ITエンジニアコラム:きたみりゅうじのエンジニア転職百景

著者プロフィール

きたみりゅうじ
もとは企業用システムの設計・開発、おまけに営業をなりわいとするなんでもありなプログラマ。あまりになんでもありでほとほと疲れ果てたので、他社に転職。その会社も半年であっさりつぶれ、移籍先でウィンドウズのパッケージソフト開発に従事するという流浪生活を送る。本業のかたわらウェブ上で連載していた4コマまんがをきっかけとして書籍のイラストや執筆を手がけることとなり、現在はフリーのライター&イラストレーターとして活動中。
遅筆ながらも自身のサイト上にて、4コマまんがは現在も連載中。
http://www.kitajirushi.jp/

著書紹介

キタミ式イラストIT塾
「ITパスポート試験」 平成22年度


出版社:技術評論社
定価:¥2,079(税込)
http://www.amazon.co.jp/dp/4774142026


★このコーナーが本になりました!
SE・エンジニアの
本当にあった怖い転職話


出版社: 毎日コミュニケーションズ
定価:1,470円(税込)
 

九州地方のとある県出身なU田さん。
東京で某大手企業に就職を決め、待遇面良好、周囲との仲も良好と、充実した毎日を送っていました。
でも、東京は過剰に忙しすぎるのです。
張り詰めた空気の中で仕事をしながら、胸に芽生えるのは故郷への思い。
その末に待つ選択やいかに。
そんな今回の体験談です。

慣れない関東生活と残業暮らし

地方出身者であるU田さんには、ただでさえ慣れない関東生活です。毎月100時間前後におよぶ残業暮らしは、そんな彼にとって、肉体的にかなり大きな負担でした。ちなみに、残業100時間のうち、支給される手当はおよそ4割程度。あとはすべてサービス残業です。
手がけるシステムはミッションクリティカルなもので、人員・納期にも余裕のない状態。フロアに怒号が飛び交う光景も珍しくはありません。ピリピリと張り詰めた空気の中、精神的な疾患を訴えて休職する社員も多くおり、U田さん自身も「例に漏れない」という自覚がありました。彼もまた、強くプレッシャーを感じながら過ごす毎日だったのです。
「将来的には、ここで積んだスキルを使って故郷に貢献したいと思うんだけど、それは現職では難しいのではないか」
「IT知識、プロジェクトマネジメント力、ハードワークに対する耐性、業務改善手法など、この職場で学ぶ様々なことは、同業種に限らず、幅広い分野で価値を提供できるはず」
「COBOL主体のエンジニアリングで、この先どこまで付加価値を伸ばしていけるのか」
就職して2年目に入った頃、彼はそんなことを思いました。
U田さんが従事していた金融機関向けのシステムは、日中はシステムを止めることができません。したがって、接続テストなど本番環境を用いる試験は、夜に作業するのが普通でした。
ある日、いつものように深夜作業をして、帰りのタクシーを拾い、夜の首都高をかっ飛ばしてもらっていた時のこと。運転手さんと、こんな会話になりました。
「出身はどちら?」「九州です」
「ご兄弟は?」「いや、ひとりっ子で」
「え、じゃあいつかは帰るんですか!?」
窓の外は、深夜にもかかわらずたくさんの明かりが灯り、あっ……という間に後方へと流れていきます。
「ああ、そうだいつかは帰らなきゃ」
この時、U田さんは強くそう思ったそうです。

勉強、勉強、勉強、勉強……

「地元に戻り、地元の人のお役に立てる仕事に就きたい」
いよいよそう決意したU田さん。しかし人材紹介会社などでコンサルタントから聞く言葉は、冷たいものばかりでした。
「U田さんの地元で、今のキャリアを生かすのは非常に厳しいと思われます」
けれども、「地方には、公務員を除くと安定した職場はあまりない」と思っていたU田さんにとって、意外な話でもありませんでした。
「学生時代から公務員試験のことは知っていましたし、県庁は28歳まで受験可能だったので、それじゃいっちょやってみようかと」
この年の6月。U田さんは、とりあえずお試しにと2カ月だけ勉強して、筆記試験を受けてみました。結果は不合格。でも、400人中90位という順位でした。
「実は合格ラインは30位あたりと言われているんです。2カ月やっただけでこれならば、本気でやったらいけるんじゃないかと逆に自信がつきました」
それからの彼は、毎日行き帰りの電車で六法全書を広げ、慣れない法律などの勉強を深夜2時過ぎまで続けたそうです。どれだけ仕事がキツくても、その生活をやり遂げました。
そして翌年の6月。見事に400人中6位という成績を収めたU田さんは、その後の面接もクリアして、無事合格を果たすことができたのです。
「がっかりさせると申し訳ないので、合格するまで受験のことは親にも一切内緒にしていました。合格を打ち明けたら、今年95歳になるばあちゃんが、家族のなかでも特に大喜びしてくれて、それが自分もうれしかったです」
こうして、U田さんは3年間勤めた職場を後にして、故郷の県庁職員になりました。
それから1年半。畑違いではありながらも、前職で培ったスキル、そしてハードワークのなかで試験を突破したんだという自信を胸に、満足の行く生活を今は送っているそうです。

オチの一コマ

本日の一句

そうそう、自分で「これは本当にしんどかった」と思う経験って、それを乗り越えたこと自体が自信につながったりするんですよね。「あの時に比べれば、こんなの全然しんどくないや」とかいって。
しかし、そんな分かった風なことを言ってみせても、私の場合は単にデスマーチプロジェクトで右往左往してただけ。それに引き替え、しっかり計画的に受験を乗り越えてみせたU田さんは、なんとスマートであることか。
見習いたい! その計画性を見習いたい!
そう強く思った体験談でした。きたみアイコン

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