「就活をやり直したい」と思っている人は5割以上、新卒新入社員・入社1カ月調査
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大型連休が過ぎ、梅雨のシーズンが到来。この時期、新しい環境に慣れず心身共に不調が出てしまう、いわゆる「5月病」は有名ですが、最近ではその翌月になってもなかなか鬱々とした日々を脱することができない「6月病」に悩む人も多いと言います。こうしたタイミングでよく話題に上るのが「新社会人の辞職問題」。社会に出て数カ月しか経っていないけれど「もう会社を辞めたい……」という人は毎年少なからずいるようです。
今回は、今年社会人デビューした新社会人の皆さんにマイナビ転職が独自の調査を実施。実際のところ仕事を辞めたい・転職したいと思っている人はどれくらいいるのか、社会人生活1カ月を経てどのような心境の変化があったのか、気になる実態を調べました。
※調査対象は2019年4月に新卒で入社した新社会人、22歳~23歳の男女800人。WEB調査で2019年5月7日~5月8日までに行ったアンケート調査を基にしています。
「想像以上!」「こんなはずでは……」就職した会社への印象は良くなった? 悪くなった?
まず見ていきたいのが会社への印象に関する調査。誰しも新しく入る会社には希望を抱いて入社するものですが、会社の実態はやはり入ってからでないと分からないもの。入社した後「思っていたよりも面白い」という人もいれば、「こんなはずでは……」という人もいるはずです。
そこで「この春社会人になって、就職した会社のイメージは変わりましたか?」という設問を用意。その結果、会社のイメージが「良い方向に変わった」という人は28.9%、一方で「悪い方向に変わった」と答えた人は12.4%でした。約1/3の人が「良い方向に変わった」と回答しているのはうれしい結果ですね!
[ 就職した会社の印象変化 ]
ここで回答者の生の声をいくつかご紹介します。例えば「良い方向に変わった」という人の中には、
「不安な部分もしっかり周りの先輩や同じチームのリーダーがサポートしてくたり、研修がしっかりしてるので助かる! 職場の雰囲気もチームによるとは思うが和気あいあいとして良かった!」
「大きい会社なので、あまり一人ひとりには気を配ってもらえないかなと思ったけれど、すごく気に掛けてもらえている。」
といった声が届いています。特に、周りの先輩社員のサポートが、会社の印象を良くしている人が多いようでした。
一方、「悪い方向に変わった」という人からは、
「人が足りておらず、効率が悪い。就職活動中に聞いていた話と悪い意味で異なる点が多い。」
「人が足りない部門に回されるので、残業が多く、研修担当の先輩社員が不在なことが多い。」
と、事前に聞いていた様子とは違うことに戸惑う人が多い模様。特に人手不足や残業の多さを嘆いている人が多い印象です。
ところで、ここで興味深い結果が出ています。今回のアンケートでは「もしも、もう一度、学生時代に戻れるならば、就活をやり直したいと思いますか?」という設問も用意していました。その結果「強く思う」「思う」「少しだけ思う」と回答した人は52.9%。全体の半分以上が就活に“未練”があるという結果に。
[ 就活やり直し意向 ]
また、「強く思う」とやり直し意向が非常に強かった人の48.1%、約半分が先ほどの会社への印象に関する質問で「会社の印象が悪い方向に変わった」と回答していました。自分が思い描いていた会社の理想像がガラガラと崩れてしまった人の中には「学生時代にきちんと就活と向き合えていたら……」と後悔してしまっている人も多いのかもしれません。
[ 就職した会社の印象変化 (就活やり直し意向別) ]
「10年以内に転職」が47%! 転職意向の理由ナンバーワンは……
続いては新社会人の転職意向についての調査を見ていきましょう。社会人になってほんの少ししか経っていませんが、その会社でずっと働き続ける未来は描けているのでしょうか。
「あなたは、今の会社で何年ぐらい働くと思いますか?」という調査の結果をご紹介します。この設問では、「10年以内に転職したい」と回答した人は全体の約47%。中でも多かったのが、「3年ぐらい」の13.3%、「5年ぐらい」の11.8%でした。3年や5年といった期間を節目として自分のキャリア形成を考えている人が多いようです。ちなみに「1年未満」も4.0%、「1年ぐらい」も2.4%という結果に。
[ 今の会社で働く予定年数 ]
一方「定年まで働きたい」と回答した人は全体の21.8%となりました。一昔前では終身雇用が当たり前でしたが、今では「最初に入社した会社に勤め続ける」という思考は無くなってきているのかもしれません。
また、ここで見ておきたいのが「いずれは転職したい」と思う理由です。「今の会社で、ずっと(長く)働きたいと思わない理由を教えてください」という質問に対し、最も多かった回答が「ライフステージに合わせて働き方を変えたいから(結婚・出産など)」の44.4%でした。これは女性の回答者の60.8%がそのように答えており、男性も21.7%と決して低い数値ではありませんでした。
[ 今の会社で長く働き続けたいと思わない理由 ]
女性にとって出産や結婚は大きくライフステージが変わるタイミングの一つ。また男性にとっても、最近では移住をしてライフスタイルを変えたいといった人も珍しくはありません。生き方と働き方を常にリンクさせながら、柔軟に仕事のスタイルを選んでいきたいと考える人は多いようです。
対人関係の悩みを抱える人は約3割。コミュニティ重視の傾向強く
続いては新しい環境での「対人関係」についての調査です。職場では仕事の内容や給料は仕事のモチベーションに直結する要素ですが、対人関係も同様です。まず「今の会社での『対人関係』について、何か不安や悩みはありますか?」という質問に対し、あると回答した人は全体の31.9%に上るという結果が出ました。約1/3の人が対人関係に関する何かしらの悩みを抱えているということが、この調査から分かります。
[ 会社での対人関係の悩み有無 ]
しかし「対人関係」と言っても、悩みはさまざまです。その具体的な内容について、特に多かったのが「苦手な人がいる」の40.0%。また、先の「就活のやり直し意向」の設問で、意向が強かった人の40.5%が「仲が良い(または気軽に話せる)同僚がいない」、35.1%が「雰囲気が良くない/話し掛けにくい」、32.4%が「社風・文化が自分の性格に合わない(考えや、ノリ・テンションが合わないなど)」と回答。就活のやり直しを強く望んでいる人は、職場のコミュニティに関する悩みを多く抱えていることが分かりました。
[ 会社での対人関係の悩み ]
給料や仕事内容と同様に、もしくはそれ以上にコミュニティを重視する人は少なくないようです。苦手な人がいるかどうかは就活時に気づかないかもしれませんが、同年代が多いか、先輩社員と話が合うかなどは、会社を選ぶ際の基準にしても良いかもしれませんね。また、企業側は、少しでも長く働いてもらうために、人間関係の環境整備に力を入れると良いのではないでしょうか。
マイナビ転職 編集部
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【調査概要】マイナビ転職『2019年新入社員1カ月後の意識調査』
調査期間:2019年5月7日~5月8日
調査方法:2019年卒の新入社員を対象にWEB調査を実施
有効回答数:800名(内訳:22歳~23歳の男性400名、女性400名)
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【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社マイナビ
転職情報事業本部 サイト戦略広報部 ブランド推進課
Email:mt-brand@mynavi.jp
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