
エビデンスの意味とは? 使い方や例文、日本語への言い換え
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イラスト:山口カエ
【エビデンス】を要約すると……
- エビデンスとは、「証拠」「形跡」「根拠」「裏付け」という意味
- エビデンスにあたる客観的事実は、説得力のある提案や主張に欠かせない
- ビジネスシーンや業界により、エビデンスの意味・使い方が異なる
会議などで、「エビデンスはあるの?」「エビデンスを取ってきてください」などと言われたことはありませんか? ビジネスシーンで広く使われる「エビデンス」という言葉ですが、「何となく使っているけど、正しい使い方なのか分からない」「ファクトやソースなど、似たようなビジネス用語との意味の違いはよく知らない」という方もいるかもしれません。この記事を参考に、正しい意味や用法、使い分け方などを学んでくださいね。
INDEX
そもそも「エビデンス」の意味とは?
あらゆる業界やビジネスシーンで多用される「エビデンス」。まずは、もともとの英単語の意味や、似たような意味合いの用語との違い、使い分けについて説明します。
英語の「evidence」意味は、証拠・根拠・形跡など
もともとの英語「evidence」には、事実・真実であることを明らかにするための「証拠」や、意見や提案の際に必要な「根拠」や「裏付け」、あるいは推測や判断の元になる「形跡」といった意味があります。
ビジネスシーンでも英語同様の意味で使われ、提案や主張をする際、エビデンスは欠かせません。なぜならエビデンスは多くの場合「客観的事実」であり、信頼性と説得力をもたらすからです。
しかし、ビジネスシーンや業界によっては、使い方やニュアンスが異なります。以下ではまず、一般的なビジネスシーンでの使い方や意味について見ていきます。

今更聞きづらい!
「タスク」はビジネスと
日常使いで意味が違う?

「コンプライアンス」、「CSR」…
混同されがちな
意味の違い分かる?

「エビデンス」とは?
ファクト、ソースの
違い分かる?
シーン別「エビデンス」の使い方や例文、日本語への言い換え
商談で、資料で、データ上で…… 多岐にわたるビジネスシーンにおいて、議論や提案、主張をする際にエビデンスは重要です。ただ、シーンによって、エビデンスの意味や使い方、ニュアンスが異なってくるので要注意。
また、「商談のエビデンスは残しているのか」「この資料のエビデンスは?」「データから●●%増というエビデンスが見られます」などさまざまな使い方がありますが、日本語で言えばどのような言葉になるのでしょうか?
例文ごとに紹介していきますので、参考にしてくださいね。
商談やミーティングにおけるエビデンスは、残しておくべき「証拠」「形跡」
商談やミーティングで「エビデンスを残す」「エビデンスを取る」といったように使用される際のエビデンスとは、契約書や議事録など、形に残る証拠や形跡のことを指します。
後々、「結論どうなったんだっけ?」となってしまったり「言った言わない」問題に発展したりすることがないよう、しっかり記録をし、見える形で証拠・形跡を残しておくことが大切です。
商談で決まった内容はドキュメントや契約書に落とし込み、取引先や社内メンバーと共有する。ミーティングの際には議事録を取り、参加者にメールで送信する。このように、「エビデンス」という名の証拠・形跡を残したうえで、当事者・参加者の間で共有し承諾を得ることで、ビジネスをスムーズに進めることができますよね。
つまり、この例文を日本語で分かりやすく言うと、以下のとおりになります。
- 例文:「商談では、しっかりとエビデンスを取ってくるように」
- 日本語で言うと:「商談では、話した・合意した内容を証拠として残すため、記録をとること」
資料におけるエビデンスは、内容の「根拠」「裏付け」
自分で作った資料に対し、「この資料のエビデンスは?」と聞かれた場合には、どうでしょうか。この「エビデンス」を分かりやすく日本語にすると、何になるのでしょうか?
この場合、資料に書かれている内容の信ぴょう性や説得力を担保するための実績や事例といった「根拠・裏付け」を意味します。ビジネスの提案資料や企画案を出す際などに、客観的な根拠や裏付けもなく「これをやったら良いと思います」では、通用しづらいですよね。しっかりリサーチをし、現状や課題を明示することはもちろん、実績や事例をもとに説得力のあるエビデンスを集めたいところです。
- 例文:「この資料のエビデンスは?」
- 日本語で言うと:「この資料に書かれている内容の、根拠・裏付けは何?」
データにおけるエビデンスは、そこから導き出せる数値的な「根拠」
売り上げやビジネスの伸び率などを話す際、「データからXX%増というエビデンスが出ています」などと言う場合には、データ自体をエビデンス(根拠)として言及しています。
「販売企画Aを実施した結果、前シーズンの売り上げはXX%増というエビデンスが出ています」という説明は、「販売企画A」を今後も推し進めるためのエビデンスを説明しています。成長率などの数字・データ的な根拠がエビデンスとして使われることが多いでしょう。
- 例文:「データからXX%増というエビデンスが出ているため、プランAを続けます」
- 日本語で言うと:「データから見られるXX%増は成果が出ている根拠と言えるため、プランAを続けます」
「ファクト」「ソース」「プルーフ」…… 似た用語との意味の違いは?使い分けはどうする?
「エビデンス」と似たような会話や文章、文脈において、「ファクト」や「ソース」「プルーフ」といった用語もよく使われます。エビデンスとは意味や使い方がどう異なるのか、間違いが起きないよう、その違いを理解しましょう。
ファクト(Fact)
ファクト(Fact)とは、「事実」や「現実」、「本当にあったこと」を意味します。「ファクトがあるのかどうか」と聞かれた場合と「エビデンスがあるのかどうか」と聞かれた場合、意味合いが似て聞こえるかもしれませんが、似て非なるものです。きちんとしたファクト(事実)がある場合には、そのファクト自体をエビデンス(根拠)として用いることができます。「ファクトは、エビデンスとして使用することができるもの」と覚えておくと良いでしょう。
ソース(Source)
ソース(Source)には、「源」「根源」「情報源」といった意味があります。エビデンスとして提示した内容に対して、「ソースはあるの?」と聞かれた場合、もとになる情報源を答えるようにしましょう。
プルーフ(Proof)
プルーフ(Proof)は、「証拠」「証明」を意味します。エビデンスと一番似た意味になりますが、強いて言うならエビデンスよりも意味する範囲が狭く、「明確な証拠」「身分を証明するもの」といった文脈で使われます。エビデンスのように「根拠」や「裏付け」といった意味はないため、ビジネスシーンで使われることも比較的少ないでしょう。

今更聞きづらい!
「タスク」はビジネスと
日常使いで意味が違う?

「コンプライアンス」、「CSR」…
混同されがちな
意味の違い分かる?

「エビデンス」とは?
ファクト、ソースの
違い分かる?
IT、医療、金融・不動産、それぞれの業界における使い方とは?
幅広い業界で使用される「エビデンス」ですが、業界によって意味合いや使い方が異なります。以下3つの業界を見ていきましょう。
IT業界における「エビデンス」の主な意味・使い方
IT業界で、より多く「エビデンス」が使われるのは、システム開発などの場面。開発の工程で、システムの正常な動作を確認する際や、エラー発生の状況確認の際などに、確認するためのエビデンス(証拠)が必要になります。
一般的に、このような場面で求められるエビデンスはスクリーンショットやレコーディング、ログデータやコード、データファイルなどです。
医療業界における「エビデンス」の主な意味・使い方
医療業界でも同様に、新たな治療法や薬を開発する際、開発工程における医学的根拠をエビデンスと呼びます。研究や治験を行い、症例に対して有効であると判断できる裏付けが取れた場合、これをエビデンス(証拠・根拠)として開発が進められます。
「エビデンスレベル」という言葉も用いられます。エビデンスレベルとは、研究中の治療において効果を推定した際のエビデンス(証拠・根拠)が、どの程度十分であるかを示す指標とされています。
金融・不動産業界における「エビデンス」の主な意味・使い方
一方金融・不動産業界では、「証拠」よりも「証明」の意味で使われることが多いと言えます。金融資産(預貯金、保険や株式など)や、所得の証明書類(源泉徴収票、確定申告書など)、身分証明書といったものをエビデンスと呼び、金融取引や不動産売買・賃貸、などの審査の際に必要となります。
【まとめ】幅広いシーンで使われるからこそ、正しく覚えて使いたい「エビデンス」
ここまで、ビジネスシーンにおけるエビデンスの使い方を解説してきました。いかがでしたか?「ファクト」「ソース」や「プルーフ」といった、一見似た用語との使い分けや、異なる業界における意味・用法の違いなどについて、理解できたでしょうか? 本記事を参考に、ぜひ正しく使ってくださいね。
マイナビ転職 編集部
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