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退職届の「一身上の都合」ってどんな都合? その言葉に隠された意味と使い方

一身上の都合と書かれた退職届

退職理由で定型句として使われている「一身上の都合」。普段の会話ではあまり耳にしない言葉ですが、退職届にはほとんどが「そう書くものだから」と、特に深く考えることなく用いているのではないでしょうか。

そこで今回は「一身上の都合」に隠された意味や退職の際の正しい使い方、その言葉にまつわる小話などをご紹介します。

「一身上の都合」ってどういう意味?

「一身上」とは、「自分の身の上に関する事柄(ことがら)」のこと(※)。「身の上の事柄」という意味の「身上」に、「一」が付くことで「自分の」という意味になるようです。言い換えれば、個人的な事情や、家庭の事情というところです。
※『三省堂国語辞典 第七版』(発行:三省堂)より引用

退職理由に「一身上の都合」が使えるのはどんな時?

退職理由を「一身上の都合」とすると、「自己都合」での退職という意味になります。例えばやりたい仕事への転職、起業、介護、結婚、配偶者の転勤について行くなど……、会社とは関係なく個人的な事情によって退職する場合、すべて退職理由として「一身上の都合」が使えます。

反対に、「一身上の都合」が使えないのは「会社都合」による退職の時です。会社の倒産や解雇された場合に「会社都合」となるのは周知のとおりかと思いますが、そのほかにも事業所の移転により通勤困難となって退職した場合や、一定の基準を超える長時間の時間外労働により退職した場合、ハラスメントが原因で退職した場合なども、「会社都合」に該当することがあります。

退職理由が「自己都合」か「会社都合」かによって、雇用保険の失業給付金の受給開始日や給付期間などが異なりますので、安易に「一身上の都合(自己都合)」とせず、退職の理由が少しでも会社にある場合は、ハローワークのホームページなどで一度調べてみると良いでしょう。

ちなみに、調べた結果「会社都合」になり得ると思ったならば、会社に掛け合って調整するか、調整できなかった場合でもハローワークで異議を申し立てることができます。

退職理由は「一身上の都合」と言うだけでOK!?

退職を申し出る際に退職理由をどう伝えようか悩む人も多いかと思います。しかし、実は法律上、退職理由を詳細に伝える義務はありません。

「自己都合」か「会社都合」なのかは、先に述べた雇用保険の手続きなどにかかわってきますので、会社と個人の間ではっきりさせておく必要がありますが、自己都合退職の場合は会社からどんなにしつこく理由を聞かれても、言いたくなければ「一身上の都合」以上の回答はしなくて良いのです。

ただし、円満退職を実現するうえで、詳細な退職理由を言った方が良い場合もあるということは心に留めておきましょう。

では、ホンネもタテマエも言わず、「一身上の都合」とだけ伝えるのはどういった場合が多いのでしょうか?

おそらく、その言葉の裏には「本当の理由を言いたくないから、察してほしい」や、「一身上の都合と言うことによって自己主張を免れたい」「会社に非はないことを伝えて円満退職したい」などの気持ちがあるのではと推測されます。

会社によっては、退職届には詳細な理由を書かず、「一身上の都合」と書くのがマナーとする考え方もあるようです。反対に、「一身上の都合」以外の理由を書いてほしいと言われる場合もあるかもしれません。

最終的にどうするかは個人の自由ですが、ホンネとタテマエと「一身上の都合」を状況により使い分けることが円満退職への近道と言えるでしょう。

江戸時代に使われていた「一身上の都合」

ところで、江戸時代にも「一身上の都合」に相当する言葉が使われていたことをご存知でしょうか?

何に使われていたかというと、それは「三行半」――江戸時代の離婚届です。現代でも「三行半を突きつける」なんて言いますよね。離婚の時だけでなく、退職の意思を示すことを「会社に三行半を突きつける」と言うこともあります。別れの際の文書ということで、退職届も「三行半」と言うようになったのでしょうか。

江戸時代の「三行半」は夫から妻に向けて書かれており、内容は主に「離婚理由」「離婚するという宣言」「再婚許可」の3点から成っています。

この「離婚理由」にあたる部分では、「我等勝手ニ付(我ら勝手につき)」や「不相応ニ而(不相応にて)」などと、具体的な理由には踏み込まずに当たり障りのない文言が多く用いられてきました。これが、現在の「一身上の都合」に相当するものです。

当時、このように当たり障りのない理由が多く書かれた背景には、夫婦や両家の名に傷を付けないよう円満に離婚しようとしたことや、別れた妻が再婚しやすいようにといった配慮があったようです。

現代の「一身上の都合」で円満退職を実現しようとする思いと通じるものがありますね。
※参考文献『泣いて笑って三くだり半 女と男の縁切り作法』(著者:高木侃 発行:教育出版)

LINEやSNSでも!

このように、意外に古い歴史と変遷を持つ「一身上の都合」。最近では、SNSでも詳細な理由を省略したい時などに、「一身上の都合により休みます」や「一身上の都合により変更しました」といった形で使われるのを見かけるようにもなりました。

◎編集・ライティング/株式会社スペースシップ

マイナビ転職 編集部

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