【体験談あり】ワーケーションとは? メリット・デメリット・始める時の注意点を紹介
更新日:2024年07月16日
ライターハシモト タカヨ
フリーランス・Webディレクター
記事まとめ(要約)
- ワーケーションとは、ワークとバケーションを掛け合わせた語
- 旅行先・帰省先・リフレッシュ地などで余暇を楽しみながら、仕事をする働き方
- IT系やテレワーク可のデスクワーク系の職種、フリーランスなどで取り入れられている
- いつもと違う環境でリフレッシュしながら仕事ができる
- 滞在先によっては仕事環境が整っていないなど、デメリットや注意点も
近年、働き方の一つとして注目されている「ワーケーション」。よく聞くけれど実際どんな働き方でどんなメリットがある? 実施する際のデメリットや注意点は? など、ワーケーションについてのあれこれをワーケーターの事例・体験談とともにご紹介します!
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ワーケーションとは、ワークとバケーションを掛け合わせた語
「ワーケーション」とは、「ワーク(=work)」と「バケーション(=vacation)」を掛け合わせた造語。その名のとおり、会社のオフィスなどを離れ、旅行先・帰省先・リフレッシュ地などで余暇を楽しみながら、仕事もしてしまおう! という働き方です。
もともとは、インターネットやノートPCが普及した2000年代のアメリカで提唱された働き方ですが、近年日本でも働き方改革や、コロナ禍で観光業支援・テレワークが提唱・推進されたことから徐々に広まりを見せています。
<ワーケーションの事例>
- 国内旅行10日間のうち、6日間仕事を行う
- 飛び石連休を利用して遠方のリゾート地に出掛け、祝日の間の平日は滞在先でテレワークにて仕事を行うことで長期滞在を楽しむ
- 近場のリゾートホテルで1泊2日宿泊し、昼間は仕事を行いそれ以外はホテルでゆっくりリフレッシュする
- 子供が夏休みの間、家族で一緒に帰省し、日中は仕事をする
- 地方の移住希望先に数週間トライアルで滞在し仕事をする
具体的な定義はないですが、広く言えばオフィスや家以外の場所で余暇を楽しみながら仕事を行うこと(≒リモートワーク)全般がワーケーションに当てはまると言えるでしょう。ワーケーションは、場所の制約を受けにくいIT系の職種やテレワーク可のデスクワーク系の職種、フリーランスなどで取り入れられている傾向があります。
とはいえ、民間会社(※)の調査によると2021年3月時点でワーケーションの経験率は6.6%(テレワークは39.6%)にとどまっているのが現状。所属する会社にワーケーションの制度がなかったり、あってもなかなか活用しにくかったりと課題があり、ワーケーションをしてみたいと思いつつも、実際に行うには至っていない人も多そうです。
一方で、会社にワーケーション制度は導入されていないものの、テレワーク可の会社で休暇の旅行の合間に仕事をする「隠れワーケーター」の存在も。数字には表れていませんが、ワーケーションの潜在的なニーズはあるような状況が見受けられます。
ワーケーターの体験談(知ったきっかけ)
私は5年ほど前から国内・海外のいろいろな地を旅しながら、仕事をしています(コロナ禍は一時停止)。フリーランスのWebディレクターのため、働く場所はどこでもよく、それなら家で仕事をする必要がないのでは⁉ と思い、ノートPC片手に旅に出て、旅先で仕事をし始めたのがきっかけです。
当時は「ワーケーション」という言葉も浸透していなかったため、自分がワーケーションをしているという意識はなかったのですが、今思い返すと滞在先を変えながらエンドレスにワーケーションをしている感じでしたね。
ある時は、温泉地でご当地グルメや旬のものを食べ仕事をし、疲れたら温泉に入る。ある時は、海外に1カ月ほど滞在し、数都市を回りながら日中は街歩き、夜に仕事をまとめて行うなど、仕事のバランスを調整しながらワーケーションを楽しんでいます。
ワーケーションの2つのタイプ・スケジュール例
現在、日本で行われるワーケーションは、大きく2つのタイプに分けられます。一つは、会社主導で実施や行き先を決める「企業主導型ワーケーション」。もう一つは従業員個人がプライベートに合わせて実施や行き先を決める「個人主導型ワーケーション」です。
【1】企業主導型ワーケーション
企業主導型ワーケーションは、以前より福利厚生としてある社員旅行や合宿社員研修に近いイメージ。基本的には、会社のワーケーション制度を利用し、社員にオフィスとは違う環境でリフレッシュしてもらいつつ、仕事だけでなく、レクリエーションの時間を設けて社員同士の親睦や交流を深めてほしいといった目的のもとに行われることが多いです。
一般的なホテルや旅館などではなく、企業が所有する保養所を利用することも。会社主体でのワーケーションのため、業務の調整がしやすく、ほか社員への気負いなく参加しやすいという特徴があります。
【2】個人主導型ワーケーション
個人主導型ワーケーションは、個人が自由に計画を立てて実施するワーケーション。 単なる旅行にとどまらず、間に仕事日を挟むことで長期休暇・長期旅行・長期帰省なども可能になります。
時間や場所の制約が少ないフリーランスはもちろん、ワーケーション制度が所属企業にない会社員でも、テレワークの勤務場所規定に見合う場所が見つかれば実施可能なことも。近年では、リゾートホテルなどでのワーケーションプランや、提携先なら全国どこでも泊まり放題のワーケーション向け定額サービス(サブスク)、自治体の特設サイトなどもあり、個人のワーケーションへのハードルが下がってきています。
上記、企業型・個人型のほか、地方移住のお試しや、企業の地方拠点開設のお試しとしてワーケーションが取り入れられることも。ウイークリーマンションなどを使って数週間の長期滞在をするケースも見られます。
ワーケーターの体験談(どんなタイプのワーケーション?)
私のワーケーションは、後者の個人主導型タイプ。国内の場合は数週間前、国外の場合は1カ月ほど前にざっくりと計画を立てることが多いです。行き先は、「温泉に入りたい」「この国に行ってみたい」「今が旬のXXを現地で食べたい」など、その時の気分で決めることがほとんど。ただし、Wi-Fiなどのネット環境があまりにも弱い地域や国には行けないのでそういった場所は除外します。
ワーケーション時の滞在先はさまざまで、複数人で行う場合は民泊サービスやリゾートホテルを利用することが多く、1人で行う場合はビジネスホテル・シティホテル、旅館やホステルなど旅先での目的や仕事のボリュームに合わせて選んでいます。
例えば、旅仲間3人で2泊3日のワーケーションを鎌倉で行った際は、海の近くの一軒家を借り滞在しました。
<ある日の鎌倉ワーケーション>
●1日目
- 東京から鎌倉へ移動
- 15:00:宿にチェックイン
- 16:00〜:メールチェックなどの軽い仕事
- 18:00〜:街歩きしつつ夕食
- 〜24:00:各自仕事や入浴、就寝
●2日目
- 8:00:海辺を散歩&近場のカフェで朝食
- 10:00:1〜2時間オンラインミーティング
- 12:00:海鮮丼屋さんでランチ
- 13:00〜17:00:資料作成や執筆など
- 17:00:スーパーで買い出しをしてみんなで料理&夕食
- 〜24:00:各自仕事や入浴、就寝
●3日目
- 〜10:00:各自朝食、チェックアウト
- 11:00〜:カフェでランチ&軽い仕事
- 鎌倉から東京へ移動
ワーケーションにはどんなメリットが?
ワーケーションのメリットは、「いつもと違う環境でリフレッシュしながら仕事ができる」「仕事を持っていくことで旅先に長期滞在が可能になる」など。
オフィスへの出社や自宅でのリモートワークなど、普段の仕事場とは違う景色や環境の中で仕事をすることで、いつもと違った考え方や新しいアイデアがひらめきやすくなったり、仕事とバケーションのスケジュールをしっかり立てることで仕事の生産性が上がったりということが期待できます。
また、まとまった長い休みが取りにくい会社でも、ワーケーションで仕事を行う時間を一定確保することで、旅先での長期滞在が可能となり、長期休暇や長期旅行、長期帰省などをしやすくなるというメリットもあります。仕事に疲れたら散歩に出て、気分転換ができたらまた仕事に戻るなど、比較的自由な時間の使い方もできるでしょう。
会社としても、ワーケーション制度を取り入れることで、採用時のアピールポイントになったり有休取得率が向上したりといったメリットがあります。地方自治体や観光地としても、ワーケーションが普及することで、「ワーケーションプラン」の打ち出しなど観光客の呼び込みに一役買ってくれるメリットが。
ワーケーターの体験談(やってみて良かった点は?)
ワーケーションをしていて一番いいなと思うことは、「旅しながら仕事をする」のような自由な働き方がかなえられるところ。国内でも海外でも、いつもと違った景色や空気、環境の中で仕事をすると凝り固まっていた頭が柔らかくほぐされるような感覚になります。
ガッツリ集中したい作業の時にはホテルの部屋にこもって、企画やクリエイティブ系の仕事の時には森の中や海の音が聞こえるカフェなどでリラックスしながら、など仕事の内容や気分で働く場所を気軽に変えられるのもワーケーションのメリットかなと。私の場合は、旅先に行ってもあまり観光をしないので東京での仕事環境がそのままワーケーション先にスライドしているような感覚なのですが、「●時に現地のおいしいごはんを食べる!」「午後は街歩きをしたいから早起きして午前中に仕事を終わらせる!」など小さな楽しみを作ることでメリハリが付き、仕事への集中度合が高まる気がします。
こなさなければいけない仕事があるうちにプライベートな予定を入れてしまうと、どうしても仕事のことがチラチラ気になってしまうので、1日のうち早めの時間帯に仕事、残りはバケーション時間、滞在が数日あるのであれば、1日こもって仕事DAY、翌日は思いっきり遊ぶ、など気持ちの切り替えがしやすい予定組みにするのがおすすめ!
ワーケーションに慣れてくると、飛行機や新幹線の中など移動時間をうまく仕事に使えるようになってくるので、忙しい時ほど、いかに効率的に仕事を遂行し現地で楽しむ時間を確保するかにチャレンジする、ゲームのような感覚を取り入れたりしています。
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ワーケーションのデメリットと注意すべきこと
ワーケーションのデメリットや注意点としては、「滞在先によっては仕事環境が整っていない」「テレワークなど在宅勤務が苦手な人には向いていない可能性」などがあります。
Wi-Fi速度など作業環境が整っているか
ワーケーションの滞在先としてリゾートホテルや旅館などを利用する場合、 パソコン作業ができるような適切な高さの机と椅子がなかったり、電源を確保するコンセントが作業スペース近くになかったりすることがあります。また、Wi-Fiはあっても速度が遅く仕事にならないなんてことも。ビジネスホテルの場合は比較的仕事スペースが確保されていることが多いですが、滞在先の仕事環境は事前に確認しておくことが必須でしょう。
ワーケーションに向かない人もいる
テレワークやリモートワークなど、オフィス以外の環境で仕事をするのが苦手な人や、自分で業務スケジュールを立てるのが不得意な人は、ワーケーションにあまり向いていないかもしれません。ワーケーション先では、いつもと違った環境で集中する必要があり、ある意味仕事以外の誘惑も多いので、どうしても仕事モードになれず生産性がガクッと下がってしまった、なんてことになりかねません。
ワーケーションを複数人で行う場合や家族などの同行者がいるケースにも注意が必要です。普通の旅行でもそうですが、自分以外の人とペースを合わせて行動するというのはそれなりに気を使うもの。そこに仕事が加わると全員の歩調を完全にそろえるのはなかなか難しいため、事前の意識合わせや余裕をもった計画を立てることが必要になってきます。
ワーケーションに慣れるまでは、「1人で」「近場で」「ミーティングなど1人でできない仕事をあまり入れない」などを意識すると、スケジュールのコントロールがしやすいでしょう。
会社の就業規則に違反していないか
会社員の場合は、就業規則やセキュリティ要件の確認も重要です。例えば、テレワークはOKだけれど自宅以外での作業がNG・個室必須などと規定されている場合だと、ワーケーションを行うのが難しいかもしれません。
ワーケーターの体験談(デメリットや注意点は?)
今の時代、日本国内なら電波が通じないところなんてそうそうないと思いきや、ネット速度がギリギリ……! なところは結構あります。特に山の中や島などは要注意で、滞在する前に必ずホテルや宿のオーナーにネット速度を計測してもらって連絡してもらうようにお願いしています。
また、台風シーズンなどは、天候によってWi-Fiが一時不通になるトラブルなどもありました。スマホのテザリングでなんとか仕事をしたり、場合によってはWi-Fiが通じているカフェに移動して仕事をしたりすることも。
ワーケーションにおいては、心づもりも結構大事な気がしていて、「思う存分バケーションするぞ!」「休みだ!」なテンションでいくと、「休みなのになんで仕事しているんだろう……」「せっかくリゾート地に来たなら仕事外で来たかった……」などがっかりする結果になってしまいがち。
あくまでも「いつもよりちょっといい仕事環境で仕事をするぞ! 自由時間には少し旅感を楽しむぞ!」と仕事がベースの感覚でいくのが、ワーケーションを楽しむコツな気がします(仕事8:余暇2くらい)。あとは、ワークにバケーションをくっつけている分、通常よりこなせる仕事量は減ると考えて、持っていく仕事の量も少なめにできるとベストですね(笑)。
ワーケーションの費用はどのくらい? 経費にできる?
ワーケーションでは主に「交通費」「宿泊費」「食費」「観光費」などの費用がかかってきます。どこに行くか、どんな場所に何日泊まるか、どんな食事を取るかによってもかかる費用は大きく変わります。交通費一つとっても、新幹線か飛行機か車かなど移動手段によってさまざま。もし、事前に決まった予算がある場合は、それをもとにワーケーション先や日数を決めると良いでしょう。
また、フリーランスや個人事業主がワーケーションをする場合は、その場所に行く必要がある業務(例えば撮影を行う、現地の取材記事を書く、など)に絡めた滞在であれば経費として落とせるケースがあります。会社員の場合は、経費で落とせるかというより、会社側で補助(●万円以内は支給、それ以上は自費、など)が出るかなどを確認すると良いですね。
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まとめ
仕事と同時に余暇も楽しめるワーケーション。リモートワークやテレワークを導入する企業が増え、今後ワーケーションもより普及していくかもしれません。新しい働き方の一つとして、メリット・デメリット・注意点などを押さえ、機会があればぜひチャレンジしてみてください!
クロス・マーケティング/山梨大学「ワーケーションに関する調査(2021年3月)」
ライター
ハシモト タカヨ
フリーランス・Webディレクター
国内外を旅しながら暮らす。現在は、東京と栃木の二拠点生活をベースに、ときどき2〜3週間の旅に出ている。
マイナビ転職 編集部
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