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転職者が本音で語る! Web/ソーシャル業界って実際どうなの? 「問題解決」がWeb/ソーシャル系エンジニアの存在意義――この業界では、設計書でなく問題そのものが降ってくる/転職先として人気のWeb/ソーシャル業界。その実態を、転職したITエンジニア3人の話から探る。転職のきっかけ、勉強会とのかかわり、転職して分かった意外な事実など、本音が満載!

一時期の伸びは落ち着きつつあるものの、依然として活発な人材採用が続くWeb/ソーシャル業界。「スキルアップにつながる」「新しい開発手法にチャレンジできる」といったイメージもあり、ITエンジニアからの注目度も高い。@IT自分戦略研究所が2011年に実施した読者調査では、全体の約45%が「SNS企業・ソーシャルアプリプロバイダへの転職に興味がある、もしくはすでに転職活動をしている」と答えている。

人気のWeb/ソーシャル業界だが、転職先としての実態はどうなのか? それを探るべく、今回はすでに転職を果たした3人のITエンジニアに集まってもらい、座談会を実施した。

なぜ3人は、転職先としてWeb/ソーシャル業界を選んだのか、転職に当たって不安はなかったのか。転職して良かったこと、驚いたことは? 本音を語ってもらった。

今回登場のITエンジニア
赤池さん
(仮名・40歳)
ゲーム開発のプログラマからSI会社のエンジニアに。その後コンテンツプロバイダに転職し、マネージャとして自社サービスの開発に従事している。
樋口さん
(仮名・34歳)
SI会社のWebシステム開発エンジニアから、コミュニティサービスの事業責任者に転身。企画・開発を担当している。
櫻井さん
(仮名・30歳)
SI会社から、Web/ソーシャルサービス会社に転職。サービス開発および開発効率の改善に携わっている。
「新しいことへのチャレンジ」が転職を考えたきっかけ

――まず、皆さんがWeb/ソーシャル業界に転職したきっかけを教えてください。

赤池さん ゲーム会社から派遣型の小さいSI会社に転職し、最初の派遣先がメガSIerで、フロアの向こうが見えないくらいの大規模な開発現場を経験しました。いろいろな経験ができる面白さはありましたが、人月仕事を続けていくうちに、自分のキャリアパスに不安を感じてきたんです。加えて、「いつか案件を取って、社内に開発部隊を立ち上げる」といわれながら、そんな動きがまったく見えなかったので、会社を信用できなくなり、Web/ソーシャル業界への転職を決めました。今の会社は、勉強会で知り合った人に誘われて応募し、入社しました。

樋口さん 中堅のSI会社に新卒で入ってから、数社で5~6年受託開発を手掛けていました。仕事自体は面白かったのですが、2007年ごろからWeb/ソーシャル業界のITエンジニアのブログを見るようになり、みんなが新しいことにチャレンジしている姿に刺激を受けました。これをきっかけにWeb/ソーシャル業界への転職を考えるようになり、勉強会での交流を通して転職先を見つけました。

櫻井さん 前職のSI会社では、サービスの開発と顧客向けのカスタマイズを行っていましたが、特定ベンダの製品を中心にした狭い世界でした。もっといろいろなことを学びたいのに、天井がつっかえている感じ。せっかくITエンジニアになったんだから、自分じゃなければできないことをしたいと思い、新しい世界への挑戦としてWeb/ソーシャル業界への転職を考えました。ぼくの場合、転職先はエージェントを利用して見つけましたが、皆さん同様、勉強会のつながりから転職先を紹介してもらったこともあります。

Web/ソーシャル業界への転職、「勉強会参加」がポイント?

――皆さん、勉強会での活動が転職につながっていますね。Web/ソーシャル業界への転職では、勉強会が重要なポイントになるのでしょうか。

赤池さん Web/ソーシャル系のITエンジニアは、勉強会に参加するマインドが強いと思います。直接転職に結びつくかは別として、勉強会での交流によって、自分のレベル感やどんな成果を出せば認められるのかが実感できます。こういうことは、以前は転職などで会社を渡り歩いた結果、だんだんと分かるようになるものでした。

櫻井さん 勉強会に参加すると、面白そうなものや技術が転がっていて、刺激になりますよね。社内で与えられた仕事だけをやっていると、周りが見えなくなってしまいます。

樋口さん 面白そうなものや技術に加えて、面白そうな人にも出会える。Web/ソーシャル業界のITエンジニアに出会えることはもちろんですが、その中で自分の技術レベルがどのくらいなのかを把握できます。自信を持っていた分野でも、上には上がいることを思い知ることができますね。

――Web/ソーシャル業界への転職は、大きな環境の変化だったと思うのですが、不安などはありませんでしたか。

赤池さん 不安はまったくなかったですね。実は、初めて入社したゲーム会社では、ぼくは「超へたくそ」だったんです。全部のコードをチェックされて、ここがダメここがダメっていじめられた(笑)。ところが、次のSI会社に行ったら、周りが何もできない。自分がトップレベルになっていた。だから、Web/ソーシャル業界に行っても、自分なら通じるという自信がありました。案の定通じました。ところが勉強会で外に出たら、周りの人のスキルの高さに、鼻っ柱をへし折られましたけど。

樋口さん ぼくもなかった。先ほどお話ししたとおり、勉強会などでの交流を通して転職先を決めたので、転職先の会社がどんなところで、どんな仕事をするのか、事前に情報を得ることができていました。情報をオープンにしている会社だったこともありましたが、知り合いが転職先にいるのは、安心感が違いますよ。

櫻井さん 自分にとって未知の業界ではありましたが、不安はなかったですね。新しいことにチャレンジする期待感の方が強かったです。

降ってくる問題を解決するところに、「ぼくたちの存在意義がある」

――実際に転職してみて、驚いたことや想定外だったことはありますか。

櫻井さん ドキュメントがない。

一同 ああー。ないですね。

樋口さん コードを直接読む。プリントとかしない。

櫻井さん Web/ソーシャル業界の開発では、「自分で考えて対応していかなければダメ」なこと。この業界での開発がどういうものかをまったく知らずに転職したので、びっくりしました。転職して最初の仕事では、あるWebサービスについて、どう思うか、どうしたら良くなるかを考えてといわれた。そこで初めて、「こういう感じで開発するのか」と理解しました。自分から問題を見つけないといけないんです。

樋口さん 確かに、これをやって、あれをやってと指示されることは基本的にありません。仕事を待っているタイプの人は向いていないでしょうね。問題を自分で見つけてきて、自分で解決する姿勢が必要です。待っていても、ユーザーが教えてくれるわけではありませんから。

赤池さん そうやって開発チームの中で信頼を勝ち得ていかないと、仕事は回ってこないですよ。自分には何ができるのかをアピールすることで、任される仕事も増えていくはずです。

櫻井さん とはいえ、転職して、いきなりアピールばかりしても効果はないと思います。最初はコツコツと、小さい成果を積み重ねることで、徐々に説得力が出てくる。

樋口さん Web/ソーシャル業界のITエンジニアは、プログラムを書くだけでなく、もっと幅広い視野が必要になりますね。問題を探す能力や解決する能力、企画力。場合によってはデザインまで手掛けるケースもあります。最終的にユーザーにどんな形で届けるのがベストなのか、最初から最後まで考える力が求められます。自分もすごくスキルの幅が広がりましたね。

赤池さん それまでは設計書が降ってきたところが、今は問題そのものが降ってくる感じ。

櫻井さん 降ってきた問題にどう答えを出すかというところに、ぼくたちの存在意義があると思う。

失敗のダメージは大きいが、その分喜びも大きい

――Web/ソーシャル業界ならではの面白さ、やりがいはどんなところですか。

櫻井さん 答えがないところ、でしょうか。答えがないからこそ、自分で考えたことがうまくいったときには、とてもうれしい。自分で問題を見つけて解決するという裁量が与えられているのはやりがいがあります。今は仕事が面白いと感じています。仕事に「面白い」という要素が入ったのは、自分にとって革命的なことでした。

樋口さん Web/ソーシャル業界は、ITエンジニアとユーザーとの距離が近い。自分が変更したコードが、直接サービスに反映されて、ユーザーの満足度にもつながりますからね。だからこそ、問題解決がうまくいったときには、大きな喜びを感じることができます。

赤池さん 問題解決が面白いと思える人には、ソフトウェア開発の仕事そのものが報酬になり得ると思っています。自分の能力を磨いて、磨いたものを駆使して問題を解決し、それがユーザーの喜びになり、会社の利益にもつながる。今はSIよりもWeb/ソーシャル業界の方が問題解決の面白さが際立っているので、転職希望者が増えていますが、本来はどの業界にもその面白さがあるはず。

櫻井さん ただし、Web/ソーシャル業界の方が、失敗の影響度は大きいと感じます。例えば、うちの提供しているソーシャルサービスが30秒でも止まったら、それだけで大変な損害になる。お金の感覚は転職前よりシビアになりました。

樋口さん 確かに、失敗したときのダメージはSIよりも大きいかもしれないですね。金銭的な損失はもちろんですが、ユーザーからサービスに対する悪評が立つことも大きな問題。

赤池さん 個人の失敗が、会社の利害に直結するのがこの業界。ITエンジニアとサービスそのものの距離がとても近い。ゲームでいえば、「クソゲー」といわれればへこみますが、だれかが「買いました」といってくれるとめちゃくちゃうれしい。そういう感覚はやはり自社サービス、プロダクトならでは。

樋口さん そう。失敗したときのダメージが大きい一方、「この機能すごくいい」「良くなった」といってくれる人がいて、それがあるからやっていける。

櫻井さん リニューアルすると、必ず文句が出る(一同笑う)。ソーシャルサービスでは人によって求める機能が違う。そこが面白いところです。

どんな業界でも、仕事をする上での軸を持ち続けていたい

――厳しさも面白さもあるWeb/ソーシャル業界での、今後の展望をお聞かせください。

赤池さん この業界は、今だからこそ輝いている、ということは認識しているつもりです。もしかしたら今後、「読み書きプログラミング」のような時代が来て、プログラミング自体が陳腐化するかもしれない。だからこそ、自分が今、この仕事をする上では軸を明確にする必要があると思っています。ぼくは、ソフトウェア開発で問題を解決するのが楽しい。だからこの仕事を今後も続けていくつもりです。

樋口さん 確かに、この業界が10年後どうなっているかなんて、誰にも分かりません。ですから、ぼくは業界に対するこだわりはあまりないのです。あくまでも今、自分に何ができるのか考えて、ソフトウェア開発を通して人々の暮らしを豊かにするような仕事ができればと考えています。このように発想を広げられるようになったのは、転職して得た大きな成果だと思っています。

櫻井さん Web/ソーシャル業界に転職して、ユーザーに直結する開発を手掛けたことで、「世の中との向き合い方」を学んだと思う。自分の技術力を生かして、世の中に対して何ができるのか。この考え方は、たとえ時代が変化しても、変わらずに持ち続けていたいですね。

※企画・制作:@IT自分戦略研究所編集部
※JOB@ITの記事(2012年12月)に再編集を加えて掲載しています。
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