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みなし残業とは? 転職前に知っておきたい「みなし残業代」や「みなし労働時間制」について

みなし残業の説明記事のイメージ画像

転職活動をしていると、求人情報などで「みなし残業」という言葉を見かけることがあります。みなし残業は、給与や勤務時間にかかわるため、正しく理解しておくことが大切です。

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「みなし残業」は大きく分けて2つあるって知っていましたか?

一般的に、みなし残業と呼ばれるものは「固定残業代に基づくみなし残業」と「みなし労働時間制に基づくみなし残業」の2つに分けられます。

労働基準法では、「労働時間に応じた賃金を支払う」ことが定められており、残業が発生したら基本給とは別に「残業した時間分の割増賃金」が支払われます。

みなし残業の場合は、残業の有無にかかわらず、就業規則などで定められた残業代が時間分支払われます。

固定残業代に基づくみなし残業とは

会社の就業規則などであらかじめ決められた時間分の残業代を、固定給や年俸に含む、あるいは一律手当として支給する賃金の支払い方を指します。

これは会社が一定時間の残業を想定し、一定時間分の残業代をあらかじめ含ませておくということです。企業によって、「固定残業代」「定額残業代」「見込み残業代」など呼び方が異なることがあります。

固定残業代に基づくみなし残業のメリットは?

労働者側のメリットは、たとえ残業をしていなくても残業代は支払われることです。毎月得られる収入も安定します。労働時間の長さではなく、効率よく仕事を行い成果を上げることで収入が増えるという考え方もできるでしょう。

「どれだけ残業しても残業代が一定」ではない

ただし、このみなし残業代は「どれだけ残業しても一定額しか支払われない」というものではありません。みなし残業としてあらかじめ決められた時間を超えて労働した分の残業代は追加で全額支給される必要があります。

例えば、みなし残業時間が「月20時間」と定められていて、実際の残業時間が30時間だった場合には、別途10時間分の残業代が追加で支払われるということです。

入社前にトラブルを避けるためのチェックポイント

例えば、

  • みなし残業を超えた時間分の残業代が追加で支払われない
  • 基本給の一部をみなし残業代に置き換えられていたため、毎月の給料からみなし残業分の賃金を引いてみると、基本給が最低賃金を下回っていた

といったケース。このようなトラブルを避けるためには、求人情報の給与欄や、入社前に交わす雇用契約書などの書類に以下3点の記載があるか確認することが大切です。

(1)みなし残業に当たる労働時間
(2)みなし残業代の金額
(3)みなし残業時間を超える労働をした場合、残業代を別途全額支給すること

【求人情報の給与欄の記載例】

  • 例1

月給25万円以上
※みなし残業代3万8,000円(20時間相当)を含む。残業が20時間を超える場合は、超過分を別途全額支給

  • 例2

基本給20万円+固定残業手当3万8,000円(20時間分)
※残業が20時間を超える場合は、超過分を別途全額支給

このように、固定残業代に基づくみなし残業を取り入れている場合は、みなし残業の「労働時間」、「金額」、そして「超過残業分は別途全額支給すること」の3点を確認しましょう。

平成27年10月 1日に施行された「青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)」では、固定残業代としてみなし残業を適用する事業主は、この3点を求人・募集の段階で明示することが義務化されています。

みなし労働時間制に基づくみなし残業とは

「みなし労働時間制」とは、実労働時間の算出が難しい業務や、労働時間によって賃金を決めることが難しい業務に適用できる労働時間制度です。

みなし労働時間制を適用する際、企業はみなし労働時間を労使協定で合意する必要があります。その労働時間が、法定労働時間の8時間以内であれば、みなし残業は発生しません。

しかし、みなし労働時間を8時間ではなく10時間とした場合、法定労働時間を超えた2時間がみなし残業となります。

1日の労働時間を10時間とみなした場合

みなし労動労時間制のイメージ

この場合、支払われるのは法定労働時間の8時間+みなし残業2時間分の賃金です。

実際は6時間しか働いていなくても、反対に12時間働いたとしても、みなし労働時間の10時間働いたとみなされ、支払われる額が変動することもありません。

実際の労働時間にかかわらず、業務を行うために必要である時間分を働いたものとみなして賃金が支払われるため原則「定時」もありません。

みなし労働時間制は適用できる仕事(業務や職種)が決まっている!

みなし労働時間制にも、大きく分けて2つあります。「事業場外労働のみなし労働時間制」「裁量労働制」です。いずれも適用条件や適用職種が法律によって定められているため、どんな仕事にも適用できるわけではありません。

(1)事業場外労働のみなし労働時間制とは

外回りや出張で直行直帰が多い営業職など、決められた職場の外での仕事が多く、実労働時間の算出が難しい業務で適用することができる制度。

(2)裁量労働制とは

専門業務や企画業務など、業務の性質上、労働時間で賃金を決めることできない業務や、労働時間をあらかじめ決めておくことが難しい業務において適用することができる制度。

「専門業務型」裁量労働制が適応できる職業

デザイナーやコピーライター、研究開発職、エンジニア、弁護士、コンサルタントなどが当てはまります。

創作や研究、分析や技術などを行う専門分野の職業であり、「労働した時間=成果」と直結しない業務であるため、実労働時間にかかわらず、労使協定で定めた時間分は労働したものとみなし、賃金が支払われます。

「企画業務型」裁量労働制が適用できる職業

経営企画など、事業運営にかかわる企画、立案、調査、分析などを行う職業が当てはまります。こちらもあらかじめ労働時間を決めて働くことが難しく、「労働した時間=成果」につながりにくいと考えられているためです。

「事業場外労働のみなし労働時間制」「裁量労働制」共に、仕事の仕方や業務の時間配分は、労働者の裁量にゆだねられています。

みなし労働時間制に基づくみなし残業のメリットは?

みなし労働時間制では、一日の労働時間だけでなく、始業時間や退勤時間についても労働者本人にゆだねられているため、時間に縛られることなく、自由度高く働くことが可能です。働く時間だけでなく、仕事の進め方も自分で決めて成果を求めていく働き方のため、モチベーションアップにつながるとも言われています。

みなし労働時間制でトラブルを避けるためのチェックポイント

みなし労働時間制でのトラブルを避けるためのチェックポイントを知っておきましょう。

  • 「みなし労働時間制の適用業務でない職種」なのに適用されている

先に説明したように「事業場外労働のみなし労働時間制」も「裁量労働制」も、それぞれ法律で定められている仕事(業務・職種)において適用ができる制度です。

  • みなし労働時間制なのに「始業時間・終業時間が定められている」

みなし労働時間制の場合、始業時間や終業時間も本人にゆだねられているため、いわゆる「定時」は原則ありません。求人情報では以下のように記載されていることがあります。

【求人情報の勤務時間欄の記載例】

  • 例1/事業場外労働のみなし労働時間制(1日9時間)
  • 例2/1日9時間(みなし労働時間制)
  • 例3/裁量労働制(1日8時間) ※勤務時間の目安/9:00~18:00(休憩1時間)

目安や参考として、勤務時間帯が記載されていることはありますが、みなし労働時間制では始業時間や終業時間を指定することはできません。

また、「事業場外労働のみなし労働時間制のはずなのに、外回り後は事業所に必ず戻らなければいけない」というケースも「仕事の仕方や時間配分を労働者の裁量にゆだねる」という制度と矛盾しています。

  • 休日出勤・深夜残業時の割増賃金が支払われない

みなし労働時間制における残業であっても、休日出勤や深夜残業については割増賃金が別途支払われなければなりません。

就業規則や雇用契約書に明記されていない場合は、人事担当者に問い合わせてみましょう。

固定残業代を超過した残業代は、さかのぼって請求できる?

支払われていない分の残業代は、2年前までさかのぼって請求が可能です。

「当社はみなし残業代を支払っています。だから、残業が多い月も一定額の残業代で我慢してください。その代わり、残業がほとんどない月でも同額を払います」

これはみなし残業の説明として正しくありません。

固定残業代に基づくみなし残業では、みなし残業時間を超えていた分の残業代は全額支払われなければなりません。また、残業代は1カ月ごとの清算になるため、「前月残業が少なかったから、今月はその分も残業する」というのは成り立ちません。

未払いの残業代を請求するための準備

支払われなかった残業代を請求するには、みなし残業を超える残業があったことを証明する必要があります。

企業がスムーズに支払いに応じてくれるとは限りませんが、「自分が法的に正しい」と証明できれば残業代を請求できる可能性は高くなります。

▼まず、残業した証拠をそろえましょう

タイムカードや勤務時間表のコピーなど、勤務時間を証明できるものが必要です。

タイムカードや勤務時間表を使っていない場合、パソコンのログや、ICカード型交通定期券の改札通過履歴などでも、労働時間の証拠として使用することができます。また、出社時間と退社時間を手帳などにメモして残しておくのも有効です。

そして、就業規則や雇用契約書、給与明細を用意し、矛盾点を挙げておきましょう。

▼請求できる残業代の計算をしましょう

残業代は「1時間当たりの賃金×残業時間数×割増率」で計算できます。
以下はみなし残業代しか支払われていなかった場合の計算になります。

例えば時給1,500円で働いていて、実際に行った残業が月30時間、みなし残業時間が月20時間であれば、みなし残業時間を超えた10時間分の残業代が請求可能です。

1,500円×10時間(みなし残業時間を超えた残業時間)×1.25%(時間外労働の割増率)=18,750円

となり、18,750円をみなし残業代とは別に請求できます。

また、休日出勤や深夜残業(午後10時~翌朝5時までの時間帯に行った残業)が5時間あった場合も

1,500円×5時間(深夜残業した時間)×1.25%(深夜労働の割増率)=9,375円

となり、9,375円の残業代を請求できます。

雇用契約書や就業規則を確認し、不安を解消してから入社を!

みなし残業には、「固定残業代に基づくみなし残業」と「みなし労働時間制に基づくみなし残業」があり、前者は賃金の支払い方、後者は労働時間制度に基づくものです。いずれも残業時間の有無にかかわらず、あらかじめ決められた時間分の残業代が支払われます。

みなし残業は労働者と企業双方にメリットがあるため生まれた仕組みです。

みなし残業について正しく理解しておくことで、求人情報や雇用契約書で疑問や不明点があった時点で企業に確認することができます。不安なく、新しい職場で働き始められるようにしましょう!

マイナビ転職 編集部

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