応募企業の探し方や履歴書の書き方、面接のポイントから円満退職の
秘けつまで。あなたの転職を成功に導くためのノウハウを紹介!

キャリアアップ転職体験談シリーズのビジュアル画像

「必要とされる人材になるには、“提案力”を持て」――SAP ERPの知識を携えIBMへ転職

転職者プロフィール

日本アイ・ビー・エム株式会社
グローバル・ビジネス・サービス事業 コンサルティングサービス
上野高純さん(32歳・入社1年目)
【仕事内容】
仕事内容:SAP ERPの導入支援(設計・実装、テスト、運用保守) 販売モジュールのチームリーダー

グローバル案件でSAP ERPの導入支援 モジュールのチームリーダー

SAP ERP導入支援の企業から、日本IBMへの転職

これからのシステムは、1から“作る”のではなく、サービスを組み合わせて“使う”時代になる。

そのためには、エンジニアはどのような能力が必要か。どのようなエンジニアが「世の中に必要とされる」のか――。

上野高純さん(32歳)は、9年間にわたりSAP ERP導入支援を行ってきたエンジニアだ。だが、「世の中に必要とされるエンジニアになりたい」という思いで転職を決意、2011年1月に日本IBMに転職した。

上野さんが考える「世の中に必要とされるエンジニア像」はどんなものか、そのエンジニアに必要なスキルは何か。そして今は日本IBMで目標実現のためにどのような活躍をしているのか――話を聞いた。

SAP ERP導入のほぼ全工程に関わり、チームリーダーを経験

上野さんは、中堅のIT企業で9年間、製造企業向けのSAP ERP導入支援を行ってきた。新卒入社時は開発・保守運用からスタートし、システムの企画や提案、開発にテスト、保守運用と、SAP ERP導入のほぼ全工程に関わった。上野さんは特に、販売物流のシステム案件に強く、ここ数年は販売関連のモジュールを担当するチームリーダーを任されていた。

「基幹システムの導入は、企業にとっては一大イベントです。そのイベントに立ち合い、無事に導入できたときに感謝されると、とてもうれしかったですね」と、当時の仕事のやりがいを語る。

「大きな案件が終わるたび、次の仕事へのモチベーションをもらっていた」という上野さんは、仕事内容や人間関係にも特に大きな不満はなかったという。だが2009年、彼が30歳の時に、転職について考え始めたという。

自分に必要なのは、2つの「プラスアルファのスキル」

「30歳になった時に考えたんです。どういうスキルを身に付けたら、“世の中に必要とされる人材になれるか”と。今後、“必要とされる人材”を目指してキャリアアップしていくためには、自分にはプラスアルファのスキルが必要だと思いました」

そこで上野さんは、あらためて自分のキャリアを見直した。具体的に「自分は何ができて、何が足りないか」というスキルと経験の棚卸しをしたという。

SAP ERPの販売物流モジュールの知識、SAP ERP導入の全工程を経験しているし、開発の知識もある。だが、導入前の段階、つまりお客様と直接やりとりをして「どうすれば企業が持つ問題をうまく解決できるか」を考えて提案するコンサルティングは経験していない。

これまでに培ったSAP ERPのスキルと知識を生かしつつ、より「必要とされるエンジニア」になるためにはどうすればよいか――。上野さんが行き着いた答えは、2つの「プラスアルファのスキル」だった。

1つ目は、システムを導入する前フェイズである「導入支援コンサルティング」に関わること。2つ目は、「SAP ERP“以外”のアプリケーション」の知識を習得することだ。

9年以上SAP ERPの仕事をし、企業の課題解決と、より良い事業運営のためのシステムの導入・運用を支援してきた上野さんは、「SAP ERPの知識だけでは限界がある」と感じていた。「SAP ERPを導入することだけが、必ずしも“解”ではない」からだ。

「SAP ERPの枠にとどまらない幅広い選択肢の中から適切なプランを提案し、コンサルティングできる人材になりたい」

上野さんのキャリアアップの方向性は絞られた。

プロジェクトの切れ目を契機に、転職活動を開始

ある程度キャリアプランは描いたものの、実際に行動には移ったのは、担当プロジェクトが一段落した2010年の6月からだった。上野さんは転職エージェントに登録し、企業からのオファーメールにも目を通すようにするなど、具体的な転職活動を開始した。

転職先を選ぶに当たり、条件は2つあった。1つは、SAP ERPを含む幅広いソリューションを扱っている企業であること。もう1つが、グローバルな仕事ができるチャンスのある企業であること。

「システム導入は、もはや日本国内だけの仕事ではなくなってきています。グローバルプロジェクトの経験は、今後のキャリアアップにつながると考えました」

必然的に対象となる企業は絞られてくる中、タイミング良く人材紹介企業から日本IBMの紹介を受ける。同社はこれまでに身に付けたSAP ERPのスキルを活用できることに加え、自社製品を持ち、グローバルで事業を展開している。まさに上野さんが考えていた条件を満たす企業だった。

「自分がこれまでやってきた9年の実績が認められるのだろうか」という一抹の不安はあったものの、上野さんは見事2回の面接を通過。2010年10月には採用通知を受け取ることができた。 そして2011年1月、上野さんは日本IBMに転職した。

転職直後にグローバルプロジェクトにアサイン!

入社後すぐ、上野さんはグローバル・ビジネス・サービス事業部で、SAP ERPの導入プロジェクトにアサインされた。夏まではメンバーとして入り、システムが正式稼働を迎えた9月からは、モジュールチームのリーダーとして、保守と追加対応を行っている。

プロジェクトは、「日本に本社がある企業の中国拠点にSAP ERPを導入する」という内容で、まさに上野さんが希望していた「グローバル」なプロジェクトを早速担当するチャンスが訪れた。

このプロジェクトはかなりの大規模で、顧客企業は実に10年ぶりに基幹システムを入れ替えるそうだ。さらに、上野さんが担当する中国拠点は最も規模が大きいため、ここで導入したSAP ERPをグローバルテンプレートとして他の海外拠点にもすべて導入する予定だという。

「お客さまは海外でのビジネスをどんどん展開していて、まさに今“成長している”段階です。会社の大きな転換期に立ち会えるのは、大きな喜びです。さらに、自分が携わったシステムがさまざまな国でも使われるため、責任感と使命感は強いですね」――上野さんは、仕事のやりがいをこう語る。

また、国際的な舞台で仕事ができている、ということ自体にも、「純粋に、刺激的な仕事ができている、という実感がある」そうだ。

知識の幅が広がっていくことが、面白い

「新しいことを知るのは、大変だけど面白い」

もちろん、大変なこともある。グローバルプロジェクトで特に意識しなければならないのは「国ごとの法律」だ。特に、基幹システムは法律と密接に関わる部分があるため、法律を考慮しながらカスタマイズを行う必要がある。さらに、このシステムをグローバルテンプレートとするため、知らなければならない知識の幅が増えた。だが、上野さんは「大変だけど面白いです」と、新しい知識の習得に意欲的だ。

また、上野さんは独学で英語の勉強にも取り組んでいる。現在のプロジェクトでは、現地法人とのやりとりは通訳を通して行っているが、さまざまな国籍の人と一緒に働く上で、英語の必要性をあらためて実感したという。

「これまでも頭では『英語は必要なもの』だと思っていましたが、転職したことでその必要性をひしひしと感じましたね。また、今後中国案件がもっと増えてくる場合には、中国語も習得しておいて損はないでしょうね」

そう語る上野さんだが、「実は、あまり英語は得意ではないんです」と明かす。「面接のとき、英語のスキルはあるかと聞かれ、『入社後に身に付けます』と答えました。なので今、頑張っているところです」

「これから世の中に必要とされる人材」が持つべき能力とは

「必要とされる人材」を目指したキャリアアップのために、今後はシステム導入前の提案フェイズも経験していきたい、という上野さん。必要なSAP ERP以外の知識を身に付けるために、自社製品の社内勉強会にも参加しているそうだ。「まだまだ勉強中ですが、SAP ERPとIBM製品の違いが見えてきて興味深いですよ」と、上野さんは語る。

では具体的に、上野さんが考える「必要とされる人材」に必要な能力とは何なのだろうか。

上野さんはここで、「クラウド」というキーワードを挙げた。

「クラウドが浸透していけば、システムはますます、1から“作る”のではなく、すでにあるソリューションを組み合わせて“使う”時代になっていきます。その時エンジニアに求められる能力は、幅広い知識に基づいた提案力、だと思います」

まずは、世の中にどういうソリューションがあるか、幅広く知っていること。そして、その知識を持った上で、「お客さまの課題解決のために、どのソリューションを組み合わせれば良いか考え、的確な提案ができる」ことなのだという。そのために、上野さんは転職して、自分が持つ知識の幅を増やすことを選んだ。

実際、上野さんはそういった人材になるために、目下勉強中だ。「まずは、IBMの持つさまざまな製品の勉強をしています。また社内にいれば、必然的にSAP ERP以外の知識が深い人との関わりも増えています。知識欲が満たされる、実に良い環境です」と、笑って話す。

自分のキャリアの方向性に対し、明確なビジョンを持って転職活動に臨んだ上野さんは、着実に自分の希望をかなえていっている。キャリアアップを図りたいエンジニアは、まずは「自分が将来どんなエンジニアになりたいか」を、具体的に思い描いてみることが第一歩かもしれない。

人事に聞く、上野さんの評価ポイント

前職で、一貫したSAP ERPプロジェクトの経験があったこと、特に要件定義から運用保守まで幅広く経験していたこと、販売物流領域についての経験が豊富で、大規模なプロジェクトも経験していたことを評価しました。

上野さんはチームリーダーとしての経験があり、お客さまと話を詰める泥臭さから逃げない姿勢を、面接で感じ取ることができました。また、コミュニケーションスキルや、リーダーシップといったコンサルタントとしてのコア能力も身に付いていると評価しました。

これまでの経歴に裏付けされた実績と、「コンサルタントへキャリアアップしたい」という本人の強い思いが伝わり、即戦力での活躍が見込めたため、採用に至りました。

※企画・制作:@IT自分戦略研究所編集部
※JOB@ITの記事(2011年11月)に再編集を加えて掲載しています。

このインタビューに関連する求人【注目!】
簡単1分会員登録 簡単求人を探す 簡単求人を探す 適職診断 ‐適職をディグる! ジョブリシャス診断‐

必読! 転職完全マニュアル

  • 履歴書の書き方

  • 職務経歴書の
    書き方

  • 自己PRの
    書き方・例文集

  • 志望動機の
    書き方・伝え方

  • 面接対策ガイド

  • 退職願・退職届の
    書き方・渡し方

テンプレート・書類作成ツール

  • 履歴書
    テンプレート

  • 入学・卒業年度 自動計算表

  • 職務経歴書
    テンプレート

  • 職歴メーカー

診断

  • ジョブリシャス診断(適職診断)

  • 適性診断

  • 社会人力診断

人気記事

  • 「NGな志望動機・志望理由」ワースト5【面接官の本音】

  • 【例文あり】志望動機は「書き出し」と「締めくくり」で差を付ける! 人事の目を引く書き方とは?

  • 【面接日程メールの例文とマナー】企業へのメールの書き方とよくある減点ポイント

  • 「仕事辞めたい」7つの理由  会社や仕事が合わない、苦痛、やる気が出ない…… リアル対処法

  • やりたい仕事がない・分からない時の探し方を転職のプロが解説!【タイプ&方法別】

転職・退職で知って得する

  • 源泉徴収票とは? もらえる時期や必要なタイミング、見るべきポイント4つ

  • 失業手当(失業保険)はどんな人がもらえる? 金額・期間・手続き方法を解説【社労士監修】

  • 離職票はいつ届く? 書き方、手続きや再発行のやり方

  • 雇用契約書とは? 労働条件通知書との違い、もらえない時の対処法

  • 履歴書の扶養家族・配偶者とは? 書き方と考え方、扶養家族数の数え方【専門家監修】

注目コンテンツ

  • 仕事・職場の人間関係の悩みに疲れた時にやるべきこと。会社を辞めたくなったら?

  • パーパスとは? その意味や注目される背景について解説

  • フリーランスって? 向いている仕事(職種)と活躍するために必要なこと&注意点

  • 第48話 オタバレは怖いけど。|しろやぎ秋吾 ヤメコミ!@仕事辞めたい瞬間

  • 2023年版
    モデル年収平均ランキング

  • 今月の注目コンテンツ

ヤメコミ! ─働く人の悲喜こもごも、仕事辞めたい瞬間を無料4コマ漫画でお届け─ マイナビ転職YouTube公式チャンネル 転職MYコーチ(履歴書添削)
  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

人気求人特集

  • 初年度年収600万円の求人特集

  • 初年度年収800万円の求人特集

  • 初年度年収1,000万円の求人特集

  • 初年度年収1,200万円の求人特集

  • 原則定時退社の求人特集

  • 年間休日120日以上の求人特集

すべての「働く」を、もっとひらく。マイナビ転職

豊富な転職・求人情報と転職ノウハウであなたの転職活動を支援する【マイナビ転職】。マイナビ転職は正社員の求人を中心に“日本最大級”常時 約8,000件以上の全国各地の豊富な求人情報をご紹介する転職・求人サイトです。毎週火・金更新であなたの希望の職種や勤務地、業種などの条件から検索することができます。職務経歴書や転職希望条件を匿名で登録するとあなたに興味を持った企業からスカウトされるサービスや、転職活動に役立つ職務経歴書サンプルや転職Q&A、会員登録をすると専門アドバイザーによる履歴書の添削、面接攻略など充実した転職支援サービスを利用できる転職サイトです。