給与交渉を成功させるためのポイント|タイミングと場面ごとの例文を解説
更新日:2024年12月18日
記事まとめ(要約)
- 給与交渉を行うこと自体は問題ない
- 給与交渉を実践した中途入社者の約90%が給与アップ
- タイミングや交渉内容によっては選考結果に影響を与える可能性がある
- 給与交渉のベストなタイミングは、現職「企業への貢献度が上がった時」、転職「内定後~内定承諾前」
「給与交渉をすると心証が悪くなりそう……」そう考えている方は少なくないでしょう。
交渉文化が根づいたグローバル企業はもちろん、実は日本企業においても「給与交渉」の機会は開かれています。ただ、交渉を成功させるためには、相応の準備やテクニックが必要です。
そこで、給与交渉を行うタイミングや、必要な準備、現職中・転職時それぞれの交渉時の例文など、給与交渉を成功させるためのポイント・ノウハウを解説していきます。
給与交渉を実施しても問題なし? 日本の実態
マイナビキャリアリサーチLabが実施した「2023年3月度 中途採用・転職活動の定点調査」によると、半数以上の企業が、中途入社者から給与(年収)交渉があった場合には「給与(年収)を上げる余地があった」と回答しています。
更に、同調査の給与(年収)交渉に関する項目を見ると、以下3つのポイントを読み取ることができます。
- 中途入社者の約33%が給与(年収)交渉を実施
- 給与(年収)交渉を実践した中途入社者の約90%が給与アップ
- タイミングを間違えると選考通過に影響が出る可能性あり
同調査は中途入社者の実態調査であり、あくまで採用時の話に限りますが、これらの結果から日本企業にも給与交渉に応じる土壌があると推察できます。
その一方で、給与交渉のタイミングや希望額の設定などを見誤ってしまうと、評価や選考に影響を与えるおそれがあるため、注意が必要です。
では、この3つのポイントについて詳しく見てみましょう。
中途入社者の約33%が給与交渉を実施
同調査によると、直近3カ月以内の中途入社者のうち、給与交渉を行ったのは33.1%だと分かりました。
その内訳を役職別で見ると、部長クラスの割合が78.0%ともっとも大きく、課長クラス50.4%、係長・主任・職長クラス45.2%と続きます。この結果から、経験やスキルを十分に持つ人ほど、給与交渉を積極的に行っているといえます。
一方、年代別に見てみると、年代間に大きな違いはなく、20代・30代の若い世代もそれぞれ34.9%・32.0%の割合で給与(年収)交渉を行っています。
これらの数字から、中途入社者の間では給与交渉を行うことにあまり抵抗がない層も一定数いることが分かります。
給与交渉を実践した中途入社者の約90%が給与アップ
直近3カ月以内に給与(年収)交渉を行った中途入社者のうち、「給与(年収)交渉を行った結果、最終的に決定した給与(年収)はどのようになったか」という問いに対して、「当初の企業が提示した金額よりも給与(年収)が上がった」という人は90.3%に達し、高い割合を占めています。
しかも、そのうち43.8%が「交渉した金額(つまり希望額)と同じくらいの給与(年収)額になった」、35.6%が「交渉した金額よりも多い給与(年収)額になった」と答えており、あわせて79.4%が交渉した額以上の金額になったということです。この結果から、中途入社者による給与交渉の成功確率は高いといえます。
ただし、2.6%の人は「当初の企業が提示した金額よりも少ない給与(年収)になった」と回答していることから、給与交渉をすれば必ず給与アップにつながるとは言い切れないでしょう。
タイミングを間違えると選考通過に影響が出る可能性あり
先ほど触れたように、給与(年収)交渉があった場合には「給与(年収)を上げる余地があった」と回答した企業が54.8%に至っていることから、中途入社者による給与交渉は良い結果につながりやすいと期待できます。
ただしその一方で、選考中に求職者から年収交渉があった場合、「選考への影響があるか」と聞いた調査の結果によると、「選考の通過が難しくなる」「選考の通過がやや難しくなる」と回答した企業があわせて68.8%に達しています。タイミングや交渉内容を見誤ると、選考通過に影響をおよぼしかねないということです。
給与交渉によって給与アップを実現する可能性は大いにあるものの、交渉を行う際にはタイミングを見計らい、適切な準備を行う必要があるでしょう。そこで、次に給与交渉のタイミングについて解説します。
出典:2023年3月度 中途採用・転職活動の定点調査|マイナビキャリアリサーチLab
給与交渉の理想的なタイミング
給与交渉を成功させるためには、タイミングを見計らうことが大切です。ではいつ交渉を行うことが理想的なのでしょうか。
現職では人事評価や査定の時期、担当業務が増えた時期などが挙げられ、転職では内定後から内定承諾前の期間内がベストだといえます。
このように、給与交渉の理想的なタイミングは現職と転職で異なり、場合によっては企業側から人事評価や選考の場で給与希望額を聞かれるケースもあります。そうした場合もふまえ、現職・転職それぞれの理想的なタイミングを更に詳しく見ていきましょう。
現職の場合|企業への貢献度が上がった時
まず現職の場合に押さえておく必要があるのは、自社の評価制度や等級制度などの内容です。
制度の内容によって給与や昇給の規定、人事考課・査定の時期・頻度などが異なり、それによって交渉に臨むベストなタイミングも違ってきます。
これらの制度の内容をふまえたうえで、理想的なタイミングとして挙げられるのは、企業への貢献度が上がった時です。
例えば、「自身の経験・スキルが積み上がり、担当業務が増えた」「業務に関連する専門資格を取り、受注できる領域が広がった」「チームを受け持ち始め、責任が重くなった」といった時には、その働きを認められやすく、給与への反映を要求しやすくなるでしょう。
とりわけ「新規受注」「新サービス立ち上げ」「社内制度の改善」など、目に見えた成果を上げた時には会社からの評価も高まっているはずですから、給与交渉の絶好機といえます。
給与交渉を行うタイミングだと判断できたなら、まずは直属の上司に相談することが適切です。
いきなり人事に直に交渉を持ちかけたり、直属の上司を飛び越えて上層部に掛け合ったりする行為は、直属の上司に対して失礼な行為だと受け止められかねないので、できるだけ避けたほうが無難でしょう。
転職の場合|内定後~内定承諾前
転職時に給与交渉を行うタイミングは、内定後~内定承諾前がベストといえます。
内定後に待遇面について確認しあうオファー面談が設定されている場合には、その場で交渉を行うと良いでしょう。
面接時に企業側から希望額を聞かれたり、給与を提示されたりした時には、その場で希望給与・年収を伝えれば良いです。
ただし、応募者側から内定前に給与交渉を切り出すと、先ほどの「2023年3月度 中途採用・転職活動の定点調査」にもあるとおり、選考に影響を与える可能性が高いため、内定後に行うことがおすすめです。
進め方としては、内定を受けた後、求人票等で待遇面をあらためて確認し、疑問点を整理・解消しておきましょう。
雇用契約書や労働条件通知書を書面で受け取った際には、給与条件や昇給規則を確認し、不明点があれば問い合わせておきます。そのうえで、内定承諾前までに採用担当者や人事に対して給与交渉を行うのが良いでしょう。
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給与交渉前に取り掛かりたい3つの準備
給与交渉のタイミングを見計らったとしても、「給与を上げてほしい」とむやみに切り出してしまっては、企業側が持つ「上げる・上げない」を判断する材料が乏しく交渉が失敗しかねません。
給与交渉の際には、給与を上げるに値する「根拠」を企業側に提示する必要があり、説得力のある根拠を示すためには事前準備が大切になります。
事前準備では以下の3つのポイントを押さえておくと良いでしょう。
- 業種・職種の給与相場を調査する
- 現職の場合|社内基準を確認する
- 経験や実績、スキル、これまでの年収をもとに交渉材料を考える
業種・職種の給与相場を調査する
給与交渉では適切な希望額を提示することが必要であり、適切であることの根拠として、業種・職種の給与相場を活用すると良いでしょう。
相場と照らして自分の給与が相場よりも低く、妥当とはいえない場合には、交渉の余地があると判断でき、給与相場に沿った希望額であれば企業の納得感を得やすくなります。
逆に、相場とかけ離れた希望額を提示すると、「自分本位で何も分かっていない」と、社内での印象が悪くなるおそれがあるので注意が必要です。
また、そもそも平均年収が低い業種・職種の場合には、大幅な給与アップを交渉するのは難しいかもしれません。
給与相場の例を以下の表にまとめましたので、参考にしてみてください。
給与相場の例
業種 | 平均給与 (年収) |
---|---|
電気・ガス・熱供給・水道業 | 747万円 |
金融業,保険業 | 656万円 |
情報通信業 | 632万円 |
学術研究,専門・技術サービス業,教育,学習支援業 | 544万円 |
製造業 | 533万円 |
建設業 | 529万円 |
複合サービス事業 | 506万円 |
運輸業,郵便業 | 477万円 |
不動産業,物品賃貸業 | 457万円 |
医療,福祉 | 409万円 |
卸売業,小売業 | 384万円 |
サービス業 | 377万円 |
農林水産・鉱業 | 337万円 |
宿泊業,飲食サービス業 | 268万円 |
全体平均 | 458万円 |
出典:令和4年分民間給与実態統計調査 調査結果報告|国税庁長官官房企画課
これは、 「令和4年分民間給与実態統計調査」から、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与を業種別に見たものです。平均給与は年代ごとに異なるので、あくまで目安として把握しておくようにしましょう。
現職の場合|社内基準を確認する
現職で給与交渉を行う際には、自社の給与・昇給基準、給与決定のもととなる評価制度などを確認し、自分の希望額が社内基準からかけ離れないように検討しましょう。
社内基準に沿わない希望額を提示すると、希望に応じられないばかりか、社内での自身の信用低下につながるおそれがあります。
一方、社内基準に照らし、自分のスキルや働きが昇給基準を満たしているようであれば、基準に見合った希望額を提示すると良いでしょう。現行の社内基準と希望額との間に大きなギャップがあるのであれば、将来のことを考えて転職を視野に入れることも選択肢の一つです。
経験や実績、スキル、これまでの年収をもとに交渉材料を考える
現職・転職どちらのケースにおいても、自分の経験や実績、スキルをアピールすることが、交渉を優位に進めるカギになります。
交渉前にそうした実績・スキルを整理し、企業にどのような利益をもたらしたか(もたらせるか)、企業にどう貢献したか(貢献できるか)を、交渉材料として準備しておくことが大切です。
上司を納得させられる実績や他の従業員と差別化できるスキルを示すことができれば、根拠が明確になり、「価値に見合った給与」を認められやすくなります。
その際、「自ら開発したサービスによって業績○%アップを果たした」「主導したプロモーションが奏功し、会員数○%増をもたらした」など、定量化されたデータを盛り込むことができれば、説得力がより高まります。
そのうえで、これまでの年収をもとに、交渉金額を検討すると良いでしょう。
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【対面・電話編】給与交渉の例文
給与交渉を行う状況は、おもに以下の3つが想定されます。
- 自分から切り出す場合
- 企業側から給与希望額を聞かれた場合
- 面接時に給与額を提示されたとき【転職】
給与交渉は、先ほど解説した理想的なタイミングだけでなく、企業側から予期せぬ場面で持ちかけられることもあります。
そのため、ここでは3つのパターンについて対面・電話での希望額の伝え方や交渉の進め方を例文と共に解説します。
1.自分から切り出す場合
自分から給与交渉を切り出す場合は、タイミングと誰に伝えるのかを考慮する必要があります。
給与交渉の タイミング |
給与交渉の 相手 |
|
---|---|---|
現職の 場合 |
企業への貢献度が上がった時 | 直属の上司 |
転職の 場合 |
内定後~内定承諾前 | 採用担当者・人事 |
現職
交渉の進め方として、まず事前に直属の上司に「今週金曜の○○の件の打ち合わせの後、○○の件の成果と私の給与についてご相談があります」といった旨を伝え、面談のアポイントを取得します。
そして、給与交渉時には「担当業務がどれくらい増えたか」「スキルアップによってどんな役割を担えるようになったか」といった交渉材料を提示し、妥当な希望額を相談するのが良いでしょう。
【例文】
「先日は新規契約をサポートしていただき、ありがとうございました。
□□さんの指導のおかげで、チームリーダーを務めて2年、メンバー3名の育成に取り組み、2年前と比べて売上を○%拡大させることができました。
ただ、この間に昇給のタイミングが半期ごとにあったものの、控えめな昇給に留まっていることに正直悩んでいます。
今後もモチベーション高く仕事に取り組んでいくために、私の調べた業界の平均年収もふまえ、月○○万円の昇給をご検討いただけないでしょうか」
転職
内定後~内定承諾前に給与面に関する疑問点を解消するために、採用担当者・人事に打ち合わせの時間を取ってもらいましょう。
その場で社内の給与基準を確認したうえで、入社への意欲を盛り込みながら基準に沿った希望額を提示すると、納得感を得やすくなるでしょう。
【例文】
「前職ではシニア層向け会員サービスの新規立ち上げを推進し、初年度売上は目標額の○○%増を果たすことができました。その一方で、前職の年収○○万円は相場と比べて○○%低いというのが実情でした。
御社においても新規サービスの立ち上げに経験を注ぎ込み、新たな売上の柱をつくり出したいと意気込んでいますので、可能であれば、前職より10%アップの年収○○万円を希望したいと思います。いかがでしょうか。
こちらの希望ばかりで大変恐縮ではございますが、ご検討いただけると幸いです」
2.企業側から給与希望額を聞かれた場合
こちらから給与交渉を切り出す前に、企業側から給与希望額を聞かれるケースもあります。
こちらにとってベストなタイミングではないかもしれませんが、こちらから話を切り出すタイミングを計る必要がなく、むしろ話の流れに応じてスムーズに給与交渉に入りやすいともいえます。
そうした場面が突如訪れてもあわてないように、あらかじめ妥当な希望額を準備しておくことをおすすめします。
業種・職種の給与相場、社内基準、自分の経験・実績・スキルなどの交渉材料を確認・整理し、根拠のある希望額を用意しておけば、落ち着いた態度ではっきりと希望額を提示することができるでしょう。
現職
現職の場合、査定時期の人事面談や直属の上司との面談の場で、希望給与額を尋ねられることがあります。
その場合には、遠慮せずに妥当な希望額を提示すると良いでしょう。給与交渉の機会がいつ訪れても対応できるように、希望額を明確にしておくことが大切です。
【例文】人事担当との面談で給与希望額を聞かれた場合
人事担当「希望給与額があれば教えてください」
本人「ありがとうございます。この1年で開発実務だけでなく、お客様さまから直接要件を伺って設計書をまとめ、チームメンバーへの開発指示や進捗・品質管理まで安定して担えるようになりました。
アシスタントリーダーとして、リーダーから案件の裁量を託されることが増え、役割が一段高まったと考えております。
そこで、アシスタントリーダーの給与水準の1段階上に相当する、月給○○万円への昇給を希望したいのですが、ご検討していただくことは可能でしょうか」
転職
内定後~内定承諾前に、企業側から給与希望額を尋ねられることが想定されます。
ケースによっては、内定前の選考途中においても、企業側が「年収についてどう考えているのか」「自社の条件からかけ離れていないか」などを確認するため、希望の年収や給与額を確認されることがあります。
企業側から尋ねられた場合にも、入社の意欲と交渉材料を伝えながら、遠慮なく希望額を提示しましょう。その時点で応募企業の給与基準に不明点があれば、その場で確認しながら希望額を検討すると良いです。
【例文】内定後、採用担当から給与希望額を聞かれた場合
採用担当「年収の希望額を教えていただけますか?」
本人「ありがとうございます。御社は中途入社者の給与・年収をどのように決定されていますか?」
採用担当「前職の経験・実績・スキルを考慮し、等級制度に基づいて決定しています」
本人「承知しました。面接でもお伝えしましたが、私が御社に入社した際には、前職で培ったマーケティング経験をもとに、御社のWebマーケティング施策をブラッシュアップすることでリード数を伸ばし、受注拡大に貢献したいと意気込んでいます。
前職の年収は○○万円ですが、前職の経験を活かしてよりいっそう成果をあげられるように励みますので、等級制度に基づくとのことをふまえ、可能であれば前職から10%アップ相当の○○万円を希望いたします。ご検討のほど、よろしくお願いいたします」
3.面接時に給与額を提示された時【転職】
転職の場合には、面接時に企業側から給与額を提示されるケースがあります。
その際には、その場で給与交渉に入ったほうが良いでしょう。その場で一度承諾したにもかかわらず、入社前にあらためて給与交渉を行うとなると、企業側に良くない印象を与えてしまいかねません。
まだ選考途中にあるため、謙虚な姿勢を取りながらも、自分が採用された場合には会社にどんなメリットを提供できるのかを伝え、その対価としての希望額を明確に提示しましょう。
【例文】面接官から給与額を提示された場合
面接官「□□さんの入社後の年収は○○万円と想定していますが、いかがですか?」
本人「ご提示ありがとうございます。御社の規定に従いますが、私の現在の年収は○○万円で、恐縮ながら前職から10%アップの○○万円でご検討いただくことは可能でしょうか。
先ほど御社での業務内容・役割について詳細をお伺いし、前職で培った新規開拓営業の経験とチームマネジメントの経験をフルに活かせると考えています。御社にシェア拡大をもたらしたいと考えておりますので、改めてあらためてご検討いただけますと幸いです」
【メール編】給与交渉の例文
給与交渉は、基本的には対面で行ったほうが良いです。対面であればお互いの表情やしぐさ、態度などを見られ、言葉に込めた意図や微妙なニュアンスまで汲みながら交渉を進められるため、齟齬(そご)を抑えられます。
メールによる交渉は失礼だと捉えられることもあるので、なるべく避けたほうが無難です。
とはいえ、転職の場合には入社前に打ち合わせの時間を取ってもらうことが難しいケースも考えられ、そうした際にはメールによる交渉を行います。メールでの連絡になってしまったことをおわびする一文を忘れずに添えましょう。
【例文】
件名:給与に関するご相談(氏名)
株式会社□□□
人事部○○様
お世話になっております。
○月○日に面接していただきました○○です。
面接の機会ならびに内定通知をいただき、ありがとうございます。
ご提示いただいた労働条件通知書に関しまして、給与の件でご相談があり、ご連絡いたしました。
同書にて年収○○万円とご提示いただきましたが、誠に恐縮ではございますが、○○万円で再度検討していただくことは可能でしょうか。
前職では○○の業務を担い、○○○○などの成果を上げることができました。御社に入社後にはこの経験やノウハウを活かし、目標売上の達成のために全力で取り組んでいく所存です。
本来であれば御社に直接お伺いするべきことですが、メールでのご連絡となりますことをおわびいたします。
ご検討いただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。
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給与交渉を成功させる3つのポイント
給与交渉を成功させるためには、ふまえておくべき留意点や交渉のコツがあります。
せっかくの機会を無駄にしないためにも、ここではとりわけ重要となる3つのポイントについて解説します。
- 交渉相手に敬意と感謝、配慮を示す
- 具体的な交渉材料を提示する
- 適切なタイミングで交渉する
1. 交渉相手に敬意と感謝、配慮を示す
給与に限らず、交渉の場で大切になるのは、相手に敬意と感謝を伝え、良好な対話関係を築くことです。
例えば現職の上司に対しては「日ごろからフォローしていただいたおかげで、大口の新規契約を得ることができました」と伝える、転職の場合、採用担当者に対して「面接の場で事業部長から今後の戦略を伺えたおかげで、事業の成長に貢献したいという思いがますます強くなりました」と伝えるなどです。
こうした気持ちを伝えることで、交渉に入りやすくなるでしょう。
そして、給与アップはこちらの利益になるだけでなく、企業側にとってもメリットになることを伝えることができれば、双方にとって良い交渉結果に結びつくことが期待できます。
例えば、「希望額を認めていただいたあかつきには、仕事へのモチベーションがいっそう高まり、昨対比○%以上の売上アップを目指す原動力になります」というように、自分本位ではなく、企業のことを考えているという配慮を示し、お互いの利益を叶えようとする姿勢を見せます。そうすることによって、交渉をうまく運びやすくなるはずです。
駆け引きをしない
逆に、自分の主張を押し通すために担当者と駆け引きするような交渉は、控えたほうが良いでしょう。
例えば現職の場合、希望額に沿わない場合は転職することを匂わせる。転職の場合、希望額に満たない場合は内定辞退を匂わせる。こうした駆け引きは良い印象を与えず、望む結果にもつながりにくいと考えられます。
給与交渉は会社側とのすり合わせであり、希望を押し通すものではないことを念頭に置き、相手に対して誠実かつ丁寧なコミュニケーションを心掛けましょう。
2. 具体的な交渉材料を提示する
「なぜ給与アップを求めるのか」「提示する希望額は妥当なのか」を示す根拠=交渉材料を具体的に示すことで、説得力が増し、相手の納得感を引き出しやすくなります。
逆に、交渉材料が乏しい場合には、交渉相手の企業側からすると給与アップを検討する材料がなく、判断のしようがないでしょう。
「業種・職種の給与相場を考慮すると、年収○○万円が妥当」「○等級の水準と同等の成果を上げているので、同水準の年収○○万円を求めたい」「○○○の資格を取得し、現場での責任を担えるので、資格保有者の平均年収○○万円を希望」など、根拠のある交渉を行うためには、事前準備として、業種・職種の給与相場、社内基準、自分の経験・実績・スキルなどの確認・整理を行うことが肝要です。
3. 適切なタイミングで交渉する
給与交渉を成功させるためには、適切な時期に交渉することが大きなポイントになります。
例えば現職の場合、人事考課や査定の時期に給与アップの話を切り出しやすく、経験・スキルが積み上がって会社への貢献度が高まっているタイミングであれば、交渉材料をより強くアピールできます。
一方、繁忙期で忙しい時期や、会社の業績が悪化している状況で給与交渉を持ちかけると、「自分のことしか考えていない」と受け取られかねないので、適切なタイミングとはいえないでしょう。
出産・育児や子どもの進学、親の介護など、家庭の事情によって給与交渉が必要になることもあるでしょう。しかしそうした場合でも、企業にとっては「会社にどれだけ貢献できるか」が重要視されるため、交渉のタイミングが適切なのかどうかを見計らう必要があります。
給与交渉は更なる成長につながるためのキッカケになる
交渉材料がそろい、相場から考えても妥当な希望額を提示したとしても、企業によっては給与交渉がうまくいかないケースがあります。
その理由が本人のスキル・経験の不足にあるのであれば、給与交渉を通して自分の現状のスキル・経験との差分に気づくことができ、今後の更なる成長につなげることができます。
あるいは、希望額を認められなかった理由が不明瞭で、現職のままでは今後も給与アップを望めないと感じたなら、転職という選択肢を検討してみると良いでしょう。
希望額に見合った条件を提示している企業に転職することで、給与交渉を行わなくても希望額を実現できる可能性があります。
妥当な金額を提示して給与交渉を成功させよう
現職・転職のいずれのケースでも、給与交渉は積極的に行って良いものです。
ただ、交渉材料やタイミングを見誤ったり、相場とかけ離れた希望額を提示したりすると、交渉がうまくいかず、場合によっては企業にマイナスのイメージを与えてしまいかねません。
給与交渉を成功させるためには、事前準備として給与相場や社内基準、自分の経験・スキルの価値を確認し、自分と企業にとって妥当な希望額を検討することが大切です。
そして、適切なタイミングで、交渉相手を尊重した姿勢で交渉に臨めば、交渉成功を引き寄せることができるでしょう。
監修者
谷所 健一郎(ヤドケン)
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例」(マイナビ出版)、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。
マイナビ転職 編集部
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