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転職者が本音で語る! ITエンジニア座談会/「つまらない」なんて誰が言った? 熱くて楽しい受託開発を語り合う/受託で活躍するITエンジニアに集まってもらい、座談会を実施。顧客に頼りにされる喜び、やりとりで広がるスキルの幅、「楽しい受託開発」ができる会社の探し方など、存分に語ってもらった。

華やかなイメージで、ITエンジニアに一定の人気がある「自社サービス開発」という仕事。それに対して、「受託開発」にはなんとなく地味なイメージがあるのではないだろうか? 一部、「自社開発に比べ、自由が利かないのでは」「クライアントの言いなりになってしまうのでは」とする風潮があることも確かだろう。 そこで今回は、受託開発に携わるITエンジニアの座談会を実施。受託開発の楽しさ、やりがいを聞いてみた。 受託開発だからこそ身に付けられるスキル、仕事の面白さなどについて、4人のITエンジニアが語った。

今回登場のITエンジニア
安達輝雄さん
(29歳)
ソニックガーデン
Programmer/CIO
諸橋恭介さん
(32歳)
永和システムマネジメント
サービスプロバイディング事業部 アジャイル開発グループ
Railsプログラマ/Railsコンサルタント
林由子さん
(33歳)
ヌーラボ
システム開発部 統括マネージャー
大関隆介さん
(28歳)
ゆめみ
ソリューション事業第2部 リーダー

――まず、皆さんの会社の概要、在籍しているチームの規模を教えてください。

左からソニックガーデン 安達輝雄さん、永和システムマネジメント 諸橋恭介さん 安達 ソニックガーデンは、TISの社内ベンチャーのメンバーが独立して始めた会社で、今のメンバーは7人です。自社サービスとして、社内SNSの「SKIP」やコミュニケーションツール「youRoom」を運営しています。自社サービスも受託開発も、システム構築から運用までを手掛けています。インフラはAWS(Amazon Web Services)を使っています。うちではITエンジニア全員が、お客さまと話すところから運用までをすべて担当していますね。

諸橋 永和システムマネジメントは受託開発を行う会社です。創業32年、社員220人弱、本社は福井県です。私がいる部署は40人ほどで、そのうち20人弱がRubyやRuby on Railsを使ったWebアプリケーションを手掛けています。

 ヌーラボは15人くらいの会社で、自社サービスと受託開発を両方行っています。自社サービスにはプロジェクト管理のBacklogと、図形を共同編集できるCacooがあります。社内では自社サービスチームと受託開発チームが分かれていて、私は受託開発チームのマネージャを務めています。

大関 ゆめみは、12年前に京都大学大学院の3人が立ち上げた会社で、フィーチャーフォンの時代からモバイル向けの開発を手掛けています。高速メール配信システムやApacheモジュールなども作っています。今の主な業務はスマートフォンアプリ、フィーチャーフォンサイトの開発です。私のいるチームは10人で、受託開発を行っています。業務で日常的にお客さまと接しています。

希望どおりのプロトタイプを見せて、顧客に感動される喜び

──皆さん開発者であると同時に、直接顧客と接する立場にもあるということで、幅広く仕事をされていますね。

安達 以前在籍していたTISでは、開発チームと保守チームが分かれていました。今のソニックガーデンはそういったチーム制ではありません。先ほどお話ししたように、メンバーそれぞれがお客さまと話すところから運用まですべて担当します。

左からヌーラボ 林由子さん、ゆめみ 大関隆介さん その際、自分の担当ではない案件でも、みんなで助け合うようにしています。私はインフラが得意なので、自分の案件以外でも、インフラ部分で難しいところにはサポートに入ります。一方、例えば私がJavaScriptで悩んでいることがあれば、JavaScriptを得意とするITエンジニアに助けてもらいます。相互補完する形です。

諸橋 永和システムマネジメントも、チーム内での役割を区切ったりはしていませんね。大きい案件は5人ぐらい、小さいと2~3人で担当します。やはりみんなが顧客とのミーティングに参加して、仕様を詰めて、といったやりとりをします。

うちは、ある時からお客さまと直接やりとりできる案件に特化するようになりました。お客さまとの間に他の会社が入る場合にも、仕様を決められる立場の人と話をさせてもらいます。そうすると不条理がない。不条理な仕様と思われる場合にも、お客さまと話をして、なぜその仕様なのかを確認して調整できますから。

「こうしたい!」と強く思っているお客さまに、一週間後など早い段階でプロトタイプを見せ、感心してもらえるのは楽しいですよ。

 ヌーラボも、全部お客さまと接触する形です。プロトタイプを見てもらって反応がいいと、すごく楽しい。他社で「無理かも」と言われた案件を、「こうしたらすぐできます」と提案して、短期間でプロトタイプを作ると「すごい!」と言われたり。そういう時はテンションが上がります!

安達 ミーティング途中の休憩時間に、エンジニアが10分ほどで作ったプロトタイプの動きが、お客さまが望むとおりのものだったことがあって、お客さまは泣いて喜んでくれました。従来のやり方だと、大手のSIerに依頼して、実際に動くものが出てくるのは半年後などということもありますが、われわれであれば数十分でできてしまう。感動的だと。

──「プロトタイプを見せて喜ばれる」というのはうれしいですね。皆さん、そんな体験はよくあるのですか?

 たまに、いや、ちょくちょくある(笑)感じです。

大関 「できる、できない」をお客さまとの打ち合わせの場で判断したり、出てきた要望もその場で電話をかけてプログラマに伝えるなど、スピード感を持って対応すると反応が違いますね。私もプロトタイプを持って行って「すごい!」と言われた経験があります。

直接のフィードバックが、開発の励みになる

──顧客満足のためには、やはりプロトタイピング、それにクイックレスポンスが重要ということでしょうか。

大関 パワポ(PowerPointスライド)じゃなくて、早い段階で動くプロトタイプを見せることが重要ですね。お客さまの反応を見て修正できるし、最終的に作ったものがお客さまの要望から大きくズレていて「これじゃなかった」などと言われる危険性が圧倒的に低い。

お客さまによってはむちゃ振りをしてくる場合もあるかもしれませんが、それも誠意を持って対応すれば、評価は上がってきます。スピードのためには、自分に裁量があることも大事です。社内の許可を取っている間に状況が変わってしまうこともありますから。

安達 ソニックガーデンの場合、例えばお客さまが金融業界の会社であれば、ある程度は金融業界のルールに従います。ただし、決定権を持った人と話をし、「品質や信頼性の担保に意味があるルールなのかどうか」など、本質を見極めてから対応します。

諸橋 お客さまの中でも、ビジネスに対して責任を持っている方とやりとりする方が、話が早いですね。「この機能はやめましょう」とか「いつまでにこれが必要」とか、ビジネスの観点から素早く判断してもらえますから。

──「顧客から直接フィードバックをもらえること」が、最適な仕様に落とし込む意味でも開発側のモチベーション維持の意味でも、重要というところでしょうか。

一同 そうですね。

受託開発で得られる「新しい技術、新しい環境、新しい考え方」

──受託開発には、「顧客から多様性をもらう」という側面もありそうですね。

 ヌーラボは自社サービスも運営していますが、受託開発だとプロジェクトごとにアーキテクチャが違うから、そこがうれしいです。自社サービスだとずっと同じ技術、アーキテクチャをやっていく必要がありますから。

諸橋 新しい技術やアーキテクチャを試してうまくいくとうれしいですね。

 お客さまから、実現が難しい機能を「これもできるでしょ?」と依頼されることがあります。一度は「それは無理です」と答えても、なんとか他の方法を調べて「このやり方ならできます」と提案する。そういうときは楽しいですし、自分のスキルの幅も広がりますよね。

大関 お客さまのサービスの受託開発をする場合などは、自分の会社にはない会員基盤や技術ノウハウの下で大きな仕事ができる楽しさがありますね。スケールの広がる仕事ができる楽しさというか。

安達 私の場合は、「お客さま」というよりも「目的を共有して、一緒にいいものを作るパートナー」という意識を持っています。相手の言うことを単に聞くだけではなく、より良いものを目指して意見や提案を出すことを重視しています。

──皆さんがしているような「楽しい受託開発」は、つまり顧客の顔が見える受託ということだと思うのですが、例えば2次請けの環境でも同じことは可能でしょうか。

諸橋 できると思います。お客さまと話ができる条件で元請けと契約すればです。ただし、調整コストは上がりますし、注意深く進める必要があります。

大関 裁量がないとつらいところもあると思います。

諸橋 どういう受託形態であっても、エンドユーザーの気持ちで成果物を見て評価してくれる人が、1人はいてほしいですね。社内システムの案件など、エンドユーザーの「こんな感じにしたい」というリクエストがあっても、1カ月や2カ月もすれば変わることが多い。システムへの要求は変化するものなので、その変化を把握して、きちんと評価してくださる方がいるといいと思います。

「楽しい受託開発」ができる会社の探し方

──皆さん、顧客と良い関係を築いているわけですが、どんな理由で顧客に選ばれていますか。

大関 ゆめみは、モバイルに強いという理由で選ばれます。

 ヌーラボの場合、自社サービスを見てくれたお客さまから依頼が来ることがあります。

安達 ソニックガーデンの場合も、自社サービスが評価されて発注をいただくケースは多いですね。自社サービスのバージョンアップのスピードに目を留めてもらい、発注につながったこともあります。あとは口コミです。

諸橋 口コミや、わが社の角谷信太郎の講演を聞いて、というケースはありますね。


──開発者の立場で「楽しい受託開発」ができる会社は、どうやって探せばいいのでしょう。

 勉強会やイベントで登壇している人の雰囲気をよく見ることでしょうか。

大関 面接で具体的な質問をすること。私は今の会社の面接で「上司になる人と話をさせてください」と言いました。あとは率直に言うと、所属する会社に左右されない実力を身に付けることが大事なんじゃないかと思います。

諸橋 今は会社の外で自分のプレゼンスを高めやすくなっているので、それを有効活用することが大事だと思います。GitHubでコードを公開したり、社内ブログや技術系のブログを書いたりすると、面白そうな人と知り合える機会が増えると思います。

ものづくりの楽しさ、頼りにされる喜び、両方味わえる受託開発の面白さ

──皆さんの話を聞いていると、とても楽しそうです。皆さんにとって「開発の楽しさの源泉」とは何でしょうか。

安達 自分がつくりたいものがすぐつくれるということ。

諸橋 私の場合、仕事でメインに使っているRubyでの開発が、何より楽しいです。「自分の考えたかっこいいアーキテクチャ」を10分でプロトタイプにして、30分で形にするとか。自分が書いたものが動いて快感を覚える瞬間が、1時間ごとに訪れるというか。

 解決策が分からないときには苦痛もありますが、何カ月も前に書いたプログラムが優秀だったために、後の開発が楽に終わったようなときはうれしいですね。

大関 つくりたいものをつくれることは楽しいです。受託開発で知識を蓄えて、自分が作りたいものもすぐに作れるようになる。作れば誰かの反応がある、それがいい。

私は、「せっかく長い時間をかけてする仕事なんだから、楽しもう」という意識を持つようにしています。デバッグでも仕様の調整でも、楽しむ。テスト工程をつまらないと感じる人もいるかもしれませんが、何をどうテストするか覚えよう、吸収しよう、楽しくやろう、そうしたモチベーションがあれば変わってきます。

──受託開発に関して、一言ずつお願いします。

安達 受託開発というと、夜が遅いとか厳しいというイメージがあるかもしれませんが、ソニックガーデンはメンバーの7人中5人が結婚していて子持ちです。夕方6時ぐらいまでしか仕事をしません。きつくはないですよ。

諸橋 永和システムマネジメントは、ここ数年でなるべくプライムの仕事を取るようにしています。2次請けより責任は増えますしつらさもありますが、楽しいことに違いはありません。受託開発の現場で今後の自分のキャリアに迷いがある人は、「お客さまと話をする」ことを、できる範囲でするといいと思います。

 私個人は、自分には受託開発が合っていると思います。自社サービスではずっと同じものに携わることになるので、いろいろな開発に携われる受託の方が、変化があって面白いです。

大関 受託開発は、いろいろな種類の仕事ができたり、自社サービスではできないことができたりします。時には深夜作業もありますが、お客さまに頼りにしてもらえること、お客さまの声に応えられることが、受託の面白さだと思います。

※企画・制作:@IT自分戦略研究所編集部
※JOB@ITの記事(2013年1月)に再編集を加えて掲載しています。
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