ポートフォリオの作り方で差がつく! 必須項目と格上げテクニックとは
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クリエイターの転職活動には欠かせないポートフォリオ。ただ作品(成果物)を並べるのではなく、見せる相手に合わせて作ることが大切です。基本的な作り方はもちろん、ライバルに差がつく魅力的なポートフォリオに仕上げるコツ、面接でのプレゼン・アピール方法についても紹介します。
<INDEX>
- ポートフォリオとは?
- 合否も左右!? クリエイターの転職にポートフォリオが必要な理由
- ポートフォリオは紙・Webどちらで作るのがベスト?
- 転職活動でライバルに差をつける! 魅力的なポートフォリオの作り方
- <基礎編>ポートフォリオに必ず入れたい必須項目3つ
- <応用編>ポートフォリオを格上げさせるテクニック7つ
- ポートフォリオを作るうえでの注意点
- 職種別! ポートフォリオの作り方のコツ
- ポートフォリオ作成ツールもうまく活用しよう!
- 面接でポートフォリオをどうアピールする?
- 面接での失敗あるある。どう対処すればいい?
- まとめ
ポートフォリオとは?
ポートフォリオ(portfolio)という言葉(英語・イタリア語が語源)は、もともとは「紙ばさみ」や「折りかばん」「書類を運ぶケース」を表すものとして、日本に入ってきた言葉です。
ポートフォリオは業界によって、意味が異なる
ポートフォリオという言葉は、使われる業界によって意味が異なり、大きく3つに分けられます。
<金融・投資系>
投資家が保有している金融商品の一覧を表す言葉。主には分散投資を目的とした金融資産の組み合わせをまとめたものをポートフォリオと呼び、金融取引の一つの指標になっています。
<教育系>
教育機関が、担当する生徒の成長の記録をまとめたもの。試験などの成績、日々のレポートや成果物、学校生活のなかで撮影された写真や動画などが、ポートフォリオとして記録されます。
<クリエイター系>
クリエイターの成果物をまとめた作品集のことを指す場合が多いです。いわばクリエイターの作品の履歴書。応募書類の一つとして提出するだけでなく、面接でポートフォリオをうまくプレゼンすることで、制作に臨む姿勢やその方向性、品質の高さなどを伝えることができます。
この記事では転職活動などで使う「クリエイター系」のポートフォリオについて解説していきます。
合否も左右!? クリエイターの転職にポートフォリオが必要な理由

グラフィックデザイナーやWebデザイナー、フォトグラファーなどクリエイターの転職に欠かせないポートフォリオ。ポートフォリオをとおして、「自分がどんな作品を作る(撮る)のか」「どんな世界観やスタイル、思いを持っているのか」など、相手に自分の作品や実績を知ってもらうことができます。クリエイターにとっては、履歴書の一部であり名刺代わりとも言えるとても重要なツールです。
実際に、クリエイターの転職活動では、ポートフォリオの内容によって合否が左右されることも。自分の作品を伝えたい相手やシーンに合った見せ方で、魅力的なポートフォリオを準備しましょう。
その際気を付けたいのが、“自己満足な作品集”にならないようにすること。ポートフォリオはあくまでも自分の強みやスキルをアピールし、相手の心を動かすためのものです。相手の目線を意識して見やすく・分かりやすく、受け手に響くような作りを心掛けましょう。
ポートフォリオは紙・Webどちらで作るのがベスト?
ポートフォリオを作る際、紙かWebどちらで作成するべきか迷う人も多いのではないでしょうか。ポートフォリオを見せるシーンや用途によって使い分けるべきですが、デジタルでのやりとりが基本になった今、Webでのポートフォリオが主流になってきています。また、ポートフォリオを紙で作る場合も、メールなどで送ることができるようPDF化しておくことが必要です。
●Webのポートフォリオのメリット・デメリット
<メリット>
- URLを送るだけで、簡単に自分の作品を見てもらうことができる
(場合によっては、SNSを使って海外に発信するなど不特定多数へのアピールも可能) - サイトの作り込みによって、自分の世界観やスタイルを表現しやすい
- 印刷の手間がない
<デメリット>
- サイトを作成するのにWebの知識が必要になる
- サーバー代などサイト作成・維持のコストがかかることがある
●紙のポートフォリオのメリット・デメリット
<メリット>
- 作品に合ったサイズや質感の紙に印刷することで、作品のインパクトや細部が伝わりやすい
- 相手によって見せたい作品の取捨選択が簡単にできる
- デジタルが苦手な人にもアピールしやすい
<デメリット>
- 印刷や郵送などの手間・コストがかかる
- 作品を見せられる相手が限られる
- 持ち運びが大変
WebデザイナーやUI/UXデザイナーなどWebが業務フィールドとなる職種では、Webのポートフォリオを作っておくことがマストです。そういったWeb系クリエイターの転職活動では、ポートフォリオに載せる作品だけでなく、ポートフォリオサイトの質や作り自体が評価の対象になることも多々あるということを念頭に置き、オリジナリティのあるポートフォリオサイトを作りましょう。
一方、面接時に紙のポートフォリオがあったほうが印象アップできる職種は、DTPデザイナーやグラフィックデザイナー、フォトグラファーなど。ただし、紙に作品が印刷してあればどんなものでもOKというわけではありません。紙のポートフォリオを準備する場合は、紙の質や作品の色味などWeb以上に細部にこだわって表現する必要があります。ポスターや写真集など過去に紙で作成した作品がある場合は、それを持参するのも良いでしょう。
転職活動でライバルに差をつける! 魅力的なポートフォリオの作り方

ポートフォリオがクリエイターの転職に欠かせないことが分かったところで、受け手に響く魅力的なポートフォリオがどんなものなのか、実際に作り方とポイントを見ていきましょう!
<基礎編>ポートフォリオに必ず入れたい必須項目3つ
どんな職種のクリエイターの場合も、ポートフォリオに必ず入れたいのが「目次」「自己紹介」「作品紹介」です。
●目次
目次を付けることで、ポートフォリオの中にどんな情報が盛り込まれているのかが一目で分かるようにします。面接など選考の段階では、相手が初めからあなたの作品に興味を持って隅から隅までていねいに見てくれるとは限りません。まずは目次でポートフォリオ全体の概要を伝え、興味を持って読み進めてもらうきっかけを作ることが大切です。
●自己紹介
自己紹介には次のような情報を載せましょう。
- 名前
フルネームで、読み仮名も併記 - 生年月日・顔写真
顔写真があると印象に残りやすい - 職務経歴
インパクトのある経験や影響を受けた経験など - スキルセット・資格
できることや保有資格(クリエイティブ系以外も列記することを推奨) - 使用可能ツール
Illustrator、Photoshopなど職種に応じて記載 - 強みと自己PR
記載すると印象に残りやすい - 趣味や特技
人となりが伝わる - 連絡先やSNS
InstagramやPinterestなど作品用アカウントがあれば記載
ポートフォリオ内に自己紹介を入れることで、クリエイターとしての個性や人柄を表現することができます。経歴やスキルセットなどは、職務経歴書ほど詳細な情報を記載する必要はありませんが、自己PRにつながる強みはぜひ入れておきたいところ。
例えば、「こんなテイストのイラストが描ける」「Webデザイナーだがコーディングもできる」「紙とWebどちらも対応が可能」など、作品紹介に入りきらない情報は積極的に盛り込みましょう。
また、最近ではInstagramやPinterest、YouTubeなどのSNSで作品を発信しているクリエイターも増えています。そういった作品アカウントを持っていてアピールになる場合は、記載しておくと良いでしょう(ただし、選考にかかわらないプライベート情報などを載せたアカウントは不要)。
●作品紹介
ポートフォリオの要になる作品紹介。作品をただ羅列するのではなく、「誰に向けて」「どんな作品をメインにアピールするか」の構成を考えたうえで、見せ方を工夫しましょう。
例えば、自身の個性を優先的にアピールすべきか、入社を希望する企業の事業・クリエイティブに合った作品を前面に出すべきか、応募企業ごとに作品の順番を変えるなどの戦略も必要です。
作品紹介は、ジャンルやプロジェクトごとにまとめ、それぞれ次のような内容を簡潔に分かりやすく記載すると良いでしょう。
- 作品画像
高画質で見やすい画像を - 作品概要
作品タイトル、プロジェクト名、役割など - 作品の見どころ
コンセプトやターゲットなど作品の裏側やストーリーが見えると◎ - 作品制作時の注力ポイントやエピソード
独自のこだわりのポイントや視点、思いを記載 - 作品の成果 どのような効果があったか、具体的な数字を用いると説得力UP
<応用編>ポートフォリオを格上げさせるテクニック7つ
ポートフォリオに必須な3項目を網羅したら、更に魅力的なポートフォリオにするため内容をブラッシュアップしていきましょう。
●全体のバランスを含め細かい配置に気を配る
ポートフォリオをパッと見た時の第一印象はとても大切です。クリエイティブな業務をなりわいにしているにもかかわらず、画像の配置がバラバラ、フォントが統一されていない、文字が読みにくいなど、トンマナが整っていないポートフォリオを見た相手はどう思うでしょうか。
「ポートフォリオの作りが雑だから作品を見る気にならない……」「クリエイターとしての基礎やセンスは大丈夫……?」と、どんなにすてきな作品を掲載していても、全体が雑なポートフォリオのせいで、印象が悪くなってしまっては台無しです。
「ポートフォリオも自分の作品の一部」と考え、全体のトンマナやデザイン性にはこだわりを持って作成しましょう。
●見る人の目線を意識する
ポートフォリオは作品集ではなく、自己アピールのツール。だからこそ、自己満足ではなく「見る人の目線」を意識しましょう。興味を引くような目次を付けてみる、アピール度によって作品の見え方に緩急をつけてみる、作品説明などは文字の大小をつけどんな作品かを分かりやすくするなど、見る人の立場に立った工夫ができると、飽きずに最後までポートフォリオを見てもらえる可能性が高まります。
また、相手目線で見やすく作られたポートフォリオは、「ユーザー目線に立った仕事をしてくれそう」という好印象も与えることができます。
●ターゲット(応募先企業)によって内容を変える
転職活動にポートフォリオを使う場合は、応募先の企業によって内容を変えられるとベストです。
例えば、ファッションや飲食など特定の商品を扱う企業への面接では、それらに関連する商材を扱った作品をメインに配置する、Web系やゲーム系などスキルセットが重視される企業に対しては、応募先で必要とされる技術により近いクリエイティブの作品をアピールする、など。
また、応募先の企業で担当したい業務など明確なビジョンや方向性がある場合は、ポートフォリオ内でもそれらを示せるとアピールになるだけでなく、転職後のミスマッチを減らすことができるでしょう。
●作品はジャンル分けして紹介する
ポートフォリオで紹介する作品は、ジャンル別に分類して掲載しましょう。
例えば、「ポスター」「サイネージ」「交通広告」「テレビ広告」「冊子」「Web」など媒体ごとの分け方でもいいですし、「グラフィックデザイン」「イラストレーション」「エディトリアルデザイン」といった大きなくくりで分けてもOKです。
自分の作品の幅や種類に合わせて分類する項目を決めましょう。作品のジャンルを分けることで、ポートフォリオの見やすさをアップできるだけでなく、企業側に「採用したらこの仕事のこの分野で活躍してくれそう」と具体的な業務イメージを持ってもらいやすくなります。
●自信がある作品を目立たせる
ポートフォリオを見る人は必ずしもすべての作品に目を通してくれるわけではありません。自信のある作品や応募先企業に対してアピールになると思う作品は、ポートフォリオのなるべく先頭にほかの作品より大きく配置するなど、目に留めてもらえる工夫をしましょう。
●簡潔なキャプションを付けるのも◎
作品数が多い場合、すべての画像に説明文を付ける必要はありませんが、特にアピールしたい作品にはキャプションを付けることが有効です。キャプションは、簡潔に分かりやすく、うそ偽りなく、誤字脱字がないよう注意すること。自分の言葉で作品への思いを記載しておくと、いざ面接時に作品をプレゼンする際もコミュニケーションがスムーズになります。
ただし、読むのが疲れるほど長々と説明文を記載するのはご法度。あくまで、「簡潔に」「分かりやすく」を意識しましょう。
●随時ブラッシュアップする
ポートフォリオは一度作って完成というわけではありません。作品や実績が増えれば追加が必要ですし、面接などでポートフォリオを使ったプレゼンをした際に改善点が見つかった場合は、それを次回に生かすため更新が必要です。できれば同業の友人や先輩にポートフォリオを見せてフィードバックをもらい、どんどんブラッシュアップしていきましょう!
ポートフォリオを作るうえでの注意点
自身が制作に携わった作品といえど、制作を行った会社やクライアント企業に著作権が帰属することがほとんどだということを意識しましょう。事前に著作権を持つ企業にポートフォリオへの掲載許可を得られるのがベストですが、作品の内容や自身の担当範囲など、守秘義務に反しない範囲内での記載であれば問題にならないことが多いです。
しかし、クライアントと秘密保持契約を交わしている場合、著作権や知的財産権のほか、企業情報などの機密を守る必要があります。更にWebのポートフォリオは、紙とは違いさまざまな人が見ることができると意識し、管理は万全にしましょう。
職種別! ポートフォリオの作り方のコツ
職種ごとにどのようなポートフォリオが適切か、それぞれコツを紹介します。
●グラフィックデザイナー
紙の作品を残すことが多いグラフィックデザイナーの場合、作品のダイナミックさがストレートに伝わるようなポートフォリオが最適です。Webだけでなく、ファイリングした紙のポートフォリオを準備するのが良いでしょう。紙の作品の場合、どんな紙で趣向を凝らしたのかなども大切な訴求ポイントです。
魅せ方がとても大事になるグラフィックデザイナーのポートフォリオですが、ビジュアルにこだわりすぎて単なる作品紹介にならないよう要注意。作品制作の裏側のプロセスや、こだわりについてもしっかり解説しましょう。
●Webデザイナー・UI/UXデザイナー
Web系のデザイナーであれば、Webで魅力的なポートフォリオを作っておくことがマストです。Web系のデザイナーとしてのスキルをアピールするとなると、ペライチのポートフォリオではなく、しっかり設計されたWebサイト形式であることが望ましいでしょう。その際、どんなコンセプトでどういったメッセージを届けたいのか、世界観のこだわりなども説明する前提でサイト設計を行う必要があります。
UI/UXデザイナーの場合は、どういったユーザー遷移を想定してサイトを構築したのか、自分が行った施策によってどういった改善が見られたのかといった定量データの記載もできる良いでしょう。
●CGデザイナー
CGデザイナーの作品には、2D・3DCGの静止画、2D・3DCGの動画がありますが、それぞれをいかに分かりやすくポートフォリオで見せられるかが重要です。作品の迫力やCGならではの動きなど、細部のこだわりが伝わるよう高画質かつできるだけ画面いっぱいに作品を掲載できると良いでしょう。
●Webディレクター
WebディレクターもWebのポートフォリオがベターです。Webディレクターの場合は、ポートフォリオで作品のきれいさやビジュアルを訴求するというよりも、どんなプロジェクトでどんな役割を果たしたのか、どんなメンバーで構成されどのような成果を出したのかなど、ディレクション面を強調して説明を入れることが重要です。
●ゲームディレクター/ゲームクリエイター/ゲームデザイナー
ゲーム業界において、キャラクターデザインやグラフィックデザイン、プログラミングを担当するクリエイターの場合は、ビジュアルやモーションなどが伝わりやすいポートフォリオの見せ方をしましょう。
一方、ゲームの企画や設計、ディレクションといった業務を担当していた場合は、Webディレクターと同様、どんな立ち位置でプロジェクトに参画していたのかというディレクション面にフォーカスしたポートフォリオにするのが良いでしょう。
●フォトグラファー・動画クリエイター
静止画を扱うフォトグラファーの場合、作品画像と併せて、効果的なボケや適切なライティング、シズル、レンズなどの機材、ロケーションなど、絵作りに関するこだわりが分かるような構成にすると伝わりやすいです。
動画クリエイターの場合もフォトグラファーと共通する項目が多いですが、動画という性質上動くものが見せやすいWebでポートフォリオを作成するのが良いでしょう。動画をどのように編集したのか、エフェクトは何を使ったかなど、制作環境が分かる記載も必要です。
●ITエンジニア
ITエンジニアの場合、Web系のほかの職種同様Webのポートフォリオがベター。作品の見せ方というより、該当のプロジェクトでどんな設計・開発を行ったのかということが分かりやすいポートフォリオである必要があります。また、プロジェクトごとにどんな開発言語を使ったのかなどスキルセットへの言及も必須です。
ポートフォリオ作成ツールもうまく活用しよう!
Webのポートフォリオの作り方として、ゼロからWebサイトを構築する、ポートフォリオ作成サービスを利用する、ブログサービスを活用するといったいくつかの方法があります。
ゼロからWebサイトを構築する場合、オリジナリティを出しやすく唯一無二のポートフォリオを作成することができますが、ドメイン取得からサイト設計、デザイン、コーディングなど一連の作業を自分で行う必要があります。WordPressなど比較的簡単にサイト制作ができるツールもありますが、HTMLやCSSの知識がない場合はなかなか難しいのが現実でしょう。
一方で、最近はポートフォリオ作成サービスが多数あるので、それらを活用するのも良いでしょう。ゼロからサイトを作るような独自性は出しにくいものの、見やすい工夫がされたテンプレートが用意されているため、見栄えのいいポートフォリオを簡単に作ることができます。
また、ポートフォリオ作成用のサービスではないものの、ブログサービスやSNSなどをポートフォリオ用にアレンジして使っている人も増えています。
それぞれ、サーバー費用やサービス月額費がかかるもの、利用自体は無料のものなどバリエーションがあるため、作りたいポートフォリオの方向性と自分のスキルに合わせて、最適なツールを活用できると良いでしょう。
面接でポートフォリオをどうアピールする?
ポートフォリオを使って面接を成功させるには、どのようにアピールすればいいのでしょうか? ポイントを紹介します。
面接官がポートフォリオで見ているポイント
クリエイティブ系のポートフォリオの場合、どんな見せ方や要素が必要なのか。ここでは面接官がポートフォリオのどこを見ているか、といった点から考えてみたいと思います。
紙のポートフォリオも、Webのポートフォリオであっても、面接官はどのような創意工夫を凝らし制作してきたかを見ています。
見せ方に必ずしもルールはありませんが、得意分野にフォーカスして見せたり、華のあるコンテンツを前面に押し出して目を引いたり、面接官が感心するようなストーリーを展開したりすることで、クリエイターとしてのスキルはもちろん、将来に向けた可能性や秘めた情熱を伝えることができます。
また、自分の言葉でしっかり伝えることも大切です。話し方や表情・コミュニケーション能力の高さなども、面接官は判断材料として見ています。
面接でプレゼンする際に押さえておくべきポイント
上記を踏まえて、ポートフォリオのプレゼン時に押さえておくべきポイントを考えていきましょう。
●ポートフォリオのアピールポイントをしっかり伝える
どのような企画意図で作ったか、作品を通じ課題に対してどのように対応し解決したのかを伝えましょう。
●初対面の面接官とのコミュニケーションに気を配る
一方的にプレゼンするのではなく、時には作品に対する感想や意見を引き出す話し方を心掛けましょう。
●プレゼンに掛けるタイムスケジュールを考えておく
さまざまなパターンを想定し、少なくとも所要時間3~5分のショートバージョンと、10分~20分のロングバージョンをシミュレーションしてプレゼンの準備をしておきましょう。ショートバージョンの場合は作品ごとに紹介したい部分を絞ることで好印象が得られます。
●オンライン面接では画面共有の許可を得てからポートフォリオをプレゼン
急に画面遷移すると失礼に当たる場合があるので、画面共有の可否を確かめてから行いましょう。また、本番で慌てず、スマートなプレゼンができるよう準備を整えておくと安心です。オンライン面接で使うツールがあらかじめ分かる場合は、共有方法のテストを事前にしておきましょう。
面接での失敗あるある。どう対処すればいい?
ここではポートフォリオを使ったプレゼン時にありがちな失敗や、面接官を困らせてしまうよくある失敗を紹介します。
<失敗例その1>
ポートフォリオを使い自分が得意とする分野の作品を中心に説明したが「ウチのテイストには合わないかもしれません」と返されてしまった。
【面接官経験者の回答】
その企業で求めているスキルや作品の傾向がマッチしていなかったようですね。
自社で活躍できる人材かという視点で面接官は見ているので、まずはその企業の理念やブランドなどを研究し、企業が求めている内容に近い作品と、自分の特徴を伝える作品の両方をプレゼンすべきだったと思います。
<失敗例その2>
実績を多く掲載しデザインにこだわった渾身のポートフォリオを作ったが、面接官は数ページ目を通すだけ。ポートフォリオをしっかり見てもらえないまま面接が終わってしまった。
【面接官経験者の回答】
渾身のポートフォリオとのことですが、「何を面接で伝えるのか」が明確になっていたでしょうか。一般的にポートフォリオではデザイン性や作品のクオリティも評価しますが、受け手に何をどのように伝えたいのか、分かりやすく記載されていることが重要です。面接という限られた時間の中で、すべての実績やコンセプトを伝えることは現実的ではありません。アピールしたい要点を整理し、短時間でも自分の強みを伝えられるポートフォリオの作成を心掛けましょう。
<失敗例その3>
気に入っている作品の説明を事細かに長時間行ったが、面接官の反応が薄く一方的に話すだけになってしまった。
【面接官経験者の回答】
細かなこだわりの説明ばかりで、場をしらけさせてしまったのではないでしょうか。スキルや実績も評価しますが、面接官は一緒に働きたいと思える人の採用を考えています。そのため、コミュニケーション能力も重要な評価項目です。簡潔に分りやすい説明を行うことがプレゼンの基本。常日ごろからロールプレイングするなど話し方を研究するのも、転職成功のカギだと思います。
まとめ
クリエイターにとってポートフォリオは、自分の作品や人となりを伝えるうえでとても大切なツール。ポートフォリオの出来が合否に直結する可能性もあるため、魅力的なポートフォリオの作り方をしっかりおさえ、転職活動を有利に進めましょう!
マイナビ転職 編集部

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