巻ノ五 いつの間にやらプログラマからSEへ!?
いよいよ投稿ネタをご紹介できる日がやってまいりました! 記念すべき投稿いっぱつ目は、愛知県在住O山さんの、「オレのお金はどこに消えてんだよ~!!!」…なお話です。
私「いちプログラマ」なんですけど
当時、小さなシステム開発会社に在籍していたO山さん。派遣先で「次もぜひ」と乞われたのが嬉しくて、ついつい受けてしまった新しい案件は、「COBOLによる汎用機システムを、JAVAによるWEBシステムへとリプレースする」なんて内容でした。
でもちょっと待って。派遣先のこの会社って、WEB技術者は皆無だったと思うんですけど…。
その心配はズバリ大当たり。
この日を境として、単なる「いちプログラマ」という契約だったはずのO山さんは、気がつけばSE的な作業をも一手に引き受ける、バリバリやり手エンジニアとして、毎日をおわれるようになっていったのです。
「ちょっと待とうよ、オレの給与変わってないよ?」
望まれるスキルはどんどん高度になっていくのに、年収は相も変わらず300万円をきったまま。忙しさもどんどんえげつなくなっていくのに、ボーナスだって年に10万円しか出ないまま。
「オレの残業代どこだよ! 毎日終電になった分のお金はどこに消えてんだよ!」
O山さんの叫びも空しく、客先から出ているはずのお金は、ブラックホールと化した自社のフトコロへと、すべて吸い込まれていくだけなのでした。
我慢の限界だバカヤロー
ある日O山さんは気づきました。なんと自分の給与って、時給いくらいくらでサポート要員として呼ばれている方々の給与よりも少ないのです。なんじゃそりゃ。
どこまで搾取されてんのオレ?
我慢の限界でした。
「有休を取らせていただきます」
そうと決まればモタモタしてる暇はなし。O山さんはそれまで取ったこともなかった有休を取りはじめ、転職活動を開始したのでした。
彼の転職活動は、転職情報サイトの求人情報や、人材紹介会社からの求人紹介をもとに、とにかく会社を回りまくるというスタイルでした。それこそ休日、有休、業務時間外をフルに活用して…と、まったくこんなところもがんばり屋さんな彼なのです。
いっぽうそんなO山さんのことを、自社の上司もうすうす感づきはじめます。そのせいか、「昼飯でもどうだ」「飲みに行こうか」などと、突然接待の雨あられ。もちろん飲みに行った先で聞かされるのは、スバラシイ未来像の数々です。
「今さらそんなもんで揺らいでたまるか!」
めでたく次の会社から内定をもらった日、O山さんは即座に退職届を自社にたたきつけたのでした。
O山さん、最後に有休を消化しきるのも忘れなかったのだとか。スバラシイ。実に爽快な辞め方です。辞め時をしくじってグダグダになった経験を持つ私としては、とてもうらやましいとともに、よかったですねと思う体験談でした。
今の会社では、非常に満足して毎日をおくっているそうです。重ね重ねおめでとうございます。
■著者プロフィール
きたみりゅうじ
もとは企業用システムの設計・開発、おまけに営業をなりわいとするなんでもありなプログラマ。あまりになんでもありでほとほと疲れ果てたので、他社に転職。その会社も半年であっさりつぶれ、移籍先でウィンドウズのパッケージソフト開発に従事するという流浪生活を送る。本業のかたわらウェブ上で連載していた4コマまんがをきっかけとして書籍のイラストや執筆を手がけることとなり、現在はフリーのライター&イラストレーターとして活動中。
遅筆ながらも自身のサイト上にて、4コマまんがは現在も連載中。
http://www.kitajirushi.jp/
■著書紹介
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