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納得のいくネットワークを自らの手で――転職で理想のインフラを実現

転職者プロフィール

サイボウズ株式会社
運用本部 サービス運用部 リーダー 齋藤真之介さん (2011年5月入社/38歳)
【仕事内容】
システムインテグレーター(SIer)でネットワーク監視オペレーターとしてエンジニアのキャリアをスタート。その後、運用・保守から設計・構築へと進み、提案業務までこなす。勤務先が外資系ITコンサル会社に買収された後は、ITコンサルタントとして顧客への提案や設計業務を中心に担当。大規模プロジェクトのネットワークインフラも手掛ける。

クラウドサービス「cybozu.com」の立ち上げから携わり、ネットワークの提案、設計・構築、運用までをトータルに手掛ける。サービスイン後は、運用およびネットワーク構成の改善・見直しなどを精力的に行う。情報システム部も兼任し、数少ない社内のネットワークスペシャリストとして、周囲から頼られている。

ITコンサルタントからネットワークスペシャリストへ

エンジニアとしての理想の仕事は人それぞれだが、「納得のいくシステムを構築したい」と考える人は多いのではないだろうか。しかし、顧客のシステムを構築する場合、いくら自分が「こうした方が良い」と思っていても、顧客の決定を覆すことは容易ではない。

今回お話を伺った齋藤真之介さんは、納得のいくネットワークを、提案から設計・構築、運用まで自らの手で行いたいという希望を、転職によりかなえた人物だ。

キャリアアップだけがエンジニアの道ではない。自分が本当にやりたいことを追い求めるエンジニアにとって、齋藤さんの選択は大いに参考になるはずだ。

上流のジレンマ「手応えがほしい!」

齋藤さんのキャリアは、24時間365日のネットワーク監視オペレーターからスタートした。

「当時は、より上流へステップアップし、ネットワークエンジニアとしてのキャリアを積むことばかり考えていました」と語る齋藤さん。

その言葉通り、監視オペレーターから運用・保守へと進み、やがて設計・構築から顧客提案まで行うようになっていった。「実は、その間に2度転職していて、その3社目の会社が外資系のITコンサルティング会社に吸収されてしまいました」

ITコンサルタントとなった齋藤さんは、ネットワーク構築のための顧客提案や設計を中心に、精力的に業務に取り組んでいった。「大規模システムや広範囲に及ぶシステムに関するさまざまなナレッジが集約されていて、考え方や実装方法などは大変勉強になりました」

そうしたナレッジを貪欲に吸収しつつ、数十億円規模の大規模なプロジェクトにも参加、ネットワークを設計することもあった。しかし3年ほどたったころ、自らの仕事に幾つかの疑問を抱くようになったという。

その最も大きなものが、プロジェクトとの距離感だった。

「当たり前のことですが、お客さまのシステムにおける最終決定権はお客さまにあります。『中長期的に維持していくためには、こうするべきだ』と私が提案しても、予算の問題や、企業間・組織内の政治的な理由で見送られるケースを数多く経験しました」

実際のシステム構築において、予算や納期を理由に、仕様が削られるのはよくあることだ。しかし「全ての提案が通るわけではないにしても、もう少し納得のいくシステムを手掛けてみたい」と思うようになった。さらに、手応えという面でも、物足りなさを感じるようにもなったという。

「上流に行けば行くほど、成果物は提案書や設計書などの“紙”になることが多くなり『自分がこのネットワークを構築した』という実感が湧かなくなってきました」

エンジニアのキャリアは、スキルを磨き、経験を積むことで、次第に下流から上流へと進むのが一般的だ。その先は、手を動かす仕事から、人や予算を動かすマネジメントへと進んでいくことが求められる。

その一方で、自ら手を動かす現場の仕事を続けたいと希望するエンジニアも少なくない。「モノ作りの魅力」に引かれてエンジニアを目指した人に多く見られる傾向かもしれない。齋藤さんも、そんなエンジニアの一人だった。

「当時は35歳。手を動かす仕事が遠のく前に、転職をしようと決めました」

サービス立ち上げから携われるのは狙い目だ

外資系ITコンサルティング会社からの転職を決意した齋藤さんの、会社選びのポイントはどのようなものだったのだろうか。

「ポイントは2つありました。1つ目は、提案から構築や運用実務まで幅広く携われること。2つ目は、顧客に納品するシステムではなく、自社システムまたは自社サービスとして設計から運用まで行っていること」

転職先の候補は幾つかあった。通信キャリアやサービスプロバイダー、ネットワーク機器メーカーなどだ。しかし、最終的に齋藤さんが選んだのは、サイボウズだった。

サイボウズといえば、グループウェアが有名で、「ネットワークの提案から構築や運用実務までを手掛けたい」という齋藤さんの希望には一見、合わないように見える。

入社の決め手となったのは、2011年にスタートした「cybozu.com」だった。cybozu.comは、同社の主力であるグループウェア「サイボウズ Office」「Garoon」や、Webデータベース「kintone」、メール共有ソフト「メールワイズ」を利用できるクラウドサービスだ。

「面接を受けたときに、面接官から『cybozu.comというサービスが今年からスタートする』と聞き、気持ちが固まりました。これから立ち上げるサービスならば、自分の納得のいくネットワークを構築できる、と考えたからです。また自社サービスであれば、最終的な決定権は自社内にあります。転職先として狙い目なのではと思いました(笑)」

自社サービスならではの魅力で納得の構築と運用を実現

齋藤さんの狙いは見事に的中した。入社時からの希望通り、同サービスのネットワークを、提案・設計・構築から運用・改善まで、まさにトータルに手掛けている。

「入社当時は社内にネットワークエンジニアが少なかったこともあり、ネットワーク構築プロジェクトに必要な論理図や物理図も、あまり用意されていませんでした。そこで実際の機器の設定ファイルから構成を読み取り、図を起こすところからスタートしました」

他のエンジニアがまだ手を付けていないところがあれば、積極的に引き受けていったという。こうした地道な活動もあって、齋藤さんの提案は随所に反映され、ネットワークの構成や運用なども、納得のいくものに仕上がった。

サービスインしてからも、積極的に改善提案などを行っている。低コストかつ高品質のサービス提供を念頭に置き、場合によっては回線やデータセンターの見直しも図るという。

「自社サービスというのは、やはり魅力です。改善も自分たちでトリガーを引けるので、絶好のタイミングでスペックアップしていけます。お客さま先のシステムでは、こうはいきません」

また運用設計の面でも大きなメリットを感じたという。

「お客さま先のシステムでは、運用設計はある程度簡略化された仕様にしなければなりません。しかし、自社サービスならば少々複雑なオペレーションでも必要に応じて運用が可能です。より柔軟性の高い運用ができるため、いろいろと新しい試みにもチャレンジできます」

齋藤さんの中では、ネットワークの大幅な改善も、すでに具体化し始めている。

「よりシンプルで柔軟性の高い構成にしていきたいと考えています。帯域を増やしてケーブル本数を少なくし、ルーターを仮想化することで、サーバー移動に関わるネットワーク上の制約を最小限にできると思います」

cybozu.comのプラットフォームが、齋藤さんの考える理想形に、また一歩近づいていくはずだ。

将来は現場に根ざしたプレイングマネージャーになりたい

サイボウズという会社は、齋藤さんの目にはどのように映っているのだろうか。

「仕事ありきでロールに人を割り当てていくだけではなく、人ありきでロールを作り出していくという柔軟性も兼ね備えた会社です。自分がやりたいことが定まってさえいれば、業務の中でスペシャリティを発揮して、理想のキャリアを形成できると思います」

現在、齋藤さんはcybozu.comの運用を担当するサービス運用部の仕事だけでなく、ネットワークスペシャリストとして、社内システムの運用を担当する情報システム部も兼任している。これも齋藤さんの持つスペシャリティがロールを作り出していった結果といえるだろう。

また、仕事のスピード感も気に入っているという。

「運用チームと開発チームが物理的に近い距離にいることもメリットだと思います。背中合わせに開発チームがいるため、振り向けばすぐに打ち合わせができます。定例ミーティングにならないと話を詰められないというもどかしさはありません。前職では、次回ミーティングまでの間、ストレスを覚えることもありましたが、今はそうしたことがありません。何か課題が見つかればすぐに解決に向けて行動できます」

現場で手を動かす仕事を望んで、サイボウズに転職を果たした齋藤さん。将来はどのようなキャリアを歩みたいと考えているのだろうか。最後に、そんな質問をぶつけてみた。

「仕事の範囲も責任も大きくなっていますし、いつまでも現場だけ、というわけにはいきません。いずれはマネジメント分野にもより多くのものが求められていくでしょう。とはいえ、現場の魅力も捨て切れません。今後は、プレイングマネージャーとして活躍していければ、と考えています」

同社では、運用本部の本部長もプレイングマネージャーとして活躍しているという。そうした先達がいる会社ならば、齋藤さんの理想とするキャリアも、必ず実現できるはずだ。

人事に聞く、齋藤さんの評価ポイント

サイボウズにはAction5という評価基準があり、採用選考の際もその基準で合否を決定しています。Action5とは「理想への共感」「あくなき探究」「知識を増やす」「心を動かす」「不屈の心体」です。サイボウズで長く働いてもらい、活躍してもらうための基準です。

技術者は「あくなき探究」「知識を増やす」の項目に高得点がつくことが多いのですが、齋藤さんはそれに加え「心を動かす」の部分が高いことを評価いたしました。

サイボウズはチームで働くことを重視しており、そのための大切な指針となるのが「心を動かす」という部分です。入社後は部署の垣根を越えた仕事に積極的に取り組んでおり、その姿勢はまさに「周りの心を動かし、実践している」成果の賜物(たまもの)だと思っております。

※企画・制作:@IT自分戦略研究所編集部
※JOB@ITの記事(2014年3月)に再編集を加えて掲載しています。

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