ITエンジニアコラム:きたみりゅうじのエンジニア転職百景

巻ノ二ある日いきなり「子会社へ行け」と言われたら…

はい、やってきました第二回。ところが残念ながら、投稿ネタなどまだ来てません。そんなわけで二回目のネタは知人から引っぱり出してまいりました。
ある日いきなり「子会社へ行け」と言われたら……。さぁアナタならどうします?

明日から、お前の仕事はキャバクラ巡りだ

お好きな人ならたまらんであろうキャバクラや風俗といったお店たち。N村さんは、お役所系の固い仕事ばかりを請け負っていた会社から、そうした風俗産業系のWeb開発ばかりを請け負う子会社へと移籍するよう、ある日突然命じられました。
「おい、なんだよそれ」
いきなりの移籍話にビックリどころか、そんな真逆の業界に行かされるなんてちょっと……というのがN村さんの正直な気持ちです。当然のごとく勇気を振り絞り、聞いてないよ、勘弁してくれよと、社長に直談判しに行ったのでした。
彼が居たのは小さな小さな会社です。
社長の一存で、すべてが決まる会社です。
「社長!」

「いいから黙ってやれ!」

談判に臨んだN村さんを、待っていたのは有無を言わさず恫喝の声のみでした。
……あぁ、なんかどっかで見たことあるような光景だなぁ。
こうしてN村さんは、その会社を見限って、新天地を探す旅に出ることとなります。つまりは転職活動ですね。
求人サイトやメルマガ情報などを頼りに、彼の仕事探しははじまったのでした。

なぜか説教、のちフリーの道へ

「PC使えるんだから、履歴書を手書きなんかしてくんじゃないよ!」
なぜか面接に行った先で、そんな説教を喰らったのが印象的だった転職活動は、「フリーでやっていこう」と決めたことで終わりを迎えます。ぐるぐると何社かまわっているウチに、それが自分には一番合ってるよなぁと思えてきちゃったのです。
さいわいフリーになった一発目に、過去最高となるおいしい仕事を手にすることができたN村さん。その年はびっくりするくらいに儲かったらしいです。
う~ん、うらやましい。
ただ、それが「過去最高」だってんだから、当然その後もオイシイ話が続きましたよ~とくるわけもなく……。

「でも、自分に合った働き方を得られてよかったですよ」

順風満帆でもないけれど、そんな感じで後悔もない。忙しく日々を過ごすN村さんは、そんなふうに自身の体験談を締めくくるのでした。
あ、そうそう。
説教してくれた面接官は、どうも「面接はプレゼンの場なんだから履歴書も万全を期せ」と言いたかったらしいです。
タメになる話かも……と聞き入って帰ってきたN村さんですが、その説教がはたして今に活きてるのか否か。それは定かではありません。

オチの一コマ
本日の一句

自然体。この話を聞いてて思うのは、とにかくその言葉に尽きます。イヤな仕事を我慢するもよし、それを嫌って飛び出すもよし、会社に属すもよし、フリーで生きるもよし。
その人が、色んなプレッシャーがある中で一番自然体でいられるであろう働き方。それを見つけることこそが、本当に価値ある転職活動なのかもなーと、そんな風に思ったのでした。きたみアイコン

著者プロフィール

自画像きたみりゅうじ
もとは企業用システムの設計・開発、おまけに営業をなりわいとするなんでもありなプログラマ。あまりになんでもありでほとほと疲れ果てたので、他社に転職。その会社も半年であっさりつぶれ、移籍先でウィンドウズのパッケージソフト開発に従事するという流浪生活を送る。本業のかたわらウェブ上で連載していた4コマまんがをきっかけとして書籍のイラストや執筆を手がけることとなり、現在はフリーのライター&イラストレーターとして活動中。
遅筆ながらも自身のサイト上にて、4コマまんがは現在も連載中。
http://www.kitajirushi.jp/

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