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【タイプ別&方法別】やりたい仕事が分からない時の探し方を転職のプロ5人が解説!

「今の仕事を辞めたい」「転職したい」と思っていても、「やりたい仕事が分からないから、転職活動が始められない」という人もいるのではないでしょうか?

そこで、やりたい仕事が分からない場合、どうやって探せば良いのか、5人の“転職のプロ”に聞いてみました。

タイプ別の探し方と、それぞれのプロが考える「やりたい仕事の探し方」をご紹介します。自分に合う方法を試して、やりたい仕事を見つける参考にしてくださいね!

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あなたはどのタイプ? タイプ別の「やりたい仕事」の探し方

やりたい仕事が分からない人は“3タイプ”に分かれる!?

キャリアコンサルタント 谷所健一郎氏

「やりたい仕事が分からない」と思っている人は、大きく3つのタイプに分かれると考えています。「器用貧乏タイプ」、「変身願望タイプ」、「慎重タイプ」です。

自分の強みが分からず、やりたい仕事が分からない「器用貧乏タイプ」

今の仕事の面白さを実感できていない人や、価値を見いだせずにいる人が多いタイプです。

仕事では、何でもそれなりに上手にできてしまうため、自分の長所や強みがうまく把握できていない。または、ある程度の段階までいくと満足し、仕事に飽きてしまって「もっとほかに自分に合う仕事があるはずだけど、それが何の仕事か分からない」と思っているのではないでしょうか。

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器用貧乏タイプの人がやるべきことは、「自分の強み」を伸ばすことです。今、自分ができることの中から、得意だと思うことや好きなことを「何か一つ極めてみる」という視点で仕事を探してみるのです。

なぜなら、どんな仕事もプロとして極めていかなければ、いずれ評価されなくなってしまいます。総合的にスキルを磨いていくことは良いですが、その中でも「自分の強み」を明確に持っている人のほうが人材市場では評価されます。特に、30代、40代…… と年齢を重ねていくほど、その傾向は高くなるものです。

まずは、やりたい仕事を探すために「自分の得意分野をもっと伸ばせる仕事」あるいは、「興味・関心を深めることができる仕事」にはどんなものがあるのか、と知ることからスタートを。

その際、希望する仕事の内容や待遇面など、転職することで変えたいこと、かなえたいことを書き出し、優先順位を付け、絶対に譲れない条件を決めておくと、転職活動を進めていくなかで気持ちのブレが起こりにくくなるのでおすすめです。

器用貧乏タイプにおすすめ【方法別】やりたい仕事の探し方
⇒「転職したい理由」の深堀りから、自分が本当に求めているものを見つけ出す
⇒「自分ができること」「楽しかったこと」から考えてみる

別の場所なら輝けると信じている「変身願望タイプ」

「今の仕事は向いていない、だから別の仕事だったら能力を発揮できる」と考えている人に多いタイプです。

もちろん、仕事を変えることで今よりもっと能力を発揮できることはあります。でも、その「発揮したい能力」が分からず自信が持てないでいる。あるいは「仕事を変えることへの不安」のほうが大きいから、なかなか「これが自分のやりたい仕事だ」と言い切れずにいるのではないでしょうか?

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変身願望タイプの人におすすめしたいのは、「自信のなさ」を打ち消すことです。そのために、まずは目の前の仕事に没頭してみましょう。
没頭して実績を積み、自信のなさを打ち消すのです。没頭していくなかで、その仕事の意外な面白さを発見したり、適性があったことに気づくこともあります。

また「やっぱり向いていなかった」と納得できるまでやってみるというのも、仕事を変えることへの不安を取り除くためには良いかもしれません。

自信を付けるためにやりたい仕事に必要な資格取得に励んだり、勉強を始めてみるのも良いでしょう。ただし、資格や知識があるからといって必ずしもその仕事に就けるとは限りません。転職活動のための事前準備として、仕事をしながら勉強を進めましょう。

変身願望タイプにおすすめ【方法別】やりたい仕事の探し方
⇒「職種を変えれば良い」と安易に判断せず、まずは仕事で「嫌だったこと」を書き出してみる
⇒「やりたい仕事」ではなく「自分が必要とされる仕事」を探す

失敗したくない気持ちが強すぎて、やりたい仕事が決められない「慎重タイプ」

「失敗したくない」と慎重になりすぎて、やりたい仕事を決められない人に多いタイプ。特に初めて転職を検討する人や、社会人経験の浅い20代に多いです。

初めての転職ですから身構えてしまうのは分かります。しかし、慎重タイプの人は「失敗したくない」という気持ちを抑えて、まずはチャレンジすることが大切。ダメだったら「また転職しても良い」くらいの気持ちで転職活動を始めてみましょう。

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応募したからといって必ず入社しなければいけないわけではありません。まずは転職情報サイトなどを見て、どんな仕事があるのか、仕事内容や応募資格にはどのようなことが書かれているのかを調べてみる。履歴書を書いてみたり、面接で採用担当者の話を聞いてみるなど、行動を起こしてみましょう。
転職活動をするには、自分を客観的に見つめなければなりません。その過程で自分に合う仕事ややりたかったことを発見できることも多いのです。

また、どんな会社に転職しても、必ず「良い面」と「悪い面」はあるものです。自分の要望をすべて満たす仕事はないということを知り、転職に過度な期待を持たないようにしましょう。

慎重タイプにおすすめ【方法別】やりたい仕事の探し方
⇒「自分ができること」「楽しかったこと」から考えてみる
⇒「やりたい仕事」ではなく「自分が必要とされる仕事」を探す

【方法別】5人の転職のプロに聞く「やりたい仕事」の探し方

【やりたい仕事の探し方.1】

「転職したい理由」の深堀りから、自分が本当に求めているものを見つけ出す

マイナビエージェント キャリアアドバイザー

「やりたい仕事が分からない」と悩む人は、「なぜ転職したいのか」を深堀りして考えてみてはいかがでしょうか。

「今の仕事がつまらないから」であれば、「つまらないのはなぜか」を考えます。その答えに対して、また「なぜか」という問いを繰り返し、転職したい理由の本質を探っていくのです。

もし、「つまらない」と感じている理由が、「評価されないから」なのであれば、仕事の内容を変えるのではなく、企業選びの基準を変えるべきであることも分かります。

仕事内容ではなく、給与や休日などの労働条件も含めて「転職によって何を変えたいのか、何を実現したいのか」を突き詰めて考えてみてください。

やりたい仕事が分からない時の探し方記事の写真05

そして、自分の頭の中で考えるだけではなく、人と話すことをおすすめします。「なぜか」という問いを投げかけてもらい、答えていく作業を繰り返してみるのです。

できれば複数の人で、それぞれ立場が違う人と話すと、一つの物事でも違った角度から考えるきっかけができるかもしれません。
ただし、とても身近な家族や友人からの意見は、客観的とは言えない可能性もあるので、客観的な立場で意見を言ってくれそうな人が望ましいですね。

心の中でなんとなく思っていたことも、言語化することで整理され、具体的に把握できるようになります。そうすると、自分が本当に「仕事に求めているもの」が分かり、やりたい仕事のヒントが見つかるはずです。

【やりたい仕事の探し方.2】

「自分ができること」「楽しかったこと」から考えてみる

マイナビ転職 転職MYコーチ Y.M.

自分には何が向いているのか、何を仕事にすべきか分からないという人は、「やりたい仕事に就くべきだ」という思い込みを一度捨て、まずは「今できること」を仕事にすることです。

ささいなことでも構わないので、今までやった仕事の中で、「これなら自分でもできる」と感じることや「得意分野だ」と思うことを挙げてみてください。

あるいは「これまでの仕事で楽しかったこと」、「ワクワクしたこと」など“自分の心が動いたこと”がなかったか思い返してください。それらにつながる仕事が見つかったら、積極的にチャレンジしてみましょう。

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この方法の良いところは、まったく知らないことにゼロからチャレンジするのではなく、少しでも自分が経験したことや、興味・関心があることから徐々にキャリアを広げていける点にあります。
できること・得意なことを伸ばしながら、「こんなこともできるようになりたい」「あの分野もやってみたい」など、新たにチャレンジしたいことが増えるよう意識しながら仕事をすれば、働きながら更に「やりたい仕事」を模索していくことが可能です。

より明確な希望や目標が持てるようになったら、それらをかなえるために異動のチャンスをうかがったり、更に転職してキャリアアップを目指すのも悪いことではありません。

もし、「今の自分ができること」が分からない場合は、「上司や同僚から褒められたこと」から探ったり、友人に「自分が向いていること」を聞いてみるのも良いでしょう。思ってもみなかった適性や長所に気づくことができるかもしれません。「第三者から評価された」という点でも自信が持てるはずです。

≫「仕事がつまらない」という悩みは、転職で解決できる?

【やりたい仕事の探し方.3】

「職種を変えれば良い」と安易に判断せず、まずは仕事で「嫌だったこと」を書き出してみる

マイナビ転職 転職MYコーチ H.N.

「今の仕事が嫌だ=今の職種が向いていない」とすぐに判断し、別の職種に就こうとするのは問題です。職種を変えたからといって、自分が抱えている不満が解消できるとは限らないからです。

例えば「営業が向いていなかったから、次は事務職へ」と転職した場合。
営業が向いていないと感じた理由が、「人と話すことが苦手だから」なのであれば、事務職も向いていないかもしれません。なぜなら事務職は、社内外問わず多くの人とコミュニケーションを取らなければいけない場合もあるからです。このように、単に職種を変える転職では不満が解消されないこともあります。

ですから安易に職種を変えようとするのではなく、その仕事の「何が嫌だったのか」や「向いていないと感じたポイント」を書き出すことから始めてみましょう。「自分が向いていない仕事」がどういうものか分かりやすくなります。

≫「嫌だったこと」から仕事を探してみる

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そのうえで未経験の仕事にチャレンジする場合は、仕事内容や特徴についてよく調べることが大切です。イメージだけで判断してしまうと、先に挙げた例のように、同じことが原因でミスマッチを起こしてしまうかもしれません。

ただし、どんなに調べてみても実際に働いてみるまでは本当に自分に合う仕事なのかは分からないこともあります。反対に「自分にできるか不安……」と思っていたことも、やってみると意外と自分に合うと気づくこともあります。

興味を持つ仕事があれば、まずはやってみること。たとえ再び転職することになったとしても、仕事に対する視野が広がることで、別のやりたい仕事を見つけ出せるようになるでしょう。

【やりたい仕事の探し方.4】

「会社・仕事」で探すのではなく、「身に付けたいスキル」で探す

マイナビ転職 転職MYコーチ H.E.

転職を考えている人の中には、「一生働ける会社・仕事を探さなければ」と慎重になりすぎて、なかなか踏みだせない人がいます。しかし、一生働ける会社・仕事なのかは誰にも分からないものではないでしょうか。

時と共に経済や雇用を取り巻く環境は変わるものです。たとえ自分は「一生この会社、この仕事で働くんだ!」と決意して入社しても、経営環境の変化によって、数年後にはまったく違う事業を展開する会社になっていたり、異動によって別の業務に携わっていることもありえます。もしかすると、合併や倒産により、転職せざるを得ない状況に陥ってしまうかもしれません。

そうなってしまった時に困らないよう、仕事や会社を軸に転職先を選ぶのではなく、「自分が身に付けるべきスキル、能力とは何か」という視点で考え、それらがかなう転職先を探してみるのはいかがでしょうか?

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最近では、キャリアを考えるうえで「ポータブルスキル」が重要視されています。
ポータブルスキルとは、「業種や職種、職場が変わっても持ち運びできる能力」と定義(※)されています。終身雇用が前提ではなくなった今、「社内で評価されるスキル」ではなく、「どんな仕事や会社でも通用する、普遍的なスキル」を高めることが大切なのです。
※一般社団法人 人材サービス産業協議会ホームページより

ポータブルスキルを磨けば、労働市場における自分の価値が高まります。社内での昇進・異動に頼ったキャリアアップではなく、自分自身の力でキャリアの可能性を広げることができるようになるでしょう。たとえ経済や雇用を取り巻く環境が大きく変わって、別の仕事や会社に移らざるを得なくなったとしても、転職で有利に働くのです。

ポータブルスキルには、「専門的な知識やテクニカルスキル」だけでなく、「仕事への取り組み方」や「人とのかかわり方」といったものも含まれます。自分にとって必要なポータブルスキルを見極めるには、まず今の自分の強みと弱みを把握することが大切。「伸ばしたい強み」と「克服したい弱み」に分けて考え、自らのポータブルスキルが磨ける仕事や会社、職場環境、社風を考えてみてください。

≫10年先も食べていける? どんな環境でも通じるポータブルスキルの身に付け方

【やりたい仕事の探し方.5】

「やりたい仕事」ではなく「自分が必要とされる仕事」を探す

キャリアコンサルタント 谷所健一郎氏

「誰かに必要とされる」ということは、仕事をするうえでとても大切なことです。

「自分が必要とされる」と言うと、大げさに聞こえるかもしれませんが、身近なこと、ささいなことで構わないので、自分ができることを通じて「誰かのためになるだろう、喜ばれるだろう」と思える仕事を探すのです。

大前提として、転職を成功させるには企業に選ばれなければいけません。自分ができることを通じて企業に貢献できる人、つまり企業の成長に必要とされる人、分かりやすく言えば、お客さんや一緒に働く仲間を喜ばせることができれば、あなたはきっと採用されるはずです。

また、あなた自身も人に喜ばれていると実感できれば、「もっと喜ばせたい」と、自然と仕事に打ち込むことができるようになるのではないでしょうか? 仕事への価値観も見いだせるはずです。

誰かのために何かしたい、喜ばれたいという気持ちは誰にでもあるもの。その気持ちを仕事のモチベーションにできればとても幸せなことですし、長く続けることもできるはずです。

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反対に、いくらやりたかった仕事でも誰にも喜ばれなかったり、評価されない仕事であれば、いずれ「やりたくない仕事」に変わってしまうかもしれません。

今までの仕事の中で、「自分の仕事が誰にどんな時に喜ばれていたのか」あるいは「どんな喜びを提供できた時に自分自身もうれしかったか」を振り返って、仕事を探す軸にしてみましょう。

思い浮かばない場合は、「自分ができること」をまずは仕事にし、働きながら「誰にどう喜ばれているのか」「どうすればもっと喜ばれるのか」と考えながら取り組むのも良いでしょう。働きはじめは気が付かなかったとしても、やっているうちに実感が芽生えてくることも多々あります。

そもそも、どんな仕事も必ず誰かから「必要とされる仕事」であり、「喜ばれる仕事」です。それは、お客さんから直接言われる「ありがとう」の言葉や、社内で褒められる・評価されることに限りません。携わっている商品やサービスがエンドユーザーに支持されることや、その仕事のお陰で誰かが快適な毎日を送ることができている、といったことも当てはまります。

そう考えてみると、今の仕事もきっと、あなたが必要とされているはずです。普段、何気なく仕事をしていると気づきにくいかもしれませんが、そういった視点で仕事をとらえてみましょう。新たな発見がきっとあるはずです。

そのうえで、もう少し今の会社で頑張ってみようと思えるのであればそれも良いのではないでしょうか? 自分ができることや、目の前にある仕事をまずはやってみる。それが「誰かのために役立ちたい、喜ばれたい」という気持ちに結びついた時、あなたの「やりたい仕事」になるのです。

さまざまな視点から、やりたい仕事を探してみよう

いかがでしたか? 自分に合う仕事の探し方はさまざまありますが、いずれの方法も自分を見つめなおすことが必要です。まずは自分に合うと思う方法でトライしてみたり、いくつか試してみると良いでしょう。転職に不安はつきものですが、だからこそ焦らずに取り組んで、本当にやりたいと思える仕事を見つけてくださいね!

取材協力

谷所健一郎(やどころけんいちろう)

有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾 、キャリアドメインマリッジを経営。主な著書「はじめての転職ガイド 必ず成功する転職」(マイナビ出版)、「転職者のための職務経歴書・履歴書・添え状の書き方」(マイナビ出版)、「転職者のための面接回答例(マイナビ出版)」、「転職者のための自己分析」(マイナビ出版) ほか多数。

マイナビエージェント ゼネラル領域 キャリアアドバイザー

「マイナビエージェント」は、就職情報サイト「マイナビ」や転職情報サイト「マイナビ転職」などを運営するマイナビグループの人材紹介サービスです。大手・有名企業から、中小企業まで幅広い求人案件をご紹介しています。

マイナビ転職 転職MYコーチ

CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)を有する、「マイナビ転職」専任のアドバイザーのチームです。自己PR、志望動機などWEB履歴書に記載された内容のアドバイスを行う会員限定「履歴書添削」サービスも行っています。あなたの魅力や強みを採用担当者の視点でチェックします。

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