問の回答として、英語で書かれた参考サイトなどを示した時に、返ってくることがある言葉。

質問の回答は知りたいけど、辞書を引きながら英文を読むだけの労力を払うのは遠慮しておきますという意思が込められた、非常にすてきな言葉である。

あるいは、コードのところだけ拾い読みしたり、翻訳ソフトでいい加減な変換をさせるだけで十分に意味が取れそうなものでも、英語というだけで拒絶反応を示す人が好んで使う言葉。

回答する人の心に、「せっかく教えてあげたのに……」という気分を引き起こし、それ以上回答する気持ちを激しく萎えさせることができる、非常に威力のある言葉でもある。

この言葉の積極的な利用方法として、相手との仲を今よりも険悪にしたいと望む場合に使うことが挙げられる。一生懸命参考サイトを探してきてくれた相手に対して使用すると、以降、メッセンジャーで話しかけてもほとんど返事が来なくなる等の、非常に高い効果を得ることが期待できる。

類義語に「英語は読めないのですが」「読んでみたのですが、分かりませんでした」などがある。

「初心者」とは

主に掲示板で質問をする際に使われるもの。

難しいことを言われても分からないから、簡単な言葉で説明してくださいという意思表示。

人によっては、実行するコマンドとその引数、それからダイアログが現われる際は、選択項目まで細かく指示してくれないと前へ進めませんよという意思まで込められているもの。

ソースの冒頭に「#include」とか「require_once」と書くのと同じような気持ちで、質問の冒頭に「初心者ですが質問です」と入れるのが主な利用方法のようだ。

初心者を名乗る人の質問に答えても、基本的に益を得ることは少ないので、答えないでスルーする、もしくはググれとか、基礎から勉強し直してきてくださいと答えることが推奨されている。

現場でもまれに「○○については初心者なので」という前置きをして質問される場合があるが、こちらは他の分野に対しては知識を持っている人である場合が多いので、「Pythonの長整数と同じような動きだと思ってもらえれば」とか「PHPみたいにスクリプト終われば勝手に解放されるので」といったように、その人が知っている他の言語を例に出して伝えるのが有効であるようだ。

「読めない……」とは

新しい技術用語に出くわした際に、高い頻度でエンジニアの心に去来する言葉。

代表的な例として、割と有名なLinuxディストリビューションの1つである「SUSE」(えーと、すせ? すーせ? え、ドイツ語読み? 知らないよ、ドイツ語なんて)や、最近はだいぶ見かけることが少なくなった規格「SCSI」(えーと、すくし?)などがある。

日々、ドキュメントと触れ合うことで国語力を、更に日本語の資料が見つからない時は四苦八苦しながら海外サイトを回って英語力を磨いているエンジニアたちでも、これらを読むのは苦労するもの。

有名なCMS「XOOPS」(な、なに? く? くお? こーぷす?)や、Apacheソフトウエア財団が提供しているXMLパーサ「Xerces」(せ? ぜ? ぜあせす?)などは、ボス級と呼べるかもしれない。いきなりこれらの単語を見せられて、迷わず発音できる日本人は、ほとんどいないだろう。少なくとも筆者の周りには、1人もいなかった。

ちなみに「SCSI」は「スカジー」、「XOOPS」は「ズープス」、「Xerces」は「ザーシーズ」と読むようである。SUSEは…… 英語読みと独語読みが入り混じって「スーゼ」とか「ズーゼ」とか「スーズィ」など、さまざまな呼ばれ方をしている。ちなみに筆者は「スーゼ」と呼んでいる。

ちなみに筆者は最近まで「Flickr」を「ふりっくる」と読んでいた。この手の用語の読み間違いは、結構頻繁にやってしまう。

IT関連の用語は、英語からできた造語や略語、それ以外の言語から出てきた言葉などが入り混じっていて、正しく読むの苦労しがちだが、大学でちゃんと第二外国語を勉強しておけば、もう少しは読む力も付いていたのだろうか。

エンジニアをやっていると、学校教育というものは何かと役に立っているんだなぁと感じる。(もしくはサボらないでちゃんと勉強しておけば良かったと後悔……)

「書けない……」とは

「読めない……」以上に発生頻度が高いと言われている、エンジニアの脳内IOエラーの1つ。

EclipseやVisual Studio等の入力補完機能や、Googleで引っ張ってきたサイトのコピペなどに頼りきりになっていたエンジニアを、インターネットに繋がらない、エディタでプログラムを組まなければならない環境に放り込むと発生するもの。

実際にやってみると、ファイルの入出力とか、文字列の整形等のものすごく基本的なプログラムでさえ途中で詰まることが分かり、自分自身にがっかりしてしまったりするもの。

また、普段からどんな時でもPCのすぐ側にいて、自筆で何かを書くことなんて自分の住所と名前くらいしかないという状況に陥りがちなエンジニアが、何か文章を手書きで書かなければならない状況に陥った際にも発生するもの。

この手書きができないエラーには、2つの種類がある。

1つは「漢字が書けない」という、非常にありがちな障害である。漢字変換をIME(もしくはATOK。またはCanna。ひょっとしたらことえり)に頼りっぱなしになっているために、自身の力で漢字を書く能力が著しく後退した結果であり、エンジニアでなくとも多くの日本人が日々発生させているエラーである。

もう1つは「キーボードが目の前にないと文章が思い浮かばない」という重度の現象である。これはPCの前であればすぐに書くべき文章が頭に思い浮かぶのに、紙とペンを前にするとなぜか頭が真っ白になって何を書けば良いか分からなくなってしまう症状である。

これらの現象への対応策には、「漢検でも取る」や、「たまには手帳にモノを書く」、「一度、携帯で文章を打って、それを紙に写す」などの方法が挙げられる。

「Wikipedia」とは

インターネットに接続できる環境にいる世界中の人々が、自由に編集できる百科事典。

たとえ悪質なユーザが虚偽の編集をしても、多くのユーザがそれを訂正することで最終的には正しい記事が残るという、性善説的な考えにのっとったサービスである。

開発現場で頻繁に使われている「ユーザは何をするか分からない」とか、「悪意あるユーザが……」といった言葉が耳に慣れてしまった身としては、複雑な気持ちになるサービスでもある。

よく使われているデザインパターンの説明や、C++のテンプレートの使用方法、津々浦々さまざまな言語のHello,Worldの書き方一覧など、便利な情報から、それはあまり必要ないかも…… と思われる情報まで幅広くカバーしてくれている。

ただし、誰でも編集できるだけあって、どこかの用語辞典のように事実よりも主観優先の文章が入っていたり、真実でない内容も含まれていたり、また一部ではウィルスへのリンクが貼られるといった事件も起きている。信頼性という意味では、プロジェクト開始時にもらった仕様書くらいのレベルだと思ってもらえればちょうど良いと思われる。

にもかかわらず、専門書のように堅くならず読み疲れない程度に情報がまとまっているせいか、つい閲覧してしまう人も多い少し危険なサービスである。

例えるなら、現場に1人はいる、正確な知識を持ってるわけじゃないけど人当たりが良いから分からないことがあるとつい聞いてしまう人のような存在だと考えると分かりやすいかもしれない。

「今日はどうも仕事をする気が起きないなぁ」と感じる日に、ついうっかりWikipediaのページを開くと、なんとなくリンクをたどって読みふけることに一日の大半を費やしてしまうという失策を犯してしまうこともある。

例えばC言語のページを閲覧していたら、デニス・リッチーのリンクが貼ってあったからついそっちに遷移、そこからさらにB言語に移動。ベル研究所、超伝導、絶対零度、古典力学、アイザック・ニュートン、錬金術と遷移して、いつの間にかハリー○ッターのページを熟読していたという、予想外の遷移が発生することがある。

Wikipediaは好きな人にとっては誘惑の宝庫になっているため、仕事中に使用する際には気を付けられたし。

「Googleサジェスト」とは

Googleが開発した、「Asynchronous JavaScript + XML」(Ajax)の走り。 検索フォームに文字を入力すると、1文字ごとにサーバに予測キーワード候補を取りに行き、フォーム下部に表示してくれるというとても便利な機能である。

この機能を使用すれば、Asynchronousのような打ち間違えずに打てるはずがないような長い英語を容易に入力できるようになる。

また、デザインパターンと入力すると自動的に「factory」とか「command」とか「シングルトン」といった名前が拾えたり、UMLと入力すると「クラス図」、「シーケンス図」、「ユースケース」といった言葉が拾えるなど、普通に検索しているだけなのにいろいろな言葉と触れ合えてしまうため、エンジニアの興味をつい脇道にそれさせるといった力も持つ。

それ以外にも、sunと打ったら「sun mysql 買収」と補完されたり、「oracle web」と打ったら「oracle weblogic server 脆弱性」と補完されたりと、時事ネタにも強い側面を見せてくれた。

その分、各ニュースサイトに向けてクローラが大暴れしていることも想像に難くないわけだが……

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注意!!

この連載記事には必ずしも正しいとは限らない内容が含まれています。この記事を信じたことによって発生した障害に対して、筆者及び株式会社マイナビは一切の責任を負いません。ご容赦ください。

※この記事は2007/11/23〜2009/08/28に連載された内容を再構成しています

著者プロフィール:MW(えむだぶりゅー)

Java、PHP、C、C++、Perl、Python、Ruby、Oracle、MySQL、PostgreSQL関連の業務経験がある、典型的な広く浅い役に立たない系のウェブ(時々クライアント)アプリのエンジニア。 週に1日休みがあれば、ほか6日間は終電帰りでも全然へーきな体力と、バグが出ても笑って誤魔化す責任感の無さを武器に、今日も修羅場った開発現場の風景を横目で見ながら、適当に仕事をこなす日々を送る。
著書「それほど間違ってないプログラマ用語辞典」(発行:毎日コミュニケーションズ)

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