宛名の書き方や敬称の使い分けとは? 御中・様・行・宛・各位・殿・先生など
更新日:2025年02月20日

記事まとめ(要約)
- 「様」は個人への敬称、「御中」は企業などの組織や団体宛に送る際に使う敬称
- 「御中」と「様」は併用しない
- 宛名に企業名が入っていても、個人宛の場合は「御中」は使わない
- 「◯◯ 行」と書いてあった場合、「行」を消して「御中」または「様」を隣に記載し直す
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ビジネスシーンでよく使う宛名の敬称と使い方
ビジネスシーンでメールや手紙を送る際に使う宛名の敬称には、さまざまな種類があります。それぞれの違いや正しい使い方を見ていきましょう。
「御中」の使い方
「様」が個人への敬称なのに対し、「御中」は企業や部署、学校、官庁などの組織や団体宛に送る際に使う敬称です。
「御中」の使い方例

- (正)株式会社◯◯ 御中
- (正)株式会社◯◯ 営業部 御中
- (誤)株式会社◯◯ 営業部 様
「御中」と「様」は併用しません。組織や団体の場合は「御中」を使います
【組織や団体と個人名両方の場合】

- (正)株式会社◯◯ 鈴木太郎 様
- (誤)株式会社◯◯ 鈴木太郎 御中
- (誤)株式会社◯◯ 御中 鈴木太郎 様
- (誤)株式会社◯◯ 鈴木太郎 様 御中
宛名に企業名が入っていても個人宛の場合は「御中」は使いません
【担当者の個人名が分からない場合】
- (正)株式会社◯◯ 広報部 ご担当者様
- (誤)株式会社◯◯ 広報部 ご担当者様 御中
「ご担当者様」と送る場合も「御中」は付けません
「様」の使い方
プライベートで手紙を送る場合はもちろん、ビジネスシーンでも頻繁に使われる宛名の敬称の一つが「様」。「様」は、個人を宛先として送る場合に使用します。相手が目上、目下にかかわらず、個人であればどんな人に対しても使うことができます。
ビジネスシーンの宛名で「様」を使う場合には、漢字で「様」と表記するのが一般的。「さま」や「サマ」などひらがなやカタカナの表記でも問題はありませんが、少し砕けた印象になるため、友人や親しい間柄でのやりとりを除いては避けたほうが無難でしょう。
「様」の使い方例

- (正)株式会社◯◯ 鈴木太郎 様
- (誤)株式会社◯◯ 様
企業名や学校名など、個人が宛先でない場合に「様」は使いません
【役職名が付く場合】
- (正)株式会社◯◯ 営業部長 鈴木太郎 様
- (誤)株式会社◯◯ 鈴木太郎営業部長 様
部長や課長など役職名は、個人名の前に付けます。役職名+個人名+様の順に書きましょう。
【連名の場合】
- (正)株式会社◯◯ 鈴木太郎 様 佐藤一郎 様
- (誤)株式会社◯◯ 鈴木太郎 佐藤一郎 様
それぞれの名前の後に「様」を付けます
「行」の使い方
「行」は返信用の宛先として自分に使う敬称の一つです。郵便物を送った相手から何らかの返信が欲しい場合や、書類送付を依頼する場合、同封する返信用封筒やハガキの宛先として企業や部署などの団体名と「行」を記載します。それによって、返信する相手が送り先を書く手間が省けます。
反対に、自分に送られてきた郵便物に返信用封筒やハガキが入っていて「◯◯ 行」と書いてあった場合には、「行」を消して、企業など団体の場合は「御中」、個人の場合は「様」を隣に記載し直すのがマナーです。
「行」を消す際、縦書きの場合は縦の二重線、横書きの場合は横の二重線で消します。
ただし、二重線が見えづらそうな時には斜めの二重線で消しても問題ありません。二重線で「行」を消したら、縦書きの場合は下か左側に、横書きの場合は右側に、「御中」もしくは「様」と記入します。
また、返信用封筒の宛先に企業名や団体名に加えて個人名の印鑑が押してある場合があります。その際は、印鑑の名前はそのままにして「様」を付け加えて送るのが良いでしょう。一般的に印鑑を二重線で消すのは失礼にあたるといわれていますので、印鑑を消して新たに名前を書き直す必要はありません。
「行」の使い方例
【自分から相手に送付する場合】

- (正)株式会社◯◯ 営業部 行
- (誤)株式会社◯◯ 営業部 御中
- (誤)株式会社◯◯ 営業部 田中花子 御中
「御中」は、自分の所属企業や自分の名前には用いません
【相手から送られてきた郵便物を自分が返送する場合】

- (正)株式会社◯◯ 営業部 御中
- (誤)株式会社◯◯ 営業部 行
「行」を消し、「御中」を書き加えます
「宛」の使い方
「行」は組織に対する敬称であるのに対し、「宛」は個人に使用されます。ただし、厳密なルールではなく、返信用封筒やハガキに記載する場合は、どちらを使用しても問題ないとされています。
自分から相手に返信用封筒やハガキを送る際に「宛」を使う場合は、自分の名前に続けて「宛」を記入します。
相手から受け取った郵便物に、「宛」と記載されている返信用封筒やハガキが同封されている場合は、「宛」を消して「様」と記載したうえで、要望を受けた書類等を同封し返送しましょう。
「宛」の消し方は、前項の「行」と同様で、縦書きは縦に、横書きは横に二重線を書き加える形です。
その後、縦書きは下か左側に、横書きは右側に「様」を記入します。なお、二重線が見にくくなるようであれば、斜めに記入しても問題ありません。
「宛」の使い方例
【自分から相手に送付する場合】

- (正)株式会社◯◯ 営業部 田中花子 宛
- (誤)株式会社◯◯ 営業部 田中花子 御中
- (誤)株式会社◯◯ 営業部 宛
「宛」は個人名に用いられます。「御中」や部署名+「宛」は使用しません
【相手から送られてきた郵便物を自分が返送する場合】

- (正)株式会社◯◯ 営業部 佐藤一郎
宛様 - (誤)株式会社◯◯ 営業部 佐藤一郎 宛 様
「宛」を消し、「様」を書き加えます。
「各位」の使い方
「各位」は複数の人に対して敬意を表す場合に使う敬称で、「皆さま」や「皆さま方」という意味があります。相手が目上の人でも目下の人でも使えます。
「各位」の使い方例

- (正)◯◯の会 関係者各位
- (誤)◯◯の会 関係者各位の皆様
「各位」と「皆様」は意味が重複するため、どちらか一方しか使いません
- (正)取引先各位
- (誤)取引先各位 様
「各位」には「様」という意味が含まれるため併用はできません
- (正)お客様各位
- (正)お得意様各位
- (誤)お客各位
「お客様」や「お得意様」などの場合のみ、「様」と「各位」の併用ができます
- (正)株主各位
- (誤)株主様各位
- (正)株式会社◯◯ ご担当者各位
- (誤)株式会社◯◯ ご担当者様各位
「株主様」や「ご担当者様」の場合は、「様」を取って「各位」を付けます
「殿」の使い方
「殿」は、一般的に目上の人から目下の人に対して、名前や役職の後に付けて使う敬称で、相手が男性でも女性でも関係なく使用できますが、取引先、お客さまなどに使うと失礼にあたるため注意が必要です。
現在は堅苦しいイメージに捉えられてしまうこともあり、ビジネスシーンで使われる頻度は少なくなっているようです。もし「殿」を使う理由がなければ、「様」で代替するのが良いでしょう。
「殿」の使い方例

- (正)営業部 鈴木太郎 殿
- (誤)営業部 殿
組織名や団体名に「殿」は使用しません
「先生」の使い方
医師や弁護士、政治家、教師、教授、講師、カウンセラーなど、専門知識を有し、人を指導したり技術力を提供したりする職業の相手には、「先生」という敬称が使われます。「様」のほうが良いのでは? と悩むかもしれませんが、マナー上は「先生」を使用して問題ありません。相手との関係性によって選択するようにしましょう。
ただし、二重敬称にならないよう注意が必要です。二重敬称とは、「○○先生様」のように、敬称を2種類記載している状態を指します。敬称を重ねれば丁寧になるわけではないので、「先生」を使用するならほかの敬称は不要です。
「先生」の使い方例

- (正)○○大学 ○○研究室 加藤一郎 先生
- (誤)○○大学 ○○研究室 加藤一郎 先生様
「先生」と記載する場合、「様」は必要ありません
敬称の併用はNG
これまで紹介した敬称を使うにあたって、すべてに共通するルールは敬称の併用は原則してはいけないということです。
例えばよくある間違いは、郵便の宛先などで「株式会社◯◯ 御中 ご担当者様」など、「御中」と「様」を併用してしまうパターンです。
企業名と個人名どちらにも敬称を付けたほうが丁寧だと感じるかもしれませんが、それをすると「ビジネスマナーがなっていない人」と思われてしまうでしょう。組織や団体宛の場合は「御中」のみを記載します。個人宛の場合は「様」のみを記載し、敬称を適切に使い分けましょう。
ただし、先に紹介した「各位」を使うケースなどで、お客様やお得意様といった「様」を取ってしまうと不自然になる宛名の場合に限り、「お客様各位」などと敬称の併用ができます。
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メールやコミュニケーションツールの宛名も手紙と一緒でいいの?
メールやチャットなどのコミュニケーションツールを用いた連絡の場合も、宛名の書き方は手紙と基本的に同じです。個人向けには「様」を、会社・部署向けには「御中」を使用しましょう。
その際、手紙のように名前部分の文字を大きくする必要はないので、本文と同じ文字サイズの入力で問題ありません。
企画書や資料で「御中」は使うべき?
クライアントに提出する企画書や資料を作成する機会もあるでしょう。その際は、相手が法人であれば企画書や資料内でも「御中」を使用するのが一般的なマナーです。
対面で資料を配布する場合はもちろんのこと、メールやコミュニケーションツールからデータを送付する際にも、宛名の記載にはしっかり配慮しましょう。
転職活動・就職活動でよく使う敬称は「御中」と「様」
ビジネスシーンで使われる敬称をご紹介してきましたが、転職活動・就職活動でよく使う敬称は「御中」や「様」です。 例えば、履歴書を郵送する場合や、面接の日程調整を行うために企業の採用担当者とメールで連絡を取る場合など、ほとんどの場合「御中」か「様」を宛名の敬称に使うことになります。
転職活動・就職活動でよく使う敬称としては以下のものが挙げられます。
敬称の例
転職活動・就職活動の多くのケースでは、以下の敬称に応募先企業・担当者名を当てはめることで対応できるでしょう。
- 株式会社◯◯ 御中
- 株式会社◯◯ 人事部 御中
- 株式会社◯◯ 人事部 採用ご担当者様
- 株式会社◯◯ 人事部 鈴木太郎 様
- 採用ご担当者様
- 鈴木太郎 様
転職活動・就職活動においては、郵送かメールかに関わらず、企業や人事部などの部署宛に送る場合は「御中」、採用担当者個人宛に送る場合は「様」を使うのが基本です。
ただし、採用担当者宛に送りたいものの個人名が分からない場合は、「採用ご担当者様」としても問題ありません。
なお、すでにやりとりや面識のある担当者への郵送、メールに関しては、担当者名を明記するのがマナーです。すでにコミュニケーションがあるにもかかわらず「御中」で送付することを失礼だと捉える人もいるので注意しましょう。
宛名や敬称を間違えてしまったら? 【おわびメール例文あり】
履歴書やメールを送る際、宛先・宛名や敬称を間違えてしまったらどうするのが良いのでしょうか。
提出前に履歴書の封筒に書く宛名や敬称を間違えたことに気づいた場合は、修正液や取り消し線で直すのではなく、新しい封筒に最初から書き直しましょう。また、郵送物の発送後に間違いに気づいた場合は、ミスが発覚した時点で速やかに先方へ連絡し、おわびを伝えます。
メールを送った後に宛名や敬称を間違えたことに気づいた場合は、追っておわびメールを送ります。担当者の名前に敬称を付けるのを忘れてしまった場合や名前の漢字を間違えてしまった場合も同様です。間違えてしまった旨を伝え、謝罪します。おわびメールは、以下の内容を参考に作成しましょう。
メール例文
株式会社◯◯人事部 鈴木花子 様
お世話になっております。(名字 名前)と申します。
先程のメールにて、宛名を間違えてお送りしてしまいました。
大変申し訳ございません。
今後はこのような不手際がないよう、重々注意いたします。
メールにて恐れ入りますが、おわびを申し上げます。
====
署名
====
おわびメールのポイント
「急いでお送りしたため」などの言い訳はせず、素直に陳謝しましょう。また、「敬称を付け『忘れた』」という表現はあまり印象が良くないため、使わないほうがベターです。
郵送物で宛名を誤った場合は、電話連絡が最も丁寧で、こちらの誠意を伝えやすい方法です。ただし、郵送物自体に誤りがない場合は緊急性が高くないと判断できることから、メール連絡でも大きな支障はないでしょう。不安な場合は、身近の先輩や上司に相談してみるのもおすすめです。
郵便物もメールも、一度送ってしまうと取り消しができません。送る前に相手の名前や敬称の間違い、本文含め誤字脱字がないかなど、しっかり確認することが大切です。
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まとめ
正しい宛名の書き方や敬称の使い方を理解していると、ビジネスシーンや転職・就職活動において相手に不快感を与えず、スムーズなコミュニケーションができます。
今まで宛名の書き方や敬称について触れる機会が少なかった人は、個人宛の場合は「様」を、企業や団体宛の場合は「御中」を使用するのが一般的であることから覚えましょう。
社会人として働くということは、一つひとつのマナーや心配りがあなた個人のみならず会社全体の評価にも影響するということです。ぜひこの機会に宛名や敬称について理解を深めておきましょう。
マイナビ転職 編集部
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